受動喫煙対策

実質「勝訴」となった「大和市」喫煙所による「受動喫煙被害」訴訟

実質「勝訴」となった「大和市」喫煙所による「受動喫煙被害」訴訟

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190513-00125776/

石田雅彦 | ライター、編集者

5/13(月) 10:00

 通勤途中の喫煙所からのタバコ煙により喘息などの症状が出たとして、都内に住む男性が健康被害に対する慰謝料を求め、大和市と同市の大木哲市長を相手取って起こした少額訴訟の判決が2019年4月26日、横浜地裁であった。判決は原告の請求を棄却するという内容だが、原告が被害を受けた喫煙所は2019年2月1日に同市によって撤去されている。今回の受動喫煙裁判について、タバコ訴訟に長く関わってきた弁護士に話を聞いた。

喫煙所を設置した自治体を訴える

 国が健康増進法を改正し、受動喫煙防止に動き出したが、街角には依然として喫煙所が存在し、そこから漂ってくるタバコ煙に苦しめられる人も多い。加熱式タバコを含むタバコ煙で呼吸が困難になったり喘息などを発症する人もいるが、都内に住む小森(42歳、仮名)さんもその一人だ。神奈川県内の電気通信事業者に勤める小森さんは、東急田園都市線で中央林間駅まで行き、その後、小田急江ノ島線に乗り換える。

 東急中央林間駅から小田急中央林間駅まではアーケード商店街になっていて、高架になっている小田急線のホーム下にある喫煙所の脇を通って両駅の改札を往き来するのが最短距離だ。小森さんは生後6カ月頃から気管支喘息に苦しんできたが、その喫煙所の近くを通るたびに息が苦しくなって呼吸が困難な状態になり、この症状はアイコス(IQOS)などの加熱式タバコでも同様だという。

 小森さんは2018年7月、大和市の大木哲市長に対し、喫煙所の撤去を要望した。だが、同年9月に同市より撤去はできないとの回答がきたという。小森さんは、同市や歯科医師でもある大木市長の受動喫煙防止への後ろ向きの態度に訴えを起こす決意をし、2018年10月、藤沢簡易裁判所へ大和市と大和市長を相手取った少額訴訟を起こす。

 請求は、同喫煙所からの副流煙による健康被害と精神的苦痛をこうむった慰謝料としての30万円だ。しかし、大和市の管理する全ての喫煙所の廃止・撤去を和解条件にしていたという。

 少額訴訟でも専門性の高い審理が必要の場合、簡易裁判所から地方裁判所へ移行することもある。小森さんの裁判は横浜地裁の通常裁判に移行し、2018年12月21日に第1回の審理が横浜地裁第606号法廷で行われた。その後、被告側の答弁書を受理し、小森さんが準備書面を追加提出するなどした。

 そして、まさに小森さんが横浜地裁で裁判を起こした2018年12月21日、大和市生活環境保全課は中央林間駅の喫煙所を2019年2月1日に閉鎖するというアナウンスを同喫煙所に掲示し、裁判中の2019年2月1日、同市は中央林間駅通路の喫煙所を撤去した。筆者が同課に確認したところによれば、今回の撤去措置と小森さんによる訴訟に直接の関係はないという。

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中央林間の2駅間をつなぐ通路の側道奥に、JTによって寄贈設置された喫煙所に2018年12月21日に掲示されたアナウンスと撤去後の様子。撮影:西條瑞季

大和市の行為はFCTC違反では

 この裁判について、片山律弁護士に話をうかがった。片山弁護士は、1998年にタバコ病にかかった元喫煙者が国やJT(日本たばこ産業)らに対して起こした東京タバコ病訴訟の弁護団に弁護士登録した2000年以降関わり、2005年1月にタバコ病にかかった元喫煙者がJTとJTの監督責任者である国に対して横浜で起こした横浜タバコ病訴訟の弁護団長となり、多くのタバコ訴訟や受動喫煙訴訟などに携わってきた。

