たばこ対策

分煙や禁煙について

全面禁煙“一時停止” 熊本県免許センターが喫煙所を復活 ポイ捨て、後絶たず

全面禁煙“一時停止” 熊本県免許センターが喫煙所を復活 ポイ捨て、後絶たず

https://this.kiji.is/534182722537702497?c=92619697908483575

2019/8/14 10:30 (JST)

 健康増進法改正を受け、熊本県警は7月から敷地内を全面禁煙とした県運転免許センター(菊陽町)について、15日から来月15日まで一時的に、屋外の喫煙スペースを復活させる。駐車場などで喫煙する来庁者や吸い殻のポイ捨てが後を絶たず、改善したい考えだ。

 県警運転免許課によると、免許センターは3月から屋内を、改正健康増進法が施行された7月からは屋外に1カ所あった喫煙スペースも廃止し全面禁煙とした。しかし、屋外で喫煙し、吸い殻を植え込みや芝生に捨てる来庁者が目立ち、火災の危険性があるという。

 また、来庁者から「講習時間が長く、喫煙できないのはつらい」との意見が多数寄せられたほか、喫煙場所の問い合わせが7月だけで約320件に上っている。そのため廃止した屋外の喫煙スペースの再設置に踏み切る。

 同法は敷地内禁煙の対象施設でも、受動喫煙防止措置がとられた屋外の喫煙所であれば認めている。復活スペースは通常、人が立ち入れない場所なので、受動喫煙の心配はないという。同課は「1カ月間の状況を検証し、今後の方針を決めたい」としている。(丸山宗一郎)

(2019年8月14日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

 

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禁煙法の制定はあり得る? 高まる禁煙ムードと“国営”企業JTの思惑

禁煙法の制定はあり得る? 高まる禁煙ムードと“国営”企業JTの思惑

https://wezz-y.com/archives/68344

2019.08.10

 東京オリンピック開催前の2020年4月、改正健康増進法が全面施行される。

 今年7月1日から一部で施行されており、すでに学校、病院、行政機関の敷地内が原則禁煙となった。そして来年4月の全面施行によって、飲食店、オフィス、鉄道施設、ホテルのロビーなどの多くの人が利用する施設は、原則的に屋内禁煙となる。受動喫煙対策が強化されており、悪質な違反者には罰則が科せられる厳罰化された内容が話題となっている。

 こうした流れを受けてか、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は、今年の4月から全社員に就業時間内の禁煙を求めているうえ、2020年の春入社の社員は喫煙者を採用しないと発表したことが物議を醸した。

 喫煙者にとっては、気軽にタバコを吸えない、就職もできない……という非常に世知辛い世の中になりつつあるが、今後タバコをめぐる社会事情はどのように変化していくのだろうか?
国立がん研究センターに所属し、著書『本当のたばこの話をしよう 毒なのか薬なのか』(日本評論社)も上梓している片野田耕太氏に解説してもらった。

片野田 耕太(かたのだ・こうた)
東京大学法学部を卒業後、同大学院医学系研究科に進学、脳科学の研究を行う。2005年より国立がん研究センター(旧国立がんセンター)研究員となり、たばこの健康影響とがんの統計の分野の研究活動に携わる。2017年より、がん統計・総合解析研究部長として、たばこ対策、がんの統計、がん教育など幅広い分野での研究活動を行っている。著書に『本当のたばこの話をしよう 毒なのか薬なのか』(日本評論社)などがある。
国立がん研究センター

かつては日本男性の80%がタバコを吸っていた

 まずは、過去と現在の喫煙率の変化について。

「JT(日本たばこ産業)全国喫煙者率調査によると、日本で喫煙率が一番高かったのは1965年で、男性の約80%が喫煙していたという報告があります。また、国民一人当たりの消費本数が一番高かったのは、総務省統計局の労働力調査のデータを見ると、1970年代後半の“年間約3500本”がピーク。そこから喫煙率は下がり続けています。

 ですが、60年代後半から70年代にかけては、喫煙率がピークであるのと同時に、明確に喫煙が健康被害を引き起こしている、と公表されてきた時代でもありました。1964年にアメリカの政府機関の公衆衛生総監(Surgeon General)が、たばこの健康リスクをまとめた報告書『喫煙と健康』を発表。これは政府関係機関が公にたばこと肺がんの因果関係を認めた事例で、喫煙者たちへの健康意識に大きな影響を及ぼしました」(片野田氏)

 こうした時代以前は、タバコの健康被害の意識はなかったのか?

「あるにはありましたが、タバコを売る側の戦略として“健康被害は明確ではなく、反対意見もある論争状態だ”という風潮を維持してきたことと、タバコ業界がスポンサーとなって、映画やテレビで“喫煙は大人の階段”的イメージを流布したことも、禁煙意識の低さの要因だったと思います。

 日本でも欧米諸国同様、テレビの影響もあり、70年代を中心に不良が大人ぶる道具としてたばこがもてはやされました。ですが、2003年に施行された健康増進法の影響で、学校で防煙教育をするようになり、“タバコを吸うのはよくないこと”という意識が広まり、喫煙率は下がってきたのです」(片野田氏)

 そもそも、喫煙は健康にどのようなリスクをもたらすものなのだろう。

「肺、食道、胃、肝臓、膵臓、膀胱がん、さらに心臓病や脳卒中にも悪影響があります。がん以外でみなさんにあまり周知されてないリスクを挙げるとすると、糖尿病を患う可能性も高めているんです。これだけ多岐に渡る健康被害がある原因は、たばこが何か一つの成分を抽出しているのではなく、何千種類もの化学物質の集合体を燃やしているからなのです。さらに、ある種自己責任である喫煙者本人だけではなく、“受動喫煙”にも肺がん、虚血性心疾患、脳卒中のリスクがあります」(片野田氏)

