ニコチン依存度

タバコ規制で取り残される「ハードコア喫煙者」とは

タバコ規制で取り残される「ハードコア喫煙者」とは

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190503-00124646/

石田雅彦 | ライター、編集者

5/3(金) 15:54

 受動喫煙防止対策が進み、タバコを吸える場所はどんどん狭められている。すでに喫煙者はタバコを止めざるを得ない状況にあるが、タバコ規制が進めば、どうしてもタバコを止められない喫煙者がさらに重篤なニコチン依存症に陥るという研究もある。タバコを止めたがっている喫煙者に対して早急な手当が必要だ。

ハードコアな喫煙者とは

 喫煙は、一部の医療機関で禁煙治療が行われ、保険診療が可能になっているように、ニコチン依存症という積極的な治療が必要な疾患だ。加熱式を含むタバコに含まれるニコチンは依存性の強い薬物とされ、喫煙はタバコ関連疾患を発症する全身疾患の原因にもなる。

 一方、喫煙は生活習慣病でもある。ニコチン依存には社会的な要素も含まれ、喫煙者は心理的にタバコを嗜好品と美化したり喫煙を文化として正当化したりする状態になっているからだ。

 ただ、喫煙者の全てがニコチン依存症の患者ではない。禁煙治療の際に依存症かどうかを診断する検査が行われて初めて保険適用の治療が受けられるように、タバコを止めようと思っても止められないニコチン依存症の喫煙者は6~7割と考えられている。

 ニコチン依存症ではない軽度の喫煙者は、タバコ規制が厳しくなってタバコを吸える場所や環境が少なくなれば、禁煙治療を受けたり自身で止める努力をするなりするだろう。だが、どうしてもタバコを止められないニコチン依存症が重症の喫煙者も半分以上いるというわけだ。

 喫煙自体が規制されるわけではないから、身の回りにタバコへの誘惑は数限りなく存在する。身体的なニコチン依存症ではなく、社会的なニコチン依存症である場合でも、周囲に喫煙者がいたり、コンビニエンスストアで日常的にタバコ・パッケージを目にしたり、喫煙を想起するイメージに囲まれるなどすると禁煙は難しいだろう(※1)。

 つまり、タバコ規制がいくら厳しくなろうともタバコを止めない喫煙者は少なからず残ってしまうことになる。研究者は彼らを「ハードコア(Hard-Core)」な喫煙者と呼ぶが、ある研究によれば喫煙者の約5%、人口の1%程度と推定する(※2)。

 受動喫煙防止対策を強化することにより、受動喫煙の被害者は減るはずだ。だが、こうしたハードコア喫煙者にとって、タバコ規制はあまり効果がないようにみえる。

取り残される100万人

 タバコ規制がタバコを止めやすい喫煙者にのみ効果を発揮し、ハードコア喫煙者のニコチン依存症がむしろ悪化することを喫煙の「強化仮説(Hardening Hypothesis)」という(※3)。この仮説については研究者の間で議論があるが(※4)、喫煙の自己責任論、経済や教育の格差などと相まって複雑な問題になりつつあるのは確かだ。

 例えば、タバコの健康への害はすでに周知のことであり、喫煙者はそれを承知で吸っているのだから仮にタバコ関連疾患になってもそれは自己責任という意見も根強い。ネット上には喫煙者に対する罵声も飛び交い、喫煙者への偏見があらわにされるような状況で隔世の感があるが、前述したようにタバコに含まれるニコチンは強い依存性薬物で、タバコを止めたくても止められない状態になってしまう。

 日本はタバコ規制の後進国だが、ようやく世界の趨勢の末尾に追いついた状態だ。タバコ規制を早くから始めているカナダでは、タバコを止められず取り残されたハードコア喫煙者に対する調査研究も始まっている(※5)。

 喫煙習慣は未成年の間に始まることはよく知られ、日本の男性の場合、25歳を過ぎてから初めてタバコに手を出す喫煙者は少ない(※6)。早い時期にニコチン依存症になると禁煙がしにくくなり、長期間の喫煙によりタバコ関連疾患にかかるリスクも高くなる(※7)。

 こうした喫煙者に対し、自己責任だからと見捨てておくことができるだろうか。ハードコア喫煙者が人口の1%いるとすれば、日本では100万人ほどになる。けっして少ない数ではない。彼らの多くはやがてタバコ関連疾患にかかり、死亡率や医療費を押し上げることになる。

 ハードコア喫煙者に対する罵声や偏見は、彼らを追い詰め、喫煙習慣に対して頑な態度にさせるかもしれない(※8)。

 日本には、たばこ事業法というタバコ産業育成のための法律があり、厚生労働省の見解も喫煙者の自己責任論に終始する。だが、タバコ規制の先進国には電話やネットで無料の禁煙相談ができる窓口(クイットライン)が整備されていたり、禁煙治療についても手厚いのだ。

 受動喫煙防止対策が進んだとはいえ、日本のタバコ規制はまだまだ手ぬるい。タバコ会社も加熱式などの新型タバコを市場へ投入し、喫煙者減少に歯止めをかけようとし、ニコチン依存症の患者を増やそうと画策し、若年層を含む新たな喫煙者の獲得に余念がない。そうしたタバコ会社はすでに汚名にまみれ、その卑劣な行為は許されるものではない。

