たばこ対策

分煙や禁煙について

街も「世界標準」へ=あふれる外国語表示、灰皿は撤去-東京五輪500日切る

街も「世界標準」へ=あふれる外国語表示、灰皿は撤去-東京五輪500日切る


https://trafficnews.jp/post/84644


2019.03.24 時事通信


 東京からTOKYOへ。世界中から観戦客が訪れる五輪・パラリンピックの開幕が近づき、街の風景が変わり始めた。訪日客に不便を感じさせないようにと、外国語の案内やキャッシュレス決済が急ピッチで拡大。受動喫煙防止という国際世論の風にたばこの煙は隅へと追いやられ、東京は「世界標準」の都市に変貌を遂げつつある。


 ◇AIが4カ国語で案内


 街を彩るデジタルサイネージ(電子看板)。ポスターと違って自動で画面が切り替わり、動画も流せるため「人目を引きやすい」(西武鉄道)と駅構内や商業施設で広がりを見せる。画面に触れれば外国語に替わるタイプも登場。三越銀座店は化粧品売り場に4カ国語で表示するフロア案内を2台設置した。


 JR東日本は五輪前の本格導入を目指し、人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージの実験中。東京駅では画面上のAI「さくらさん」が観光客の質問に笑顔で答える。語学堪能なさくらさんは乗り換えや飲食店などの情報を日本語のほか英語、中国語、韓国語で音声案内してくれる。


 訪日客が母国で使うスマートフォン決済の導入も相次ぐ。百貨店やコンビニエンスストアなどで先行していたが、ここに来て公共交通機関や観光名所が追随。東京メトロは2月21日から主要駅で、1~3日間乗り放題の訪日客向け乗車券を「アリペイ」で買える仕組みを取り入れた。


 国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を掲げており、国は健康増進法で、東京都は独自の条例で五輪開幕までに屋内での喫煙を制限する。大手ファミリーレストランのサイゼリヤが9月までに全店で禁煙にするなど、灰皿は徐々に姿を消し始めている。


 コンビニではセブン-イレブン・ジャパンが昨年、店頭に灰皿を置いていた都内の加盟店約1000店に撤去を要請した。撤去済みや予告の張り紙を掲示した店、撤去に前向きな店を合わせると約7割に上る。


 一方、これから禁煙化を進める外食店は、売り上げへの影響を懸念する。居酒屋チェーンの幹部は「ファミリー層が増えて売り上げがアップするのか、喫煙客が減るのか分からない」と、全面禁煙の時期を決めあぐねている。


 また、大手コンビニは今夏までにほぼ全店で成人誌の販売をとりやめる。五輪開催はこれまでの日本基準を見つめ直す契機になっている。 


【了】

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東京都の「受動喫煙啓発ポスター」はなぜ「意味不明」に仕上がったのか

東京都の「受動喫煙啓発ポスター」はなぜ「意味不明」に仕上がったのか
石田雅彦 | ライター、編集者
3/25(月) 9:00

「東京都受動喫煙防止条例」ホームページより

 東京都は国より厳しい受動喫煙防止条例を策定し、千葉市など追随する他の自治体の条例案に大きな影響を与えた。その後、都は受動喫煙防止対策の啓発に乗り出すが、ロゴマークに首を捻る人もいればポスターに意味不明という声もあがる。弁護士でもある東京都議の岡本こうき議員(都民ファーストの会)にそのあたりの事情を聴いた。

不可思議なシンボルマーク

 2018年6月に都議会で可決成立した東京都の受動喫煙防止条例は、原則として屋内禁煙(屋内禁煙、喫煙専用室、加熱式タバコ用喫煙席の3つから選択可能)を定めているが、例外として飲食店では従業員のいない場合に喫煙可も選択できる内容(屋内禁煙、喫煙専用室、加熱式タバコ用喫煙席、喫煙可能の4つから選択可能)となっている。

 これは客席面積100平方メートル以下で規制対象外とする国の改正健康増進法よりも厳しく、2018年9月に可決された千葉市の受動喫煙防止条例、2019年3月に県議会で可決された妊婦や未成年者のいる場所での禁煙を定めた兵庫県の受動喫煙防止条例案などにも強い影響を与えた条例といえる。

 都の受動喫煙防止条例は、2019年1月1日からすでに一部施行されているが、それに先がけて2018年12月には受動喫煙防止対策のアンバサダー「健康ファースト大使」として高橋尚子・元マラソン選手の起用と公式シンボルマークの決定を発表した。アンバサダーについて異論は出なかったようだが、公式シンボルマークには筆者を含めて「おやっ?」と首をかしげる人もいる。

 都のホームページ(2019/03/19アクセス)によれば「この条例は、東京2020大会に向け、たばこを吸う人も吸わない人も、快適に過ごせる街の実現を目指していくことを目的」としているらしい。さらに「オール東京で受動喫煙対策に取組む機運を醸成するため、アンバサダーと、公式シンボルマークを決定」したそうだ。

 緑と青を基調としたデザインのシンボルマークは、東京都の「T」の形になっており、中央には「KENKO FIRST TOKYO」という文字が入る。このマークを見て受動喫煙防止を訴えているように見える人がどれだけいるか、疑問だ。これがシンボルマークといわれ、素直に受け入れられる人は少ないのではないだろうか。もちろん、見えると言い張られれば「そうかな」とも思う。