禁煙先進国オーストラリアでも非喫煙率は約90%、日本は約70%

 禁煙の気運が高まるなかで、さまざまな政策や措置が取られている。

「禁煙措置の流れが加速してきたのは、WHOによって2005年に発効された『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約』に日本も参加したことが大きいです。値上げ、公共の場所の禁煙、たばこのパッケージに禁煙を促す注意文を入れるなど、その条約内容はさまざま。日本ではまだですが、広告やスポンサーシップの規制も条約に含まれています。日本ではいまだにコンビニでたばこの販売促進が堂々と行われているなど、国際基準には及ばないですが、こうした条約の制定が日本での禁煙指向への大きな流れを作ったと言ってよいでしょう。

 また、2020年の改正健康増進法で罰則が設けられることになったのも大きいです。さらに東京都では、働く人の健康リスクを考慮し、“従業員を雇っている飲食店は原則禁煙にしなければならない”という条例も作りました。これにより東京はほとんどの店が禁煙になる可能性があります。例外的にカフェチェーン店の喫煙ルームなどは残してもいいそうですが、そこも以前のような飲食は不可となり、立って吸う“喫煙スペース”的なものになるとのこと。禁煙姿勢は徹底的です」(片野田氏)

 規制を進めていく先には、“喫煙禁止法”の制定もあり得るのだろうか?

「実は世界でもたばこの非合法化はブータンくらいで、禁煙先進国であるオーストラリアやスウェーデンでも非喫煙率は90%ほど。世界的な禁煙ブームとなっているものの、ほとんどの国が“禁止”までは踏み切っていないのです。先進国の中では禁煙後進国と言える日本では、非喫煙率は約70%。そんな状況で急に完全禁煙にしてしまえば、おそらくは密輸や裏取引が蔓延し、反社会勢力の資金源になってしまう恐れも大いにあるでしょう。

 また、別の視点から言えば、たばこ税による年間の税収は約2兆円もあることが、政府がタバコを全面禁止にできない理由となっています。さらに現・財務大臣の麻生太郎氏はJT株の約3分の1も保有する大株主で、その配当金は年に約1000億円にものぼると言われています。そうした思惑が絡み合い、国はタバコ産業を手放せないのでしょう。これには昭和59年に制定された『たばこ事業法』という法律も関係しています。この法では、“たばこ産業の健全な発展・たばこ税の安定的な確保”が挙げられているため、タバコ産業の育成があくまで法に基づいた活動という大義名分があるのです」(片野田氏)

実質的“国営”のJTだが…実は、民間的な自由経営を望んでいる?

 そもそも、日本のたばこ業界と切っても切り離せないJT (日本たばこ産業)とは、どういう存在なのか?

「JTとは、1985年に日本専売公社が民営化してできた日本たばこ産業株式会社のことです。JTには国産葉タバコの全量買い取りが義務づけられており、さらに国内で唯一タバコ製造の独占が認められています。民営化したとはいえ、財務官僚の天下り先にもなっていると言われており、実質的には“国営の会社”といっても過言ではないでしょう。

 とは言え、実はJT側はこうした体制から脱却して、自由な経営を望んでいる可能性もあります。現在は国内で生産したタバコの葉をすべてJTが買い取らざるを得ず、高い国内産を買い続けることが重荷になっているためです。タバコ農家は楽に栽培ができるうえ、JTの買い取り制度があるので安定した収入が得られますが、JTからすれば喫煙率が下がっている昨今、この買い取り制度はキツいでしょうね。国営時代に国が産業を支えることで、安定した税収を得ようとした名残と言えるでしょう」(片野田氏)

 最後に、今後のタバコ業界について予想していただいた。

「業界としては世界シェアの90%以上が日本であるアイコスや、プルーム・テック、グローといった加熱式タバコの普及により力を入れていくはずです。禁煙化の流れについては、改正健康増進法の施行も控えており、喫煙率の減少は今後も続くでしょう」(片野田氏)

 愛煙家にとっては厳しい未来予想となってしまったが、片野田氏は「禁煙政策はたばこを止めたい人の支援とセットにしないと、単なる喫煙者いじめになってしまうため、楽に禁煙できるサポートの充実もあわせて進めていくべき」とも語ってくれた。 “個々の禁煙努力”に任せず、禁煙サポートやケアをしてこそ、日本が禁煙後進国から脱却する日が近づくといえるだろう。

(文・取材=TND幽介[A4studio])

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「アンチ喫煙者」時代の終焉~新タバコ対策シンポジウムから

「アンチ喫煙者」時代の終焉~新タバコ対策シンポジウムから

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190809-00137647/

石田雅彦 | ライター、編集者
8/9(金) 8:00

 受動喫煙対策が本格化しつつある。喫煙率も下がり続けている反面、タバコ会社は新型の加熱式タバコを市場へ投入し続けている。新時代に向けてのタバコ対策をどうすべきか、というシンポジウムが都内で開かれた。そこでみえてきたのは、喫煙者とどう向き合うかという課題への模索だった。

専門家が指摘する課題とは

 一昨日(2019年8月7日)、東京・築地にある国立がん研究センターで公開講座「令和の新たばこ対策~たばこ新時代にどう対処するか」というシンポジウムが開かれた。新たな時代を迎えた日本でタバコ対策をどう進めていけばいいかという内容のシンポジウムで、会場には約200人が集まり、加熱式タバコや受動喫煙対策、メディアのタバコ報道について専門家の指摘に耳を傾けた。また、同じ内容のシンポジウムは、2019年8月23日に大阪(大阪国際がんセンター)でも開かれる

