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双方に配慮…サッポロライオン全店舗の9割に喫煙所設置へ

双方に配慮…サッポロライオン全店舗の9割に喫煙所設置へ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/257043

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 来年4月に完全施行される改正健康増進法、東京都受動喫煙防止条例への対策が飲食業界で急ピッチで進んでいる。

 家族連れの多いファミリーレストランやファストフード業界は全面禁煙が主流だが、サラリーマンにとって関心が高いのはお酒が伴う居酒屋やビアホールなどの対応だ。喫煙客が多い業態だけに、完全禁煙となったら愛煙家は行き場を失ってしまう。

 そうしたなか、全店舗の9割に喫煙スペースを設置するとの方針で対応を進めているのがサッポロホールディングスの外食子会社サッポロライオン(東京・渋谷)だ。

 同社は「銀座ライオン」「ヱビスバー」など全国に159店舗を展開する。「銀座ライオン」は都内だけで30店舗以上ある。受動喫煙防止問題が国会などで取り沙汰される以前から、完全分煙に取り組んできた。2015年には「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」で喫煙スペースを設置して全席を禁煙とした。

 来年4月の法律施行、夏の東京五輪を控え、現在急ピッチで対策強化を進めている。2020年段階の全店舗の喫煙環境の見通しは、①全面禁煙約10%②店内に喫煙スペース、入居施設内の喫煙スペース約90%としている。時間分煙や空間分煙はゼロとなる。一連の環境整備に向け同社は1億円から2億円を投じていく。加熱式たばこは紙巻きたばこと同じ扱いとする。

「受動喫煙防止に向けた社会的責任を果たすために2020年春に向けてリニューアルを進めていきます。非喫煙者の方に配慮した店舗づくりを目指すとともに、喫煙者の方にも配慮していきたいと考えています」(サッポロライオン)

 喫煙環境を整備して喫煙者、非喫煙者双方が楽しく時間と空間を共有できる店舗づくり。こうした考え方が飲食業界やサービス業全般に広がっていくことを願いたい。

 問題は、喫煙スペースを設置する場所もカネもないスナックなど都内の零細事業者だ。従業員がいるだけで喫煙不可という厳しい条例だけに、限られた時間の中でどういった対応をしていくのか。悩ましい問題である。

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