受動喫煙対策

「分煙では効果ない」 WHOが、日本に全面禁煙を勧める根拠とは

「分煙では効果ない」 WHOが、日本に全面禁煙を勧める根拠とは

http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/07/who_n_15861022.html

投稿日:

2017年04月08日 09時50分 JST       

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“スモーカーの天敵”日本の受動喫煙に苦言

“スモーカーの天敵”日本の受動喫煙に苦言

http://www.news24.jp/articles/2017/04/13/07358906.html

2017年4月13日 17:17

 たばこの煙が吸わない人に流れる受動喫煙。政府が規制に乗り出す一方、強い反発もあり議論は進まない。こうした中、“スモーカーの天敵”とも呼ばれる、ある人物が日本に苦言を呈した。


■路上より先に「屋内を禁煙」にすべき

 サラリーマンでにぎわう街、東京・新橋に先週、現れた男性。WHO(世界保健機関)の幹部、ダグラス・ベッチャー氏だ。世界の受動喫煙対策の第一人者で、“スモーカーの天敵”とも呼ばれるベッチャー氏に、日本の状況を見てもらった。新橋がある港区は、路上での喫煙は条例で禁止されている。

 記者「見ても分かるように路上で喫煙している人はいないですよね」

 ベッチャー氏「(これまで)路上を禁煙にして屋内を禁煙にしない国はありませんでした。まずは『屋内を禁煙』にしなくてはいけません」

 日本の問題は、飲食店などの「屋内」にあるという。WHOによると、世界49か国には、全ての公共施設の「屋内を」全面禁煙とする法律がある。しかし、日本は「屋内の」喫煙を規制する法律がなく、「日本の受動喫煙対策は世界最低レベル」とされていた。


■「分煙は世界で失敗している」

 私たちはベッチャー氏と「分煙」を実施する飲食店を訪ねてみた。

 店主「禁煙の席があちらの部屋とカウンターが10席ほど、ここから向こうは喫煙可能です」

 ベッチャー氏「喫煙エリアと禁煙エリアを分けるというのは、世界中で行われていますが完全な失敗でした」

 席を分ける「分煙」では意味がない、と厳しい指摘。客がいる状態の店の様子も映像で見てもらったところ―

 ベッチャー氏「全く効果がありません。部屋を遮断して、換気をしたとしても有害な物質は漏れ出て、他の場所へと到達します。これでは健康を守る有効な対策とは言えません」

 扉などで遮断して「分煙」にしたとしても、煙を完全に遮ることは難しく、効果はないという。しかし、店の経営者は全面的な禁煙にするのは不安だという。

 店主「(禁煙対策で多くの店は)客が減って売り上げが落ちてしまうとか、つぶれてしまうことにもならないか一番懸念しています。ここはたばこを一切吸わない、もしくは吸っても良いというのは、お店の判断でいいと思うんです」

 日本の飲食業界団体は経営に影響が出るとして、禁煙ではなく「分煙」を求めている。別の飲食店では、フロアを分けて禁煙席と喫煙席を設けているが―

 ベッチャー氏「受動喫煙の危険性が極めて高いといえます。レストランの別の場所で漏れた煙が別の場所に到達するからです。ここで働いている人などの健康被害も心配です」


■自民党内部から強い反発

 WHOの指摘を受け日本の厚労省が出した受動喫煙対策の強化案では、小中高校や医療施設は敷地内を全面禁煙とし、飲食店についても、一部を除き、原則、禁煙としている。しかし、この案に自民党内から強い反発が出て今、議論はストップしている。

 自民党たばこ議連・野田毅会長「禁煙よりは分煙。目指せ分煙先進国を合言葉に。(喫煙者・非喫煙者が)両立できるような形でいこうと」

 しかし、ベッチャー氏はアメリカなどの例をあげ「レストランなどで完全禁煙にしても、売り上げに影響はないという研究結果がある」と反論している。

 ベッチャー氏「日本の政府は、女性や子どもが受動喫煙が原因で、1年間で15000人も命を落としているということにもっと目をむけるべきです。健康被害を受ける人には何の罪もありません」

 政府は東京オリンピックまでに受動喫煙対策を強化したい考えだが、議論の行方は見通せない状況だ。

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受動喫煙には「政治的な決断が必要」 飲食店の禁煙問題、専門家が訴える

受動喫煙には「政治的な決断が必要」 飲食店の禁煙問題、専門家が訴える

http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/11/passive-smoking_n_15352534.html

投稿日:

2017年04月12日 17時01分 JST       

■日本のパッケージはインパクトが小さい

———まず、日本人の受動喫煙に対する認識はどうなっていますか。

わが国では、受動喫煙との関係が確実な肺がんや心筋梗塞、脳卒中、乳幼児突然死症候群に限っても、年間に1万5000人が亡くなっていると推定されています。受動喫煙に対する認識について海外と比較すると、日本人ではその認識はとても低いです。2014年の調査では、海外の約20カ国と比べて日本人は1番下ぐらいに位置し、中国と同じぐらいのレベルでした。