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2018年12月に発表された受動喫煙防止対策の公式シンボルマーク。タバコの「タ」の字も受動喫煙の「受」の字もない。「T」の字をかたどったデザインから受動喫煙を防止するという視覚的イメージも伝わってこない。Via:東京都の報道発表資料「受動喫煙防止対策 アンバサダー・公式シンボルマークの決定 キックオフイベントを開催します」より

どこかで聞いたフレーズも

 さらに面妖なのは、2019年1月に発表されたポスターと動画だ。ポスターはシンボルマークと同じテイストで、小さく「受動喫煙防止条例、はじまる。」とあるが、筆者には条例の主旨がほとんど伝わってこないデザインに思える。知人の一人は、このポスターを見るなり「意味不明」とつぶやいた。

 ポスターにもあるが、動画にも「タバコを吸う人も吸わない人も、誰もが快適に過ごせる街を目指して」というナレーションが入る。どうしても「タバコを吸う人」という文言を入れたいという想いが強く伝わってきてモヤモヤっとした。

 この「吸う人も吸わない人も」というフレーズ、どこかで耳にしたと思い返せば、JT(日本たばこ産業)がよく使っているものと同じだ。何か関係があるのだろうか。

 ちなみに、自民党たばこ議員連盟の会長である野田毅衆議院議員は「吸わない人の権利と共に、吸う人の権利も考えて」などと発言している。筆者は、国の改正健康増進法でも「望まない受動喫煙」という摩訶不思議なフレーズに引っかかったが、これは自民党たばこ議員連盟が改正健康増進法の対案に入れた文言「欲せざる受動喫煙」を想起した。

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東京都の受動喫煙防止条例を広く知ってもらうために制作されたポスター。Via:東京都福祉保健局の「東京都受動喫煙条例啓発ポスター(健康ファースト大使)」のホームページより(2019/03/19アクセス)

電通が約3000万円で落札

 2019年3月18日、東京都議会の厚生委員会が開かれた。筆者はこの日の委員会を傍聴したが、このポスターについて興味深い質疑応答があったので紹介したい。

 委員会では、委員である都議からの質問に対し、都の福祉保健局などの部局から参集した大勢の都職員が居並んで回答する。岡本こうき都議(都民ファーストの会)は、都の防災対策や児童虐待などの質問の後、おもむろに上記のポスターを提示して「ポスターの受動喫煙防止の文字が小さく、何のポスターなのかわかりにくい。せっかく高橋尚子さんの写真を使っているのに顔が見えにくいため、もったいないと思う。空の色もきれいな色なら良かったのに」と指摘した。

 続いて、一連の受動喫煙防止対策の企画制作を受託した企業が株式会社電通と聞いているとし、ポスターのデザイン費、動画制作費、イベント費などを合わせて約3000万円で受託していることを述べた。また、雑誌『選択』(2016年7月号)の記事を紹介し、JT(日本たばこ産業)という広告主と広告宣伝会社である電通によるメディアへの圧力の存在疑義について指摘した。

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東京都議会の厚生委員会で都が作成したポスターを手に質問する岡本都議。写真提供:岡本こうき東京都議会議員

JTによるメディア圧力?

 筆者は創業者の飯塚昭男・元編集長をよく知っていたが、『選択』は「三万人のための総合情報誌」を標榜し、定期購読が基本で全国に読者を持ち、公称発行部数は6万部。大手メディアの記者らが自社媒体で書けない内容の記事を匿名で寄稿し、広告をほとんど入れず、広告主の影響を極力排除して誌面を構成しているようだ。

 岡本都議は『選択』記事を引き、JTは年間200数十億円の広告宣伝費を使い、ほぼ定価で広告を入れてくれるメディアにとっての上顧客と書かれていると指摘。JTはメディアに対してタバコに関する偏向記事の掲載を求め、それに電通が荷担しているという記事の内容を紹介した。

 そして、これらの前提知識をもってポスターのことを考えれば、もしかすると株式会社電通はJTというタバコ産業のために、都から受託した仕事で意図的にインパクトの乏しいものを作ったのではないかと疑念を持つ都民もおり、直接的な証拠がないのでそう断定することはできないものの、客観的にみてそうした疑念がわくのも不自然ではないと述べた。

 さらに、都に対しては、日本も加盟するタバコ規制枠組条約(FCTC)第5条3項を示し、タバコ規制の政策へのタバコ産業からの影響を警戒する必要があると指摘した。この内容については、厚生労働省「WHOたばこ規制枠組条約第5条3項の実施のためのガイドライン」「たばこ規制に関する公衆衛生制作をたばこ産業の商業上及び他の既存の利益から保護すること」(2019/03/22アクセス)に詳しい。

 タバコ産業は、国や行政、公衆衛生当局が市民国民の健康のために実施しようとするタバコ規制政策に陰に陽に容喙し、政治的なロビー活動などによって影響力を行使し、タバコ規制を骨抜きにしようと画策してきたという厳然たる歴史的事実がある。タバコ産業も認めるこうした行状を念頭に置き、FCTC各国、官僚、管轄権下にある自治体、公的機関などのスタッフは、公衆のためのタバコ規制政策をタバコ産業の利益から保護する責任がある。

 岡本都議はFCTCのガイドラインを踏まえ、受動喫煙対策の啓発のためのシンボルマークやポスターなどのようなタバコ対策に関する企画制作を、タバコ産業との関係がある企業、団体、組織が担当することについて入札条件を付けるべきと都に提案。これについては、難しい問題としつつも都に検討を促した。

 ところで、2018(平成30)年度の東京都の受動喫煙防止対策予算は、25億7800万円(2019年度は45億7400万円)となっており、受動喫煙防止対策の推進の項目としては新制度に関する普及啓発、新制度に伴う業務委託、新制度に伴う市町村支援等となっている。

