受動喫煙対策

五輪開催都市の責務果たす 受動喫煙対策で小池知事

五輪開催都市の責務果たす 受動喫煙対策で小池知事

2017.9.20

 東京都議会の定例会が20日始まり、小池百合子知事は本会議での所信表明で受動喫煙防止対策について「法制化に向けた国の動向が見通せない中、2020年東京五輪・パラリンピック開催都市の責務を果たす」と強調。飲食店などの屋内を原則禁煙とする罰則付き条例制定に改めて意欲を示した。

 7月の都議選後、臨時会が2回開かれ、定例会は初めて。小池知事はさらに、豊洲市場への早期移転に取り組み、築地市場跡地の再開発に向けた議論を10月から始めると表明した。

 定例会の会期は10月5日まで。今月26日に代表質問、27日には一般質問が実施される予定。

 都は罰則付きの受動喫煙防止条例制定に向けて今月8日、基本的な考え方を公表。17年度内に都議会に提案することを目指している。

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受動喫煙から子ども守る責務明記 都民ファが条例案

受動喫煙から子ども守る責務明記 都民ファが条例案https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/359992/

2017年09月20日 13時34分

 東京都の小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」と公明党は20日、都議会の議会運営委員会理事会に「子どもを受動喫煙から守る条例」案を提案した。18歳未満の子どもには、いかなる場所でも受動喫煙をさせないよう努めることを「都民の責務」と定めており、同日開会した定例会で今後審議され、会期中に成立する見通しだ。

 条例案では、保護者は家庭などで子どもの受動喫煙防止に努めなければならないと規定。子どものいる部屋や自動車内でたばこを吸わないことや、学校や小児科のある医療機関の周辺、公園などでの受動喫煙防止策も求めた。

 いずれも努力義務で罰則はない。

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受動喫煙でも大動脈疾患 死亡リスク2倍超に

受動喫煙でも大動脈疾患 死亡リスク2倍超に http://www.47news.jp/feature/medical/2017/09/post-1774.html

2017.09.19

  受動喫煙にさらされる程度の高い人は、低い人に比べて、大動脈の病気で死亡するリスクが2倍以上に高まることが、筑波大などによる大規模疫学調査で分かった。
 発表した山岸良匡・准教授(社会健康医学)は「受動喫煙で肺がんや脳卒中のリスクが高まることは知られていたが、大動脈疾患との関係が明らかになるのは初めて」としている。
 チームは1988~90年、全国の4万8677人(40~79歳)に喫煙や受動喫煙の頻度、生活習慣や健康状態について尋ね、その後、94%の人を平均16年にわたって追跡調査した。その結果、大動脈の内側が裂ける「大動脈解離」で66人、大動脈がこぶのように膨らむ「大動脈瘤」が原因で75人が死亡していた。
 チームは受動喫煙の頻度を三つに分類。家庭内外でほとんどない「程度が低い」、家庭内でほぼ毎日2時間以上または職場や飲食店でほぼ毎日の「程度が高い」、その中間の「中程度」で、亡くなるまでの年数を考慮して分析した。
 その結果、「程度が高い」人は大動脈解離や大動脈瘤のために死亡するリスクが「程度が低い」人の2・35倍。「以前たばこを吸っていた」人のリスク(1・62倍)より高かった。喫煙者は4・09倍だった。
 また、家庭内より職場や飲食店での受動喫煙の方が、リスクが高くなることも分かった。山岸准教授は「煙にさらされる時間が長く、煙の量も多いためではないか」と推測。飲食店などの受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正では「十分な対策を講じなければならない」と注意喚起した。

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都議会、受動喫煙防止条例案を提出へ 定例会が開会

都議会、受動喫煙防止条例案を提出へ 定例会が開会

2017/9/20 13:35

 東京都議会の定例会が20日、開会した。小池百合子知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党は、子供がいる家庭での喫煙制限を柱とする「子どもを受動喫煙から守る条例」案を共同提出する。両党は都議会の過半数を占めており、今回の定例会で成立する見通し。

 小池氏は所信表明演説で「都民の健康を確保する観点から、受動喫煙防止対策をより一層推進しなくてはならない」と述べ、都としても対策を進める姿勢を示した。

 各会派が知事に都政について見解を問う「代表質問」は26日に予定されている。定例会の会期は10月5日まで。

 条例案は、子供がいる部屋で保護者がたばこを吸わないことや、分煙が不十分な施設に子供を立ち入らせないことなどを盛り込んだ。いずれも努力義務で罰則規定は設けない。都民フは受動喫煙の防止条例を提出することを都議選の公約にしていた。