 だが、一方でタバコを止められず内心で苦しむ喫煙者がいるのも確かだ。タバコ会社とタバコに対する追及と規制の手を緩めず、タバコを止められない喫煙者に対するサポートがいよいよ重要になってきている。

※1:Albert J. Burgess, et al., "The social networks of smokers attempting to quit: An empirically derived and validated classification." Psychology of Addictive Behaviors, Vol.32(1), 64-75, 2018

※2:Sherry Emery, et al., "Characterizing and Identifying “Hard-Core” Smokers: Implications for Further Reducing Smoking Prevalence." American Journal of Public Health, Vol.90, 387-394, 2000

※3:John R. Hughes, "The case for hardening of the target. In: Those Who continue to smoke: is achieving abstinence harder and do we need to change our interventions?" Bethesda, U.S. Department of Human Services, National Institutes of Health, National Cancer Institute, 2001

※4:Jeroen Bommele, et al., "Prevalence of hardcore smoking in the Netherlands between 2001 and 2012: a test of the hardening hypothesis." BMC Public Health, Vol.16, 2016

※5:Kirsten Bell, et al., "‘Every space is claimed’: smokers’ experiences of tobacco denormalisation." Sociology of Health & Illness, Vol.32, Issue6, 914-929, 2010

※6:箕輪真澄、尾崎米厚、「若年における喫煙開始がもたらす悪影響」、Journal of the National Institute of Public Health、Vol.54(4), 2005

※7:旧厚生省、「平成10年度 喫煙と健康問題に関する実態調査」

※8:Rebecca J. Evans-Polce, et al., "The downside of tobacco control? Smoking and self-stigma: A systematic review." Social Science & Medicine, Vol.145, 26-34, 2015

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タバコを吸うためにそこまでする!? パンサー尾形ら愛煙家芸人が驚きの行動に

タバコを吸うためにそこまでする!? パンサー尾形ら愛煙家芸人が驚きの行動に

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12119-6372103/

2019年03月30日 19時30分

27日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系/毎週水曜22時)が、「愛煙家 喫煙所までの道のりがどんなに困難でも向かっちゃう説」を検証。お笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘らヘビースモーカー芸人らが、タバコを吸いたいがために喫煙所への困難な道のりを越えていこうとする姿が放送された。

 今回の放送では「愛煙家 喫煙所までの道のりがどんなに困難でも向かっちゃう説」を検証。5人のヘビースモーカー芸人にドッキリロケを敢行し、ありえない場所にある喫煙所などでも、きちんとそこに行って吸うのか検証した。ロケの舞台は、熱海にある廃校。ちなみにたばこを吸いたい欲を高めるため、彼らはいずれも都内から2時間禁煙車で移動させられたという。

 まずは銀シャリの鰻和弘。教室で打ち合わせ後、タバコを外に吸いに行く鰻。ところが喫煙室はなぜか煙が充満。その事態に「めちゃくちゃ燃えてまっせ」と呼びに行くも、火元がないことを確認すると、鰻はそのモウモウと立ち込める煙の中で吸っていた。

 また、さらば青春の光・森田哲矢も、たばこ吸いたさに、山道を1.5kmも歩いて「喫煙所」まで到着。ただ肝心の喫煙所は、もともといた校舎をぐるっと1周しただけの所にあった。

 ここからさらに喫煙の難易度がアップ。カミナリ・まなぶが目指したのは、人気アトラクション番組『SASUKE』(同系)名物「そり立つ壁」の上にある喫煙所。湾曲した壁を駆け上がり、頂上に手を掛けてよじ登る同番組1stステージの障害物をそのまま『水ダウ』がレンタルし、校舎に設置したのだ。しかし、まなぶは駆け上がることができずリタイア。また同じく挑戦した相撲芸人のあかつは、どこからか拾ってきたクワを頂上に引っ掛けて登ろうとしたが、こちらも惜しくも敗退。

 最後に登場したのは尾形。名門・仙台育英高校のサッカー部でエースナンバー10番をつけるなど、知る人ぞ知る運動神経の持ち主。そりたつ壁を見て「もうあの番組だろ、知ってんだよ、大体」と察しながら果敢にトライ。

 そして数度目、両手をかけると、そのまま何とかよじ登り、足をかけ、ついに登頂に成功。「やったー!」と雄たけびをあげてガッツポーズした彼は、校舎に向かって、たばこをくゆらしていた。そんな尾形の快挙に、スタジオも一体となって応援。最後は拍手まで起きていた。

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日本人のたばこ依存、遺伝と相関 理研が解析

日本人のたばこ依存、遺伝と相関 理研が解析

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42904090W9A320C1X90000/

2019/3/26 10:04

理化学研究所の鎌谷洋一郎チームリーダーらは、日本人約16万人の遺伝情報を解析し、たばこへの依存のしやすさと本人の遺伝的な特徴に相関があることを明らかにした。欧米の先行研究で報告されていない、日本人特有の遺伝的な特徴が分かった。依存のしやすさに合わせて禁煙の方法を変えれば、より効果的な禁煙治療が可能になる。

人のゲノム(全遺伝情報)の配列はほとんど共通しているが、一人ひとりわずかに違いがある。鎌谷チームリーダーらは、こうした個人ごとの配列の違いと、喫煙の有無や1日あたりの喫煙本数の多さといった喫煙習慣がどう関連しているかを解析した。