 演者は、新型タバコについて田淵貴大(大阪国際がんセンター)氏、改正健康増進法について片野田耕太(国立がん研究センター)氏、禁煙レストラン紹介サイト「ケムラン」と社会協働について伊藤ゆり(大阪医科大学)氏、がん患者と家族の禁煙問題について長谷川一男(NPO法人肺がん患者の会ワンステップ)氏、メディアにおけるタバコ対策報道について岩永直子(BuzzFeed Japan Medical)氏で総合司会は片山佳代子(神奈川県立がんセンター臨床研究所)氏が務めた。

 田淵氏は、加熱式タバコを含む新型タバコの問題点について述べ、有害性の低減というタバコ会社のPRで紙巻きタバコから切り替える喫煙者が増えてきている現状を説明した。

 しかし、これらのタバコ製品からは、グリセロール、プロピレングリコールという、人類がこれまで肺の深い部分まで吸い込んだことのない物質が大量に出ている危険性を強調。健康への害が否定できない状況では、加熱式タバコについては紙巻きタバコと同じ規制をするべきだと主張した。

 片野田氏は、受動喫煙の健康への害は日本人研究者の平山雄(旧・国立がんセンター)氏による疫学研究発表が嚆矢だったと述べ、その後、米国や日本で受動喫煙をめぐる訴訟が起きてきた歴史を解説した。

 また、改正健康増進法が成立する経緯を説明し、国会での議論とメディア報道との関係、メタボ健診マニュアル改訂など改正健康増進法が他の制度へ影響した事例について紹介。さらに、たばこ事業法が日本におけるタバコ問題の本丸であり、今後も加熱式タバコの出現によってタバコ対策は気を緩められないと警告した。

喫煙者は加害者ではなくむしろ「被害者」

 伊藤氏は、禁煙をしている美味しい飲食店情報をシェアするサイト「ケムラン(Quemlin)」を管理人として立ち上げた経緯を述べ、現在、700店舗以上になった参加飲食店や世界禁煙デーに合わせたキャンペーン・イベント、特派員制で全国から飲食店情報を集めるシステムを紹介した。

 また、東京都文京区の提案公募型協働事業(Bチャレ)からの助成を受けた地域協働として文京区版のケムランを始めたきっかけやWeb「ケムラン×文京区」の開設について説明し、飲食店や商店街を含む区民やメディア、行政などとの関係、今後の展開や課題について述べた。

 長谷川氏は、肺がん患者の家族や同僚に意外に喫煙者が多く、就労している肺がん患者の31%が職場で、6%が家庭で受動喫煙にさらされているという実情を紹介した。

 これらの喫煙者は、自分の家族や同僚に肺がん患者がいるのにもかかわらず、どうしてもタバコを止めることができないことから、患者の会として禁煙外来を受診してもらうよう働きかける活動を行っているが、そのためにどうすればいいか模索する中で一つの方法に行き着いたと述べた。それはポジティブデビアンス型課題解決で、逸脱した好事例を抜き出して解決のヒントにする方法と説明し、喫煙者に対する「共感」が必要と訴えた。

 岩永氏は、ネットメディアでタバコ対策を含む医療系の情報発信をしてきた経験から、喫煙者は加害者として批判され、叩かれることにウンザリしていると指摘し、喫煙者はタバコ対策側を「上から目線」と感じていると紹介した。

 また、加熱式タバコに切り替えた喫煙者は自分が「自分の健康のためにも周囲に迷惑をかけない点でもいいことをしている」と思っているとし、タバコ会社の巧みな広告戦略にタバコ対策をする側は惨敗し続けてきたと述べた。読者や視聴者の感情に訴えなければ行動変容にはつながらないのではないかと提案し、喫煙者は実は加害者ではなく、社会経済的な背景によって生み出された被害者と理解を示すことが重要と指摘した。

 日本のタバコ問題は、改正健康増進法の成立によって新たな段階に進んでいる。タバコ会社の側も、加熱式タバコの新製品をどんどん市場へ投入すると同時に広告宣伝費もマスメディアへ投下している。

 受動喫煙対策の目的は、タバコを吸わない人をタバコの煙から守ることだが、タバコを吸える場所を狭め、喫煙率を下げていくことにもある。タバコ対策の新たな段階では、どうしてもタバコを止められない喫煙者に理解を示し、社会経済的な事情に共感し、タバコ会社の戦略から守っていく方法が求められる。

 加熱式タバコは、確かに有害物質は紙巻きタバコよりも低減されている。だが、たとえ有害物質が低減されても、健康への害が低減されるわけではない。

 一方、岩永氏が言っていたように、良かれと思って加熱式タバコに切り替える喫煙者も多い。そうした喫煙者の気持ちを尊重し、否定する必要はないだろう。むしろ批難されるべきは、全く無害ではないタバコ製品をあたかも無害であるかのようにPRしているタバコ会社のほうだ。

 タバコ会社はこれまでも嘘をつき、政治経済の力で影響力を発揮して事実をねじ曲げてきた。虚偽と欺瞞、詐欺はタバコ会社の遺伝子ともいえ、いくら表面上はキレイごとを語っていても裏側では舌を出している。

 今回のシンポジウムで各演者が述べていたように、喫煙者はこうしたタバコ会社の戦略によって生み出された被害者だ。筆者はタバコ問題についての記事を書き始めた頃から喫煙者へのフォローアップの重要性を指摘してきたが、記事が本来なら伝えたい喫煙者へ届かないことを実感もしている。

 日本の場合は、タバコの製造販売に政府が荷担しているため、問題を複雑にし、根本的な解決が困難な状況にしている。WHOが発表した各国のタバコ対策についての最新報告では、タバコ規制が適切に行われていない国が多く、世界でまだ26億人がタバコの健康への害から守られていないと指摘している。これからは被害者である喫煙者を巻き込み、社会全体でタバコ会社と対峙し、厳しい姿勢で糾弾していく必要があるだろう。

