受動喫煙対策

職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ

職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ
改正健康増進法全面施行まで8か月 シンポジウム「令和の「新」たばこ対策 ~タバコ新時代にどう対応するか~」レポート

https://business.bengo4.com/articles/615

来年4月の改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の全面施行を見据えて、社内禁煙化を検討する企業が増えているようだ。そんななか、新時代のタバコ対策を考えるシンポジウム「令和の「新」たばこ対策 ~タバコ新時代にどう対応するか~」が8月7日、タバコ問題研究の専門家らを招き、東京・築地の国立がん研究センターで開催された。

シンポジウムには、企業や教育機関の受動喫煙対策担当者など、約200人が参加。世界保健機関(WHO)が、従来の紙巻タバコと同様の規制が必要という見解を示した加熱式タバコの対策についても議論が及んだ。

改正健康増進法は世界標準へ近づく大きな一歩
(片野田耕太氏/国立がん研究センター)

2016年の厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆる「たばこ白書」)の編集責任者を務めた、国立がん研究センターの片野田耕太部長からは、改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例の概要のほか、飲食店などの事業者が理解しておくべきポイントが紹介された。

片野田耕太氏(国立がん研究センター副部長)

片野田耕太氏(国立がん研究センター副部長)

国の改正健康増進法では、資本金5000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下の小規模な既存飲食店について、店内が喫煙可能な場所であることを店頭に掲示することで喫煙可という経過措置が設けられている。しかし、東京都受動喫煙防止条例では、従業員を1人でも雇っていれば原則屋内禁煙となることに注意が必要だ。

改正健康増進法 概要
(2018年7月18日成立、2020年4月施行)

(出典)片野田耕太「たばこ新時代の温故知新 平山論文から改正健康増進法まで」、「シンポジウム令和の新たばこ対策 たばこ新時代にどう対処するか」講演資料

※1 一定の条件を満たした屋外の喫煙所は設置可能
※2 経過措置として、「資本金5000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下」の既存飲食店は店頭に表示すれば喫煙可
※3 経過措置として、加熱式タバコは飲食可の喫煙専用室で使用可

 

(出典)片野田耕太「たばこ新時代の温故知新 平山論文から改正健康増進法まで」、「シンポジウム令和の新たばこ対策 たばこ新時代にどう対処するか」講演資料、厚生労働省Webサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html)

 

東京都受動喫煙防止条例 概要
(2018年6月27日成立、2020年4月施行)

(出典)片野田耕太「たばこ新時代の温故知新 平山論文から改正健康増進法まで」、「シンポジウム令和の新たばこ対策 たばこ新時代にどう対処するか」講演資料

※1 一定の条件を満たした屋外の喫煙所は設置可能
※2 経過措置として、「資本金5000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下」の既存飲食店は店頭に表示すれば喫煙可
※3 経過措置として、加熱式タバコは飲食可の喫煙専用室で使用可

 

(出典)片野田耕太「たばこ新時代の温故知新 平山論文から改正健康増進法まで」、「シンポジウム令和の新たばこ対策 たばこ新時代にどう対処するか」講演資料、東京都福祉保健局Webサイト(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/tokyo/kangaekata_public.html)



大幅な例外が認められた改正健康増進法だが、東京都のほか千葉市、大阪府などで国の基準よりも厳しい上乗せ条例の制定が続いていることを念頭に、片野田氏は「世界標準へ近づく大きな一歩」と一定の評価を与えた。

また、片野田氏は、改正職業安定法が全面施行される2020年4月以降、従業員の募集時に職場内で講じている受動喫煙対策の明示が、企業に義務付けられることが追い風となるとみている。慢性的な人手不足が企業を悩ませるなか、今後は、各企業の受動喫煙対策が、求職者に選ばれるための1つの基準となるかもしれない。

加熱式タバコの登場でタバコ対策は難しくさせられた
(田淵貴大氏/大阪国際がんセンター副部長)

「加熱式タバコの登場によって、すべてのタバコ対策は難しくさせられた」と語ったのは、加熱式タバコ研究の第一人者として知られる大阪国際がんセンターの田淵貴大副部長だ。

田淵貴大氏(大阪国際がんセンター副部長)

田淵貴大氏(大阪国際がんセンター副部長)