 都はこの条例案とは別に、飲食店などの屋内を原則禁煙とし、罰則を設ける受動喫煙防止条例を制定することを表明している。来年2~3月に開く都議会に条例案を提出する方針。都の受動喫煙対策は、今回の条例と合わせて2段階で行われる。

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受動喫煙 ニッポンレンタカー全車禁煙 10月から九州で

受動喫煙 ニッポンレンタカー全車禁煙 10月から九州で https://mainichi.jp/articles/20170916/k00/00e/040/317000c

毎日新聞2017年9月16日 13時40分(最終更新 9月16日 14時04分)

「子供が酔う」歓迎の声/他社は静観

 レンタカー業界大手のニッポンレンタカーサービス(東京)が、10月から九州で乗用車・ワゴン車クラスを全車禁煙にする。受動喫煙対策への機運の高まりなどを受けて「たばこNG」の波が広がっている。しかし、公共空間がだめなら、せめて車の中だけでもと願う愛煙家もいる。業界他社は全車禁煙化を静観しており、対応は分かれている。

 「喫煙車だと子供が染み付いた臭いで酔ってしまうので、禁煙車を選んでいる。全面禁煙化はありがたい」。福岡市中央区のニッポンレンタカー営業所に車を返しにきた男性会社員(38)が喜んだ。東京から福岡に帰省した際は、よくレンタカーを利用するといい、この日も3歳の長男と一緒だった。

 ニッポンレンタカーでは、喫煙車にさまざまな脱臭・防臭対策をしているが「臭いが残っている」という苦情が多かったという。昨年11月に北海道で全車禁煙にしたところ、業績への悪影響は出ず、女性や観光客らから好評だったため、観光地の多い九州でも踏み切ることとした。

 同社は、九州で保有する乗用車・ワゴン車クラスの喫煙車を徐々に減らし、10月までにゼロにする。将来的には全国で全車禁煙化する方針だという。

 一方、愛煙家からは嘆きの声も漏れる。福岡市内の喫煙場所で紫煙をくゆらせていた熊本市東区の男性会社員(65)は「今や飲食店でも乗り物でも吸えない時代になった。一人になれる車の中までも禁煙になる世の中は困る」と話した。

 他の大手レンタカー会社はどうか。トヨタレンタカーや日産レンタカーは「ニーズもあるため」などを理由に現時点では喫煙車を残し、全車禁煙化に向けた動きはない。オリックスレンタカーは、加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」のみ吸える車の導入を検討している。

 九州看護福祉大の川俣幹雄教授(リハビリテーション医学)は「車内は空間が狭く、喫煙すれば臭いはもちろん、たばこの成分がいろいろなところに付着する。子供や持病がある人たちにとっては深刻な問題で、全車禁煙化の取り組みには今後も注目したい」と話した。【遠山和宏】