それは、日本が二つの政策をやってこなかったからです。一つはメディアキャンペーン。海外では電波媒体でたばこの害を知らせてきました。教育や所得レベルに関わらず、テレビを見る多くの人の理解が進みました。もう一つは、たばこのパッケージでの警告表示です。日本は細かい文字でたばこの健康影響が書いてあるだけで、インパクトが小さいことがわかっています。

———お洒落な外装だったりしますよね。

ええ。でも海外では、多くの国がパッケージにたばこの害に警鐘を鳴らす画像を載せています。見たくない人でも無意識のうちにある程度まで認識が上がるんですが、日本はそれがほぼ皆無。一方で、たばこ会社がテレビなどのメディアで「分煙が受動喫煙防止の解決策である」とする内容のコマーシャルを流していて、喫煙者と非喫煙者がマナーに基づいて住み分けて共存できるんだという誤った理解をする人も多いです。

国として知識を伝える方策ができていないので、結果として認識がとても低い。だから日本では世論もあまり盛り上がらないでしょ。禁煙運動を起こしているのは既存の禁煙の活動団体と保健・医療団体が中心で、一般市民が問題に気付いて憤慨してデモが起こることもないです。

———日本では禁煙デモは起こらないです。2020年の東京オリンピックを控え、まだ道半ばですね。

たばこの真実が伝えられてないことに問題があるんです。財務省ががっちりと予算を押さえていて、メディアキャンペーンには予算が付いて来ませんでした。パッケージの警告表示も日本は財務省が所管する「たばこ事業法」で仕切れるようになっています。つまり、「たばこ規制法」を進める厚労省ではなく、売る側とかなり密接な財務省が警告表示を担当していることが根本的な問題です。これだけの先進国でたばこの政策は非常に遅れていて、世界の人からはかなり不思議に見えると思います。

———フランスやイタリアは、受動喫煙への対応が進んでいます。そんなイメージは日本にはあまり伝わっていないですね。

喫煙室の設置を認めていますが設置基準がかなり厳しくて、実質的には禁煙にせざるを得ないのが現状です。

フランスは自由を大事にする国のイメージがありましたが、意外と早く法規制を導入しました。諸外国の多くでは、国民の健康を守る観点からたばこ政策をエビデンス(科学的証拠)に基づいて実施しています。日本はそうではなく、自民党の「たばこ議員連盟」などが厚労省の健康増進法改正案に対して「全面的に禁煙にしたら小さな飲食店が潰れる」などと反対しており、議論がかみ合いません。

———飲食店が屋内禁煙にしたら、店が簡単に潰れるんでしょうか。

たばこ産業から資金が提供された研究では売り上げが減ると結論付けた報告はあります。しかし、中立的な立場で実施された科学研究ではそのような結論は得られていません。たばこが吸えること以外に魅力がなく、喫煙場所にしかなっていなかったような店は確かに厳しいかもしれません。でも他に、例えば店主との会話が楽しめるとか、食べものでなくても何か魅力があればやっていけるはずなんです。

さらに、そこで働いている労働者の健康が大切です。健康と、経済的利益のどちらを重視するのかという話です。私たちは受動喫煙の問題を「他者危害性」という言葉を使って伝えようとしているんですが、受動喫煙というと、匂いははた迷惑だけれども害が実感として湧きにくいですよね。特に日本の場合は認識が低いので、大変な健康問題だと知ってもらうために「他者危害」という言葉を使っています。「健康影響」だと、ちょっと緩いですから。

———最近はレストランでもコーヒーショップでも分煙スペースを設けているところが増えていますが、中村さんの考えとしては意味がないのでしょうか。

いや、それは自由に吸えるよりはずっとマシです。空間だけ仕切るよりは、喫煙専用室をつくって外に排気するのですから、だいぶ曝露量を減らせますよ。ただし喫煙専用室を設けても、屋内に煙が漏れるし、従業員や掃除をする人はそこに立ち入らないといけないですよね。

厚労省案について「規制が厳しい」という業界の反発の一方で、規制が十分でないという意見が出てくるのは十分に予想されました。でも初めから、1番理想のレベルを目指すと現状よりも進まなくなってしまいます。海外でも、アメリカでは州政府によって違いがあり、規制が進んでいる州でも段階的に進んできました。例えばバーは、最後に禁煙化されていきます。だから日本では、罰則を付けて、飲食店などで喫煙室を認めるという例外があっても現在よりも進んだことになるので、いいと思ったんです。全部禁煙というのは現状ではちょっと無理でしょう。

default
厚生労働科学研究費補助金「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」(研究代表者 片野田耕太) 厚生労働科学研究費補助金「受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究」(研究代表者 中村正和)

■たばこ関連産業との付き合いは選挙の票に繋がります

———厚労省案に反発している議員の中には、結構有力な人もいます。

そうなんです、まだまだ自民党の上の世代で喫煙者が多いし、献金を含めてたばこ関連産業との関係がある有力議員さんもいるからです。たばこ関連産業との付き合いは選挙の票に繋がります。一方、たばこを吸わない人の票は読めないと言われます。選挙モードになると禁煙推進議連も波風が立たないように休眠状態に入ると聞いています。