加熱式タバコは2016年4月の全国販売開始後、瞬く間に日本中に広がった。田淵氏らの調査では、2019年時点ですでに日本の成人の約10%が加熱式タバコを使用している 1 ことがわかっている。

「加熱式タバコは急速に普及しているため、『まだリスクはわからない』ではすまされない。今あるデータをもとに対策を進める必要がある」と、田淵氏は早急な対策の必要性を強調した。

一方、「紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えた喫煙者は、自分への害、他人への害に配慮した結果、加熱式タバコを使用している」として、参加者に「その気持ちを踏みにじるような言動を避け、禁煙を支援する姿勢を持つことが大切」と呼びかけた田淵氏は、受動喫煙対策を推し進めていくためには「職場が禁煙になることが重要。社員の健康を守るために企業が担う役割は大きい」と、改正健康増進法の全面施行に向けた各企業の取り組みに期待を寄せた。

受動喫煙対策は「対立・糾弾」から「共存・理解」の戦略へ
(岩永直子氏/BuzzFeed Japan Medical)

改正健康増進法の立法過程で、国会議員によるがん患者への野次問題をスクープしたBuzzFeed Japan Medicalの岩永直子氏は、一連の記事が「嫌煙派からの支持を集めた一方で、喫煙派との対立構造を強化してしまった可能性がある」と分析したうえで、「喫煙者は『加害者』として糾弾されることにうんざりしている」と言う。

タバコ問題の根幹にはニコチン依存の問題がある。「自己責任では片付けられない問題に理解を示すことが大切」と言う岩永氏は、対立・糾弾ではなく、共存・理解の戦略へシフトさせることが、新しい時代のタバコ対策の重要な視点と述べた。

シンポジウムではこのほか、禁煙の飲食店を紹介するサイト「ケムラン」を主宰する大阪医科大学の伊藤ゆり准教授が、社会協働型の禁煙支援の取り組みと活動の広がりを紹介。また、NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップの長谷川一男代表からは、身近な喫煙者を禁煙させた肺がん患者の共通項が、喫煙者に対する「共感」や「依存」に対する理解の深さにあるという調査結果が発表された。

「シンポジウム 令和の「新」たばこ対策 ~タバコ新時代にどう対応するか~」は、8月23日午後5時より大阪の大阪国際がんセンターでも開催される。

(取材・文・写真:BUSINESS LAWYERS 編集部)2019年08月21日 



  1. 下記論文と同一の方法で行った2019年調査データの分析結果による。
    Tabuchi T, Gallus S, Shinozaki T et al. Heat-not-burn tobacco product use in Japan: its prevalence, predictors and perceived symptoms from exposure to secondhand heat-not-burn tobacco aerosol. Tob Control 2018; 27: e25-e33. ↩︎

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受動喫煙対策 行政機関がまず手本示せ

受動喫煙対策 行政機関がまず手本示せ

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/532818/

2019/8/5 10:34
西日本新聞 オピニオン面

 受動喫煙防止対策を強化する改正健康増進法が7月に一部施行され、この夏から学校や病院、行政施設などの敷地内が原則禁煙になった。

 受動喫煙による健康リスクは科学的に証明されている。国内では受動喫煙が原因の脳卒中や肺がんなどで年間1万5千人が死亡しているという推計もある。来年4月の全面施行に向け、まずは着実に実施し、新たな喫煙マナーを社会に根付かせることが肝要だ。

 敷地内が原則禁煙になったのは、健康影響を受けやすい病気の人や子ども、妊婦などが出入りする施設である。ただし、利用者が通常は立ち入らず、分煙を徹底できる区画に限って、屋外喫煙場所を設ける「例外措置」が認められている。

 国の2017年調査によると、小中学校の約9割、病院(20床以上)の約6割が敷地内禁煙だった。法律が改正された現在、いずれもさらに増えていることは間違いないだろう。

 東京五輪・パラリンピックの開催都市である東京都は都庁敷地内の喫煙所を全廃した。条例で改正法よりも厳しい規制を進めており、9月から幼稚園や保育所、小中高は屋外でも喫煙所設置が認められなくなる。

 九州では、佐賀県が本庁、各地の総合庁舎、児童福祉施設など全36施設を敷地内禁煙に踏み切った。喫煙所などを利用した人の衣服に付着した有害物質が拡散することで発生する「残留受動喫煙」(三次喫煙)の防止も考慮したという。