 この中で、市区町村に対する受動喫煙防止対策の推進のための補助金として(都の負担割合4/5~10/10)13億9800万円が計上されているが、岡本都議は飲食店などの喫煙施設の撤去費用も10/10の補助金対象になるかと都に質問した。

 また、2019年度には、対策推進費に禁煙教育レベル別副教材の作成、東京2020大会に向けた宿泊施設・飲食店の受動喫煙防止対策支援事業が新たに加えられた。都の回答は、喫煙施設を撤去し、飲食店が全面禁煙にするための費用を市区町村が負担した場合、都の補助金の対象となると明言し、禁煙教育教材の作成には専門の医師らの参加を求めるともした。

FCTCを守るための仕組みとは

 東京都議会の厚生委員会の後、この件について岡本都議から話を聞いた。

──東京都が株式会社電通に委託して作成したシンボルマークやポスターなどの印象について。

岡本都議「東京都は、九都県市(埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)共同で受動喫煙防止対策普及啓発用のポスターを作成しています。それと比較すれば、今回の東京都のシンボルマークやポスターがいかに伝わりにくいか明らかだと思います。もちろん、予算の大小に見合うだけの効果やインパクトのあるものを作るべきであり、都においても必要なら予算を大きく使ってもいいと思いますが、たとえば千葉市は九都県市で作成したシンボルマークなどを使って、比較的低予算でも効果のある啓発を図っています」

──株式会社電通の落札とFCTCとの関係について。

岡本都議「まず、FCTCのガイドラインには、それが都庁にも適用されると明記されています。FCTCには、条約締約国、つまり都庁の担当者はタバコ産業やタバコ産業の利益を振興するために活動している者と交渉する際、説明責任を果たして透明性を保つよう交渉相手に求めるべきとしています。今回のシンボルマークやポスターなどについていえば、都の担当者は、株式会社電通がタバコ産業の利益を振興するために活動しているかどうか認識が不十分だったかもしれませんが、受託した企業、団体、組織に対して利益相反を説明させるような仕組みを作るべきだと思います」

──それはどのような仕組みになるか。

岡本都議「今後は、入札などの条件、具体的にはタバコ産業の利益の増進のために活動している企業、団体、組織は、入札に参加できないという条件を付ける、あるいは少なくともタバコ産業の利益の増進のために活動している企業、団体、組織は、入札後にタバコ産業との契約内容を開示・公開し、利益相反をどのように防止するのか防止策を説明し、構築することを条件に加える必要があると思います」

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九都県市のポスターと東京都のポスター(左)を両手に持つ岡本都議。どちらが受動喫煙防止の必要性を訴えていると思うだろうか。写真提供:岡本こうき東京都議会議員

 ところで、東京都の受動喫煙防止対策の担当は、福祉保健局>保健政策部>健康推進課の下の「事業調整担当」という、これまた不思議な名前の部署になっている。いったいどんな事業を調整しているのか、筆者は何かとてもモヤモヤした気分になった。

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街も「世界標準」へ=あふれる外国語表示、灰皿は撤去-東京五輪500日切る

街も「世界標準」へ=あふれる外国語表示、灰皿は撤去-東京五輪500日切る

 東京からTOKYOへ。世界中から観戦客が訪れる五輪・パラリンピックの開幕が近づき、街の風景が変わり始めた。訪日客に不便を感じさせないようにと、外国語の案内やキャッシュレス決済が急ピッチで拡大。受動喫煙防止という国際世論の風にたばこの煙は隅へと追いやられ、東京は「世界標準」の都市に変貌を遂げつつある。

 ◇AIが4カ国語で案内

 街を彩るデジタルサイネージ(電子看板)。ポスターと違って自動で画面が切り替わり、動画も流せるため「人目を引きやすい」(西武鉄道)と駅構内や商業施設で広がりを見せる。画面に触れれば外国語に替わるタイプも登場。三越銀座店は化粧品売り場に4カ国語で表示するフロア案内を2台設置した。

 JR東日本は五輪前の本格導入を目指し、人工知能(AI)を使ったデジタルサイネージの実験中。東京駅では画面上のAI「さくらさん」が観光客の質問に笑顔で答える。語学堪能なさくらさんは乗り換えや飲食店などの情報を日本語のほか英語、中国語、韓国語で音声案内してくれる。

 訪日客が母国で使うスマートフォン決済の導入も相次ぐ。百貨店やコンビニエンスストアなどで先行していたが、ここに来て公共交通機関や観光名所が追随。東京メトロは2月21日から主要駅で、1~3日間乗り放題の訪日客向け乗車券を「アリペイ」で買える仕組みを取り入れた。

 国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を掲げており、国は健康増進法で、東京都は独自の条例で五輪開幕までに屋内での喫煙を制限する。大手ファミリーレストランのサイゼリヤが9月までに全店で禁煙にするなど、灰皿は徐々に姿を消し始めている。

 コンビニではセブン-イレブン・ジャパンが昨年、店頭に灰皿を置いていた都内の加盟店約1000店に撤去を要請した。撤去済みや予告の張り紙を掲示した店、撤去に前向きな店を合わせると約7割に上る。

 一方、これから禁煙化を進める外食店は、売り上げへの影響を懸念する。居酒屋チェーンの幹部は「ファミリー層が増えて売り上げがアップするのか、喫煙客が減るのか分からない」と、全面禁煙の時期を決めあぐねている。

 また、大手コンビニは今夏までにほぼ全店で成人誌の販売をとりやめる。五輪開催はこれまでの日本基準を見つめ直す契機になっている。 

【了】

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増える「嫌煙」企業。就業中の全面喫煙禁止や喫煙者不採用は妥当なのか?

