たばこハームリダクション 対策遅れる日本「加熱式たばこの活用を」
たばこハームリダクション 対策遅れる日本「加熱式たばこの活用を」
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181212/soc1812120020-n1.html
2018.12.12
★たばこ規制セミナー(2)
スウェーデン大使館(東京都港区)で11月27日、たばこ規制に関するセミナーが行われ、スウェーデンとイギリスの、「たばこハームリダクション」(健康影響が少ない代用品を用いて喫煙被害のリスクを低減する取り組み)の事例が紹介された。たばこハームリダクションの先進国である両国に比べ日本は大きく出遅れている。
AOI国際病院(川崎市)副院長兼健康管理センター長の熊丸裕也氏が登壇し、日本では1年後に禁煙を続けているという禁煙治療の成功者が3割程度という現状に言及。「それはニコチンの依存性によるものですが、禁煙がどうしても無理なら、ニコチンが摂取でき、有害物質の含有が紙巻きたばこより低いとされる加熱式たばこを代用品に用いるという選択肢があってもいいのでは?」と、たばこハームリダクションの必要性を説いた。
最近は日本の医師の間にも、こうした考え方に理解が広がっている。しかし、ニコチン依存症を病気ととらえ、“禁煙絶対主義”を譲らない意見も多い。同セミナーの参加者からもさまざまな意見が出された。
反対派の意見としては、「たばこハームリダクションにより、国民の喫煙率の低下に歯止めがかかってしまうのでは」「これまで力を注いできたたばこ対策や禁煙推進の取り組みが、加熱式たばこの登場で難しくなった」などの声が上がった。一方、理解を示す参加者からは、「インフォームドチョイスをきちんとできる国にしていかないといけない。そのためにはきちんとしたエビデンスを示していくことが大事」などの意見が出た。
これらに対し熊丸氏は、「私も加熱式たばこが全て解決してくれるとは思わず、原則は禁煙。それが出来ないのなら加熱式たばこや、より有害性が低いとされる電子タバコを早く承認してもらいたい、という思いもある。しかし今すぐにでも手をつけなければならないのは、ニコチン依存の人とその周辺にいる人たちの健康を守ること。そのためにできることから始めようというのが、ハームリダクションの意義・役割だ」と訴えた。
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