加熱式・電子タバコと禁煙の関係笹生循環器クリニック 笹生正人医師
加熱式・電子タバコと禁煙の関係笹生循環器クリニック 笹生正人医師
https://www.townnews.co.jp/0404/2019/05/31/483394.html
掲載号:2019年5月31日号
世界禁煙デーに合わせて、神奈川県医師会の理事として、県のたばこ対策にも関わる笹生循環器クリニックの笹生正人院長にタバコと禁煙について寄稿を頂きました。
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禁煙成功率は3分の1
加熱式タバコ・電子タバコと禁煙の関係、禁煙外来をご存知ですか?
世界保健機構(WHO)は、毎年5月31日を世界禁煙デーと定め、タバコのない社会の構築を目指し世界中でキャンペーンを行っています。タバコは、COPD、がん、心臓病・脳卒中などの循環器疾患、認知症、糖尿病などの原因になります。
新型タバコ(過熱式タバコや、ニコチン含有の電子タバコなど)には、従来型のタバコと同様にニコチンが含まれています。タバコをやめられない、あるいはやめる意思のない人にとって「煙が出ない、煙が見えにくい」「禁煙エリアでも吸える」などで健康被害が少ないと誤認され、過熱式、もしくは電子タバコに切り替える方がいます。
これらの新型タバコの使用と病気や死亡リスクの関連性が危惧されていますが、科学的に証明するまでは、まだ時間がかかります。
さらに、禁煙の成功率も電子タバコを使用しなかった場合の3分の1とむしろ成功率は格段に低くなるという調査結果も出ています。
また、受動喫煙に関しても新型タバコの呼出煙(エアロゾル)中にはPM2・5、ニコチン、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒドなどの有害物質が含まれています。世界保健機構では、「電子タバコのエアロゾル(呼出される呼気)にさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘しています。
禁煙外来
さて、禁煙外来をご存知でしょうか。条件を満たせば、保険診療で効果的な禁煙治療を受けることができます。費用も3カ月間で1万3000円から1万9000円で高率に禁煙が可能となります。ご自分や家族の健康の為にも、ぜひかかりつけ医や禁煙の専門医に相談してみてください。
また、来る2020年にはオリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中から訪れる方のためにもタバコの煙のない「スモークフリーオリンピック」をぜひ開催しましょう。
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