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喫煙所混雑、公園にたむろ さまよう愛煙家 官公庁街のマナー悪化懸念

喫煙所混雑、公園にたむろ さまよう愛煙家 官公庁街のマナー悪化懸念

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201907/20190729_13007.html

2019年07月29日月曜日

 行政機関などの敷地内を原則禁煙とする改正健康増進法が今月1日、一部施行された。仙台市内では官公庁職員が近隣の喫煙所に流れ込むなど、早くも影響がみられる。受動喫煙対策を強化する流れは加速しており、年々居場所を失いつつある喫煙者のマナー悪化を危惧する声も上がる。
 7月上旬の平日昼、青葉区の官公庁街の一角にあるビルの喫煙室がごった返した。約5平方メートルのスペースに約10人が身を寄せる。
 ビルの管理会社によると、喫煙室の利用者は今月に入って3割ほど増えた。特に出勤前の朝と昼休み時間帯、退勤後の夕方が混む。官公庁の職員を中心に外部の関係者が目立つという。
 管理会社は数年前、ビル内の分煙強化のため喫煙室を設置。当初、外部の利用者は見込んでいなかった。
 「清掃員の業務は増えるし本来の利用者のスペースも狭くなる。『関係者以外お断り』の注意書きも考えないと…」と同社の男性職員は頭を抱える。
 喫煙スペースを置く公園も急減した。仙台市は過去3年で市内の公園の喫煙所を10カ所以上撤去。現在、灰皿があるのは9カ所になった。
 1990年ごろ8基あった勾当台公園(青葉区)の灰皿も、今は3基しかない。県庁に面した灰皿のある一角には昼休み時になると断続的に30人以上が集う。50代の公務員男性は「肩身が狭い。吸える場所が減り続け、一服できるのは昼時間の公園だけになった」とぼやく。
 喫煙者の間からは規制強化がかえってマナーの悪化を招きかねないと指摘する声も聞かれる。喫煙歴30年という別の50代の公務員男性は「厳しすぎる規制で、喫煙者は追い込まれている。トイレなどで隠れて吸う人や歩きたばこが増えるのではないか」と話す。
 副流煙による周囲への健康被害は防げるのか。市役所近くでたばこも販売する尚古堂印房は、店の隣に喫煙所を開設してから周辺の喫煙者のマナー改善がみられたという。
 佐藤尚則社長(64)は「喫煙所を減らし続けるのではなく、たばこ税を基に喫煙所を設けて分煙をより厳格化すれば、嫌煙家に極力迷惑が掛からない環境ができるのではないか」と提案する。

[改正健康増進法]受動喫煙対策の強化を目的に、7月1日の一部施行で全国の学校や病院、行政機関の敷地内を原則禁煙とした。東京五輪・パラリンピック開幕直前の2020年4月に全面施行され、飲食店など不特定多数の人が利用する施設も原則屋内禁煙となる。悪質な違反者には罰則が科される。

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