──判決文によると今回の裁判で原告の小森さんは、大和市という地方公共団体が喫煙所という公の営造物の設置や管理に瑕疵(かし)、つまり問題があったとし、それによる損害に対して、国家賠償法2条1項を根拠に賠償請求をしています。

片山「1981(昭和56)年12月16日の最高裁判決で、この瑕疵については具体的個別的に判断するようにという判断が示されています。この具体的個別的の内容ですが、横浜地裁は大和市の設置や管理には瑕疵あったとは認められない、つまり問題はないとして今回の判決になったのでしょう。これは判決文や準備書面、喫煙所撤去前の現場写真などからの私の推察ですが、国家賠償法での訴訟とした以上、横浜地裁の判断基準自体はやむを得ないのかなと思います。ただ、具体的個別的判断の部分には問題があるといえるでしょう」

──私も喫煙所撤去前の現場へ足を運んでみましたが、タバコ煙はかなり遠くまで漂ってきていて、大和市の管理には問題があるのではないかと実感しました。被告は2014年12月にJTの横浜支店と覚書を交わし、喫煙所が隠れる高さのプランター植栽などの寄贈を受けているようですが、タバコ煙は植栽では防げません。

片山「確かにそうですね。プランターによる区分けによる分煙措置により、どの程度の軽減効果が生じているのか、風による周囲への煙の拡散効果がどの程度生じているのか、より具体的な測定を行うべきだったと思います。裁判所は、図面や設置場所の位置などから『大部分の煙が拡散することが伺える』と安易に判断し、ここでも実際に測定した結果には基づいていません」

──そもそも、この喫煙所は2009年2月に大和市とJT横浜支店が覚書を交わし、JT横浜支店から寄贈されて設置されたものです。なぜこの場所にという設置の経緯にも問題があるのではないでしょうか。

片山「喫煙所が設置された場所は『主要な歩行者動線』ではないのかもしれませんが、撤去前の写真を見る限り、かなりの交通量があるように思えます。喫煙所の設置をしないという判断もあり得た上に、JTから喫煙所の寄贈を受けること自体が、日本も加盟する国際的なタバコ規制条約であるFCTCの第5条3項のガイドラインに抵触する行為です。つまり、この喫煙所を設置したこと自体、重大な問題を含んでいるといえるでしょう」

──今回は小森さんという個人が行政を相手取った訴訟ですが、タバコ問題、受動喫煙問題の裁判として何らかの意味があるとお考えですか。

片山「原告本人が目指していた喫煙所撤去を実現したことから、実質的には勝訴といえる大きな意義がある訴訟と思います。同様の動きが広まることで、全国的に駅隣接の喫煙所撤去の動きにつながる可能性を秘めていると思います」

──原告の請求を棄却という判決になりましたが、何かほかに判決結果に影響を及ぼす法廷戦術などの可能性はあったのでしょうか。

片山「具体的な主張立証の過程が不明なのでコメントしにくいですが、判決からは、書面や図面などの資料から安易に受動喫煙が軽減されているかのような認定がされてように読めます。ですので、例えば日本禁煙学会などから支援を受け、実際の暴露状況を測定するなどの立証方法が持ち入れられても良かったと思います。また、設置場所選定や喫煙所の構造選択において、JTの寄贈を受けたという点についてはFCTC違反であることをもっと強く主張しても良かったのではないかと思われます。さらに、本件喫煙所が設置された市道も利用するのであれば、同市道自体の通行量(できれば年齢別)などの資料もあれば、当該市道を利用する市民の受動喫煙対策として不十分との認定もあり得たのではないかと思いますね。用法や利用状況についても、判決では清掃の有無等暴露状況とは関係の薄い事実を認定していますが、喫煙所の周辺で喫煙している人も多数いるようですので、実態に即しての判断がされるよう調査報告書等を証拠として提出しても良かったと思います」

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現在は撤去されている中央林間駅間の喫煙所。喫煙エリアの外へ出てタバコを吸う人も多く、市道は高齢者や子ども連れも通行していた。同じような状況の喫煙所は全国にも多いのではないだろうか。撮影:筆者

