加熱式たばこ測定方法に疑問符 「たばこの健康影響評価専門委員会」調査結果
加熱式たばこ測定方法に疑問符 「たばこの健康影響評価専門委員会」調査結果
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181217/soc1812170016-n1.html
2018.12.17
たばこ煙などの分析を行い健康影響について評価する厚生労働省の「たばこの健康影響評価専門委員会」第11回会議が11日、省内で行われた。
今年7月、原則屋内禁煙(喫煙専用室の設置可)などを柱とした健康増進法改正案が可決成立した。紙巻きたばこに関しては、喫煙室のたばこ煙流出防止措置について「入口の風速が毎秒0・2メートル以上であること」を基本方針とする検討が行われてきた。「0・2メートル」は「喫煙室の扉を開放した際、室内に向かう気流が毎秒0・2メートル以上であればたばこ煙は外部へ流出しないものと考えられる」ということを根拠に設けられた。
今回、議論の焦点となっているのは加熱式たばこの基準値だ。国立がん研究センター委託事業費「たばこ情報収集・分析事業」による調査結果が示された。
調査内容は、喫煙室内で加熱式たばこを使用し、喫煙室外のVOC(揮発性有機化合物)濃度を測るというもの。入口の気流が毎秒0・1メートルの場合と0・2メートルの場合の、煙放出時、退出時、進入時の値を測定した結果、「喫煙室の入口における風速が毎秒0・1メートルの場合は人の出入りに伴い室外へ煙が流出することから、喫煙室外でのVOCの蓄積が認められた」とした。この結果を受け厚労省は、たばこ煙の流出防止にかかる技術的基準を「入口における室外から室内への風速が毎秒0・2メートル以上であること」と示し、委員会がこれを承認した。
調査報告書には、どのような装置でVOCを測定したのかなど詳細な調査方法はほとんど記載されていない。VOCの測定場所に注射器に誘引した加熱式たばこ煙(蒸気)を放出して測定したことはかろうじて示されているが、注射器でどのように捕集し、どの程度の量を放出したのかはわからない。
「センサーを使用した場合、人の呼気にもVOCが含まれ、人がいるだけでその数値は上がる」と言われるが、この点もちゃんと考慮されているのかも不明だ。
関係団体へのヒアリングでは「加熱式たばこは煙も少ないので、喫煙専用室よりも基準を緩和すべき」との声も挙がった。加熱式たばこと、紙巻きたばこに同じ基準値を設定することは、はたして適切なのか。さまざまな不明点について明らかにすることも必要だ。
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