すると、たばこをよく吸う人に共通してみられる配列の違いがゲノム全体で9カ所みつかった。特に関連性が高かったのは、肝臓で働くニコチン分解酵素などの遺伝子のそばにある配列だった。こうした配列の特徴を持つ人は、もともとたばこを吸うと依存しやすい体質だとみられる。

解析には、東京大学医科学研究所などが日本人の遺伝情報を集めたプロジェクト「バイオバンク・ジャパン」のデータを利用した。見つかった配列の特徴のうち7カ所は、これまで欧米の研究では報告されていない。

日本人でたばこに依存しやすい体質の人を見つけやすくなれば、個人の体質に合わせた効率的な禁煙治療を国内で実現できるようになる。

 

 

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「禁煙」とは「ニコチン依存」からの脱却である

「禁煙」とは「ニコチン依存」からの脱却である
石田雅彦 | ライター、編集者
2/9(土) 12:34

 電子タバコを使った禁煙治療に効果があるという研究論文が、権威ある医学雑誌に掲載され、タバコ関係の研究者の間でちょっとした話題になっている。欧米では電子タバコが広く吸われているが、禁煙治療を含むそのハームリダクション(harm reduction)効果が議論になってきたからだ。だが、ニコチンに依存している限り、本当の意味で禁煙したとはいえない。

「まだまし」という考え方

 ハームリダクションとは、害毒・危害(harm)を軽減する(reduction)考え方だ。「まだまし」という意味で、害のより少ない代替策や代替品で害を避け、例えば薬物中毒などの害を少しでも避けるために採られる多種多様な手段ということになる。

 タバコの例で言えば、タバコに含まれる有害物質をより少ない量に軽減し、害の少ない使用法に転換するようなこと、さらにそうした方法によって禁煙につなげるための手段をいう。

 加熱式タバコを製造販売している海外のタバコ会社は、アイコス(IQOS)やグロー(glo)について「禁煙のための製品」とし、ハームリダクションの考え方からマーケティング戦略を練ってきた。ちなみに、プルーム・テックを出しているJTは、同製品を禁煙補助製品と明確にうたってはいない。

 日本では薬機法(旧薬事法)で規制され、国内販売ができないニコチンを添加した電子タバコについても、英国ではハームリダクションの考え方から医師などによる適正に管理された禁煙治療法を前提にして禁煙のために利用することが進められている。例えば、イングランドの公衆衛生当局であるPublic Health England(PHE)は2018年12月に、電子タバコは紙巻きタバコよりも95%有害ではないとし、禁煙のために電子タバコを推奨した(※1)。

 ニコチンが添加された電子タバコが若年層の間で流行し、大きな社会問題になっている米国やカナダは、英国と態度がかなり異なる。両国の研究者の多くは、電子タバコは若年層を中心にした喫煙への「ゲートウェイ」、紙巻きタバコの本格的な喫煙へ誘導するのではないかと懐疑的だ。

 米国のミシガン大学の研究者による調査では、電子タバコを吸った高校生は、電子タバコを経験しなかった者より翌年に紙巻きタバコを吸う割合が4倍多いことがわかった(※2)。また、カナダのウォータールー大学の研究者が、7歳から12歳の生徒を対象にして調査したところ、電子タバコの経験者が紙巻きタバコに移行する割合は、そうでない者より2.16倍高かったという(※3)。

 こうした懸念は英国の研究者からも出始めている。

 英国コベントリー大学などの研究グループが、11~16歳の英国の生徒について調べたところ、電子タバコの喫煙者の52.6%が紙巻きタバコは未経験だったが、電子タバコにニコチンが添加されていることを知っていたのは39.9%、ニコチンに中毒性や依存性(Addiction)があることを知っていたのは29.8%だったという(※4)。研究グループは、このことから電子タバコを吸った生徒がニコチン依存になり、紙巻きタバコの喫煙者になるのではないかと危惧している。

電子タバコの禁煙治療効果

 このように研究者の間でも、電子タバコが禁煙補助にどれくらい役立つのか、ハームリダクションとして利用できるのかについて議論が分かれてきた。

 そんな中、権威ある米国の医学雑誌『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』に、ニコチンを添加した電子タバコとニコチンパッチやニコチンガムといったニコチン置換療法(Nicotine Replacement Therapy、NRT)の禁煙治療効果を比較した論文が掲載された(※5)。これは英国のクイーン・メアリー・ロンドン大学などの研究グループによるランダム化比較試験で、1年(52週)後の禁煙継続率が、電子タバコ(439人)で18%、ニコチン置換療法(447人)で9.9%と、倍近い差が出たとし、結論として電子タバコによる禁煙治療はより長い効果を持続できたとする。

 過去にも電子タバコを使った禁煙治療についての論文は多いが、今回は権威ある医学雑誌に掲載されたこともあり、電子タバコのハームリダクション効果の議論に大きな影響を与えるのではないかと考えられる。

 ただ、この論文で使用された電子タバコは市販されており、リキッドも互換性のある他社製品の喫煙が可能だ。つまり、リキッドにはニコチン以外にも多くの化学物質が含まれている危険性があり、その健康影響については考慮されていない。仮に禁煙治療に効果があったとしても、電子タバコの喫煙を長期間継続することで、ニコチンを含む有害物質を摂取するリスクが生じる。