 ただし、残念なことに、原則を順守して敷地内禁煙を選ぶ自治体はそう多くはない。九州では、佐賀を除く6県すべてが屋外喫煙所を認めている。国の省庁も本庁舎の敷地内に喫煙所を設けるところが多い。

 当然ながら改正法も国も、屋外喫煙所の設置を推奨しているわけではない。改正法は、国や地方自治体が受動喫煙の防止措置に取り組むよう努めることを求めている。全面施行に向けて手本を示すべく、率先して敷地内禁煙を進めるべきだ。

 世界保健機関(WHO)は、医療機関や学校など人が多く集まる場所の禁煙義務の有無を調査し、4段階で評価している。

 日本は最低ランクだが、改正法が全面施行された後も、1段階しか上がらないとされる。企業などでは屋内喫煙所の設置が認められ、小規模な飲食店は喫煙可も選ぶことができる緩い規制にとどまるためだ。

 最高ランクに評価される国は50カ国以上に上る。日本の受動喫煙対策は国際水準からほど遠いのが実情だ。法改正はあくまで出発点と位置づけ、今後も対策を強化する必要がある。

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日本の「たばこ規制」なぜこうも歪んでいるのか 屋内分煙、屋外禁煙という異常な状況

日本の「たばこ規制」なぜこうも歪んでいるのか 屋内分煙、屋外禁煙という異常な状況

https://toyokeizai.net/articles/-/294429

2019/08/04 15:00

海外では受動喫煙問題は決着済み

──「本当の」は、「科学的な」という意味ですね。

愛煙派、嫌煙派という立場を離れ、科学的な視点を貫きました。もう1つ、世界のたばこ産業が、いかに科学を歪める働きかけをしてきたかを知ってもらう、ということも「本当の」に込めています。

──受動喫煙の健康被害を日本人が最初に指摘したんですね。

平山雄(たけし)先生が1965年に26万人超へアンケートを実施し、家庭内の受動喫煙者を推定、14年間追跡調査しました。1981年に受動喫煙のある女性の肺がん死亡率が受動喫煙のない女性のそれの1.3倍、夫の喫煙量が多いほど死亡率が高いと論文にまとめています。

当時の日本はどこでも喫煙できる社会で、平山論文はバッシングを受けました。ただ、研究者は地道な検証を続けて、2004年に国際がん研究機関が受動喫煙は「ヒトに対し発がん性がある」とし、2006年には米政府の公衆衛生総監が、肺がんをはじめ複数の疾病との因果関係があると判定、海外で受動喫煙問題は決着済みです。

──実際、欧米のみならずアジア諸国の多くも屋内全面禁煙です。

これには、2003年に採択、2005年に発効した「たばこ規制枠組条約」が影響しています。条約のガイドラインは分煙を完全否定しています。アメリカの空調学会が、屋内の全面禁煙以外に受動喫煙は防げないと結論づけるほど、屋内から煙を完全に除去することは難しいのです。

──日本だけ取り残されている。

能動喫煙の健康被害を指摘したイギリスのドール氏は爵位を受けました。

平山先生も世界ではヒーロー的存在なのに、国内では知られていない。それどころか、「平山論文」をネット検索すると「嘘」なんかが一緒にヒットします。日本発の研究が世界中の仕組みを変えた希有な例なのに歯がゆいですね。それだけ、たばこ産業のプロパガンダが浸透しているのです。

受動喫煙は意思に基づかない喫煙なので、たばこ産業にとってはアキレス腱。「科学的に証明されていない」ので研究しましょうというのが能動喫煙問題のときからの常套手段で、自ら出資してたばこ研究の財団をつくる。当然、利益相反が問題になる。アメリカの会社が日本での受動喫煙の研究結果を歪曲して発表したこともあります。ちなみに、JTも1986年に喫煙科学研究財団を設立しています。

また、日本ではJTが分煙コンサルタントの飲食店派遣など「分煙で十分」という非科学的なプロモーションを続けています。

分煙には「働いている人」の視点がない

──分煙は問題が多いのに。

分煙でよしとするのは客の視点で、喫煙可能な場所で働いている人に想像が及んでいない。自民党の国会議員が「(がん患者は)そういう場所で無理して働かなくていい」と発言して問題になりましたが、じゃあ、そこで働いていい人はどういう人なのか。閉鎖空間での喫煙は人権の問題です。

