「加熱式たばこならOK」の飲食店が増えている。その評判は?
「加熱式たばこならOK」の飲食店が増えている。その評判は?
2018年12月27日
たばこを巡る規制は年々厳しくなるばかりだ。特に2020年のオリンピックを控えた東京都では、今年6月「東京都受動喫煙防止条例」を制定。子どもや受動喫煙を防ぎにくい立場の従業員を守るため、喫煙場所が今までより細かなルールで規制される。具体的には、学校・医療機関など公の施設、さらに従業員のいる事務所や飲食店も「全面的に屋内禁煙」とするものだ。段階的に条例を適用し、2020年4月1日までに完全に条例を施行させるという。
しかし、近年普及している「加熱式たばこ」については、この限りではない。加熱式たばこ専用室を設けた場合は、加熱式たばこのみ飲食中でも吸うことが認められている。
空気汚染はほぼゼロ
加熱式たばこには、受動喫煙の危険がないのか。日本タバコ産業(JT)が同社の製品(プルーム・テック)を含めた加熱式たばこと紙巻きたばこの空気汚染の実態を調査したところ、「プルーム・テック」ではほぼ空気汚染が認められず、「アイコス」では若干の数値の上昇があった程度であったことは、こちらの記事でもお伝えしたとおり。
このようなエビデンスを受けて、「加熱式たばこならOK」としている飲食店が増えている。ただ、紙巻きたばこであっても、加熱式たばこであっても、一様に「たばこ」という言葉に過剰反応する人がいるのは事実だ。そこで「加熱式たばこOK」とするお店に、喫煙者と非喫煙者の共存の現状を聞いてみた。
ウィスキーと一服。何にも代えがたいひととき
「うちは約7坪と狭い店なので、オープン当初から店内禁煙を徹底していました。でも加熱式たばこは、煙も出ないので料理やお酒の香りは損なわれないんです。だからお客さんからクレームは特に出ていませんね」
このように語るのは、港区芝でカレーとスタンドバー「ソワカ」を経営している小島悠勢さん。独自にスパイスをブレンドしたカレーをつまみに、ワンショット300円という格安料金でウィスキーを楽しめるとあって男性に人気だ。
紙巻きたばこは、店外に喫煙所を設けてあり、加熱式たばこは店内でも吸える。客の約半数が喫煙者だという。
「ウィスキーの香りや味が格別なように、たばこもやはり大人ならではの楽しみ。みなさんは、ここで一日の疲れをいやし、ゆったりとリラックスされて帰られます。かけがえのないひとときを、非喫煙者も加熱式派も紙巻たばこ派も、みなさんそれぞれに楽しんでおられます。実際、非喫煙者のお客さんからも『ここは店内で吸えるのが加熱式だけだからありがたいね』という感想をいただいております」
大人のリフレッシュタイムを尊重しているというわけだ。
シェフの嗅覚も認めたプルーム・テック
一方、接待や記念日を祝うようなスペシャルなレストランでも、加熱式たばこと非喫煙者の共存は進んでいる。港区赤坂の「Bistro Q」店主の山下九さんは次の様に理由を語った。
「うちは、『プルーム・テック』のみ店内で吸ってもいいんです。私も喫煙者なので、他の加熱式たばこも試しましたが、プルーム・テックは、別格でニオイがしないんです。たまにプルーム・テックを吸われているお客様を見て、別のお客様が驚かれるのですが、『あれは煙じゃないんですよ。水蒸気なんですよ』と説明すると納得なさいます。本当にニオイがしませんから」
カウンター8席とテーブル2卓のみの居心地の良い空間。プルーム・テックならこの規模の店内でも、繊細なワインの香りを邪魔することはない。
「20歳以上の成人には喫煙の自由が法律で認められています。非喫煙者の気分も、料理のおいしさも損なわれない、新しい嗜好品があることをもっと知られてほしいですね」
「たばこ=紙巻きたばこ」の時代ではない。様々な形の「喫煙」があり、非喫煙者とも共存できる。先の東京都条例の以外の自治体でも寛容な対応が望まれるところだ。〈取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/名倉朱里〉
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