画像

禁煙治療で使用された電子タバコの一種「aspire starter kit」。1ミリリットルのリキッドに18ミリグラムのニコチンが入っている。比較試験研究では、このほかに「Innokin One Kit 2016」も使用した。Via:aspireのHP

ニコチン依存からの脱却

 従来の紙巻きタバコのようにタバコ葉を使わず、リキッドなどの形でニコチンを供給するデバイス、またタバコ葉を使っても電気的にニコチンを吸わせる加熱式タバコのようなデバイスをニコチン・デリバリー・システムという。

 ニコチンは依存性が強く、有毒なアルカロイドだ。ニコチンには、血管収縮や血圧上昇、脈拍の増加などを引き起こすことにより心血管疾患などのリスクを高め、肺がんを悪化させることがわかっている。また、ニコチンは、インスリン抵抗性を生じさせることもあるため、糖尿病になりやすくする。

 ニコチンを添加した電子タバコや加熱式タバコを含むタバコ製品は、ニコチンの持つ依存性により喫煙者をつなぎとめ、習慣的に長期間、タバコを吸わせるために開発されている。つまり、なぜ喫煙者がタバコ製品を毎日のように高い金を出して何十年も買い続けるのかといえば、それはニコチンの依存性のせいだ。

 その結果、朝起きてから寝るまで、こうしたニコチン・デリバリー・システムを何十年も吸うことになりかねず、いくら害が低減されているとはいえ、ニコチンを含む有害物質を定期的に長期間、身体に入れることになる。その健康影響は現在では不明だが、有害物質の長期暴露がどんな病気を引き起こすか、そのリスクは明らかだろう。

 ニコチン・デリバリー・システムの使用は、米国の若年層で増えている。ミシガン大学などの研究グループの調査によれば、2017年から2018年にかけ、米国の12年生(日本の高校3年生)のニコチン・デリバリー・システムの使用は23.7%から28.9%へ増えていた(※6)。

 欧米の電子タバコや日本の加熱式タバコには、紙巻きタバコに匹敵するニコチンが入っている。ハームリダクション効果を期待するあまり、ニコチン依存から脱却できず、長期にわたって定期的に薬物を摂取するような生活を許容してもいいのだろうか。

 それは結局、自らの健康と引き替えに電子タバコ・メーカーやタバコ会社だけを儲けさせることだけになる。禁煙というのは、電子タバコや加熱式タバコに切り替えるのではなく、最終的にはニコチン依存から脱却することにほかならないのだ。

記事ではニコチンの害について紹介していますが、禁煙外来などで処方されるニコチンパッチやニコチンガム、ニコチン代替薬には免疫系など健康への悪影響がないことがわかっています(※7)。ある物質は毒にも薬にもなります。医師の適切な指示に従って処方されるなら、ニコチンは禁煙にとって重要な薬物となりますが、タバコ製品と一緒に摂取するとタバコ製品の有害物質も同時に吸収することになります。

※1:Public Health England, "PHE Health Harms campaign encourages smokers to quit." 28 December, 2018

※2:Richard Miech, Megan E Patrick, Patrick M O'Malley, Lloyd D Johnston, "E-cigarette use as a predictor of cigarette smoking: results from a 1-year follow-up of a national sample of 12th grade students." BMJ journals, Tobacco Control, 2017

※3:Sunday Azagba, Neill Bruce Baskerville, Kristie Foley, "Susceptibility to cigarette smoking among middle and high school e-cigarette users in Canada." Preventive Medicine, Vol.103, 2017

※4:E Fulton, et al., "More than half of adolescent E-Cigarette users had never smoked a cigarette: findings from a study of school children in the UK." Public Health, Vol.161, 33-35, 2018

※5:Peter Hajek, et al., "A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, DOI: 10.1056/NEJMoa1808779, 2019

※6:Richard Miech, et al., "Adolescent Vaping and Nicotine Use in 2017-2018─U.S. National Estimates." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, Vol.380, 192-193, 2019

※7:Kate Cahill, et al., "Nicotine receptor partial agonists for smoking cessation." Cochran Database of Systematic Reviews, 2008

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「禁煙」とは「ニコチン依存」からの脱却である

「禁煙」とは「ニコチン依存」からの脱却である

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190209-00114206/

石田雅彦  | ライター、編集者 2/9(土) 12:34

 電子タバコを使った禁煙治療に効果があるという研究論文が、権威ある医学雑誌に掲載され、タバコ関係の研究者の間でちょっとした話題になっている。欧米では電子タバコが広く吸われているが、禁煙治療を含むそのハームリダクション(harm reduction)効果が議論になってきたからだ。だが、ニコチンに依存している限り、本当の意味で禁煙したとはいえない。

「まだまし」という考え方

 ハームリダクションとは、害毒・危害(harm)を軽減する(reduction)考え方だ。「まだまし」という意味で、害のより少ない代替策や代替品で害を避け、例えば薬物中毒などの害を少しでも避けるために採られる多種多様な手段ということになる。

 タバコの例で言えば、タバコに含まれる有害物質をより少ない量に軽減し、害の少ない使用法に転換するようなこと、さらにそうした方法によって禁煙につなげるための手段をいう。