増える「嫌煙」企業。就業中の全面喫煙禁止や喫煙者不採用は妥当なのか?

喫煙への規制が強まる中、社員に禁煙を求める企業が増えている。ソフトバンクは3月19日、就業中の喫煙を段階的に禁止すると発表した。今年4月から毎月最終金曜日のプレミアムフライデーを禁煙にし、10月からは毎週水曜日の定時退社日も禁煙とする。さらに2020年4月からは全面禁煙にするという。就業中は外出先も含め禁煙だが、休憩時間の喫煙までは制限しない。

◆「たばこは法律で規制されているわけでもないのに……」

 同社では現在、事業所内に喫煙所があり、喫煙が認められている。しかし2020年10月の新社屋への移転をめどに全国の事業所内の喫煙所を撤廃するという。

 同社の広報担当者は、「社員の健康管理を目的として、就業中の禁煙に踏み切ることにしました。約2年前から進めてきた、働き方改革や健康経営の取り組みの一環です。現在のところ、社員から不満は出ていません」と話す。

 同様の制限を設けているのがローソンだ。2017年6月から本社と地域の事業所を終日禁煙とし、勤務時間中は外出時も含めて禁煙だという。ただし加熱式たばこは規制の対象外だ。

 こうした規制を歓迎する人も少なくない。たばこを吸わない人の中には、喫煙者からするたばこの匂いを苦手に思っている人もいるだろう。喫煙者だけがたばこ休憩を取れるのは不公平だと感じている人も多い。

 しかし、喫煙文化研究会の山森貴司さんは、「たばこは法律で禁止されているわけでもないのに、過度に規制されているように感じる」と話す。

 喫煙者だけがたばこ休憩を取るのは不公平だという意見にも懐疑的だ。

「たばこを吸わない人の中には、喫煙者がたばこ休憩を取るのがずるいと感じる人もいるようです。しかし人によっては、たばこを吸いながらPCで仕事をするという人もいます。それにたばこを吸うと、ニコチンの薬理効果で脳が刺激され、気分転換できることがわかっています。むしろたばこ休憩を取ったら、その後集中力が上がるのではないでしょうか。

また、たばこ休憩は取らなくても、コーヒーを淹れたり、お菓子を食べたりする人はいるのではないでしょうか。仕事中のちょっとした休憩を切り詰めていったら、昼休み以外は一切の気分転換ができないということになりかねません。最悪、トイレ休憩ですら上司の許可が必要ということになりかねないと思います」

 近年、サンドハード・スモークの危険についても指摘されるようになってきた。喫煙者の服や髪に付着したり、呼気に含まれていたりする有害物質によって、受動喫煙の被害が生じる可能性があるというのだ。

 この考え方に基づいて、受動喫煙対策を導入した自治体もある。奈良県生駒市では昨年4月から、喫煙した職員は45分間エレベーターを使うことができなくなった。周囲の人が、喫煙者の呼気に含まれる有害物質を吸い込まないようにするためだ。

 こうした流れに対し山森さんは、「センシティブになりすぎだ」と指摘する。

「サードハンドスモークって実証されているんでしょうか。少しセンシティブになりすぎではありませんか。そんなことを言い出したら、外で排気ガスを吸ってきた人の呼気には有害物質が含まれているのではないでしょうか」

◆加熱式たばこなら匂いも低減

 フィリップモリスインターナショナル(PMI)によると、「IQOS(アイコス)」は従来の紙巻たばこに比べ、有害物質を9割も削減できているという。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も同社の「glo(グロー)」が有害物質を9割減、日本たばこ(JT)も「Ploom TECH(プルームテック)」では有害物質が99%減少したと謳っている。

「本当に有害物質を9割以上カットできているのか疑問の余地はあります。しかし匂いもせず、有害物質が少ないのであれば、加熱式たばこが規制されるのはおかしいと思います。こうしたものを規制するのは、企業の独善だと言わざるを得ないでしょう。私は自宅でプルームテックを吸ったことがありますが、ほとんど匂いがしませんでしたよ」
喫煙者を採用しない星野リゾート

 ソフトバンクやローソンよりも徹底しているのが、全国に旅館やホテルを展開する星野リゾートグループだ。同社では喫煙者を採用しておらず、現在喫煙している人に対しては、入社までに禁煙するよう求めているという。喫煙者が仕事中に何度も喫煙していると作業効率が落ちるだけでなく、喫煙者だけに頻繁な休憩を認めるのは不公平だからだという。(参照:ねとらぼ)

 山森さんは、「民間企業がどのような人を採用するのかは自由です。ただ、喫煙者を採用しない、入社までに禁煙を求めるということは、従業員の勤務時間外の行動まで制限するということになります。それは働く人の自由を奪うものではないでしょうか」と話す。

◆「健康でいろ」は余計なお世話

 喫煙への規制が進む背景には、健康意識が高まり、受動喫煙の害が広く知られるようになってきたことがある。昨年7月には、受動喫煙対策を強化した改正健康増進法が成立した。これを受けて、2019年7月には官公庁や学校、病院の敷地内が禁煙となり、2020年4月にはホテルや飲食店でも屋内禁煙となる。