公共空間や交通機関の主な禁煙化

1998年10月 大手航空会社が国内線で全席禁煙

2003年 5月 受動喫煙の防止を義務づけた健康増進法施行

     10月 福岡市が市中心部の天神と博多両地区の一部を路上禁煙地区に指定

  04年 3月 九州新幹線の「つばめ」が全国の新幹線で初めて全車両禁煙に

  08年 3月 福岡都市圏のタクシーで全車禁煙化がスタート

  12年 4月 JR九州は福岡、北九州両都市圏でホームの喫煙コーナーを廃止

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国のがん対策基本計画、「受動喫煙目標」先送りへ

国のがん対策基本計画、「受動喫煙目標」先送りへ

2017.9.23 09:00

 国のがん対策の方向性を定める「第3期がん対策推進基本計画」が、受動喫煙防止の目標値が盛り込まれないま

 ただ、衆議院解散の動きを受けて関連する与党の了承手続きの日程が流動的となっており、閣議決定は遅れる可能性もある。
 受動喫煙の目標値をめぐっては、計画策定に向けて議論してきた厚生労働省のがん対策推進協議会が「2020(平成32)年までにたばこの受動喫煙をゼロとする」との方針で一致。この方針を盛り込むには健康増進法との整合性を取る必要があるが、同法改正案は先の通常国会で厚労省と自民党の調整が難航して提出できなかった。
 基本計画はがんの克服を目指すことを全体目標に掲げ、(1)がんの予防と検診の充実(2)がん医療の充実(3)がん患者が安心して暮らせる社会の構築-を3本柱に施策を進めることとした。対策が遅れがちだった思春期・若年成人(AYA世代)や増加する75歳以上の高齢患者への対策についても初めて言及。実行期間は今年度から6年間で、国の計画を受けて都道府県も今年度中に基本計画を策定する必要がある。本来は今夏に閣議決定される予定だった。
 受動喫煙の目標は、がんを予防するための取り組みとして、禁煙支援や飲酒量低減、食生活などの生活習慣改善とともに盛り込まれる方針だが、当面は見送られる。
 閣議決定するに当たっては自民、公明両党の了承が必要となるが、衆院解散の動きを受けて厚労部会などの日程が流動的なため、さらに遅れる恐れがある。ま閣議決定される見通しとなったことが22日、関係者への取材で分かった。受動喫煙対策を推進する健康増進法改正の見通しが立たないためで、改正法案を踏まえて改めて目標値などを閣議決定する。

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学生、教員地域と共に 産業医科大の受動喫煙防止 「全国の手本に」対策徹底 /福岡

学生、教員地域と共に 産業医科大の受動喫煙防止 「全国の手本に」対策徹底 /福岡 https://mainichi.jp/articles/20170825/ddl/k40/100/492000c

毎日新聞2017年8月25日 地方版
 産業医科大(八幡西区)は、産業生態科学研究所の大和浩教授(57)を中心に、敷地内で他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止に取り組んでいる。受動喫煙対策に関する発言で全国的に知られる大和教授は「まず隗(かい)より始めよ」のことわざ通り、足元でも徹底した対策を進める。大和教授は「産業医科大が受動喫煙防止の手本になるよう努力している」と話す。
 「たばこ、吸いますか」。記者が研究室を訪ねるや否や、大和教授は語気鋭く尋ねた。否定すると「喫煙者は入室を断っている」と二の矢が飛んできた。産業医科大は2008年度から学部棟や大学病院など敷地内は全面禁煙で、全国の医学部がある大学や付属病院でも早い方だったという。
 あいさつも早々に大和教授は「敷地内を見ますか」。2人で外に出ると、学外との出入り口に「本学は敷地内全面禁煙です」と書かれた標識が複数あった。腰掛けて一服できそうな場所には、プランターがずらり。環境美化と喫煙スペースをなくす一石二鳥の工夫だ。それらは全て大和教授が大学側と協議しながら進めてきた。
 時計の針は午後1時半を過ぎたばかりだった。平日の昼に連れだって外出する男性2人が視界に入るや否や、大和教授は「彼らは喫煙者だ」。近くに喫煙者のたまり場があるという。学内や近所で医師や事務職員らの喫煙を見つけた時は直接注意し、繰り返す人には所属長を通じてやめるよう求めてきた。
 「なぜ、あなたに注意されなければならないのか」。医師や職員から何度も抗議されたが「受動喫煙をなくすには、いざこざはつきもの」。大和教授は涼しい顔で言い切った。
 大和教授は14年度から教員や事務職員で担当する学内パトロールでも、受動喫煙防止の観点から監視を続けている。報告書には防犯カメラの死角に吸い殻が落ちていたことなど、学内の喫煙状況が細かく記されている。
 それでも現在は、大学や病院に勤務する人のうち、女性の喫煙者はほとんどおらず、男性も全国平均(昨秋発表の国の国民健康・栄養調査で30・1%)よりかなり低いという。監視態勢も整ってきており、大和教授は「医療従事者の喫煙は患者に示しがつかない。今後も受動喫煙のリスクを極力減らしたい」と話す。【奥田伸一】
〔北九州版〕

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鈴木俊一・五輪担当相 たばこ族議員で受動喫煙防止に猛反対

鈴木俊一・五輪担当相 たばこ族議員で受動喫煙防止に猛反対

2017.08.09 07:00

 8月3日に発足した安倍改造内閣。野党、メディアがターゲットにする可能性もある新大臣たちの“爆弾”を紹介する。

【五輪担当大臣】鈴木俊一(64) 衆8 岩手2区 麻生派

 五輪とは無縁ながら麻生副総理の義弟で“コネ入閣”。環境相経験者だが、たばこ族議員で受動喫煙防止法案に猛反対。「たばこのない五輪」をめざす小池百合子・都知事と正面衝突が予想される。

