生活習慣悪化で脳卒中 危険2倍 メタボ健診で判明
生活習慣悪化で脳卒中 危険2倍 メタボ健診で判明
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2019010702100014.html
2019年1月7日
金大の多田助教 調査
糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクを判断する四十~七十四歳を対象とした特定健康診査(メタボ健診)で、食事や飲酒などの生活習慣が悪い人はいい人に比べて脳卒中になる危険が約二・二倍高いことが、金沢大付属病院循環器内科の多田隼人助教の調べで分かった。(堀井聡子)
研究成果をまとめた論文は十二月三日、米国の科学誌「プロスワン」オンライン版に掲載された。健診の質問と病気との相関関係が浮き上がり、多田助教は「保健指導に役立ててほしい」と話している。
メタボ健診は二〇〇八年から厚生労働省が導入した。質問票には、服薬状況や既往歴などを聞く二十二項目があり、生活習慣病の恐れがある受診者へ保健指導する際に活用される。このうち生活習慣を尋ねる十二項目が、どの程度病気と関連があるか検証した。
多田助教は、一四年に金沢市でメタボ健診を受けた四万七千八百四十二人のデータを解析。脳卒中や心臓病など動脈硬化性疾患にかかったことがあると答えた人と、そうでない人を比較した。
その結果、「お酒を飲む頻度」や「たばこを習慣的に吸っている」など生活習慣を尋ねる十二項目のうち、悪い生活習慣が半数を超える七項目以上あった人は、三項目以下の人に比べて、脳卒中になるリスクが約二・二倍、心臓病では約一・八倍高かった。
特に「人と比較して食べる速度が速い」「就寝前の二時間以内に夕食をとることが週に三回以上ある」と答えた人は、脳卒中のリスクが高い傾向にあった。一方「夕食後に間食をとることが週に三回以上ある」「朝食を抜くことが週に三回以上ある」では、回答と動脈硬化性疾患に関連が見られなかった。
厚労省によると、特定健診以外の健康診断でもこれらの質問項目は使われている。多田助教は「具体的にリスクの数値を伝えれば、受診者も生活習慣を改善しようという気持ちになるのでは」と期待する。
本年度から指針の見直しで、質問の一部は変更されているが「引き続き使われている項目の中にも脳卒中と関係のある項目がある。今回の研究をきっかけに新しい項目でも検証が進めば、健診がより意味あるものになる」と強調した。
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