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「健康中国」達成へ行動計画を発表、生活習慣病などの予防重視

「健康中国」達成へ行動計画を発表、生活習慣病などの予防重視

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/08/78b5991242484aaf.html

北京発

2019年08月05日

中国国務院は7月15日、「健康中国実施行動意見(以下、意見)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。2016年10月に党中央と国務院が共同で、健康分野における初の中長期的な国家計画「健康中国2030規画綱要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(規画)」を打ち出したが、今回の「意見」は「規画」の目標を達成するために必要な取り組みを具体化したものと位置付けられている。

国務院によると、中国では工業化や都市化、高齢化の進展に伴って、心臓・脳・血管疾患、がん、慢性呼吸器疾患、糖尿病などが増加しており、これら生活習慣病による死亡者が総死亡者の約9割、コスト負担が総疾病負担の7割以上になっている。

こうした現状の改善に向け、「意見」では、生活習慣改善や健康に関する知識の普及などに取り組みの重点が置かれた。具体的には、健康に関する知識の普及や禁煙(分煙、減煙を含む)の推進など、健康全般を改善する総合的施策(6項目)、小中学生や妊婦、高齢者などの重点集団への対策(4項目)、4大生活習慣病と感染症の予防(5項目)の計15項目の特別対策を実施する。この15項目については、国家衛生健康委員会を事務局として設立された健康中国行動推進委員会が「健康中国行動(2019~2030年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を制定しており、より細分化した目標が示されている(添付資料参照)。

「規画」および「意見」を実施するための組織体制も整備された。「意見」の発表と同じ15日に、国務院弁公庁が公表した「健康中国行動の組織的実施および業績考課方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、健康中国行動推進委員会を中心として今後さらに具体的な政策措置の実施と進捗状況のモニタリングを行うとした。また、平均寿命や乳児死亡率など一部の指標については、2022年目標の達成状況を各省(区、市)の党や政府機関の業績評価の参考にするともしており、今後はこうした健康関連指標を達成するための取り組みが強化されるとみられる。

(小宮昇平)

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道議会喫煙所断念へ 自民会派が調整入り

道議会喫煙所断念へ 自民会派が調整入り

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/331198

08/02 05:00

 道議会最大会派の自民党・道民会議(53人)は1日、来年1月完成予定の新しい道議会庁舎内に喫煙所を設置せず、庁舎内全面禁煙とする方向で調整に入った。鈴木直道知事は1日の記者会見で「税金で喫煙所を設置するのは、道民目線で考えて難しい」と述べた。

 自民会派の複数の幹部が禁煙に向けて意見集約を図る考えを示した。6日の議員総会で対応を協議する。知事は会見で「道民からさまざまな意見がある中、議会で議論を深めて答えを出してほしい」と強調した。

 道民世論の反発が強まる中、知事は7月30日、村田憲俊議長と東京都内で会談。来年1月までに設計変更し、喫煙所を造ることは困難で、庁舎の完成後も新たに改修して喫煙所を整備するのは道民理解が得られないとの認識を伝えていた。

 会談を受けて、会派幹部は「何とか禁煙でまとめたい」と強調。別の幹部は「外堀は埋められた」と明かした。これまで喫煙所の設置を推進していた中堅道議も「議員特権と批判され、今の風潮では設置は難しい」と語った。

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《ブラジル》喫煙者が9・3%に減少=WHOが禁煙活動の模範と賞賛

《ブラジル》喫煙者が9・3%に減少=WHOが禁煙活動の模範と賞賛

https://www.nikkeyshimbun.jp/2019/190801-01topics.html

2019年8月1日

 世界保健機関(WHO)が7月26日に、世界171カ国の中で、政府が主導する形で禁煙活動を行い、成果を挙げている国として、ブラジルとトルコを賞賛した。
 ブラジルとトルコは、煙草の流行を食い止めるためのMパワーと呼ばれる計画を導入している国の一つだ。Mパワーが採用しているのは、(1)煙草の使用状況や予防のための政策の監視、(2)煙草の害から人々を守る、(3)喫煙を止めたい人への支援、(4)喫煙のリスクを周知させる、(5)煙草に関する宣伝やプロモーション、スポンサー契約禁止、(6)煙草への税引き上げの6方策だ。
 慢性病のリスクと保護に関する電話調査によると、18年のブラジルの喫煙人口比率は9・3%で、同調査開始年(06年)の15・7%と比べて、6・4%ポイント(39%)減少した。ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相によると、喫煙人口比率は、毎年、低下しているという。
 同調査によると、18~24歳の喫煙人口比率は12%から6・7%、35~44歳は18・5%から9・1%、45~54歳は22・6%から11・1%にという具合に、全ての年齢で比率が下がっている。同期間中の女性の喫煙人口比率は44%減少した。
 政府が主導する形の禁煙活動は1990年代に始まり、統一医療保健システム(SUS)で喫煙者の診察や禁煙希望者を支援する活動を行うようになった。SUSでは禁煙希望者への指導、錠剤や貼り薬などの提供が無料で行われており、18年は13万4千人がこのサービスを利用した。
 05~16年に公的な医療機関で禁煙指導や治療を受けた人の数は、およそ160万人だ。禁煙に関する質問などを受け付ける電話サービス(136番)も実施中だ。
 煙草価格に締める税の割合も、08年の57%が83%(18年)へと、大幅に引き上げられた。閉鎖空間での喫煙を禁ずる市や州の条例は、11年から採用され始めており、毎年、条例数が拡大している。
 喫煙は気管や気管支、肺のガンも引き起こす。ブラジルでは昨年、男性1万8740人と女性1万2530人が、煙草によるガンで亡くなった。
 15年の場合は、煙草が原因の心臓疾患で3万4999人、慢性的な肺疾患で3万1120人、前記以外の器官のガンで2万6651人、肺ガンで2万3762人、受動喫煙による疾患で1万7972人、肺炎で1万900人、脳血管障害で1万812人が、各々、亡くなっている。
 15年の場合、煙草に起因する疾患治療費などにかかった直接的な費用は394億レアル、煙草の害によって早期に死亡した事や就労不能となった事などによる間接的な損失は、175億レアルと計算されている。(7月26日付アジェンシア・ブラジルより)