 加熱式タバコを製造販売している海外のタバコ会社は、アイコス(IQOS)やグロー(glo)について「禁煙のための製品」とし、ハームリダクションの考え方からマーケティング戦略を練ってきた。ちなみに、プルーム・テックを出しているJTは、同製品を禁煙補助製品と明確にうたってはいない。

 日本では薬機法(旧薬事法)で規制され、国内販売ができないニコチンを添加した電子タバコについても、英国ではハームリダクションの考え方から医師などによる適正に管理された禁煙治療法を前提にして禁煙のために利用することが進められている。例えば、イングランドの公衆衛生当局であるPublic Health England(PHE)は2018年12月に、電子タバコは紙巻きタバコよりも95%有害ではないとし、禁煙のために電子タバコを推奨した(※1)。

 ニコチンが添加された電子タバコが若年層の間で流行し、大きな社会問題になっている米国やカナダは、英国と態度がかなり異なる。両国の研究者の多くは、電子タバコは若年層を中心にした喫煙への「ゲートウェイ」、紙巻きタバコの本格的な喫煙へ誘導するのではないかと懐疑的だ。

 米国のミシガン大学の研究者による調査では、電子タバコを吸った高校生は、電子タバコを経験しなかった者より翌年に紙巻きタバコを吸う割合が4倍多いことがわかった(※2)。また、カナダのウォータールー大学の研究者が、7歳から12歳の生徒を対象にして調査したところ、電子タバコの経験者が紙巻きタバコに移行する割合は、そうでない者より2.16倍高かったという(※3)。

 こうした懸念は英国の研究者からも出始めている。

 英国コベントリー大学などの研究グループが、11~16歳の英国の生徒について調べたところ、電子タバコの喫煙者の52.6%が紙巻きタバコは未経験だったが、電子タバコにニコチンが添加されていることを知っていたのは39.9%、ニコチンに中毒性や依存性(Addiction)があることを知っていたのは29.8%だったという(※4)。研究グループは、このことから電子タバコを吸った生徒がニコチン依存になり、紙巻きタバコの喫煙者になるのではないかと危惧している。

電子タバコの禁煙治療効果

 このように研究者の間でも、電子タバコが禁煙補助にどれくらい役立つのか、ハームリダクションとして利用できるのかについて議論が分かれてきた。

 そんな中、権威ある米国の医学雑誌『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』に、ニコチンを添加した電子タバコとニコチンパッチやニコチンガムといったニコチン置換療法(Nicotine Replacement Therapy、NRT)の禁煙治療効果を比較した論文が掲載された(※5)。これは英国のクイーン・メアリー・ロンドン大学などの研究グループによるランダム化比較試験で、1年(52週)後の禁煙継続率が、電子タバコ(439人)で18%、ニコチン置換療法(447人)で9.9%と、倍近い差が出たとし、結論として電子タバコによる禁煙治療はより長い効果を持続できたとする。

 過去にも電子タバコを使った禁煙治療についての論文は多いが、今回は権威ある医学雑誌に掲載されたこともあり、電子タバコのハームリダクション効果の議論に大きな影響を与えるのではないかと考えられる。

 ただ、この論文で使用された電子タバコは市販されており、リキッドも互換性のある他社製品の喫煙が可能だ。つまり、リキッドにはニコチン以外にも多くの化学物質が含まれている危険性があり、その健康影響については考慮されていない。仮に禁煙治療に効果があったとしても、電子タバコの喫煙を長期間継続することで、ニコチンを含む有害物質を摂取するリスクが生じる。

画像

禁煙治療で使用された電子タバコの一種「aspire starter kit」。1ミリリットルのリキッドに18ミリグラムのニコチンが入っている。比較試験研究では、このほかに「Innokin One Kit 2016」も使用した。Via:aspireのHP

ニコチン依存からの脱却

 従来の紙巻きタバコのようにタバコ葉を使わず、リキッドなどの形でニコチンを供給するデバイス、またタバコ葉を使っても電気的にニコチンを吸わせる加熱式タバコのようなデバイスをニコチン・デリバリー・システムという。

 ニコチンは依存性が強く、有毒なアルカロイドだ。ニコチンには、血管収縮や血圧上昇、脈拍の増加などを引き起こすことにより心血管疾患などのリスクを高め、肺がんを悪化させることがわかっている。また、ニコチンは、インスリン抵抗性を生じさせることもあるため、糖尿病になりやすくする。

 ニコチンを添加した電子タバコや加熱式タバコを含むタバコ製品は、ニコチンの持つ依存性により喫煙者をつなぎとめ、習慣的に長期間、タバコを吸わせるために開発されている。つまり、なぜ喫煙者がタバコ製品を毎日のように高い金を出して何十年も買い続けるのかといえば、それはニコチンの依存性のせいだ。

 その結果、朝起きてから寝るまで、こうしたニコチン・デリバリー・システムを何十年も吸うことになりかねず、いくら害が低減されているとはいえ、ニコチンを含む有害物質を定期的に長期間、身体に入れることになる。その健康影響は現在では不明だが、有害物質の長期暴露がどんな病気を引き起こすか、そのリスクは明らかだろう。

 ニコチン・デリバリー・システムの使用は、米国の若年層で増えている。ミシガン大学などの研究グループの調査によれば、2017年から2018年にかけ、米国の12年生(日本の高校3年生)のニコチン・デリバリー・システムの使用は23.7%から28.9%へ増えていた(※6)。