──公共の場での分煙が規制のガラパゴス化を招いた。

家庭に喫煙者がいないと、ガス室のような飲食店を避ければ、たばことの接点は屋外に限られます。すると屋外でのたばこの苦情が増える。対応を迫られた自治体は、屋内禁煙が世界標準と知りながら、ポイ捨て禁止条例を制定、今や全国の自治体に広がっています。

たばこ産業とつながっている飲食店などの団体、生活衛生同業組合が目の敵にするのは屋内全面禁煙。JTも屋内の喫煙環境を守るため、マナーキャンペーンで屋外規制を後押し。流れを決定づけたのは、歩きたばこの火が幼児の目に入った事件です。結果、屋内は分煙、屋外は禁煙という世界でも類を見ない状況が生まれました。

──難しいのは市民とたばこ産業の間で話が完結しない点ですね。

専売公社時代からたばこは担税商品で、民営化の際に作られたたばこ事業法でも、目的は「たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保〜に資する」です。

たばこの税収は年約2兆円で、国と市町村で折半。全税収の数%ですが、使い道自由な行政に都合のいい資金で、仮になくすとなると、別のもので補填するか歳出を削るか。厚生労働省が健康の観点からたばこに手をつけようとすると、所管の財務省から横やりが入るということの連続です。

たばこは政治そのもの

──日本のたばこの単価が極めて低いのもその一環ですね。

イギリス、オーストラリアなどは高単価にしてある程度の税収を維持しつつ、消費量を減らして健康を増進するという考え。日本は消費量を大きく減らさずに価格を小刻みに上げて税収を確保する。法に順(したが)っている財務省を批判しても意味はない。問題は、健康を犠牲に提供される税に頼る構造を是とするかです。

──たばこに厳しい五輪の東京開催は規制強化のチャンスでした。

北京、ブラジル、ロシアが五輪を契機に屋内禁煙となったことに比べ、職場や飲食店において専用場所での喫煙を認めた改正健康増進法は手ぬるいとする批判もありますが、罰則付きの法律となったのは評価すべきです。国の法律は最小限の決まりで、原則として屋内は禁煙と書かれているのだから、自治体がそれに上乗せすればいい。次の機会により例外規定が少ないものにする土台はできた。

──東京都は上乗せしました。

舛添前都知事が五輪招致の際に受動喫煙防止条例を作るみたいなことを言ったら、自民党の都議連が猛反発して程なく撤回。それが、小池都知事の都民ファーストの会が都議選に勝ち、公明党と組んだら、ひっくり返った。都議選にはたばこ訴訟に関わっていた岡本光樹弁護士が、政治を変えなきゃと立候補して当選、従業員を雇う飲食店は禁煙、などの条例案の作成に尽力しました。たばこは政治そのもの。その政治のダイナミズムを目の当たりにした。

──曙光(しょこう)の一方、懸念もあります。

規制派は「たばこ=格好いい」を長年かけて「たばこ=害」に変えましたが、たばこ業界は電子たばこ、加熱式たばこで再逆転を狙っています。扱う店、器具はおしゃれですが、これらにもリスクはあります。まずは8月7日のシンポジウム「令和の新たばこ対策」で議論します。

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喫煙所混雑、公園にたむろ さまよう愛煙家 官公庁街のマナー悪化懸念