【国家公安委員長】小此木八郎(52) 衆7 神奈川3区 無派閥

 父は菅官房長官が11年間秘書として仕えた元衆院議員の彦三郎氏。2015年9月、安保法制に反対する地元市民から徴兵制について聞かれ、「10年、20年は大丈夫だろうけど、30年後はわからない」と徴兵制を認めるような発言をした。

【外務大臣】河野太郎(54) 衆7 神奈川15区 麻生派

 反原発、首相の靖国参拝反対、夫婦別姓賛成など安倍路線と正反対の主張を展開し、「自民党の異端児」の異名を取る。外務省改革を提唱しており、政権の“トラブルメーカー”になる恐れ大。

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「子供のいる家は禁煙」都議会に条例案提出 罰則なしに疑問の声も

「子供のいる家は禁煙」都議会に条例案提出 罰則なしに疑問の声も https://news.nifty.com/article/item/neta/12189-20161269267/

2017年09月04日 08時00分

東京都の小池百合子知事が特別顧問を務める政治団体「都民ファーストの会」と公明党は、今月開かれる東京都定例議会に、子供を受動喫煙から守ることに特化した条例案を提出することを明らかにした。

ネット上では、この条例に関して多くの論議がされている。

■「子供のいる家は禁煙」条例に賛成?

具体的な条例案は、子供は自分でたばこの煙の被害を避けることが難しいとして、子供がいる家や自家用車の中、通学路、公園などで喫煙をしないよう求める内容となっている。

しらべぇ編集部では、全国20~60代の男女1,348名を対象に、「子供のいる家は禁煙」条例について調査を実施すると、条例に賛成しているのは全体の55.8%だった。

©sirabee.com

性別・年代別では、女性に賛成意見が多く、半数を下回ったのは20代男性(42.0%)と40代男性(46.3%)。

©sirabee.com

条例案が提出される東京都民は、賛成派が半数を割り48.4%。また、既婚者は未婚者よりも賛成派が多いことも判明した。

喫煙者が嫌いだと答えた人の中では、条例賛成派が73.5%。賛成できない人も一部いるようだ。

■家の中まで都政が踏み込むのか?

Twitter上では、「どんどん進めてほしい」「子供のためにはいいこと」と、条例を願う声が見られる。

受動喫煙防止条例どうだろね。タバコ吸わないし嫌いだからもっとやれって個人的には思うけど。

ただ家庭内にも政府が介入してこうとするのは賛成。関係ないかもだけど

児相が家庭に踏み込める所って本当100%の証拠とかない限り入口止まりだから、これをキッカケに助けられる子どもが増えて欲しい

— られたそ (@0428kokomo) August 30, 2017

受動喫煙の条例だけど、子供は可哀想よね?タバコを吸うのは悪いことではないけど

— ちゃーあかりっこ (@kyunami48akari) August 30, 2017

一方、罰則がないことで、条例が名ばかりになってしまうとの懸念もあり、都内でのタバコ販売に制限を設けるほうがいいのではとつぶやく人も。

受動喫煙の条例。

罰則ないし気にしない。という人も出てきそう。

中途半端な感じがする。

本気でどうにかしようとするなら、煙草の販売を止めるくらいでないとあまり効果ないんじゃないかなと思う。

— 蒼羽根 (@korokoro_panda3) August 30, 2017

また、いちいち家庭の中まで都政が詮索しないでほしいと願うツイートもあった。

ボクは喫煙しないし、飲み会も禁煙のお店にさせるくらいの嫌煙家。

でもね、都民ファーストと公明党が掲げる「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」は余計なお世話だと思うの。

自助努力で対応することであり、いちいち家庭の中まで政府が詮索するなってことよ

— アラフォーおぢさん (@eehuy) August 30, 2017

今回の条例案は、罰則のない努力義務にとどめるが、都民ファーストの会のサイトを通じて都民から意見を募集中だ。

受動喫煙対策自体も、飲食店など建物内を禁煙にするなど、東京五輪を前に活発な論議が続くとみられている。

・合わせて読みたい→日本もついに「屋内全面禁煙化」を検討か 東京五輪きっかけに

(文/しらべぇ編集部・小河 貴洋)