———さっき触れた禁煙キャンペーンについては、マスコミはまだ満足な伝え方をしていないと感じているんですね。

それに加えて、今は格差の問題が出ています。低所得の人ほど喫煙率が高いんです。特に生活保護を受けている人は喫煙率が圧倒的に高い。また学歴をみると中卒や高卒、さらに中退した人たちがかなり高いです。国内では喫煙者の割合は2割程度にまで下がって先進国並になってきたのですが、日本は高齢化が進んでるから、年齢調整をすると、先進国と比べてやっぱり喫煙率は高いままなんですよ。

———若い人は、まだ結構吸っている人が少なくないということですか。

そうです。30代や40代の特に男性が多いんです。年齢調整をすると、たばこ対策が遅れている東ヨーロッパ並の数字となり、世界的に見てだいぶ喫煙率が高いグループに属するんです。

———たばこの値段は近年、徐々に上げられていますが、その影響は。

値段は上がっているけれど、先進国の中では、1箱400~450円程度という価格は所得に比べると安いです。お隣の韓国は日本より高くなりました。2015年の年明けに約2倍の値上げをし、さらに飲食店を含めた受動喫煙防止の法規制を強め、禁煙治療も保険適用するとの3点セットを断行したんです。

———そうなんですか。韓国の状況は日本と変わらないのかと思っていました。

確かに韓国は、日本と同じようにこれまでアジアでは経済的にリードしている国にしては対策が遅れ気味だったんです。台湾や香港、タイ、シンガポールなどと比べると、ちょっと規制が緩かった。でも、今では韓国が対策を進めたので、日本はアジアの中でも遅れが目立つようになってきています。

———税金の絡みがあるから財務省が抵抗しようとするんでしょうか。

財務省は「たばこ事業法」を所管していますが、要はたばこが財源ですから、あまり急に税収が落ちると困ります。この事業法は、たばこ産業の健全な発展と財源の確保が狙いです。たばこの値上げとなると、税収が落ちるという話がいつも出ます。そんな金絡みの話となり、大切なのは健康か、それとも経済や財源なのかという議論になります。財務省の力が厚労省よりも強いので、結局押し切られてしまう。その結果、財務省もたばこ会社も納得できるのは、比較的小幅な値上げなんです。

今、議論となっている厚労省の健康増進法改正案は、誰も決着させられない状態です。それでも基本は健康問題だから、最後は東京オリンピック・パラリンピックの開催も視野に入れて首相官邸で議論するんじゃないですか。落としどころについては、禁煙を飲食店や居酒屋まで含めるかどうかですけれど、バーは例外となるのでしょう。それとも、30平方メートル以下の小規模な店は居酒屋も含めて例外にすることになるのか。厚労省は、居酒屋については譲らない姿勢を示しています。

———全面禁煙にする業態の線引きですが、どこで線を引くのか難しいですよね。居酒屋でなくても、イタリアンでも寿司屋でも、レストランは夜はお酒を出しますから。

居酒屋については、厚労省の考え通り、喫煙室の設置は認めても原則禁煙にすべきだと思います。ただしその時、お客さんの不便や健康被害の話になるでしょう。しかし守らなくてはいけないのは、実は一番長くそこに滞在している労働者なんです。それを考えると、罰則付きの法律ができるだけでも、かなり影響力が大きいでしょう。例外はいくつか認められても仕方ないと思ってるんですが、対策を進めるために罰則付きの法案が通ることが重要です。

———たばこを吸える店を例外的に認めればいいんじゃないかと言う人もいます。

たばこ産業側は、そのように「ここは吸える。昼間は禁煙か喫煙か選択できるようにしましょう」って言うんだけど、それは客目線なんです。働いてる人のことを優先して考えた対策が必要です。

いずれにせよポリティカルイシューそのもので、いろいろな利害が対立する問題です。健康面から考えたら間違いなくたばこを無くしたらいいわけです。しかし産業側は現に存在しており、たばこは合法的に売られているので、そこから社会としてどう足を洗うのか、それは簡単ではありません。政治的な決断をしないと解決しない問題です。

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厚生労働科学研究費補助金「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」(研究代表者 片野田耕太)厚生労働科学研究費補助金「受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究」(研究代表者 中村正和)

■外で吸えばいいんです

———吸う人は、室内で吸えなくなると外に追い出されるため、みんなが外で吸うようになるとも主張します。

外で吸えばいいんですよ。外で吸って室内に戻って来ればいいと思うんです。曝露量から見ると、はるかに室内で吸われる方が多いです。居酒屋みたいに喫煙者がたくさん集まるところで働く、たばこを吸わない従業員の曝露は健康を守る観点から看過できません。

外なら、ちょっと違う道を歩くとかして個人的に避けられるじゃないですか。でも、居酒屋の従業員はその仕事を辞めないと避けられません。いい職場に移れたらいいけど、うまくいかないかもしれません。居酒屋では大学生や高校生もバイトをしています。バイト代を稼ぎたいから煙を我慢してしまいます。