喫煙所混雑、公園にたむろ さまよう愛煙家 官公庁街のマナー悪化懸念

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201907/20190729_13007.html

2019年07月29日月曜日

 行政機関などの敷地内を原則禁煙とする改正健康増進法が今月1日、一部施行された。仙台市内では官公庁職員が近隣の喫煙所に流れ込むなど、早くも影響がみられる。受動喫煙対策を強化する流れは加速しており、年々居場所を失いつつある喫煙者のマナー悪化を危惧する声も上がる。
 7月上旬の平日昼、青葉区の官公庁街の一角にあるビルの喫煙室がごった返した。約5平方メートルのスペースに約10人が身を寄せる。
 ビルの管理会社によると、喫煙室の利用者は今月に入って3割ほど増えた。特に出勤前の朝と昼休み時間帯、退勤後の夕方が混む。官公庁の職員を中心に外部の関係者が目立つという。
 管理会社は数年前、ビル内の分煙強化のため喫煙室を設置。当初、外部の利用者は見込んでいなかった。
 「清掃員の業務は増えるし本来の利用者のスペースも狭くなる。『関係者以外お断り』の注意書きも考えないと…」と同社の男性職員は頭を抱える。
 喫煙スペースを置く公園も急減した。仙台市は過去3年で市内の公園の喫煙所を10カ所以上撤去。現在、灰皿があるのは9カ所になった。
 1990年ごろ8基あった勾当台公園(青葉区)の灰皿も、今は3基しかない。県庁に面した灰皿のある一角には昼休み時になると断続的に30人以上が集う。50代の公務員男性は「肩身が狭い。吸える場所が減り続け、一服できるのは昼時間の公園だけになった」とぼやく。
 喫煙者の間からは規制強化がかえってマナーの悪化を招きかねないと指摘する声も聞かれる。喫煙歴30年という別の50代の公務員男性は「厳しすぎる規制で、喫煙者は追い込まれている。トイレなどで隠れて吸う人や歩きたばこが増えるのではないか」と話す。
 副流煙による周囲への健康被害は防げるのか。市役所近くでたばこも販売する尚古堂印房は、店の隣に喫煙所を開設してから周辺の喫煙者のマナー改善がみられたという。
 佐藤尚則社長(64)は「喫煙所を減らし続けるのではなく、たばこ税を基に喫煙所を設けて分煙をより厳格化すれば、嫌煙家に極力迷惑が掛からない環境ができるのではないか」と提案する。

[改正健康増進法]受動喫煙対策の強化を目的に、7月1日の一部施行で全国の学校や病院、行政機関の敷地内を原則禁煙とした。東京五輪・パラリンピック開幕直前の2020年4月に全面施行され、飲食店など不特定多数の人が利用する施設も原則屋内禁煙となる。悪質な違反者には罰則が科される。

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諫早市役所喫煙所問題 現行方針を継続 議員に賛否

諫早市役所喫煙所問題 現行方針を継続 議員に賛否

https://this.kiji.is/525154263773955169?c=174761113988793844

2019/7/20 13:00 (JST)

 受動喫煙を防ぐ改正健康増進法の施行に伴い、今月から敷地内禁煙となった諫早市庁舎本館のうち、同館9階の議会内喫煙所を継続使用している問題で、19日の市議会全員協議会では賛否両論が噴出した。田川伸隆議長は「来年4月の改正法完全施行までは分煙対策を講じた喫煙所を使用し、施行後の対応を協議」とする現行方針のままで運用する考えを示した。
 市は市庁舎1~8階の行政エリアは敷地内禁煙の「第1種施設」とし、屋外喫煙所を設置したが、9階の議会は屋内禁煙とする「第2種施設」と判断。6月20日の市議会会派代表者会議で意見が分かれ、田川議長に判断を一任した結果、喫煙所1カ所を6月末で閉鎖した上で、現行方針を決めた。
 全員協議会で西口雪夫議員(市民ネット諫早)は「行政エリアと議会は階段やエレベーターで通じ、受動喫煙対策は不十分。議員も屋外喫煙所を利用すればいい」と指摘。土井信幸議員(結の会)は「法律で認められていても、議会だけ残すというのは市民に範を示せない」として喫煙所閉鎖を求めた。
 並川和則議員(新風ク)は「一度決まった判断は重い。『議員の特権』でごり押しした訳ではない」、坂口慎一議員(爽改いさはや)は「法に沿って運用し、不都合があれば善処するという判断と受け止めている」と現行方針を支持した。
 山口喜久雄議員(公明)は「喫煙者に考慮しながら来年4月までの閉鎖が望ましい」と述べた。中野太陽議員(共産)は「管理者の判断で法基準に適合した喫煙所設置が可能」とする改正法の“抜け道”を問題視。「仮に法基準に合わせて改修する場合、費用は市民の税金という点を含めた説明がない」と十分な議論を求めた。

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受動喫煙対策 例外があまりに多すぎる

受動喫煙対策 例外があまりに多すぎる

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/897700

2019年7月19日 午前7時30分

 【論説】受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が今月1日一部施行され、役所や学校などの敷地内は原則禁煙となった。しかし役所などには法の例外規定を使い、屋外喫煙所を設ける事例が後を絶たない。改正法が目標とする健康被害防止は、まだ多くのハードルがある。