 そもそも健康増進法は、国民に健康維持を求めるものだ。しかし誰しもが健康でいるべきなのか、そもそも健康とはどのような状態なのか、疑問は残る。

「健康でいることを義務付けられるなんて、余計なお世話だと思いませんか。私たちには不健康でいる自由があります。『愚行権』という言葉にもあるように、たとえ健康を害するとしても、たばこを吸う自由があるはずなんです。長生きしたい人は健康な生活を送って長生きできるようにすればいいけれど、大して長生きしたくないという人は怠惰な生活を送ってもいいじゃないですか」

 もちろん健康増進法には、疾病を防ぐために、生活習慣の改善を促すという意義がある。疾患の予防ができれば、医療費の抑制にもつながる。しかし、そうした事情があるにしても、個人の自由、それがたとえ「不健康になる自由」だとしても、国家や企業が干渉しても良いのかどうか。今一度考えてみる必要があるのではないだろうか。

<取材・文/中垣内麻衣子>

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ソフトバンク、仕事中は外出先でも全面禁煙へ 来春から

ソフトバンク、仕事中は外出先でも全面禁煙へ 来春から
2019年3月19日19時38分

 ソフトバンクは19日、社員の禁煙を段階的に進めると発表した。2020年4月からは、外出先も含めた就業中の完全な禁煙を義務づける。健康になってもらい、生産性の向上につなげることを狙う。

 現在は事業所内の喫煙所などでたばこを吸うことを認めているが、4月からは毎月の最終金曜日の「プレミアムフライデー」は就業中を禁煙にする。10月からは毎週水曜も禁煙にするなど徐々に広げていく。就業中に吸った社員への罰則は設けないが、ルールを守るように指導する。

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禁煙区域でたばこに火を点けただけでも取り締まりの対象に  韓国

禁煙区域でたばこに火を点けただけでも取り締まりの対象に
登録:2019-03-18 22:12 修正:2019-03-19 08:05
福祉部、禁煙区域指定および管理業務に指針 
禁煙区域でたばこを吸えば過料賦課 
保育園などでは1万円、禁煙アパートは5千円 
電子たばこも同様に適用 
火をつけずに咥えているだけなら過料の対象外

 禁煙区域では、たばこに火を点けただけでも取り締まりの対象になる。火のついていないたばこをくわえているだけでは過料の賦課対象にならない。

 18日、保健福祉部と韓国健康増進開発院が地方自治体に送った「2019年禁煙区域指定・管理業務指針」によれば、地方自治体は禁煙区域でたばこを吸う喫煙者に対し、摘発の度に過料を賦課することができる。過料は公衆利用施設や保育園・幼稚園などでは10万ウォン(約1万円)、禁煙アパートでは5万ウォン(約5千円)で、地方自治体が指定した禁煙区域では条例で定めた過料として最高10万ウォン(約1万円)が賦課されうる。

 禁煙区域における取り締まり指針では、禁煙区域では喫煙はもちろん火を点けたたばこを持っているだけでも過料の賦課が可能だ。世界保健機構たばこ規制基本協約のガイドラインには「喫煙はたばこ製品の煙を能動的に吸い込んだり吐き出すかに関係なく、火の点いたたばこ製品を所持していることも含む」と規定している。もちろん火の点いていないたばこを持っていたりくわえている場合には過料は賦課されない。

 取り締まり員が禁煙区域内で喫煙している姿を撮影し証拠資料として活用することも、個人情報保護を侵害しない。個人情報保護法では、公共機関は法令などで定める業務のためには写真を収集することができると規定しているためだ。

 電子たばこも巻きたばこと同様に取り締まりの対象だ。たばこ葉から抽出されたニコチンが入っているので、たばこ事業法上のたばこに分類されている。ただし、医薬品または医薬外品に分類された禁煙補助剤については過料が賦課されない。

キム・ヤンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/health/886308.html韓国語原文入力:2019-03-18 11:33
訳J.S

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ソフトバンクは社員のたばこ一服に「NO」、2020年完全禁煙へ

ソフトバンクは社員のたばこ一服に「NO」、2020年完全禁煙へ
ソフトバンクは社員の健康増進のため、段階的に禁煙を実施し、2020年10月の新社屋への移転をめどに全国の事業所内の喫煙所を撤廃する。
  19日の発表資料によれば、同社は受動喫煙の防止や喫煙率の低下を目的に、19年4月からプレミアムフライデー(毎月最終金曜日)の就業時間中の喫煙を禁止する方針。10月からは定時退社日の毎週水曜日にも実施する。20年4月から全面的に禁煙にするという。
  このほか、勤務時間インターバル制度を導入し、終業から始業までに10時間以上の連続した休息時間を取ることを義務付ける。また、がんの通院治療が必要な社員に対しては、治療休暇も設ける。
  社員の健康増進を経営推進につなげようとする企業は増えており、大和証券グループ本社や野村ホールディングスは最高健康責任者(CHO)を新設。経済産業省と東京証券取引所は毎年、社員の健康管理に戦略的に取り組む企業が株式市場で評価されるよう「健康経営銘柄」を選定している。19年は37社が該当し、情報・通信ではヤフーが初めて選ばれた。

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「いだてん」喫煙シーンはNG? テレビ業界「たばこ」と「酒」の奇妙な逆転現象

「いだてん」喫煙シーンはNG? テレビ業界「たばこ」と「酒」の奇妙な逆転現象

転換期は木村拓哉?

