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加熱式たばこが研究対象に!? 金沢大学・米田幸雄名誉教授に聞く

加熱式たばこが研究対象に!? 金沢大学・米田幸雄名誉教授に聞く

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181204/soc1812040013-n1.html

2018.12.4

★脳の活性化(2)

 「脳内の神経細胞の急激な減少によって起きるアルツハイマー病やパーキンソン病の改善には、神経細胞を作り出す『神経幹細胞』の活性化が鍵になる」

 金沢大学の米田幸雄名誉教授(予防薬理学)がそうした発想で始めた神経幹細胞の研究は、「ニコチンに活性化効果がある」という1つの結論を導き出した。

 「ニコチン摂取により、神経幹細胞が神経細胞に変わるスピードが上昇することがわかったのです。統計学的な知見でも、喫煙者には認知症患者が少ないというデータがあります。これにはニコチンが関与する可能性があると私は思っています」と米田氏。「米国ワシントン大学で16年間にわたって行われた大規模調査で、コショウを習慣的に摂取している人にパーキンソン病患者が少ないという結果も報告されています。コショウはたばこと同じナス科の植物。ニコチンも豊富です」

 「喫煙者がたばこを吸う理由として、よく『気持ちが安らぐ』『リラックスできる』という言い方をするが、それはニコチンの依存性が要因と考えられます。ただ、その他にも神経幹細胞に働きかけるニコチンの効果が関与するかもしれない」と米田氏は見る。

 こうした研究成果や知見を数年前に米田氏は公表したが、学会やマスコミは「ニコチン効果」に肯定的ではなかったという。海外の医学誌に投稿した論文もすぐに突き返された。「ニコチン=たばこ=健康被害」という固定概念にとらわれないで、客観的にニコチンの薬理作用を見直す必要性があるかもしれない。古来より「毒を以て毒を制す」は色んな場面で応用される対処法だ。食材成分による疾患予防を目指す「一般社団法人予防薬理学研究所」も11月に設立された。

 「もちろん喫煙が健康に悪い影響を与えることは間違いありません。しかしニコチンだけを見ると、禁煙用のニコチンパッチなどの使用例もある。そうしたノウハウは大いに生かすべきだと私は思っています」

 そういう米田氏が注目するのが、最近利用者の急増している加熱式たばこだ。

 「まだまだ研究の余地はあると思いますが、メーカーの調べなどで加熱式たばこは体内に取り込まれる健康懸念物質の曝露量が、紙巻きたばこに比べて大幅に減少するという報告もあります。もしそうした物質を排除しニコチンだけを適度に摂取できるなら、と考えると、ちょっとおもしろい研究対象になると思います」

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