同様の訴訟が起きる可能性

──改正健康増進法が2019年1月に一部施行され、時期的にズレて残念な感じがします。この法律が施行されたことにより何か影響する可能性はありますか。

片山「本件判決自体は、行政側に立った従来の裁判例から予想される結論であり、本件のような不十分な受動喫煙防止措置でも瑕疵があるとは認められないとの判断ですが、改正健康増進法や同法設立の後ろ盾となったFCTCにより、今後同様の裁判が起こった場合には、より設置者側に厳しい判断がされる可能性は大いにあるでしょう。神奈川県以外であれば、各自治体が制定した条例による影響も考えられます」

──最近あまりタバコ裁判がないようですが、司法のほうで変化の兆しなどはありませんか。

片山「一時期多かった労働事件としての受動喫煙訴訟は職場の禁煙化が進んだことで減ってきているのではないでしょうか。改正労働安全衛生法、改正健康増進法や各地自体の条例により、この傾向はより進んでいくと思われます。現在、最も紛争になっているのは近隣関係における受動喫煙被害です。調停や訴訟に至らないまでも、紛争となっている事例は相当数に上るでしょう。本来一番責任を負うべきメーカーや行政を被告としての訴訟は規模が大きくなることもあり、現時点は大型の訴訟はないようです」

 FCTC(WHO Framework Convention on Tobacco Control、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)は、国が各国と取り交わした国際条約だ。もちろん国内の行政、自治体も遵守する義務がある。JTから寄贈された喫煙所や灰皿は全国にかなり多い。自治体関係者は、地元の喫煙所がどういう経緯で設置されたのか再確認したほうがいいだろう。

 JTは、各地に無償で喫煙所や灰皿を提供設置しているが、撤去には責任を持たない。撤去する費用は行政持ち、つまり税金が使用されることがほとんどだ。

 先日行われた統一地方選挙で4選を果たした大木哲・大和市長は、市政の柱に健康都市充実を掲げているという。今回の喫煙所は撤去されたが市内の別の駅や路上にはJT寄贈の喫煙所や灰皿が置かれ、依然として被害に苦しむ人もいる。健康都市充実は掛け声倒れに終わらないのだろうか。

 今回の裁判で小森さんは代理人弁護士を立てず、自ら訴状を作成し、準備書面を用意して裁判に臨んだ。けっして金銭目的の訴訟ではなく、喫煙所が撤去されればそれで良かったのだという。その意味では片山弁護士のいうように実質的には勝訴といっていい。

 もちろん喘息が引き起こされたことが直接の動機だが、法律に詳しくない理系技術者の社会勉強の1つとしてとらえ、自分の子どもへの教育の一環とも考えて自ら調べて訴状と準備書面を作成した。代理人弁護士には依頼せず、少額訴訟のため、印紙代と郵送費を合わせても1万円弱しかかかっていなかったという。

 地域の喫煙所によるタバコ煙害に悩んでいる被害者がいたら、自治体や喫煙所の管理者に対し、同様の少額訴訟を起こすのも一つの方法かもしれない。改正健康増進法は、喫煙者は受動喫煙の害がないよう努めなければならないと定めているのだ。

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調布市が「受動喫煙ゼロの店」ガイドブックを発行 市受動喫煙防止条例の公布も

調布市が「受動喫煙ゼロの店」ガイドブックを発行 市受動喫煙防止条例の公布も

https://chofu.keizai.biz/headline/2892/

2019.04.11

 禁煙飲食店である「調布市受動喫煙ゼロの店」を紹介するガイドブックを3月28日、調布市が発行した。

「調布市受動喫煙ゼロの店」ホームページ

 同市は、受動喫煙による健康への悪影響から市民を守り、次代を担う子どもたちをはじめ誰もが健康に暮らせるまち調布の実現に寄与することを目的として、3月26日に「調布市受動喫煙防止条例」を公布した。

 条例は、多数の人が往来し、特に受動喫煙の防止を図る必要があると認める駅前広場及びその周辺の路上を、加熱式たばこも含め、「調布市路上等喫煙禁止区域」に指定し、喫煙の中止命令に従わなかった場合は、2,000円の過料を科する。さらに、子どもに受動喫煙を生じさせないよう、市内に所在する学校(大学、短期大学等を除く)や児童福祉施設などの敷地に隣接する路上における喫煙を禁止する。施行は今年7月1日。