 改正法は、来年の東京五輪・パラリンピックをにらんでいる。一部施行では、学校、病院、行政機関、児童福祉施設の敷地内を原則、敷地内禁煙とした。受動喫煙の健康影響が大きい未成年者、病気の人、妊婦らの被害防止が目的である。ただ例外規定があり、間仕切りなどで明確に区分している場合は、屋外喫煙所を設けることが可能だ。

 それでも法の原則はあくまで敷地内全面禁煙。厚生労働省と人事院は屋外喫煙所を「推奨しない」と省庁や自治体に通知している。喫煙所を設ける以上、喫煙後の呼気に含まれる有毒物質による害や、清掃に当たる人への影響などが考えられるからだろう。

 ところが、原則をないがしろにしかねないこの例外規定を、行政機関が使っている事例が少なくない。共同通信の調べでは、国の11省の本庁舎のうち、改正法施行日の1日時点で、屋外喫煙所を設けず敷地内全面禁煙を実施したのは文部科学省、国土交通省の2省だけ。法を所管する厚労省ですら、屋外喫煙所を使い続けている実態がある。これでは、受動喫煙被害をゼロにしようとする法の趣旨の広まりを期待することは困難ではないか。

 幼稚園、小中高校、病院では比較的、敷地内全面禁煙は普及しているものの、都道府県の本庁舎では10都府県にとどまり、規模の大きい大学を対象にした調査でも、全面禁煙移行は少数との結果が出ている。

 屋外喫煙所を設けることは、やむを得ないとの指摘も根強い。完全禁煙にした場合、敷地外での路上喫煙や吸い殻投げ捨てが増加する懸念があるためだ。

 こうした課題に、政府は本腰を入れて取り組む必要がある。改正法は来年4月に全面施行となるが、現在以上に原則が顧みられない状況が想定されるからだ。飲食店や職場、公共交通機関などが屋内禁煙になるが、喫煙専用室は設置できることになっている。

 さらに規模の小さい飲食店は経過措置として喫煙が認められるが、厚労省はこうした店舗が55%と試算している。つまり例外の方が多いことになってしまう。

 規制強化に反発する声もあるだろう。だが、世界保健機関(WHO)によると2017年の段階で公共の場所全てが屋内全面禁煙の国は55カ国ある。厳しく感じられる規制も、世界の水準にはまだ届いていないことを忘れてはならない。

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道医師会会長、禁煙要請へ 道議会喫煙所 知事ら3者に

道医師会会長、禁煙要請へ 道議会喫煙所 知事ら3者に

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/326998/

07/20 05:00

 来年1月完成の新しい道議会庁舎への喫煙所設置を巡る問題で、北海道医師会の長瀬清会長(80)が自民党・道民会議と村田憲俊議長、鈴木直道知事の3者に対し、新庁舎に喫煙所を設置せず完全禁煙とするよう申し入れることが19日分かった。25日に申し入れる。道医師会は自民党道連の有力な支持団体で、長瀬氏は知事の後援会副会長を務めており、今後の問題の行方を左右しそうだ。

 長瀬会長は日本禁煙推進医師歯科医師連盟の北海道支部長を務め、これまでも喫煙所設置に反対の立場を示してきたが、直接行動するのは今回が初めて。記者会見も予定している。申し入れでは、屋内の喫煙所について「どのような対策を講じても、受動喫煙の危害を周囲に与える」とし、道議会庁舎の全面禁煙を求める見通し。

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行政機関の7割、敷地内禁煙を未実施 南丹保健所の調査

行政機関の7割、敷地内禁煙を未実施 南丹保健所の調査

https://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20190720000094

2019年07月21日

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の一部施行で、敷地内禁煙が原則となった丹波2市1町の学校や病院、行政機関などの施設のうち、69%で施行前から敷地内禁煙を実施していたことが、京都府南丹保健所などの調査で分かった。行政機関では3割にとどまるなど施設の種類別で実施状況にばらつきがあり、同保健所は改正法の周知を進めていく。

 改正法は20歳未満や病気の人ら多数の人が利用する「第一種施設」について敷地内を原則禁煙と規定。喫煙者以外立ち入らない区間を作って例外的に屋外に喫煙所を設置できる。第一種施設規定は7月1日に施行され、東京五輪・パラリンピック開催前の来年4月の全面施行では飲食店などで屋内禁煙となる。