日本では高齢化が進み、介護費用や医療費をもっと節約しないといけない時代です。その時代に喫煙は今なお一番多くの人たちが死んでるトップの要因なんです。年間13万人が、受動喫煙者も入れると14万人が亡くなっています。認知症の発症にも喫煙の影響が明らかなので、たばこは要介護を引き起こす重要な要因でもあり、健康寿命を短くする最大の要因です。そう考えると、受動喫煙対策を少しだけ進めるのではなくて、たばこも大幅に値上げするなど、喫煙率を減らす効果的なたばこ対策を組み合わる「タバコミクス」をやった方がいいんですよ。

本当に国民の健康や医療制度を守ろうと思ったら、たばこ対策を進めないといけないんです。脳卒中と受動喫煙の関連がはっきりしており、脳卒中になると寝たきりや要介護になってしまいます。吸っていないのに、そんな悲劇もありうるわけです。それを政治家はどう考えるんでしょうか。世論では、6〜7割の国民は厚労省の改正案などの規制強化に賛成しているのです。

———喫煙者は「たばこ吸う人の権利はどうなるんだ」とか「マイノリティをないがしろにするのか」と主張したりします。

喫煙権は、他人の健康に危害を及ぼさない範囲で認められる権利で、「愚行権」といわれています。どうしても吸いたい人は場所をわきまえて吸えばいいけれど、「他者危害性」のあるものを排出していることを常に考えて吸うべきです。

たばこの健康影響や対策についての基本的な考えや常識のようなものが、まだ国民の間で十分認識されていないのが現状です。だから、多くの人たちが利害や利得を含めてそれぞれ好きなこと言って、たばこ規制枠組み条約の締約国として本来あるべき方向に議論が収斂しないのだと思います。そこの状況を大きく変えていかなければなりませんが、そのためには政治的なリーダーシップが重要だと思います。

masakazu nakamura
取材に答える「地域医療振興協会」の中村正和・ヘルスプロモーション研究センター長=東京都千代田区

中村正和(なかむら・まさかず) 自治医科大学卒業。大阪府に就職し、府立病院や府立成人病センターで臨床と疫学を研修、府立健康科学センター健康生活推進部長など務めた後、現職。専門は予防医学、公衆衛生学。研究テーマはたばこ対策と生活習慣病予防対策。たばこ規制に関する厚労科研研究班代表者。公職として厚生科学審議会専門委員(健康日本21<第二次>推進専門委員)、国民健康・栄養調査企画解析検討会構成員、日本公衆衛生学会たばこ対策専門委員会委員長。

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悪質な禁煙違反に30万円以下過料 受動喫煙防止で厚労省案

悪質な禁煙違反に30万円以下過料 受動喫煙防止で厚労省案

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017030202000124.html

2017年3月2日 朝刊

 厚生労働省は一日、東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止の強化策として、飲食店を禁煙とし、違反した悪質な喫煙者には三十万円以下の過料を科すとした案を公表した。飲食店などの施設管理者には、喫煙の禁止場所を掲示する義務を課し、違反した管理者は五十万円以下の過料とする。

 健康増進法改正案に盛り込み、今国会への提出を目指しているが、たばこ産業や飲食業界の危機感を背景に自民党などから反対の声が上がっており調整は難航が予想される。

 厚労省案は、全国の居酒屋や焼き鳥屋などを含む飲食店は、たばこを吸うためだけの喫煙室の設置を認めた上で禁煙とする。食堂やラーメン店も同様に禁煙とし、家族連れや訪日観光客の利用に配慮する。

 禁止場所で喫煙する人には、まず施設管理者が制止した上で悪質な場合に自治体職員が対応。指導や中止命令を出し、違反者に過料を科す。

 未成年が利用しないバーやスナックなどでは、小規模店を例外として喫煙を認める。小規模の目安は「大人数で入れない」広さの三十平方メートル以下を想定している。

 学校や病院は敷地内禁煙、大学や官公庁は屋内禁煙で、喫煙室の設置は認めない。ただ、これらの施設にある既存の喫煙室については、検討した結果、一定の基準を満たせば五年間存続を認めることにした。

 飲食店のテラス席は屋外でも禁煙。旅館やホテル、老人福祉施設の個室、たばこが目的のシガーバーは喫煙を認める。

 電子たばこなどの煙が出ない新型たばこは、受動喫煙の影響が不明なため、規制の対象にするか検討を続ける。

写真

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<社説>受動喫煙 「屋内全面禁止」を原則に

<社説>受動喫煙 「屋内全面禁止」を原則に

https://mainichi.jp/articles/20170222/org/00m/070/006000c

2017年2月22日

 自分はたばこを吸わなくても、他人のたばこの煙で健康を害することを防ぐため、受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案が今国会に提出される予定だ。

     世界保健機関(WHO)によると現在49カ国が医療機関や学校、飲食店などでの「屋内全面禁煙」を法制化している。健康増進法で努力義務にとどめている日本の取り組みは遅れている。飲食店を含めて屋内は原則禁煙にすべきである。