 同ガイドブックは、ラグビーワールドカップ2019日本大会及び東京2020大会に向けて、店舗屋内禁煙や敷地内禁煙による受動喫煙防止対策を実施している飲食店を「調布市受動喫煙ゼロの店」として登録した店舗30店を紹介付きで掲載するほか、トリエ京王調布と調布パルコ内の店舗も掲載。外国人訪日客の増加を見据え、英語版のページも盛り込んでいる。

 発行に合わせ、ホームページも開設し、受動喫煙がなく安心して食事ができる市内の飲食店を幅広く紹介していきたいという同市福祉健康部健康推進課の松壽さんは「登録店では、屋内の喫煙室の設置がないことが特徴。禁煙店をお探しの際にぜひ活用してほしい」と話す。

 ガイドブック配布場所は、同市健康推進課(文化会館たづくり西館 保健センター4階)。

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受動喫煙防止条例制定 金子氏が政策発表 諏訪市長選

受動喫煙防止条例制定 金子氏が政策発表 諏訪市長選

http://www.nagano-np.co.jp/articles/46593

2019年4月9日 6時00分

14日告示の諏訪市長選に再選を目指して立候補する予定の現職金子ゆかり氏(60)=無所属=は8日、市内の後援会事務所で2期目に向けた政策(マニフェスト)を発表した。国道20号諏訪バイパスの整備促進など継続を含め82項目を掲げた。市民らの健康維持や増進へ新たに「受動喫煙防止条例」(仮称)の制定を目指すとした。

受動喫煙防止条例は、たばこの副流煙による健康リスクの低減を図る狙い。飲食店や遊興施設の関係者らと内容を協議する意向だ。金子氏は「(喫煙者と非喫煙者が)混在しないようにしたい」と述べた。

「観光の目標をみんなで共有したい」と、新たに観光のグランドデザイン(将来構想)を作ると明記。まちづくりの指針である総合計画は根拠条例となる「総合計画条例」を制定するとした。

交通網整備では諏訪湖サービスエリアへのスマートインター設置などを継続課題として挙げ、JR上諏訪駅周辺整備は西口整備を含めて検討する。旧東洋バルヴ諏訪工場跡地活用では3月に策定した基本構想を基に具体的な整備内容を盛る「基本計画」を作るとした。

すべての子どもと家族の切れ目ない支援や地域医療・介護連携推進センター(ライフドアすわ)を核とした医療と介護の連携強化、災害時に市民が自分の命を守るための事前準備の支援なども掲げた。

金子氏は「人口減少や超少子高齢化時代を迎えている中でも諏訪市に住んだり、訪れたりする幸せ感や安心感を実現したい」と述べた。

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受動喫煙防止へ新動画 千葉市、4月から上映 条例要旨を周知啓発

受動喫煙防止へ新動画 千葉市、4月から上映 条例要旨を周知啓発

https://news.nicovideo.jp/watch/nw5074012

2019/03/29 21:48

 2020年4月施行の受動喫煙防止条例の周知に向け、千葉市は独自の規制など条例の具体的内容を紹介する啓発動画を新たに制作した。来月1日から、千葉都市モノレール千葉駅(千葉市中央区)などで公開する。1月に初めて制作した15秒CM動画は市内映画館へと上映場所を拡大し、広く周知をする。

 市健康企画課によると、今回新たに制作した動画は受動喫煙による病気のリスクなどをグラフを使って分かりやすく紹介。小規模店舗であっても原則屋内禁煙とする市独自の規制も解説するなど、15秒CM動画よりも詳しい内容になっている。動画は2分30秒で、制作はジェイアール東日本企画千葉支店。

 新動画は受動喫煙をより身近な問題として考えてもらおうと、表情豊かな人物たちのアニメーションを採用。実際の状況をイメージしやすいように、街中を背景に設定した。千葉都市モノレール千葉駅、千葉みなと駅、蘇我駅、JR海浜幕張駅前の大型ビジョン「ビスビジョン幕張」などで上映。飲食店経営者が受講する食品衛生講習会でも放映する。