 意外に思われるかもしれないが、検索エンジンで「たばこ 映画」と検索すれば、名場面を振り返る記事が目立つ。ツイッターも同じ傾向だ。しかし「たばこ テレビ」に変えると、ネット上の論調は一転してしまう。

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 たばことテレビといえば、公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」が2月、NHKに「大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に受動喫煙のシーンが多い」と抗議。番組内での謝罪を求めたことが話題になった。

 とはいえ、世論も全面的に賛同したわけではない。例えば、抗議を報じた朝日新聞(電子版)の記事は、「いだてんに『受動喫煙シーンやめて』 機構指摘、反発も」(3月3日)と、機構の姿勢に批判的な声も踏まえた見出しを付けた。

 嫌煙権を主張する人々と、禁煙ファシズムを憂慮する人々――今は両派がせめぎ合っている時代なのかもしれないが、テレビ業界の本音は、どんなものなのだろうか。ベテランの制作関係者に話を聞いた。

「たまにアナログ放送時代のドラマが再放送されているのを見ることがありますが、私のような制作側の人間でも、昔は喫煙シーンが多かったことに衝撃を受けますね。禁煙派と反禁煙派がせめぎ合っているどころか、今は喫煙者に完全な逆風というのが実感です。テレビにおける喫煙シーンが最初に問題になったのは90年代後半、木村拓哉さんに対して批判が起こったことが原点ではないでしょうか」(民放キー局の番組制作関係者)

 データベースで調べてみると、例えば産経新聞は、97年5月、“ワースト・スモーカー・コンテスト”の結果が発表されたと報じている。「タバコ問題首都圏協議会」という団体が「ドラマ中に喫煙シーンが多い」と、木村拓哉をワースト3位に選出したというのが記事の内容だ。ちなみにワースト1位は、当時の橋本龍太郎首相(故人)だった。

 木村のテレビドラマ出演歴を調べてみると、この時期の主な出演作は「ロングバケーション」(フジテレビ系列:96年4月~6月)、「協奏曲」(TBS系列:96年10月~12月)、「ギフト」(フジテレビ系列:97年4月~6月)という顔ぶれになった。

「昔はドラマだけでなくトーク番組やインタビューでも、たばこを吸っている芸能人や政財界の要人が珍しくありませんでした。もちろん現在は皆無と言っていいでしょう。バラエティ番組で、たばこを吸う場面を最後まで流していたのは、『さんまのまんま』(関西テレビ/フジテレビ系列)でしょう。今でも、ごく僅かに、電子たばこを吸うタレントが画面に映ることがありますが、視聴者ウケは良くないと思います」(同・制作関係者)

 JTの調査によると、成人男性の喫煙率ピークは1966年の83.7%、それが18年は27.8%にまで減少している。喫煙者が“雲散消滅”したのだから、テレビからたばこが“追放”されて当然なのかもしれない。

 ところが、たばことは対照的に、もう1つの“嗜好品”の雄である酒は、現在のテレビでは大人気だという。

「草分けは、BS-TBSで03年から放送されている『吉田類の酒場放浪記』でしょう。地上波では、日本テレビの『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』が14年からスタートさせた『○月×日(金)△△駅で朝までハシゴの旅』のコーナーが嚆矢ではないでしょうか。大物の参入は、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系列)で『本音でハシゴ酒』のコーナーがメイン企画となった15年8月、松岡昌宏さんの『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』(テレビ東京系列)は17年4月から始まっています」(同・制作関係者)

 酒の場合、以前のほうが視聴者からのクレームが多かったという。たばこと綺麗に反比例しているところが興味深い。

「テレビでたばこを吸うことがOKだった時代では、逆に飲酒するシーンは、年末年始の番組で許されているくらいでした。いや、それでも『仕事中に酒を呑むなんて不謹慎だ』と苦情の電話はかかっていましたね」(同・制作関係者)

 確かに、仕事中にオフィスでたばこを吸うことは禁止されていても、喫煙所に向かうことは問題がない。しかし、勤務中でも利用できる「飲酒所」がある会社は、皆無に近いだろう。運転中にたばこを吸うのは法律に違反しないが、酒は問答無用でアウトだ。

「今でも酒に批判的な視聴者がいるのは事実ですが、さほど多くはありません。今は『酒を呑んだ出演者は本音を語ってくれる』『酔うと意外な素顔が見られる』と、多くの視聴者が好意的に見てくれています。そのため、酒を前面に押し出していない太川陽介さんと蛭子能収さんの『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系列:07年~17年)や、徳光和夫さんの『路線バスで寄り道の旅』(テレビ朝日系列)でも、酒を呑むシーンは見せ場の1つになっています」

 もっとも、飲酒量も減少している。厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査」によると、20代で飲酒習慣を持つ割合は、男性が14.5%、女性は僅か6.5%に過ぎない。ひょっとすると、たばこの次はアルコールもやり玉に挙げられるのだろうか?

週刊新潮WEB取材班

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メディアが書けない!?タバコ問題 巨大な利権が国民の生命を損なう

メディアが書けない!?タバコ問題 巨大な利権が国民の生命を損なう
2019.03.25

 日本全国のコンビニエンスストアには、タバコ会社が作った加熱式タバコの広告看板が立ち並び、加熱式タバコのパンフレットであふれています。

 これは、世界の中で、日本だけで起きていることだと知っているでしょうか?