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「煙のない五輪」~会場だけでなく外食チェーンでも進む完全禁煙

「煙のない五輪」~会場だけでなく外食チェーンでも進む完全禁煙

https://maidonanews.jp/article/12593177

2019.08.02(Fri)

 東京五輪の開幕まで1年を切った。競技以外の部分で、五輪によって何が変わるのか。その一つが受動喫煙対策だ。会場だけでなく、街の飲食店などで完全禁煙化への動きが加速している。「煙のない五輪」がやって来る。

 大会中の全競技会場内で加熱式たばこを含めて完全禁煙となる方針。2012年ロンドン大会や16年リオデジャネイロ大会では会場屋外に喫煙所が設けられていたが、東京では全廃となる。その流れで、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が7月から一部施行され、20年4月1日に全面施行される。会場から外に出ても、そこは“禁煙の街”なのだ。

 大手外食チェーンを例に挙げよう。サイゼリヤは今年6月から全店舗で全席を禁煙化した。2か月を経て、来店客の反応はどうだろうか。

 同社の広報担当は当サイトの取材に対し「賛否両論ございます。支持していただける方もいらっしゃれば、ご不満の方もいらっしゃいます」とし、客の増減には「店舗によって異なります。全体的には、減っている店舗のほうが多いです」と明かした。 同チェーンでは「区画分煙や分煙ガラスの設置、喫煙室の設置など」で店舗ごとに分煙に対応していたというが、「オリンピック以降も全席禁煙です」と明言した。

 ガストなどを運営するすかいらーくは9月1日からグループ全店を全面禁煙する。同社広報は「駐車場も含め全面禁煙になることで、お子様連れのご家族や女性、シニアの方々などさらに安心してご来店いただけるようになると考えております。これまで喫煙をされていたお客様にはご理解をお願いする形となりますが、引き続きご来店いただけるよう魅力ある店舗づくりに取り組んでまいります」と今後の方針を示した。

 一方で、五輪で来日する外国人客への期待感もある。すかいらーく広報担当は「英語・中国語に対応したメニューブックや多言語に対応した店内Wi-Fiの整備、キャッシュレス決済などの環境整備を進めております。五輪で来日されたお客様に当社ブランドをご利用いただき、五輪後も引き続き当社の多様な業態を通じて日本の食体験を楽しんでいただけるよう、努力してまいります」とした。全面禁煙を踏まえた上で、「東京五輪後」の取り組みは既に始まっているのだ。

 「煙のない五輪会場」を出ても、そこには「煙のない街」が広がる。その点において、喫煙者の立場から異を唱える人もいる。

 実業家、プロレスラー、タレントとマルチに活動する蝶野正洋は「何万人も出入りするスタジアムが完全禁煙になっても、嗜好品のたばこでリラックスしたい人がその中にいないはずがない。それでも吸うなというのは行き過ぎだと思う。吸わない人たちの迷惑にならないように、喫煙スペースをしっかり作り、マナーを守って分煙することはできないだろうか」と問題提起した。

 「酒はそれほど飲まないが、たばこは好き」という蝶野。「妻の母国であるドイツに行くと喫煙者は多い。東京でも受動喫煙がない分煙システムの構築を考え、分煙できる未来都市になって欲しい」と訴えた。

 だが、東京五輪を機に、賛否両論をはらみながら、日本は「煙のない社会」になっていく。もう後戻りはできない。そんな現実がある。

北村 泰介

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なぜ日本だけ「ニコチン」が厳しく規制されているのか

なぜ日本だけ「ニコチン」が厳しく規制されているのか

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190803-00136906/

石田雅彦 | ライター、編集者
8/3(土) 15:39

 ニコチンといえばタバコだ。ニコチンには強い依存性があり、タバコを止められなくなる理由の大半はニコチンのせいともいえる。だが、タバコ葉に含まれるもの以外、ニコチンという薬物を単体で売買することは厳しく規制されている。なぜなのだろうか。

欧米で広がるニコチン添加式の電子タバコ

 欧米では電子タバコなるものが、若い世代を中心に広まっている(※1)。特に米国ではJUULという電子タバコが蔓延し、15~24歳の青少年の約8%がJUULを使用したことがあると回答している(※2)。

 電子タバコの多くは電気的に専用リキッドを加熱し、霧化した蒸気を吸い込むが、電子タバコで使用されるリキッドのほとんどにニコチンが添加されていることがわかっている(※3)。当然、JUULのリキッドにもニコチンが添加され、各種リキッドのニコチン濃度は製品によって0.27~2.91mg/15puffs(ミリグラム/パフ)と幅があった(※4)。

 ニコチンには強い依存性があるが、米国の電子タバコ・ユーザーに対する調査では、その約20%が電子タバコのリキッドにニコチンが添加されていることを知らなかったか、それについてあいまいな知識しか持っていなかったという(※5)。電子タバコのリキッドに添加されているニコチンは当然、タバコ葉から抽出される。ニコチンを化学合成することは可能だが、コストの点でタバコ葉の足元にも及ばないからだ。

 このように世界ではニコチン添加リキッドを使用した電子タバコが広まっているが、ほぼ日本だけニコチンという薬物(医薬成分)の売買に厳しい規制がかけられている。ニコチンを規制しているのは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)と毒劇法(毒物及び劇物取締法)だ。