     政府が受動喫煙対策に乗り出すのは、2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、国際オリンピック委員会とWHOが「たばこのない五輪」を求めているからだ。02年のソルトレークシティー大会以降はどの開催地でも受動喫煙を防止する法整備が行われてきた。

     日本政府の当初案は、小中学校や医療機関が最も厳しい「敷地内禁煙」、福祉施設や官公庁、バス、タクシーなどは「屋内禁煙」、飲食店やホテルなどは喫煙室の設置を認めた上で「屋内禁煙」とし、悪質な違反には罰金を科すというものだ。

     ただ、近年の五輪開催地である北京、ロンドン、リオデジャネイロでは小さな飲食店でも屋内禁煙が法律や条例によって徹底されている。18年に平昌で冬季五輪が開催される韓国でも店内の広さに関係なく全飲食店が屋内禁煙とされている。

     それに比べると、密閉した喫煙室で煙を排出する設備などがあれば飲食店での喫煙を認める日本の案は甘いと指摘されていた。ところが、この案に対しても飲食店業界や自民党内から「小さな店では喫煙室を設けることができない」「廃業に追い込まれる」との批判が噴出した。

     このため厚生労働省は延べ床面積30平方メートル以下のバーやスナックでは喫煙を認めることを検討している。さらに食事に合わせ酒類を提供する居酒屋なども例外とする案があり、規制案はずるずる後退している。

     もともと日本は04年に、飲食店を含む屋内施設を完全禁煙にすることを含むWHOの「たばこ規制枠組み条約」を批准している。

     肺がん、心疾患、乳幼児突然死症候群などと受動喫煙との因果関係を裏付ける医学論文は多数あり、厚労省研究班は「日本では年間1万5000人が受動喫煙で死亡している」との推計値を昨年発表した。

     厚労省の「国民健康・栄養調査」(15年)によると、受動喫煙にさらされる機会は職場や遊技場を抑えて、飲食店が最も多かった。喫煙席と禁煙席を分けていても、壁や換気設備によって煙の移動を防止していない店が少なくない。

     五輪開催国にふさわしい受動喫煙対策が必要だ。

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「適切な分煙」訴え署名活動 佐賀県たばこ販売協組

「適切な分煙」訴え署名活動 佐賀県たばこ販売協組

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/409267

2017年02月26日 09時02分

 適切な分煙の取り組みを推進する署名活動が24日、佐賀市の佐賀駅周辺であった。国が2016年10月に公表した飲食店や旅館などのサービス業に対する過度な喫煙規制を問題視し、たばこを吸う人と吸わない人が共存する「分煙先進国」を目指す仕組み作りを訴えた。

 飲食店などの事業者が喫煙について「自由に選択できる」仕組み作りを呼び掛けた。携帯灰皿など200個を配布し、マナー向上も呼び掛けた。署名活動は2月中旬ごろから、県内の飲食業生活衛生同業組合の加盟店約1400店などで行っているという。

 県たばこ販売協同組合が主催し15人が参加した。市丸典夫理事長は「十分なスペースがない店舗で分煙施設を設けることは難しいなどといった現状がある。適切な分煙環境が進めば」と話した。

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死迫る患者に好きなたばこを…全面禁煙除外要望

死迫る患者に好きなたばこを…全面禁煙除外要望

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170227-OYT1T50063.html

2017年02月27日 17時36分

死が迫る患者に好きなたばこを楽しむ時間を――。

 政府が今国会に提出を予定している健康増進法改正案で、医療機関の敷地内が全面禁煙となる方針であるのに対して、がん患者が最期の時を過ごす緩和ケア病棟での喫煙を例外的に容認するよう、緩和ケア医らが求めている。同法改正案は、非喫煙者がたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ぐのが目的。厚生労働省は「患者が集まる医療機関は配慮が特に必要」と説明する。

 これに対して、緩和ケア病棟を持つ病院などで作る日本ホスピス緩和ケア協会は、敷地内禁煙によって喫煙者が同病棟への入院を断られたり、退院を迫られたりする事態を懸念。全面禁煙の対象から除外するよう求めている。

 同協会の約200施設が答えた調査では16%の施設が病棟に喫煙所を設けていた。他に、玄関横やベランダでの喫煙を認める施設もある。志真泰夫・同協会理事長は、「残り時間の少ない人を追い詰めるのはいかがなものか」と訴える。

(ここまで402文字 / 残り69文字)
2017年02月27日 17時36分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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受動喫煙対策で修正案 小規模なバーやスナックは対象外

受動喫煙対策で修正案 小規模なバーやスナックは対象外

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170301/k10010895011000.html

3月1日 18時16分

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受動喫煙、対策強化は待ったなしだ

受動喫煙、対策強化は待ったなしだ

http://vpoint.jp/opnion/editorial/81380.html

2017/2/01(水

2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向け、政府は受動喫煙防止対策を盛り込んだ健康増進法改正案を3月上旬に国会に提出する方針だ。

 受動喫煙による死者は年1万5000人を超えるとされる。対策強化は待ったなしだ。

 日本は「最低レベル」

 たばこの煙は主流煙(肺の中に入る煙)と副流煙(たばこの先から出ている煙)がある。副流煙は主流煙よりもはるかに多くの有害物質が含まれており、発がん物質のニトロソアミンは主流煙の50倍に上る。