日本は新型タバコの実験場になっている

 2014年に日本とイタリアの一部の都市限定で加熱式タバコ・アイコスの販売が開始され、2016年に世界で初めて日本が全国的にアイコスを販売している国となりました。そして、2016年10月時点で日本がアイコスの世界シェアの96%を占めたのです。アイコスのほとんどすべてが日本で使われているのです。すなわち、日本が新型タバコの実験場になっているのです。

 新型タバコに関する情報は、タバコ会社が提供するものしか出回っていません。そのため、多くの人はタバコ会社の言うことをそのままに受け止めてしまっているようです。

タバコ問題の本が出版されにくい理由

 拙著「新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学」が2019年3月12日に発売されたことについて、これは奇跡的な出来事だと受け止めています。

 この本は、新型タバコ問題だけでなく、日本におけるタバコ問題の闇を話題にしています。私は本書において、「日本だけで広く普及してしまった加熱式タバコは、吸っている本人に対して、紙巻タバコとほとんど変わらない害があるだろう」と客観的で科学的なエビデンスに基づき予測しました。

 日本では、一般人を対象としたタバコ問題を伝える本が出版されることはめったにありません。それは、なぜでしょうか?

 その理由の一つは、日本には元国営企業のJT(日本たばこ産業株式会社)という会社があることです。現在もJTの筆頭株主は財務省(財務大臣)で、およそ3分の1の株式を保有しています。JTは毎年、テレビ局や新聞社、雑誌など主要メディアに多額の宣伝広告費を落としており、メディアにタバコ問題の取り上げ方に関して忖度するよう求めています。(1,2)

 日本で初めてとなる受動喫煙防止条例を制定した元・神奈川県知事で現・参議院議員である松沢成文さんの著書『JT、財務省、たばこ利権 日本最後の巨大利権の闇』(2013年)には『本書の出版を大手出版社数社に打診したところ、「当社では雑誌も抱えており、JTさんには広告スポンサーとして大変お世話になっているので、たばこ規制強化を訴える本の出版は難しい」と断られた』と書かれています。

 今回の私の出版企画についても、タバコ会社からの広告が多く掲載された雑誌を運営している大手出版社からは「反応が鈍かった」と聞きました。そんななかで、内外出版社が出版することにGOサインを出してくれました、その決断に心から感謝しています。せっかく出版することができましたので、少しでも多くの人に届けたいと思っています。

タバコ問題を理解してもらうプロジェクト開始!

 タバコ対策における優先するべき政策として、「タバコ税増税を含むタバコ値上げ」および「屋内禁煙化」があります。(3) これを推進するためには、タバコ問題について広く国民に理解してもらわなければなりません。

 日本人が死亡する原因のうち、最も多い原因がタバコだとわかっています。日本人の死亡に関連している変えることができる原因のうち、「タバコを吸うこと」と「高血圧」がダントツの1位と2位でした。(4) 人のいのちを大切にするために最も優先するべき対策の1つがタバコ対策なのです。

 そのため、私が取り組むべきものは、「タバコ問題について広く国民に理解してもらうプロジェクト」だと考え、私の活動、研究、広報、連携等をデザインして展開してきました。これまで、私はタバコ問題に関する疫学研究を実施し、その成果についてメディアを通じて、社会の人に幅広く届けるということを実践してきました。この取り組みは「タバコ問題について広く国民に理解してもらうプロジェクト」の一環のものです。

 日本ではこれまで、喫煙に関する研究として、喫煙の健康影響に関わる観察的な疫学研究が主体であり、国レベルでのタバコ政策を評価した研究はほとんどありませんでした。私は、主要なタバコ政策であるタバコ値上げや屋内禁煙化の政策に関して、政策の効果を評価する実証研究を実施し、論文としてまとめ発表してきました。(5-7)

 それらの研究成果について多くの新聞で取り上げていただきました。おかげさまで、把握できているだけですが、2018年の1年間で新聞の記名記事として97紙(全国紙7件、地方紙90件:地方紙は主に共同通信社配信記事)に掲載していただきました。

 タバコ対策の世界的権威であるサイモン・チャプマン氏は、住民からの理解を得てタバコ対策を推進していく上で「論文よりも新聞報道がありがたかった」と発言をしています。(8,9)新聞報道は、重要なタバコ政策である「脱タバコ・メディアキャンペーン」としても機能するのです。脱タバコ・メディアキャンペーンの詳細については、いわゆるタバコ白書(10)を参照してください。

 しかし、新聞による情報の伝達にも限界があります。新聞を取っている人にしか情報を届けることができません。

日本全国の出版社や書店のネットワークで健康増進活動

 そこで、今回の拙著の出版をキッカケとして、「タバコ問題について広く国民に理解してもらうプロジェクト」の一環として「各地の主要な書店に拙著『新型タバコの本当のリスク』を並べてもらうプロジェクト」を実施したいと思います。

 日本全国の出版社や書店のネットワークを活用し、書籍を届けることによって、新聞とは異なるルートで国民にアプローチして、タバコ問題について理解してもらうプロジェクトです。新聞の場合には、既に多くの人がその新聞を購読していますので、記事にさえなれば一定程度の人には伝えることができるものと考えられます。しかし、書籍ではそうはいきません。人々が本書を手に取ってもらわなければ、知ってほしい情報を伝えることができません。なんとかして各地の主要な書店に本書が並ぶようにしたいと考えています。

 私が個人的に書店を回ってみた経験では、書店員さんは懐が広く、いろんなことを知っていて、面白い人が多く、丁寧に話を聞いてくれるという印象でした。もちろん忙しそうなときには遠慮し、無理はしません。書店員さんと話をするだけでも楽しいというのが素直な感想です。