 欧米の電子タバコや日本の加熱式タバコには、紙巻きタバコに匹敵するニコチンが入っている。ハームリダクション効果を期待するあまり、ニコチン依存から脱却できず、長期にわたって定期的に薬物を摂取するような生活を許容してもいいのだろうか。

 それは結局、自らの健康と引き替えに電子タバコ・メーカーやタバコ会社だけを儲けさせることだけになる。禁煙というのは、電子タバコや加熱式タバコに切り替えるのではなく、最終的にはニコチン依存から脱却することにほかならないのだ。

記事ではニコチンの害について紹介していますが、禁煙外来などで処方されるニコチンパッチやニコチンガム、ニコチン代替薬には免疫系など健康への悪影響がないことがわかっています(※7)。ある物質は毒にも薬にもなります。医師の適切な指示に従って処方されるなら、ニコチンは禁煙にとって重要な薬物となりますが、タバコ製品と一緒に摂取するとタバコ製品の有害物質も同時に吸収することになります。

※1:Public Health England, "PHE Health Harms campaign encourages smokers to quit." 28 December, 2018

※2:Richard Miech, Megan E Patrick, Patrick M O'Malley, Lloyd D Johnston, "E-cigarette use as a predictor of cigarette smoking: results from a 1-year follow-up of a national sample of 12th grade students." BMJ journals, Tobacco Control, 2017

※3:Sunday Azagba, Neill Bruce Baskerville, Kristie Foley, "Susceptibility to cigarette smoking among middle and high school e-cigarette users in Canada." Preventive Medicine, Vol.103, 2017

※4:E Fulton, et al., "More than half of adolescent E-Cigarette users had never smoked a cigarette: findings from a study of school children in the UK." Public Health, Vol.161, 33-35, 2018

※5:Peter Hajek, et al., "A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, DOI: 10.1056/NEJMoa1808779, 2019

※6:Richard Miech, et al., "Adolescent Vaping and Nicotine Use in 2017-2018─U.S. National Estimates." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, Vol.380, 192-193, 2019

※7:Kate Cahill, et al., "Nicotine receptor partial agonists for smoking cessation." Cochran Database of Systematic Reviews, 2008

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「たばこ止めたいですか」喫煙者の心境をさぐる(2018年発表版)

「たばこ止めたいですか」喫煙者の心境をさぐる(2018年発表版)

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20181228-00108463/

不破雷蔵  | 「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者 2018/12/28(金) 11:36

喫煙者には心置きなく吸い続けたい愛煙者以外に、喫煙本数を減らしたい減煙希望者、喫煙そのものを止めたい禁煙希望者もいる。その実情を厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(※)の公開データから確認する。

今調査の直近分となる2017年分においては、男性で29.4%、女性で7.2%が習慣的に喫煙をしている(たばこを「毎日吸っている」または「時々吸う日がある」と回答している。習慣的喫煙者)との結果が出ている。

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2017年)

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2017年)

そこでこれらの人に、禁煙あるいは減煙の意思があるか否かについて、やめたい・本数を減らしたい・やめたくない・分からないのうち択一で答えてもらった結果が次のグラフ。男性では55.3%、女性では65.7%が禁煙あるいは減煙を望んでいる。

↑ 喫煙を止めたいと思うか(男性、毎日・時々喫煙者限定、年齢階層別)(2017年)

↑ 喫煙を止めたいと思うか(男性、毎日・時々喫煙者限定、年齢階層別)(2017年)

↑ 喫煙を止めたいと思うか(女性、毎日・時々喫煙者限定、年齢階層別)(2017年)

↑ 喫煙を止めたいと思うか(女性、毎日・時々喫煙者限定、年齢階層別)(2017年)

元々習慣的喫煙者は男性の方が人数・比率ともに大きいため、男性全体・女性全体と比較すれば男性の方が禁煙・減煙希望者の「人数」も多くなるが、少なくとも習慣的喫煙者に限って割合を確認すると、女性の方が禁煙・減煙合わせた希望者も、禁煙希望者に限ってもおおよそ割合は上となる。

男性はおおよそ年が上になるほど禁煙・減煙合わせた希望者の割合は増えていくが、女性では法則性の類は見られない。これは対象者数が少ないことによる統計上のぶれが一因。例えば女性で70歳以上の習慣的喫煙者は31人しかいない。

今調査では「以前は喫煙していたが1か月以上吸っていない人(禁煙中者)」の割合も確認できる。これは全体に占める値で、現在喫煙者に対する比率では無い。また喫煙を止めた理由も問われていない。次に示すのは各属性に占める禁煙中者の割合と、禁煙中者の人数が習慣的喫煙者の人数の何%に当たるかを算出したもの。おおよそではあるが、どれぐらいの人が喫煙から禁煙にシフトしたかを知ることができる。例えば男性20代で「禁煙中者率」は5.2%とあるので、男性20代全員のうち5.4%は現在禁煙中であることを意味する。

↑ 禁煙中の人の割合と、禁煙中者数と習慣的喫煙者人数の関係(2017年)

↑ 禁煙中の人の割合と、禁煙中者数と習慣的喫煙者人数の関係(2017年)

男性は元々喫煙者率も高いことから、禁煙している人の割合も高い。しかし男性はほぼ年齢とともに禁煙者率も、「禁煙中人数÷習慣的喫煙者人数」の値も増加していくのに対し、女性は法則性のようなものを見出しにくい状況となっている(禁煙者「数」そのものが少なく、統計的にぶれが生じやすいのが主要因だが)。男性は年齢に連れて禁煙に走る人が増えるものの、女性は年齢とはあまり関係が無いようだ。

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※国民健康・栄養調査

健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素など摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とするもの。2017年調査分における調査時期は2017年11月中、調査実施世帯数は5149世帯で、調査方法は調査票方式。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

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たばこをやめない理由、男性1位は「自分のスタイルだから」、女性は?