 有効性や安全性などが確認されなければ、電子タバコのリキッドなどに添加してそれを売買することはできない。また、これまで電子タバコ用のニコチン添加リキッドが日本国内で承認された例はない。医薬品以外のニコチンは毒物であり、保管や使用については届け出や取扱責任者を置かなければならない。

 厚生労働省が輸入数量の確認を徹底するよう求めているように、ニコチン添加リキッドを個人輸入することは可能だが、それを転売することは違法になる危険性が高い。政府は、ニコチンを添加しないリキッドを使った電子タバコの健康影響については引き続き監視していくという。

 もっとも医薬品としてのニコチン(医薬成分)はある。ニコチンガム(第2類医薬品)やニコチンパッチ(一般医薬品、高濃度は医療用医薬品、低濃度は第1類医薬品)だ。これらの医薬品は、ニコチンの離脱症状を緩和する目的で禁煙治療で使用され、承認を受けて売られている。

 これはなぜだろう。普通の喫煙行動は肺から吸い込んだタバコ煙に含まれるニコチンが即座に脳へ到達し、中毒症状を引き起こすために依存症になるというメカニズムになっている。だが、ニコチンガムやニコチンパッチでは口腔内や体表面の皮膚から緩やかにニコチンが吸収されるため、中毒症状を起こしにくいと考えられ、それが禁煙治療で使用する根拠になっているからだ。

 だが、日本では電子タバコを禁煙目的で使うことはできない。英国などではニコチンの容量をコントロールした上で電子タバコを禁煙治療に使うことが行われているが(※6)、日本では電子タバコによる禁煙効果はなく、むしろ禁煙を失敗させ、喫煙者を混乱させる危険性があるという研究結果が出ている(※7)。

なぜタバコ製品のニコチンは野放しか

 一方、日本ではタバコが合法的に売られている。加熱式タバコも同じで、加熱するガジェットにも公的な認証は必要ないし、スティックと称されるタバコ部分もコンビニエンスストアなどで普通に売られている。

 日本国内で売られているタバコ製品のタバコ葉部分には当然、ニコチンが含まれている(※8)。喫煙者の2/3以上はニコチン依存症という病気に認定され、そのために禁煙外来で保険適用されている。

 同じニコチンなのに、なぜ電子タバコのニコチン添加リキッドは違法で、タバコ葉に含まれるニコチンは合法なのだろう。ここに日本特有の矛盾とタバコ規制の問題点がある。

 ニコチンの規制当局は厚生労働省だ。ニコチンには依存性があり、未成年者の使用などが問題になるため、ニコチン添加リキッドを使用した電子タバコについて規制している。

 一方、タバコ製品の規制当局は財務省だ。財務省が所管するたばこ事業法にニコチン添加リキッドについての規制はないし、たばこ事業法に健康について懸念した文言は第39条と第40条の2カ所しかない。

 つまり、厚生労働省はニコチン添加リキッドの電子タバコだけを取り締まり、タバコ葉を使ったタバコ製品は管轄外として規制対象から外している一方で、財務省はタバコ製品について、たばこ事業法の枠内でしか規制せず、ニコチン添加リキッドの電子タバコについては我関せずと放置し、結果的に厚生労働省のニコチン規制だけが機能しているというわけだ。

 ニコチンは前述したように依存性の高い薬物で、殺虫剤にも使用される毒物でもある。

 ニコチン自体に血管収縮作用があり、タバコを吸うとクラクラするのは吸収される一酸化炭素とともにこうした生理作用の影響でもある。当然、喫煙による大量で急速なニコチン摂取は心血管疾患のリスクを上げる。また、体内へ取り込まれて代謝されたニコチンは、コチニン、ノルニコチンなどの代謝物(※9)に変わるが、これらの物質には発がん性が確認されている。

 タバコを止められなくなるのは、ニコチンによる依存症であり、精神的な生活習慣でもある。ニコチンは喫煙者にタバコの恒常的な反復使用と長期使用を強いる。加熱式タバコやタバコ製品に含まれている有害物質を、朝起きてから寝るまで間歇的に身体へ入れ、それを数年から数十年という長期にわたって継続する行為をさせているのはニコチンなのだ。

 これはニコチン添加リキッドの電子タバコでも同じだろう。薬機法や毒劇法で規制されているように、加熱式タバコを含むタバコ製品にもニコチン規制を適用すべきなのではないだろうか。

※1-1:Teresa W. Wang, et al., "Tobacco Product Use Among Middle and High School Students- United States, 2011-2017." CDC, Morbidity and Mortality Weekly Report, Vol.67(22), 629-633, 2018

※1-2:Ann McNeill, et al., "Evidence review of e-cigarettes and heated tobacco products 2018: A report commissioned by Public Health England." Public Health England, 2018

※2:Jidong Huang, et al., "Vaping versus JUULing: how the extraordinary growth and marketing of JUUL transformed the US retail e-cigarette market." Tobacco Control, Vol.28, Issue2, 2019

※3-1:L Dawkins, et al., "‘Vaping’ profiles and preferences: An online survey of electronic cigarette users. Addiction, Vol.108(6), 1115-1125, 2013

※3-2:K L, Marynak, et al., "Sales of nicotine-containing electronic cigarette products: United states, 2015." American Journal of Public Health, Vol.107(5), 702-705, 2017

※3-3:Sakane Zare, et al., ""A systematic review of consumer preference for e-cigarette attributes: Flavor, nicotine strength, and type." PLOS ONE, doi.org/10.1371/journal.pone.0194145, 2018

※4:A El-Hellani, et al. "Nicotine and carbonyl emissions from popular electronic cigarette products: Correlation to liquid composition and design characteristics." Nicotine & Tobacco Research, Vol.20(2), 215-223, 2018