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受動喫煙 小児、乳児にもリスク

受動喫煙 小児、乳児にもリスク


 医療や社会保障に関する旬のキーワードを、図解とともに分かりやすく説明する新コーナー「読み解きワード」を、今月から原則月1回掲載します。初回は対策を強化する厚生労働省案に賛否が入り乱れている「受動喫煙」がテーマです。

    健康にどのくらい悪い? 脳卒中、発症に影響

     たばこの煙が、本人だけでなく吸わされる周囲の人の健康にも影響を与える--。こうした「受動喫煙被害」の科学的な研究は、1980年代から本格化した。

     受動喫煙と肺がんとの関係を81年に世界で初めて発表したのは、日本の平山雄氏(当時の国立がんセンター研究所疫学部長)だ。たばこを吸わない女性を、夫が喫煙するグループとしないグループに分けて調べると、夫が喫煙者の集団の方が肺がんの死亡率が高かったという内容だった。

     この論文には反論も多かったが、世界で研究が進み、2004年に国際がん研究機関(IARC)が環境中のたばこの煙の発がん性を科学的に認めた。05年に発効した世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」でも「たばこの煙からの保護」が規定され、各国で受動喫煙防止の法制化が進んだ。

     現在、厚労省が「受動喫煙との因果関係が十分」と判定している病気は、肺がん、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)など。小児ではぜんそくとの関連、赤ちゃんでは乳幼児突然死症候群のリスクを高めるとしている。乳がんや呼吸機能の低下、妊婦が受動喫煙した時の胎児の発育の遅れなどは「因果関係が示唆されるが根拠は十分ではない」と位置付ける。

    病気別の推計を積算 国内で年1.5万人死亡

     注目されているのが「受動喫煙による国内年間死亡者は約1万5000人」という数字だ。個々の死因を調べたわけではなく「根拠がない」と批判する人もいるが、どうやって算出したのだろう。

     この試算は昨年5月、厚労省研究班(研究代表者=片野田耕太・国立がん研究センターがん統計・総合解析研究部室長)が明らかにした。簡単に言うと、病気別の推計死者数の積み上げだ。

     肺がんの場合、海外の多くの研究で、たばこを吸わない人の中で受動喫煙がある人はない人に比べ肺がんになる危険性が1・3倍高いとの結果が出ている。日本人を対象にした9本の論文の分析でも、家庭内の受動喫煙で危険性が1・28倍に高まっていた。

     家庭内で受動喫煙がある女性の割合は31%。これを図解すると、受動喫煙が原因の肺がん死者数は全体の6%になることが分かる。他の病気や職場での影響、男性でも同様に計算し、足し合わせると、1万4957人になる。さらに乳幼児突然死症候群による死亡を73人とした。

     ちなみに、飲食店での客の受動喫煙は試算で考慮していない。影響は数値化できていないが、原則禁煙にすれば、そこにいる人のリスクは減ると考えられる。片野田さんは「特に煙にさらされる時間が長い従業員を守る必要がある」と話す。

    東京五輪へ対策急ぐ日本 韓国は段階的に拡大

     「途上国で完全禁煙を実施する国もあり、日本は取り残されている」。今月来日したWHOのダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は、日本に発破をかけた。健康リスクへの関心が高い欧州や、受動喫煙被害を訴えて企業に巨額の損害賠償を求める訴訟が相次いだ米国などと比べ、屋内喫煙に罰則がない日本は法整備が遅れている。

     ここにきて厚労省が対策を急ぐのは、20年の東京五輪を控え、国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を求めているからだ。海外では段階的に受動喫煙対策を進めてきた国も多く、18年に冬季五輪を開く韓国は、12年に面積150平方メートル以上の大型飲食店を規制対象にし、14年に100平方メートル以上、15年に全飲食店と段階的に拡大していった。ただ、日本に残された時間は少ない上、WHOのベッチャー部長は「喫煙室を認める部分的な禁煙では、受動喫煙はなくせない」と部分規制に批判的だ。

     日本では環境美化などの観点から路上喫煙を禁じる条例が普及していることも、対応を難しくしている。厚労省の調査では、全国243市区町村に条例があり「屋内も禁煙になると、どこでも吸えなくなる」という喫煙者の不満にもつながっている。【下桐実雅子】毎日新聞

    2017年4月26日 東京朝刊

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