日本は加熱式タバコ、世界は電子タバコ? 最大級の展示会「eCig Expo」を見てきた
日本は加熱式タバコ、世界は電子タバコ? 最大級の展示会「eCig Expo」を見てきた
https://www.excite.co.jp/news/article/Cobs_1900579/
2019年4月19日 20:14
●日本発ブランドで人気のjouz
中国・深センで世界最大規模の電子タバコ関連展示会「2019 IECIE Shenzhen eCig Expo」が開催されました。Vapeをはじめとした電子タバコは、世界中で人気にはなっていますが、日本国内では普及にはほど遠い状況です。代わりに、日本では加熱式タバコが世界に先駆けて普及しています。そんな世界の電子タバコ事情が垣間見えるeCig Expoを取材してきました。
日本国内での加熱式タバコは、フィリップモリスのiQOS(アイコス)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコのglo(グロー)、JTのプルーム・テックが主力です。新しいジャンルの製品ですが、利用者が拡大しています。
この加熱式タバコで最大シェアのiQOSは、たばこ葉を詰めたスティック(ヒートスティック)をiQOS本体に挿して、スティックを加熱することでニコチンを含んだ蒸気を発生させる仕組みです。この仕組みを再現して、ヒートスティックを加熱できるiQOS互換機というものが登場しています。
その代表の一つがjouzでしょう。日本発のブランドとしてiQOS本体より手ごろな価格ながら、iQOSにはない機能を搭載して、さらにバッテリーの安全性の向上や吸い心地の研究によって、iQOS互換機として高いレベルを実現しています。
そんなjouzは、eCig Expo会場内でも大きなブースを構え、来場者の注目を集めていました。jouzは、加熱式タバコだけでなく新たにVapeの「jouz S」も2019年夏から発売予定で、こちらも出展していました。
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日本は加熱式タバコ、世界は電子タバコ? 最大級の展示会「eCig Expo」を見てきた
マイナビニュース 2019年4月19日 20:14 0
jouz SはスティックタイプのVapeで、さまざまなフレーバーのリキッドが入ったカートリッジが用意されています。これを本体に挿入して吸い込めば蒸気が発生して、フレーバーを楽しめます。
日本では法規制の関係上、ニコチン入りのリキッドを販売することができないため、日本で発売する場合はフレーバーのみの蒸気が発生します。逆にいえば、タバコを吸っているように見えても「香り付きの蒸気を吸って吐いている」だけです。
jouzがこのVapeを販売するのは、「新しい習慣として広げたい」という思いがあるからだといいます。タバコ人口は減少していますが、喫煙自体は嗜好品として長い歴史があります。味わいや香りを楽しむ葉巻のように、嗜好品としての習慣となることを目指したのがjouz Sだといいます。
そのため、5種類のフレーバーを用意し、香りと味わいを楽しむ製品としてアピールしています。海外では、これにニコチンを加えたVapeとして提供もされますが、日本ではあくまで「嗜好品」として販売していく考えです。
jouzのブースでは、簡単に扱えるVapeとして来場者の注目を集めていたようです。シンプルですがスタイリッシュなデザインで、持ち歩きも吸いやすさも考慮した軽量サイズなので、気軽に使えるのが特徴です。
ほかにも、中国市場でより安価な「jouz C」や、一回吸いきりの「jouz A」も今後発売予定とのこと。カラフルなボディを採用してファッション性にも配慮しているようです。
中国では、加熱式タバコが政府によって許可されていないため、まだ販売されていません。国営のタバコ会社が開発を進めているようで、今後解禁される可能性は高そうですが、現時点で加熱式タバコが流通していないのにもかかわらず、意外に加熱式のjouz製品をチェックする来場者も多かったのが印象的でした。
iQOSやjouzのような高温で加熱する加熱式タバコは、Vapeよりもタバコ感があり、中国では日本でiQOSが人気なことから、日本旅行でiQOS製品を買って帰る中国人が多く見られます。そうしたことも手伝って、加熱式タバコにも一定の期待感があるようです。会場でVapeと加熱式タバコの双方を提供する数少ないメーカーとして、jouzは注目度が高かったのでしょう。