たばこをやめない理由、男性1位は「自分のスタイルだから」、女性は?

http://news.livedoor.com/article/detail/15167524/

2018年8月16日 15時47分

プラネットはこのほど、喫煙・禁煙に関する意識調査の結果を発表した。調査期間は6月20日~7月10日、有効回答は3,893人。

○非喫煙者は8割弱

現在たばこを吸っているかどうか尋ねると、「吸っている(喫煙者)」は20.7%、「吸っていない(非喫煙者)」は51.1%、「以前は吸っていたが、今はやめた(元喫煙者)」は28.2%となり、現在たばこを吸っていない人(非喫煙者)が計79.3%を占めた。

喫煙者に禁煙する意向があるか聞いたところ、「禁煙する予定(時期は決まっている)」はわずか5.6%。他方、「いつか禁煙する予定(時期は未定)」は40.7%、「禁煙する予定はない」は53.7%と半数を超えた。

「禁煙する予定はない」と答えた人に、たばこをやめたいと思わない理由を問うと、1位「自分にとってのリラックスタイムだから」(54.6%)、2位「自分の生活スタイルだから」(49.3%)、3位「たばこを吸うと気分転換になるから」(47.7%)の順となった。

男女別にみると、男性は「自分の生活スタイルだから」(50.4%)が1位。一方、女性は「自分にとってのリラックスタイムだから」(73.1%)が圧倒的に多く、男性との差は23.6ポイントもあった。また全体3位の「たばこを吸うと気分転換になるから」(53.8%)は2位、全体4位の「吸わないとストレスが溜まるから」(48.4%)は3位に順位を上げ、男性1位の「自分の生活スタイルだから」(45.2%)は4位にランクダウンした。

同調査では「女性には『リラックス』や『ストレス』解消など、メンタルの安定のためにたばこを吸う傾向があるのに対し、男性の場合、喫煙が自身のライフスタイルや生活信条につながっていることがうかがえる」と分析している。

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たばこのニコチン含有量削減、米FDAが基準検討へ

たばこのニコチン含有量削減、米FDAが基準検討へ

2018年3月16日 13:28 発信地:ワシントンD.C./米国

【3月16日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は15日、たばこのニコチン含有量の大幅な削減を考慮していることを明らかにした。たばこの常習性を弱めることを目指すこの動きは、今後数年以内に喫煙者を数百万人減少させることにつながるかもしれない。

 FDAによると、同局は現在、一般からの意見をあつめているとしており、また「紙巻きたばこのニコチン量を常習性が最小限またはゼロになる水準まで減らすための製品基準の検討」を近く開始する予定という。

 数十年に及ぶ禁煙運動が展開されてきたにもかかわらず、米国では喫煙による死者が毎年50万人近くに上り、直接医療費と生産性損失で年間3000億ドル(約31兆8000億円)近くが失われていると、FDAは指摘する。

 FDAなどの研究チームが15日の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表した論文では、ニコチン量を常習性のないレベルにまで削減する措置の導入初年度には、500万人の喫煙者減少につながる可能性があると予測された。

 また、導入後5年以内に喫煙者がさらに800万人減少すると考えられ、2060年までには米国の喫煙率が現水準の15%から1.4%にまで低下する可能性もあるという。

 論文は、この措置により今世紀末までに850万人の命が救われるかもしれないとしている。

 米国を拠点とする反たばこ団体「Campaign for Tobacco-Free Kids」は、この計画を「果敢」と称した上で、早急に行動を起こすとともにしっかりと期日を設けるようFDAに強く要請した。

 同団体のマシュー・マイヤーズ(Matthew Myers)代表は、「米国の予防可能な死因の第1位である喫煙を減らす運動を大幅に加速し、喫煙が引き起こす死と病気をなくす目標にさらに近づくためのまたとない機会」とコメントしている。(c)AFP

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米国のオピオイド危機を狙う法律家 国家的問題と化す依存症、第2の「巨額たばこ訴訟」となるか?

米国のオピオイド危機を狙う法律家 国家的問題と化す依存症、第2の「巨額たばこ訴訟」となるか?