 喫煙の健康への影響について厚生労働省が昨年8月に取りまとめた「たばこ白書」は、受動喫煙で肺がんの死亡リスクが約3割上昇するとの研究結果を示したほか、心臓病や脳卒中なども含めた受動喫煙による死者は年1万5000人を超えるとの推計値を提示した。極めて深刻な状況だ。

 法案は昨年10月に厚労省が示した対策案に沿った内容。学校や病院は最も厳しい「敷地内禁煙」、福祉施設や官公庁は「屋内禁煙」、飲食店などは喫煙室の設置も可能な「原則屋内禁煙」とし、違反した施設の管理者や利用者が勧告や命令に従わなければ過料を科すとしている。

 対策をめぐっては、飲食業界を中心に「分煙を中心に自主的な取り組みを推進すべきだ」といった反対意見が出ている。自民党内からも「喫煙室の設置は小規模店には非現実的」との意見が相次いでいる。

 だが「たばこ規制枠組み条約」の指針は、屋内禁煙が唯一の解決法とし、罰則付きの法規制を求めている。海外では多くの国で飲食店を含む公共の場を屋内禁煙としている。喫煙室は出入りの際に煙が漏れるため、従業員や利用客がリスクにさらされるためだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は「たばこのない五輪」を求めている。04年以降の開催都市はすべて罰則を伴う対策を導入した。WHOは日本の対策を「最低レベル」と判定している。

 その意味では、喫煙室設置を可能とする今回の法案も不十分だと言える。厚労省は法案の具体的な内容を検討した上で、3月上旬の国会提出を目指すが、骨抜きにすべきではない。

 安倍晋三首相は今国会の施政方針演説で、東京五輪に向けて「受動喫煙対策の徹底」を進めるとした。これ以上、受動喫煙による健康被害をもたらしてはならない。法案を着実に成立させるとともに、喫煙室も認めない完全禁煙など一層の規制強化にも踏み切る必要がある。

 受動喫煙対策だけでなく、喫煙率の低下に向けた取り組みを進めることも欠かせない。日本たばこ産業の昨年5月の調査によれば、男性の喫煙率は前年比1・3ポイント減の29・7%、女性は同0・1ポイント増の9・7%、男女全体では同0・6ポイント減の19・3%となっている。男性が初めて3割を切るなど喫煙率は年々低下している。

 喫煙者を極力減らしたい

 日本禁煙学会の作田学理事長は「東京五輪が、たばこの煙のないスモークフリーな環境で行われるよう働き掛けていく」と述べている。五輪までに喫煙者を極力減らしたい。

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五輪に向けた禁煙規制を邪魔する喫煙者の"思い上がり"【勝部元気のウェブ時評】

五輪に向けた禁煙規制を邪魔する喫煙者の"思い上がり"【勝部元気のウェブ時評】

http://www.excite.co.jp/News/smadan/20170119/E1484818665980.html

スマダン  2017年1月19日 19時40分

オリンピック開催に向けて日本でもようやく屋内全面禁煙の実施が検討されています。世界各国で公共空間における全面的な禁煙が法制化されているにもかかわらず、日本は飛行機内を除いて全く規制の対象となっておらず、努力義務に留められているというのが現状(参照:厚生労働省eヘルスネット )であり、一刻も早い規制の整備が必要です。

とりわけ、我が国では受動喫煙が原因で年間15,000人が死亡しており、受動喫煙対策は最も急務だと思います。2016年8月には、国立がん研究センターが日本人を対象とした受動喫煙による肺がんのリスク評価をこれまでの「ほぼ確実」から「確実」に引き上げたことからも、もはや議論の余地は無く、一刻も早く世界標準と同様の規制を定める必要があるでしょう。

ただし、制度改正の段階で様々な反対意見や慎重な意見が出てくるでしょう。骨抜きにしようという圧力もかなり強いはずです。そこで今回は、いかに日本が喫煙大国で、いかに喫煙者による「暴力」がまかり通っていて、いかに彼等の認識自体が非喫煙者に理不尽を押し付けているものかについて取り上げたいと思います。

受動喫煙はマナー違反ではなく命への暴力です

前述のように、受動喫煙が原因で日本では年間15,000人が死亡しています。つまり、起こっている現象をストレートに表現すれば、彼等は喫煙者によって命を削られて、死に至らしめられているわけです。交通事故で死亡する人は年間約4,000人なので、「故意無き殺人」としては最も多いのが受動喫煙だという表現をしても、的外れではないと思います。

このように考えれば、もはや「受動喫煙はマナー違反」ではなく、「受動喫煙は暴力」と表現することが適切だと思うのです。一部の人から「最近は喫煙者に対する風当たりが厳しい」という嘆きの声も聞かれますが、年間約15,000人を死に至らしめているのですから厳しくなって当たり前でしょう。むしろ世界で最も禁煙の法制化が遅れているわけですから、まだ甘過ぎると言えます。