 15秒CM動画は美浜区の「イオンシネマ幕張新都心」と「シネプレックス幕張」、中央区の「T・ジョイ蘇我」の計3カ所の映画館で放映が決まった。同課は「受動喫煙に対して幅広い年代に関心を持ってもらいたい」と話している。4月5日から、全上映作品の本編前に放映。現在、15秒CM動画はレクサス千葉中央(千葉市中央区)の大型ビジョンなどで見ることができる。

 

 

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受動喫煙防止策の明示義務付け 企業の求人時、来春から

受動喫煙防止策の明示義務付け 企業の求人時、来春から

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/401743

2019年(平成31年) 4月1日 (月)

 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の部会は27日、企業などが自社のホームページや求人票で労働者を募集する際、職場でどのような受動喫煙防止策を講じているか、明示するよう義務付ける省令の改正案を了承した。2020年4月から適用される。

 受動喫煙を巡っては、規制を強化する改正健康増進法が昨年7月に成立。学校や病院、行政機関が今年7月から屋内全面禁煙となるほか、飲食店なども20年4月以降、一部の例外を除き原則禁煙となる。省令改正は同法を踏まえた対応。

 職業安定法は企業などに対し労働条件の明示を義務付けており、具体的な項目は省令で規定している。(共同通信)

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受動喫煙防止策を求人時に明示へ 厚労省が方針

受動喫煙防止策を求人時に明示へ 厚労省が方針

https://www.asahi.com/articles/ASM3X44NNM3XUBQU006.html

2019年3月28日13時00分

 厚生労働省は27日、求人の際に示す労働条件に、受動喫煙防止策を明記するよう事業主に義務づけることを決めた。関連の省令を改正し、多くの人が使う施設での喫煙を規制する改正健康増進法の2020年4月の全面施行と同時に実施する。

東京五輪・パラ、会場敷地内は完全禁煙 加熱式たばこも
 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)がこの日、省令改正案を了承した。禁煙場所が「敷地内」か「屋内」かどうかや、喫煙室の有無などを明記することが想定されている。

 改正法では、20歳未満の人は客も従業員も喫煙できる部屋への立ち入りが禁止されることになった。このため、国会審議で「従業員の募集時に、職場がどのような受動喫煙防止策をとっているかを明らかにする必要がある」といった指摘が出ていた。

 

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「たばこのない五輪」にスパート 受動喫煙対策、一気に厳格化

「たばこのない五輪」にスパート 受動喫煙対策、一気に厳格化

https://www.sankei.com/life/news/190228/lif1902280035-n1.html

2019.2.28 22:22

 2020年東京五輪・パラリンピックでは、近年の大会で最も厳しい喫煙対策が取られる。大会組織委員会は28日、競技会場の施設内に加え、敷地内も禁煙とすることを発表。「たばこのない五輪」は世界の常識になりつつあるが、喫煙者は海外からも多数訪れることが予想され、周知徹底が課題となりそうだ。

 東京大会を目指し、政府は急ピッチで受動喫煙対策の整備に取り組んできた。日本は各国と比較し、取り組みが大幅に遅れていたからだ。世界約190カ国中、屋内禁煙義務の法律があるのは約60カ国。日本では健康増進法の改正前、公共の場所の管理者に受動喫煙防止を求めていたが、努力義務にとどまり、世界最低レベルの法規制だった。

 国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は2010年に「たばこのない五輪」の推進で合意。以降、ロンドン(12年)やリオデジャネイロ(16年)など五輪開催国は、罰則を伴う法規制を整備してきた。

 日本でも五輪招致の成功後、議論を拡大し、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が昨年7月に成立。公共の場での屋内禁煙を初めて罰則付きで義務付けたのが特徴だ。

 9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)に間に合わせる形で、7月から、学校や病院などの敷地内禁煙の施行を先行して実施する。屋外喫煙所を設置することは認めるが、屋内の喫煙所は施行日までに撤去する必要がある。都も独自の条例を施行する。

