スウェーデン、イギリスで進む「たばこハームリダクション」 喫煙被害のリスク低減目指す
スウェーデン、イギリスで進む「たばこハームリダクション」 喫煙被害のリスク低減目指す
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181211/soc1812110018-n1.html
2018.12.11
★たばこ規制セミナー(1)
スウェーデン大使館(東京都港区)で11月27日、たばこ規制に関するセミナーが催された。
スウェーデン、イギリス、日本の3カ国のたばこ規制の現状や、たばこに代わるニコチン製品の立ち位置の紹介、健康影響が少ない“代用品”を用いて喫煙被害のリスクを低減しようという「たばこハームリダクション」の取り組みなどが協議された。
スウェーデンの現状については、ニコチン依存の研究と禁煙治療の世界的権威であるカール・ファーガーストロム博士が講演。スウェーデンは世界的にも紙巻きたばこの喫煙率が低いことで知られているが(成人の約7%、EU諸国の平均は26%)、その理由に嗅ぎたばこ「スヌース」の普及を挙げた。
100年以上前から同国で用いられているスヌースは歯茎にはさんでニコチンを摂取するものである。現在、同国内の普及率はスヌース15%、紙巻きたばこ6%、電子たばこ1%。スヌースの利用者の多くは男性で、女性は紙巻きたばこ派が多い。
WHOの調べでは、スウェーデン人のがんや心筋梗塞による死亡者は、男性はEU諸国の平均の半数程度、女性は約1・5倍という結果が出ている。ファーガーストロム博士はこれを「スヌースによるたばこハームリダクション効果」とした。
イギリスの現状については、健康心理学の権威であるロンドン大学のマーティン・ジャービス教授が講演。
たばこと健康問題におけるイギリス政府の顧問グループ代表を務める教授は、2015年に国が電子たばこの利用を承認した理由として、「健康被害のリスクを最低限に抑えるために革新的な技術を受け入れるのも1つの選択で、そのたばこ代替案を最大化していこうという考え方によるもの」と説明した。
社会的影響力の大きい医学団体ロイヤルカレッジ・オブ・フィジシャンも、「長期的な健康リスクにおいて電子たばこは紙巻きたばこの5%程度」と発表しており、博士も電子たばこによるハームリダクションが今後さらに重要になるとみている。
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