 府南丹保健所が事務局の「きょうと健康長寿推進京都丹波地域府民会議タバコ環境部会」が今年3~5月に亀岡市、南丹市、京丹波町の第一種施設の受動喫煙対策をアンケート調査し、449施設が回答した。

 小中高、大学などの学校では敷地内禁煙89%、屋内禁煙11%を実施していた。歯科以外の医療機関は敷地内62%、屋内29%で、対策が不完全・未実施が9%あった。

 一方で市役所などの行政機関では敷地内禁煙は27%にとどまり、屋内禁煙は62%、対策不完全は11%だった。

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<くらし編>健康を守ろう 受動喫煙を法律で防止

<くらし編>健康を守ろう 受動喫煙を法律で防止

https://www.tokyo-np.co.jp/article/education/manabuu/CK2019070902000147.html

2019年7月9日

 他人のたばこの煙(けむり)を吸(す)い込(こ)み、健康をそこなう「受動喫煙(じゅどうきつえん)」を防(ふせ)ぐために健康増進法(けんこうぞうしんほう)という法律(ほうりつ)が変わり、学校や病院、役所などの敷地(しきち)では、たばこが吸えなくなりました。来年4月には、レストランやホテルのロビーなど、多くの人が使う建物の中でも吸えなくなります。

 ただ例外はあり、学校や病院でも、受動喫煙が起きないようにすれば屋外に喫煙所を置けます。レストランには喫煙室を作れますが、20歳(さい)未満の人は、お店で働く人もお客さんも、喫煙室には入れません。受動喫煙をすると、がんや心臓病(しんぞうびょう)のほか、赤ちゃんの突然死(とつぜんし)が起きたり、子どもがぜんそくや虫歯、耳の病気などにかかりやすくなったりすることが分かってきました。害は子どもにも及(およ)ぶのです。法律では、家の中でも受動喫煙が起きないよう、気をつけることを求めています。

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双方に配慮…サッポロライオン全店舗の9割に喫煙所設置へ

双方に配慮…サッポロライオン全店舗の9割に喫煙所設置へ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/257043

公開日: 更新日:

 来年4月に完全施行される改正健康増進法、東京都受動喫煙防止条例への対策が飲食業界で急ピッチで進んでいる。

 家族連れの多いファミリーレストランやファストフード業界は全面禁煙が主流だが、サラリーマンにとって関心が高いのはお酒が伴う居酒屋やビアホールなどの対応だ。喫煙客が多い業態だけに、完全禁煙となったら愛煙家は行き場を失ってしまう。

 そうしたなか、全店舗の9割に喫煙スペースを設置するとの方針で対応を進めているのがサッポロホールディングスの外食子会社サッポロライオン(東京・渋谷)だ。

 同社は「銀座ライオン」「ヱビスバー」など全国に159店舗を展開する。「銀座ライオン」は都内だけで30店舗以上ある。受動喫煙防止問題が国会などで取り沙汰される以前から、完全分煙に取り組んできた。2015年には「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」で喫煙スペースを設置して全席を禁煙とした。

 来年4月の法律施行、夏の東京五輪を控え、現在急ピッチで対策強化を進めている。2020年段階の全店舗の喫煙環境の見通しは、①全面禁煙約10%②店内に喫煙スペース、入居施設内の喫煙スペース約90%としている。時間分煙や空間分煙はゼロとなる。一連の環境整備に向け同社は1億円から2億円を投じていく。加熱式たばこは紙巻きたばこと同じ扱いとする。

「受動喫煙防止に向けた社会的責任を果たすために2020年春に向けてリニューアルを進めていきます。非喫煙者の方に配慮した店舗づくりを目指すとともに、喫煙者の方にも配慮していきたいと考えています」(サッポロライオン)

 喫煙環境を整備して喫煙者、非喫煙者双方が楽しく時間と空間を共有できる店舗づくり。こうした考え方が飲食業界やサービス業全般に広がっていくことを願いたい。

 問題は、喫煙スペースを設置する場所もカネもないスナックなど都内の零細事業者だ。従業員がいるだけで喫煙不可という厳しい条例だけに、限られた時間の中でどういった対応をしていくのか。悩ましい問題である。

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