 大会組織委員会によると、競技会場内の完全禁煙はIOCからも強い意向があったという。加熱式たばこも禁止対象となり、喫煙者の観客を誘導するため、実際にどの場所で喫煙できるかを知らせなくてはならない。

 競技会場の喫煙対策を強化した昨年2月の平昌五輪では、競技会場に入る前に喫煙した人のたばこの吸い殻が会場付近に増え、問題になったことが報告されている。大会組織委員会はスタッフやボランティアがその都度、喫煙者に対し、注意を促していくと説明。競技会場を抱える自治体にとっても、外国語での対応を含め喫煙所の周知徹底が求められそうだ。

【用語解説】改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例

 改正健康増進法は来年4月1日より全面施行される。客席面積100平方メートル以下などの飲食店を喫煙可能とする改正健康増進法に対し、都の受動喫煙防止条例は親族以外の従業員がいれば屋内禁煙とし、「喫煙専用室」でのみ喫煙を容認。敷地内禁煙とする施設のうち、幼稚園や保育所、小中高校については、同法が屋外での喫煙場所設置を可能とするのに対し、都条例は成長過程の子供を守るため、屋外の喫煙場所設置も認めない。

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受動喫煙防止へ小学生に尿検査 4年の希望者対象 君津市

受動喫煙防止へ小学生に尿検査 4年の希望者対象 君津市
2019/03/23 05:00千葉日報オンライン

 家庭内での受動喫煙防止に向け、君津市は新年度から、希望する小学4年生を対象に、被害状況が分かるコチニン濃度を測る尿検査を導入する。市は、高い値が出た家庭への指導などを検討しており、「タバコの被害を減らしたい」としている。
 市学校教育課によると、県内の自治体では初の取り組みとみられる。コチニンは、タバコの煙に含まれるニコチンが体内に取り込まれてできる物質。尿検査などで濃度を測ることで、受動喫煙の有無が分かる。
 市は、生活習慣病の健診がある小学4年生の希望者に対し、今秋にもこの尿検査を行う方針。通常の健診とは別に実施し、一人約4千円の検査費を市が負担する。市は今後、高い値が出た際の指導方法などを医師会と検討したいとしている。市内の小学4年生は約550人で、市は予算約250万円を確保した。
 市議会が昨年9月、検査実施を求める決議を全会一致で可決していた。他県では、埼玉県熊谷市が2007年度から同様の検査を導入。高い値が出た家庭には小児科を受診するよう文書で通知し、効果を上げているという。全国的にも珍しい取り組みという。

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湖西市、庁舎内の喫煙室廃止へ

湖西市、庁舎内の喫煙室廃止へ
2019年3月23日

◆4月1日から勤務時間中は全面禁煙へ

 湖西市は、庁舎内の喫煙室を二十九日で廃止する。受動喫煙対策を強化する改正健康増進法により七月一日から庁舎、学校、病院などで屋内全面禁煙となるため。四~六月は屋外駐輪場に灰皿を置いた簡易的な喫煙場所を設け、七月以降は今後検討する。

 喫煙室は庁舎一階の北西側にある。廃止後は職員の打ち合わせ場所や倉庫として使う。四月一日から、職員の勤務時間中の喫煙も禁止。昼休みの一時間と就業前後の時間は喫煙できる。影山剛士市長は「受動喫煙を防止し、たばこを吸う人も吸わない人も含めた職員の健康増進を目指したい」と話した。

(片山さゆみ)

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すかいらーくやサイゼリヤが相次いで禁煙化 飲食店でタバコを吸うのが全く好ましくない3つの理由

すかいらーくやサイゼリヤが相次いで禁煙化 飲食店でタバコを吸うのが全く好ましくない3つの理由

健康増進法の改正と受動喫煙防止条例

東京五輪に向け、受動喫煙対策として健康増進法の改正が2018年7月に成立し、2020年4月まで段階的に施行されます。飲食店では2020年4月1日に適用され、原則的に禁煙となります。