※5-1:J K, Pepper, et al., "Adolescents' interest in trying flavoured e-cigarettes." Tobacco Control, Vol.25(supp 2):ii62-ii6, 2016

※5-2:M E, Morean, et al., "Nicotine concentration of e-cigarettes used by adolescents." Drug and Alcohol Dependence, Vol.167, 224-227, 2016

※6:Sara Kalkhoran, Stanton A. Glantz, "E-cigarettes and smoking cessation in real-world and clinical settings: a systematic review and meta-analysis." LANCET, Respiratory Medicine, Vol.4, Issue2, 116-128, 2016

※7:Tomoyashu Hirano, et al., "Electronic Cigarette Use and Smoking Abstinence in Japan: A Cross-Sectional Study of Quitting Methods."  International Journal of EnvironmentalResearch and Public Health, Vol.14, Issue2, 2017

※8:日本で販売されるタバコ製品(紙巻きタバコ)は、たばこ事業法にもとづく財務省令によってタール・ニコチン量を測定してパッケージに表示することが義務づけられているが、加熱式タバコのスティックには表示義務はない

※9:4-メチルアミノ-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン、ニトロソアミンN'-ニトロソノルニコチン(NNN)、4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)

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「野球とタバコ」の断ち切れない悩ましい関係 変革が必要だが旧態依然としたままだ

「野球とタバコ」の断ち切れない悩ましい関係 変革が必要だが旧態依然としたままだ

https://toyokeizai.net/articles/-/294280

2019/08/02 5:10

昭和に大人になった世代では珍しいと思うが、筆者は1度もタバコを吸ったことがない。固い信念があったわけではなく、いつの間にかそうなったのだ。しかし、昭和の日本では喫煙は当たり前の習慣だった。

大学生になれば、みんながタバコを吸った。筆者は京都の立命館大学に通った。

関西六大学野球(当時)の伝統の一戦、立同戦(同志社大学に言わせれば同立戦)では、試合途中に応援リーダーから「煙幕いくぞー!」と号令がかかると応援席の学生は、みんな胸いっぱいにタバコを吸い込み「いけー」の号令で一斉に煙を吐き出したものだ。

西京極球場(現わかさスタジアム京都)の客席は、春霞のような煙に包まれた。味方が煙たいだけで、相手にはなんのダメージも与えないが「煙幕攻撃」は、大学野球ならではの応援だった。全面禁煙の今の球場では考えられない。

タバコを吸うのが当たり前だった昭和時代

昭和の時代、世の中には「禁煙スペース」はあったが「喫煙スペース」はなかった。「禁煙」と書かれていない場所では、どこでもタバコOKだったのだ。

筆者は広告会社に入ったが、打ち合わせはもうもうたる煙の中でするのが常だった。副流煙もへったくれもなかった。筆者のようにタバコを吸わない社員も、ヘビースモーカーに付き合って薫製のようになりながら打ち合わせをした。帰宅すると親が「タバコ臭っ!」といったものだ。不思議なことに、そのころはタバコの煙を浴びても、苦しいとも不快とも思わなかった。そんなものだと思っていた。

昭和のプロ野球選手も当然のように愛煙家だった。殊勲打を打った選手は、試合後にロッカールームで記者団に囲まれて、うまそうにタバコを一服吸ってからインタビューに応えたものだ。それは「男の美学」を感じさせる光景だった。

ただ、世界的に見れば、この時代でもアスリートが喫煙するのは異常なことではあった。スポーツライターのマーティ・キーナートは1988年に出した『ニッポン野球、一刀両断―外人選手170人の証言』(石田パンリサーチ出版局)で、外国人選手の多くが、日本の野球選手がロッカールームで平気でタバコを吸っていることに驚いていると書いた。

平成になってから「禁煙」が社会の常識になるとともに日本人の「喫煙」に対する受容度、許容度は急速に小さくなっていく。

1989(平成元)年の全世代の喫煙率は、JT全国喫煙者率調査では男子61.1%、女子12.7%だったが、2018(平成30)年には男子27.8%、女子8.7%だ。

あれほどタバコの煙に燻されながら仕事をした筆者も、最近は、タバコの煙がふっとでも鼻をかすめると、そちらの方へ目が行くようになった。また、タバコの煙が鼻に入ると頭痛がするようになった。言い方を変えれば体が「タバコへの耐性」を喪失したと言えそうだ。

いまだにタバコを吸う野球選手たち

今では野球場も指定の喫煙場所を除いて全面禁煙になった。東京ドームでは建物の外側にビニールの幕で覆った喫煙所が設けられている。愛煙家はここで肩身が狭そうに、タバコを吸っている。スタンドで観戦していると敵の攻撃になると席を立って、しばらくすると香ばしい匂いをまとわりつかせて席に戻ってくるおじさんをたくさん見かける。

しかしながらスタジアム、とくにダッグアウトの上辺りにいると、ごくたまに頭痛がすることがある。またかすかに匂いが漂ってくることがある。これは、球場のベンチ裏にある「喫煙室」の煙が、どこかの隙間を通って漂っているのだ。

今年、巨人の監督に復帰した原辰徳は、就任会見で主砲の岡本和真に話が及ぶと「まず、タバコをやめるべきだろうね」といった。これは少なからぬ衝撃を与えた。世間には「まだ吸ってるのか!」と驚いた人がかなりいたはずだ。

日本のプロ野球選手の多くは、今も「愛煙家」だ。だから日本のプロ野球の本拠地球場のベンチ裏には「喫煙室」があるのだ。そしてほとんどの場合、喫煙習慣は、アマチュア野球の時代に身についたものだ。春先に前年高卒で入団した新人選手が「喫煙」で謹慎させられることがよくあるのは、それを物語っている。