 例えば、2月末には、八重洲の大型書店にアポなし訪問して、医学書担当の書店員さんに拙著について説明させてもらいました。本書には類書がないこと、新型タバコ問題やタバコ会社のマーケティングに関するノンフィクション本でもあること等を伝えたところ、書店員さんはとても熱心に話を聞いてくれました。さらに、本書をきっかけにしてタバコ問題の重要性に気付いてもらうキッカケとできると考えており、できるだけ多くの人に読んでほしい、本書を置いてもらうことは書店とともに進める健康増進活動なんだと考えていると伝えたところ、書店員さんは理解を示してくれて、例え配本がなかったとしても本書を書店に置くように手配すると約束してくれました。書店員さんには、急に訪れたよく分からない本の著者の長話に付き合い、理解を示していただき、本当にありがたいことです。

 このプロジェクトは、日本全国の賛同してくださる皆さんとともに書店で営業活動を行い、タバコ問題について広く国民に理解してもらうプロジェクトです。

 すでに、日本全国の多くの方が、このプロジェクトへの協力を表明してくださっています。本当にありがとうございます。とても励みになります。このプロジェクトは拙著についてのものとしていますが、今後、他の社会的意義の高い書籍等に対しても応用が可能だと考えています。

 このプロジェクトについて皆さんから率直な意見や感想がいただけますと幸いです。適時改訂・修正して活動を続けていきたいと考えています。

 残念ながら、日本社会はタバコに対して非常に寛容です。そんな中で、タバコ対策を進めるのは、ただでさえ大変です。だからといって、われわれはタバコ対策をあきらめるわけにはいきません。人のいのちを大切にするために、タバコ対策は優先順位の最も高い政策の1つだと分かっているのですから。

 人を大切にするための第一歩として、まずはタバコのない社会の実現を目指して活動していきたいと考えています。皆さんと協働して励ましあって前に進んでいければと考えておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
(※ここでの「タバコのない社会」とは十分に喫煙率が低いことを指しており、ゼロリスクを求めているのではありません。あしからず。)
(文=田淵貴大)

※参考文献(1~10)
1.田淵貴大. 東京を禁煙都市にする国民運動リレー情報9:社会はいかにタバコ産業に歪められているか 世論時報 49 (6): 14-19. 2016. https://www.dropbox.com/s/1nk0ovrv4k6hfk1/%E4%B8%96%E8%AB%96%E6%99%82%E5%A0%B16%E6%9C%88%E5%8F%B7%E2%91%A8%E7%94%B0%E6%B7%B5%E8%B2%B4%E5%A4%A7.pdf?dl=0 (accessed 27 February 2019).
2.JTと電通が露骨な「報道操作」 三万人のための総合情報誌『選択』 7月号. 2016. https://www.sentaku.co.jp/articles/view/16030 (accessed 27 February 2019).
3.Joossens L, Raw M. The Tobacco Control Scale: a new scale to measure country activity. Tob Control 2006; 15(3): 247-53.
4.Ikeda N, Inoue M, Iso H, et al. Adult mortality attributable to preventable risk factors for non-communicable diseases and injuries in Japan: a comparative risk assessment. PLoS Med 2012; 9(1): e1001160.
5.GBD 2017 Risk Factor Collaborators. Global, regional, and national comparative risk assessment of 84 behavioural, environmental and occupational, and metabolic risks or clusters of risks for 195 countries and territories, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2018; 392(10159): 1923-94.
6.Tabuchi T, Fujiwara T, Shinozaki T. Tobacco price increase and smoking behaviour changes in various subgroups: a nationwide longitudinal 7-year follow-up study among a middle-aged Japanese population. Tob Control 2017; 26(1): 69-77.
7.Tabuchi T, Hoshino T, Nakayama T. Are Partial Workplace Smoking Bans as Effective as Complete Smoking Bans? A National Population-Based Study of Smoke-Free Policy Among Japanese Employees. Nicotine & tobacco research : official journal of the Society for Research on Nicotine and Tobacco 2016; 18(5): 1265-73.
8.Chapman S. Public Health Advocacy and Tobacco Control: Making Smoking History. Oxford, UK: Blackwell Publishing Ltd; 2007.


田淵貴大(たぶち・たかひろ)
大阪国際がんセンター
がん対策センター疫学統計部 副部長

医療ガバナンス学会発行「MRIC」2019年3月22日より抜粋転載
全文はhttp://medg.jp/mt/?p=8922

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受動喫煙条例、大阪府で成立 飲食店規制、国より厳しく

受動喫煙条例、大阪府で成立 飲食店規制、国より厳しく

https://www.asahi.com/articles/ASM3J3DRZM3JULBJ00C.html

楢崎貴司 2019年3月16日16時00分

 大阪府の受動喫煙防止条例が15日の府議会で全会一致で可決、成立した。喫煙できる飲食店を国の規制より厳しい客席面積「30平方メートル以下」とし、罰則(5万円以下の過料)も定めた。大阪・関西万博開催前の2025年4月に全面施行される。

 来年4月に全面施行される国の改正健康増進法では、客席面積が「100平方メートル以下」で個人または中小企業の既存飲食店については喫煙が認められている。そのため、「30平方メートル超~100平方メートル以下」の府内の飲食店が喫煙室を設置する場合、府が国の助成に上乗せする形で費用の4分の3(最大225万円)を助成する制度を創設する。

 また、この日の本会議で、大阪市長選(24日告示)への立候補を表明した松井一郎知事の辞職について反対多数で不同意となった。松井氏は市長選に立候補を届け出た時点で自動失職する。

 2月定例会は、総額2兆5983億円の新年度一般会計当初予算案や、4月で期限が切れる議員報酬の3割削減を1年間延長する条例改正案などの議案を可決し、閉会した。(楢崎貴司)

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