しかし、飲食店の負担を鑑みて、既存店舗であり、資本金が5000万円以下、かつ、客席面積が100平方メートル以下である場合には、禁煙化の対象となりません。

東京都では受動喫煙防止条例が2018年6月27日に可決されました。従業員を雇用している飲食店は原則禁煙となり、2020年4月1日に施行されます。

こういった変化を見据えて、ファストフードでは、日本マクドナルドが2014年までに全店を禁煙にしており、モスバーガーは2020年3月までに国内全店を完全禁煙にします。

ファミリーレストランでは、サイゼリヤが2018年7月から段階的に禁煙化を進めており、ココスは2019年9月末までに全店を禁煙にし、すかいらーくホールディングスはガストやジョナサンなど約3200店舗を2019年9月以降に全面禁煙にすると発表しました。

居酒屋チェーンである串カツ田中は、2018年6月にほとんどの店舗を禁煙にしています。禁煙化に踏み切ったところ、客単価が下がったものの客数は増加し、増収増益となったことが大きな話題となりました。

関連リンク

このように大衆的な業態で禁煙化が進められてきているので、健康増進法の改正や受動喫煙防止条例を詳しく知らない方であっても、飲食店が禁煙化されているという流れを感じているのではないでしょうか。

ファインダイニングにおいては現在、せいぜい併設されているバーで喫煙できるかどうかといった程度になっており、完全禁煙になっていることが常識です。

では、飲食店で食事をする際にタバコを吸うのは、何が好ましくないのでしょうか。

当記事では主にファインダイニングやカジュアルダイニングを想定して飲食店での喫煙が好ましくない理由を考察していきますが、ファミリーレストランやファストフードでも共通するところがあるので留意ください。

味覚と嗅覚を邪魔する

喫煙する本人にとって好ましくないことは、料理や飲み物を邪魔することです。

食事中に喫煙してしまえば、タバコの強い味が舌に残って料理の味が分かりづらくなり、衣服や手についた煙によって料理の香りも分からなくなってしまいます。

テクスチャは感じられるかもしれませんが、食材が本来持つ豊かな風味やほのかな香りを楽しめません。料理人が試行錯誤して調理した微妙な味わいも伝わらず、全ての食味がタバコの味で上書きされてしまえば、食べる本人にとってはもちろん、料理人や生産者にとっても残念なことでしょう。

また、日常的にタバコを吸うことによって、基本的な味覚と嗅覚が鈍ってしまいます。

関連リンク

タバコの煙には人間の体に悪い影響を与える物質が200種類以上含まれています。

舌にある味蕾が五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)を感じますが、タバコに含まれるニコチンやタールが味蕾細胞に悪影響を及ぼし、味覚障害を引き起こすのです。

嗅覚も同様で、タバコの煙が嗅神経上皮中の嗅覚前駆細胞にダメージを与え、成熟嗅神経細胞数が減少し、嗅覚障害が生じます。

食事中の喫煙によって食の体験が損なわれることはもちろん、日常的な喫煙によってますます食の体験が損なわれてしまうのです。

煙の弊害

先程は食事中の喫煙が本人の食体験を毀損すると述べました。しかし、本人だけではなく、周りにいる人も食体験も毀損してしまいます。

タバコが他の人に与える悪影響として受動喫煙の問題は既によく知られていますが、食体験においても同じです。

<レストランで汗拭きシートを使ってはならない理由>では、アルコールや強い香料が使われた汗ふきシートについて考慮しましたが、強い匂いということでは、タバコの煙も全く同じです。

それどころか、臭いが髪の毛や皮膚、衣服に付着しやすく、すぐにとれないということでは、タバコの煙はアルコールや香水よりもたちが悪いのではないでしょうか。

料理を楽しむ時に、香りは非常に重要な役割を果たします。ローストしたものをわざわざ燻したり、完成した料理に白トリュフをスライスしたり、スパイスやハーブをまぶしたり添えたりするのも、全て香りを付けるためです。

味は食べてからでないと知覚することができませんが、香りは食べる前から知覚されるので、その後の食味に影響します。鼻をつまんで食べてみると、味が分からなかったり、違いが分からなかったりすることからも、香りが食体験に重要な役割を果たしていることが理解できるでしょう。