受動喫煙は暴力なのですから、それが家庭内で起こればDVです。受動喫煙による死亡者数は男性が4523人、女性が1万434人であり、女性が2倍以上となっていますが、その理由について、「家庭内での受動喫煙率が女性が圧倒的に高いため」と国立がん研究センターは見解を述べています。女性のほうが男性よりも受動喫煙というDVの被害に遭っていると言えるでしょう。

また、喫煙や受動喫煙は流産や不妊の原因の一つとも言われています。つまり、女性の生殖機能や子供の命への暴力でもあるわけです。もちろん、相手がどのような人であれ受動喫煙という暴力は許されるべきではないのですが、子どもを望む女性の前でたばこを吸うということは、二重の罪を犯していると言っても過言ではありません。

このように、受動喫煙は無慈悲な暴力なのですから、喫煙している人は、たとえ相手が了承しても絶対に非喫煙者に接触する場面やその前後でたばこを吸うべきではないのです。「相手が非喫煙者であっても了承すればその人の前で吸っても良い」と考えているならば、自分が他者に暴力を振るっているということに関してあまりに無神経かつ無頓着です。

中でも「たばこ吸ってもいい?」と聞きながら既に口にたばこを咥えてライターで火をつける準備している人をごくたまに見かけますが、愚の骨頂です。あのような「NOとは言わせない」態度で聞いても、全然聞いていることになりませんし、何も言わずに吸い始める人と何ら変わりありません。

単なる「分席」なのに分煙と偽る「分煙詐欺」

次に、受動喫煙防止の制度作りにおいて最も大きな争点になるであろう、飲食店での喫煙についても現状は大きな問題があると思います。

まず、喫煙が許されているお店というのは、かなりえぐい表現かもしれないですが、私の個人的な意見としてはゴキブリやネズミが大量に発生しているお店と同じにしか思えません。ゴキブリやネズミが大量に発生している状態というのは不衛生で、自分の健康を害する可能性があるから問題であるわけですが、受動喫煙も健康を害する可能性があるものです。大袈裟な表現だと思うかもしれませんが、両方とも健康を害する要因であり、その意味において大差はないと感じるのです。

また、食べログ等の飲食店情報サイトで「分煙」のお店を選んだにもかかわらず、単に喫煙者と非喫煙者の席を離しているだけで、空気が分かれておらず受動喫煙の害を被ったことがある人もいるのではないでしょうか? 私も何度かそのような経験があります。

分煙というのは「席が分かれていること」ではなく、読んで字のごとく「煙が分かれていること」が正しい意味ですから、単に席が分かれていることをもって分煙と表記するのは明らかに虚偽表示です。一刻も早く飲食店情報サイトは適切な表記基準を設けて、消費者庁も飲食店や飲食店情報サイトに対して是正を促して欲しいものです。

これに対して、「そんなにたばこの煙が嫌ならば禁煙のお店に行けば良いだけだろう」という反論をする人がいるかもしれませんが、それは日本の飲食店は非喫煙者を阻害しているという現状を無視した暴論です。食べログに掲載されている店舗数は2017年1月19日12時の時点で848,992店ですが、そのうち完全禁煙のお店は僅か127,761店に過ぎません。たった15.05%しか無いのです。

日本の喫煙人口は19.3%ですから、完全禁煙が約8割で、それ以外のお店が約2割というなら人口比的には公平なのかもしれません。ですが、84.95%ものお店が受動喫煙の被害に遭う状態であり、明らかに非喫煙者が受動喫煙という暴力に遭うケースのほうが多いのです。被害者側が被害に遭わないようにするために選択肢が5分の1以下に削られるというのは明らかに不公平だと言えるでしょう。

もちろん完全禁煙の飲食店が約8割になったところで、残りの約2割のお店で働く従業員には影響が及びます。そもそも、煙が排気ダクトやコンセントの穴から流れこむこともありますし、サードハンドスモーク(たばこを消した後の残留物から有害物質を吸入すること)は防げませんから、「分煙」という発想自体が幻想です。よって完全禁煙以外の選択肢はありえないです。

生活のあらゆる場で受動喫煙の暴力にさらされている

職場の受動喫煙防止は進んでいるものの、まだ不十分です。喫煙可の職場で働いている人が被害に遭うだけでなく、たとえ会社内で禁煙を実施していても、懇親会や歓送迎会等で受動喫煙の被害に遭うというスモークハラスメントのケースも少なくありません。2016年12月にはシステム会社のSCSK(東証一部)が懇親会も喫煙を禁止する旨を就業規則に追加したとのニュースが流れていましたが、全ての企業が実施するべきでしょう。

上記の飲食店のケースで触れたように受動喫煙はかなり厳格に対処しなければ防ぐことはできないという事実を考慮すれば、そもそも従業員が喫煙していること自体も問題です。たとえばリゾート施設の再生で名高い株式会社星野リゾートや、病児保育や障害児保育を展開する認定NPO法人フローレンスは、従業員採用に関して非喫煙者であることを必須の条件にしていますが、喫煙者が一人でも混じると受動喫煙を防止する環境は構築できないわけですから、このような取り組みをより多くの企業が実施するべきでしょう。

