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世界的に注目される考え方「たばこハーム・リダクション」 「リスク下げられるなら目を向けても」

世界的に注目される考え方「たばこハーム・リダクション」 「リスク下げられるなら目を向けても」

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181127/soc1811270014-n1.html

2018.11.27

★加熱式たばこでリスク低減(2)

 これまで“禁煙絶対主義”で来た日本の医学界に最近、「たばこのハーム・リダクション(被害の低減)」を提唱する声が上がり始めている。

 「禁煙できない人がいるなら、健康影響の少ない“代用品”を使ってリスクを低減すればいい」という考え方だ。その“代用品”として注目されるのが加熱式たばこだという。

 「たばこの有害性は認めるところですが、加熱式たばこは紙巻たばこに比べて有害物質が大幅に低減されると、メーカー各社が自社データではあるけれど発表しています。もちろん10の有害物質が1になったからいいというわけではありませんが、少なくともリスクを10分の1下げられるのなら、加熱式たばこに目を向けてもいいのではないかと思っています」

 そう話すのは、たばこハーム・リダクションに取り組むAOI国際病院(川崎市川崎区)副院長兼健康管理センター長の熊丸裕也氏だ。

 「イギリスの医学界などは最近になり電子たばこを推奨するようになりました。そのきっかけになったのが、スウェーデンで100年以上前から用いられている、『スヌース』という歯茎にはさんでニコチンを摂取するたばこ。長い歴史から見て、これを習慣にしている人の発がん率が非常に低いことが注目されるようになったからです」

 ちなみに、「スヌース」は口に含んでいると唾液がたまり、ときどきそれを吐き出さなければならないので女性の利用者は極端に少ない。そのためスウェーデンで発がん率が低いのは主に男性で、女性は世界平均なのだそうだ。そうした事実も、ハーム・リダクション効果の信憑(しんぴょう)性の裏づけになっているといえる。

 「たばこのハーム・リダクションに対し、日本の医学界はまだ慎重な態度をとっていますが、これについて勉強してみよう、加熱式たばこに目を向けてみようというドクターは徐々に増えています」と熊丸氏。「目指せスモークフリー・ワールドという動きも活発になっていますが、煙の出ない加熱式たばこは、その前段階的な解決策になるものだということにも注目していきたいと思います」

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