筆者は高校野球の監督に話を聞くこともあるが、取材に赴くと監督が応接室の窓からグラウンドへ向かって「おい、タバコ」と叫ぶのをしばしば目にする。その声を聞いて、グラウンドで声を出している控え選手が慌てて部室に駆け込んで、灰皿とタバコ、ライターを持って応接室に持ってくるのだ。見慣れた風景だ。最近は「吸っていいかね」という人が増えたのが変化といえば変化か。

タバコと日本野球は、かくも親和性が高いのだ。もちろん、未成年者の喫煙は法律で禁止されており、今の高校野球部の選手は一切喫煙してはならない。それでも喫煙が発覚した球児たちが、学生野球協会の対外試合禁止や謹慎処分となるニュースも散見される。

昔の時代の指導者は「ばれないように吸え」ということもあった。SNS全盛の昨今では、どこで誰が見ているかもわからない。今は「絶対吸うな」と指導者たちは言っている。

指導者や親たちが喫煙者だったら

しかしながら、指導者のかなりが愛煙家なのだ。そして、ほとんどが選手の前でもタバコを吸う。日本の高校野球は長時間練習をするから、愛煙家の監督は我慢することができない。そういう指導者も「タバコを吸うな」とは言うが、切っ先が鈍るのは仕方がないところだ。

また、高校球児の親たちの喫煙率も決して低くはない。少年硬式野球では、練習グラウンドの整備を保護者がやることが多い。グラウンドをならしたり、ラインを引いたりした親は、子どもたちの練習が始まると球場裏で待機するが、集まって喫煙しているのをよく見かける。

父親だけでなく母親の喫煙率もかなり高い。冬場などは一斗缶でたき火をして、それを囲んでお父さん、お母さんが紫煙をくゆらせるのだ。こういう家では子どもたちに「タバコを吸うな」と言っているのかどうか。

そして、父母や指導者がタバコを吸いながら子どものサポートをする光景を目にするだけで「わが子に野球をやらせるのはやめよう」と思う親が少なからず存在する。

日本のプロサッカー界(Jリーグ)は、タバコを吸う選手は極めて少ない。「誰々が吸っている」という話もあるがレアなケースだろう。そして少年サッカーの現場では原則「禁煙」だ。

日本の野球界は残念ながらそうはなっていない。指導者や保護者の喫煙率は高いし、禁煙を励行しながらもそれを徹底している団体はほとんどない。少年野球団体が「全面的な禁煙」を通告したという話も聞かない。大会のときに「タバコは指定された場所で吸いましょう」というお達しが出る程度だ。

今、高校野球の「球数制限」が大きな話題になっているが「野球界の喫煙」問題も、これと密接な関係にある。医師は、保護者や指導者の喫煙が野球少年、とりわけ小学生に大きな影響を与えると警告している。受動喫煙による血流障害によって、野球肘の1つであるOCD(離断性骨軟骨炎)の発病リスクが上がるという指摘もある。

この部分でも悩ましい問題が存在する。筆者は、野球の普及活動や、新しい指導法を開発する指導者、関係者の会合によく出る。その後の宴席に出ることもあるが、会場の端っこのほうで喫煙する人が結構いるのだ。周囲は見て見ぬふりをするが、かなり気まずい空気だ。

野球の未来に向けて、いろいろな活動を行っている進歩的な人の中にも、少数ながら喫煙者がいるのだ。

喫煙そのものが悪いわけではない

もちろん、「禁煙」だけを踏み絵にして、喫煙者を排除することはよくない。喫煙そのものは違法ではないし、価格が高くなったとはいえ、タバコも買うことができる。

問題は喫煙する指導者の「自覚」だ。今、タバコを吸っていない多くの指導者は、自ら発心して禁煙に成功している。そのことを考えるべきだろう。

スポーツ指導者として禁煙へ向けた努力はあってもよいだろう。そのうえで、子どもの前では絶対に喫煙しないこと。どんなに長く接していても、子どもの前で吸わないことを徹底したい。

そして、わが子や教え子を「喫煙者」にしないこと。そうした努力の過程で、指導者としても進化するのではないだろうか。

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中国 政府機関は2022年までに禁煙に 喫煙率低下目指す目標具体化

中国 政府機関は2022年までに禁煙に 喫煙率低下目指す目標具体化

http://japanese.cri.cn/20190723/5cf6c775-9013-9c34-640d-67b932aa35d4.html

2019-07-23 12:23

 全国民の健康を促進する事業「健康中国行動」に取り組む健康中国行動推進委員会弁公室は22日、政府の禁煙目標について「2022年までに政府事務所の多くを禁煙とする」と示しました。

 国家衛生健康委員会企画局の毛群安局長は同日、「禁煙活動において、個人と家庭、社会、そして政府の3つのレベルで行うべき措置がはっきりと示された。政府については、中国共産党と政府のほとんどの事務所を2022年までに禁煙とする。これと同時に喫煙率の減少を目指し、同じく2022年までに15歳以上の喫煙率を24.5%以下に抑えていく」と述べました。

 さらに禁煙活動の3つのポイントとして、「個人が早いうちにタバコを止めること」、「指導者や幹部、医療関係者、教師らがリーダーシップを発揮すること」、「企業などは職場(室内)の禁煙を全面的に実施すること」を訴えました。

 調査によりますと、中国では15歳以上の喫煙率は2018年に26.6%となって下降傾向にありますが、2030年までに20%以下に抑えるという目標にはまだ大きく届きません。

 毛局長はまた、禁煙と定められた場所での喫煙をなくすための政府の措置として、公共の場での監督管理の強化、喫煙の有害性の宣伝と教育、禁煙を行う人たちのためのサービスの整備、タバコ依存症患者の治療拡大、税収や価格の調整などを挙げました。(Mou、謙)

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