また、受動喫煙は共同住宅でも起こりうることです。たとえば、喫煙者がベランダで吸っていたしてもそれが隣近所に煙が及んで健康被害に遭ったというケースもありますし、部屋の中で吸っていたとしても前述のようにコンセントの穴から他の部屋に流れ込むこともあるのです。今後は敷地内全面禁煙の共同住宅が整備される必要があるでしょう。

さらに、五輪の絡む規制の議論では屋内全面禁煙が議論の対象となっていますが、受動喫煙という暴力を阻止するという本来の目的を考えれば、外での喫煙にもかなり強い規制を設けるべきでしょう。非喫煙者が通る通路に設置することや、子供が遊んでいる公園に喫煙スペースを作るケースも見られますが、それでは何の意味もありません。

歩きたばこ等に関しても一部の地域で禁止にしている自治体は増えてきたものの、いまだに違反をしている人を数多く見かけます。一刻も早くシンガポールのように全国で罰金の対象にして取り締まるべきでしょう。やや本題からは外れますが、一部のビーチで禁煙化がなされているように、今後は山や川等も含めた自然環境を保全するべき空間でも全面的に禁止する必要もあると思います。

「嫌煙」という言葉に感じる喫煙者の思い上がり

このように喫煙に関して様々な規制強化を求めていると、「嫌煙家」や「禁煙ファシズム」と言われることがあります。WHOからも批判され、世界標準から日本が取り残されているという現状を鑑みればあまりに禁煙を求めることをファシズムになぞらえるのは時代遅れの感覚でしょう。むしろ日本だけ喫煙を認めている実態を考慮すれば、禁煙ファシズムと批判する彼等こそ「喫煙ファシズム」の間違いではないでしょうか。

また、「嫌煙家」という表現も喫煙者の思い上がりから来る表現だと思うのです。というのも、自分の前でたばこを吸っても構わないという非喫煙者は、"特別に許してあげている"に過ぎません。むしろ許可する彼らのことを「許煙家」として特別視するほうが正しい認識でしょう。にもかかわらず、寛大過ぎる彼らのような存在を当たり前のように捉えて、嫌がる人を「嫌煙家」として特別視するのは自分勝手な思い上がりです。

たとえば煙突から発ガン性物質を慢性的に排出する工場が自宅の目の前に進出すると聞いて、反対する人は「嫌煙家」と呼ぶでしょうか? もちろんそんなことはありません。反対して当たり前だからです。それと同様、たばこに関しても発がん性物質を吸引させようとすることに対して嫌がることは至極当たり前のことであり、「嫌煙家」として悪者に仕立て上げるような表現は悪意に満ちていると言わざるを得ません。

喫煙者は高い税金を払っているという思い上がり

「喫煙者は高い税金を払っているのだからもっとたばこを吸う自由を認めるべきだ」という理由を述べる人がいますが、それも思い上がりです。

2016年9月に出された厚生労働省の有識者会議報告書、いわゆる「たばこ白書」によると、我が国の喫煙による経済的損失は約4.3兆円と言われている一方で、たばこ税の税収+生み出された付加価値は約2.8兆円に過ぎません。その差額の約1.5兆円は喫煙していない人たちにも負担が及んでいるわけです。

「他人に迷惑をかけなければ良いんだ」というのは幻想に過ぎず、喫煙者は非喫煙者に対しておんぶにだっこの状態というのが現実です。たばこの価格を経済的損失額と税収がイコールになるまで税率は上げるべきだと思います。

発がん性物質との共存なんて幻想だ

今回は禁煙にするべき根拠に関して様々な観点から意見を述べてきましたが、このように受動喫煙そのものを全面禁止にするべきだという意見を述べていると、妥協案を探ろうという発想からか、「喫煙者も非喫煙者もお互いが気持ち良く過ごせるよう共存できれば良いと思う」という意見を述べる人がいますが、それも幻想です。発がん性物質は容赦無く人々に襲いかかるわけですから、共存なんてできません。単なる人間と人間の共存の話とはわけが違うのです。

「最近世の中の禁煙化が進んで喫煙者は肩身が狭い」という人もいますが、そのような被害者ぶる姿勢にも憤りを覚えます。年間15,000人もの命を奪っているのは喫煙者ですから、大半のケースで喫煙者は加害者であり、被害者は非喫煙者です。肩身が狭くて当然です。

なお、誤解しないで頂きたいのですが、私は喫煙の自由そのものを奪おうという意見ではありません。ただし、喫煙の自由というのは、徹底的に受動喫煙と経済的損失のフリーライドを防止することを達成して初めて成り立つものだと思っています。現状はそれができていないのですから是正を求めるのは当然でしょう。

日本にいると私のような意見は過激な意見だと思うかもしれませんが、世界の規制基準からすれば、決して過激というレベルではないと思います。むしろ日本は健康に対する暴力や加害に対してあまりに寛容・無頓着なだけであり、それこそ問題だと思うのです。もしこれを読んでくださっている方が喫煙者の方であれば、禁煙を心から応援したいと思います。
(勝部元気)

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