香りをかいだことによって、昔の記憶が蘇ることは誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。香りは体験を記憶に刻みつけるための楔にもなるということです。

このように考えると、食を楽しむためには、料理の香りをしっかりと感じられることが大変重要であることが分かります。

したがって、食事中に喫煙し、タバコの煙の臭いが漂っていれば、料理の香りを邪魔してしまうので好ましくないのです。

同席者や周りにいる他の客が料理を楽しむことを邪魔するだけではありません。サービススタッフの料理やお酒に対する感度も下がってしまいます。サービススタッフのパフォーマンスが低くなってしまえば、結果的には客がよいサービスを受けられなくなってしまうでしょう。

リズムの分断

食事中の喫煙が好ましくない最後の理由は、食事のリズムが分断されるからです。

ただ、テーブルでタバコを吸う場合と、テーブルを離れて喫煙所でタバコを吸う場合とでは、少し状況が異なります。

まずはテーブルを離れて喫煙所でタバコを吸う場合を考えてみましょう。

食事を開始する前に喫煙するのであれば、喫煙所からテーブルに戻ってくるまで乾杯したり、料理を食べ始めたりできません。大人数であれば、自分はいなくてもよいから先に始めてということもできるでしょう。しかし、コース料理となると、同席者もサービススタッフも気を使ってしまうものです。

食事が始まってから喫煙しに行けば、やはりテーブルを離れるので、コース料理の場合には流れが中断されてしまいます。食事が終わってから喫煙しに行けば、他の人と退店するタイミングが合わなくなったり、食べた料理の感想を共有し合ったりすることもできなくなるのではないでしょうか。

大人数であればまだしも、2人で訪れていたのであれば、せっかく共食して同じ空間を過ごしているのにもかかわらず、孤食となってしまいます。一緒に食事をとることで、コミュニケーションが深まったり、絆が強くなったりするだけに、残念なことではないでしょうか。

では、テーブルでそのまま喫煙する場合はどうでしょう。

テーブルを離れないので、同席者の輪からはみでることはありません。しかし、食事前にタバコを吸えば、料理や食べ物が出てくる前からテーブルにタバコの臭いが付着してしまいます。

食事が始まってからタバコを吸えば、食べている最中なので、先程述べたように味覚や嗅覚を鈍化させ、食体験を損ねてしまいます。また、タバコを吸っているということは灰皿が喫煙者の近くにあるということなので、サービススタッフも料理を提供しづらくなるでしょう。タバコから出る灰が料理やドリンクに付着する危険性もあります。

食事の最後に喫煙するのは、既にテーブルで共食を終えており、食べたり飲んだりすることもないので、他のタイミングと比べればまだよい方でしょう。ただ、退店する直前にタバコの煙を嗅いでしまうと、せっかくおいしかった思い出も多かれ少なかれ毀損されてしまうかもしれません。また、タバコを吸わない人が早く帰りたくても、喫煙者がタバコを吸い終わるまで待たなければならないこともあるでしょう。

食事のリズムを分断するという観点では、写真を撮影したり、SNSに投稿したりすることも、喫煙と似ているのかもしれません。しかし、タバコは1本吸うのに数分を要するので、それと比べたら、カメラで撮影する数秒から十数秒など短いものです。

食の体験

私は、喫煙が絶対的に悪いので、全ての人間が禁煙するべきだといいたいわけではありません。単に、食事の場で喫煙することによって損なわれる食の体験について述べておきたいだけです。

健康増進法の改正が施行される2020年の4月には、全面禁煙の飲食店は今よりもっと増えていることでしょう。しかし、もともと飲食店のほとんどは個店であり、客席面積も小さいので、禁煙対象とならない店舗は全体の約55%もあるのです。

施行後に禁煙化する飲食店がどれだけ増えていくのかは、完全禁煙となった飲食店で食事した人が、タバコがないことによってどのような素晴らしい食体験を得られるのか、これが大きな鍵となります。

※Yahoo!ニュースからの転載

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