●より簡単に使えるVapeが人気に
前述の通り、中国市場には加熱式タバコはありませんが、中国は比較的喫煙者の多い国です。加えて、深センにはVape製品を製造する工場も多く、中国内ではVapeが一定のブームとなっています。
それも手伝って、今回のeCig Expoは規模を拡大。深セン会場は世界最大規模にまで拡大しています。eCig Expoは、小規模ながら上海でも開催される予定で、年2回の開催というほど、中国では大きな存在感となっています。
主力となるのはVapeです。会場には多くのVapeブランドがブースを構え、既存製品の紹介や新製品の展示を行っていました。
例えばJoyetechは、コンパクトながらハイパワーの「EXCEED GRIP」を出展。6種類のデザインバリエーションを用意し、手のひらサイズながら20Wの高出力を達成。新たなメッシュコイルも採用して吸い心地も改良しました。リキッド入りのカートリッジ(ポッド)を交換するだけですぐに利用できるほか、コイル変更も可能な通常のカートリッジも使えて、初心者も上級者も満足できる、としています。
Eleafの新製品としては、jouz Sのように平べったいスティックタイプの「iTap」を出展。ポッドシステムを採用して、出力は最大30W。コンパクトなVapeスターターキットとしてアピールしていました。
AspireのサブブランドであるZQは、ライターのようなサイズとスタイルの「Vi」を出展。こちらもコンパクトですが4色のカラーを用意してデザイン性を高めています。
面白いところでは、Asvapeの「世界初のタッチスクリーン搭載」という「Touch」が出展されていました。出力を切り替えたり、吸引時間などを表示したり、スマートフォンほどではないですが、比較的軽快に動作するタッチスクリーンを搭載しています。
もう一つ「世界初」をアピールしていたのは、Polarnightの1664ブランド。出展されていたのは「携帯電話Vape」。指先ほどのカートリッジにUSB Type-C端子を備え、それをスマートフォンのUSB Type-C端子に接続すればVapeに早変わりする、というシロモノです。
実のところ、機能としてはスマートフォンから電力を供給しているだけなので、モバイルバッテリーでも動作するということで、機能としては特に豊富ではありませんが、気軽に使うことができそうです。カートリッジは使い切りです。
DripArtの「LIMWELL」は、スマートフォンのタッチペンとVapeが一体化した製品。タッチペンの反対側から吸い込みつつ、タッチペンでそのままスマートフォンを操作できます。なぜかパッケージが(少し怪しい)日本語だったのですが、ブースの説明員に英語が通じなかったため、日本で販売するものかどうかは分かりませんでした。
会場内ではiQOS互換製品として、jouz以外にも2~3製品を見かけましたが、現時点で世界の趨勢はVape一色という感じ。Vapeは、欧州での利用が拡大し、米国やアジア、中東でも利用者が拡大しています。
欧米では大型・高出力のVapeが人気ですが、アジアでは比較的コンパクトな製品が好まれるようで、各ブランドでも新製品はコンパクトサイズが多かったのが印象的です。また、初心者の増加もあるためか、ポッドを交換するだけで簡単に使えるコンパクトな製品が増えているようでした。大型サイズに比べて出力が小さいコンパクトなVapeは煙(水蒸気)の量も少ないため、日本にも向いていそうです。
日本では、こうしたブームとは異なり加熱式タバコが主流になっており、Vapeは一部個人の趣味にとどまっています。日本ではニコチンリキッドが販売できないので、より安心できる嗜好品としてのVapeが一定の評価を得られる可能性はあるでしょう。海外でも簡単に使えてスタイリッシュなデザインを意識したVapeが増えてきているのも追い風になりそうです。
その意味では、jouz Sが今夏に登場するのはいいタイミングにも思えます。eCig Expoは、世界のVape人気を目の当たりにできて、日本市場の展開も気になるイベントでした。
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