英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年8月4日付

 今から20年前、米ミシシッピ州は法律の歴史に足跡を残した。ニコチンの中毒性を軽んじたとして、州司法長官がたばこ会社を提訴したのだ。1997年に州は36億ドルの損害賠償金を勝ち取り、たばこ会社が翌98年に全米46州および連邦政府機関と2000億ドル超の巨額和解金の支払いで合意する道を開いた。

 そのミシシッピ州が今、この勝利を再現しようとしている。今度の相手はオピオイド(医療用麻薬)だ。民主党に所属するジム・フッド州司法長官は昨年、薬物の中毒性を隠したと主張して医薬品会社数社に対する行動を起こした。6月には正式に、本格的な訴訟が起こされた。

 ワシントンで勃発した心理劇のために、この訴訟はまだ大きな見出しを飾っていない。だが、投資家と政策立案者がこれを無視したら愚かだ。すでに国中の地域社会を襲っている米国のオピオイド危機は急激に、国家・経済的な重要性を帯びた重大な問題と化しつつあるからだ。

 ワシントン中心部から遠く離れたところで、訴訟が雪だるま式に増えている。オハイオ州は提訴に踏み切った。オクラホマ州も、シカゴをはじめとした数十の地方自治体・都市も提訴した。そして一連の訴訟は、たばこ大手に対して使われたのと同じテーマを軸としている。医薬品会社は、オピオイド製品を不当販売し、依存症と死亡事故の爆発的増加を引き起こしたとして訴えられているのだ。

 原告側は、オピオイド依存症の治療費をカバーするために巨額損害賠償を求めている。これもまた、たばこ訴訟と似た展開だ。

 歴史は繰り返すのだろうか。投資家は驚くほど安穏としているように見える。訴訟の標的になっているパーデューという会社は非上場企業だ。だが、エンドー、デポメッド、マリンクロットといったほかの医薬品会社は上場している。これらの企業の株価は今年、バイオテクノロジー株指数を下回って推移しているが、暴落はしていない。

 一方、企業側は、たばこ流の巨額罰金が再現される可能性はほとんどないと主張する。近年、ごく小規模な和解は何件か成立している(直近では、フロリダ州で先月、和解が成立した)。

 しかし、医薬品会社はあくまで、オピオイドとたばこをひとくくりにすることは間違いだと主張する。結局のところ、オピオイドは米食品医薬品局(FDA)の承認を得てしか売られていない(たばこは違う)。また、処方箋を書くのは医師であって、メーカーではないため、さらに責任問題が曖昧になる。

 そう考えると、法廷で何が起きるかは、まだ誰にも分からない。だが、法律の細かい点ばかりに目を向けていると、要点を見落とすことになる――そして訴訟が潜在的に重要で歓迎される理由も分からなくなってしまう。

 オハイオやミシシッピの司法長官が提出した興味深い訴状をじっくり読むと、明白なのは、たとえ倫理にもとらなくとも、よく言っていかがわしい行為として描かれているマーケティングと手法について、医薬品会社が釈明を迫られる深刻な事案を抱えていることだ。訴状では、FDAなどの連邦当局が暗い光の中で描かれている。取り締まりに動くのがあまりに遅かったからだ。

 このため、ほかのことはともかく、訴訟の場がいざ法廷へ移ったときには世間の大きな注目と議論に火を付けるはずだ。そして、これはとうに起きているべきことだった。月を追うごとに、オピオイド危機の規模は悲劇の度を増し、いよいよ目を見張るものになっていく。2000年以降、30万人以上の米国人がオピオイドの過剰摂取で死亡している。多くの州では、自動車事故での死亡者数より多い。

 オピオイド危機については、米連邦準備理事会(FRB)も調査に乗り出している。例えば先月、ジャネット・イエレン議長は上院での証言で、オピオイドの使用は「働き盛りの労働者の間で労働参加率が低下している」不可解なパターンの症状であり、原因でもあると述べた。

 だが、この問題の認知度は遅ればせながら高まったものの、その原因や、拡大を防ぐ方法、そして折しもホワイトハウスが予算を削減し、医療制度を改革しようとしているときに増加し続ける治療費用を確保する方法についてワシントンにコンセンサスはない。

 共和党指導部の一部は、オピオイド依存症と戦うために450億ドル規模の包括予算を設けることを提案している。だが、オハイオ州のジョン・ケーシック知事が言うように、それは「海に唾を吐く」ようなものだ。

 だから、この理由だけをもってしても、訴訟は朗報だ。確かに、これらの訴訟は機を見るに敏で手数料に飢えた弁護士によって駆り立てられているところもある。また、確かに、和解が成立したら治療のための資金不足を埋められるとか、問題を解決できると考えるのはナイーブだろう。

 だが、もしこれらの訴訟が実際に法廷で争われていけば、医薬品産業に透明性向上を強いるかもしれない。企業経営者の間で――それも医薬品という一産業だけでなく、ほかの産業でも――、社会的責任に関する認識を高めるきっかけになる可能性さえある。もしかしたら、薬物に関する大きな時代精神を変える可能性もあるだろう。

 何しろ、たばこ大手に対する20世紀の法律闘争は2000億ドル超の和解金をもたらしただけではない。訴訟が大きく取り上げられたことが、規制当局による取り締まりと文化的な変化に貢献した。オピオイドでも同じことが起きる必要がある。

 だから、オハイオやオクラホマ、そしてミシシッピといった場所に注目しておくといい。そして、州が先導するところへ連邦当局がいずれ追随していくことを祈ろう。


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ニコチン依存を考える 政府のたばこ対策

ニコチン依存を考える 政府のたばこ対策

http://www.manila-shimbun.com/column/opinions/series229170.html

2017.4.9

 政府が強行に進める違法薬物撲滅政策が世界からの注目を集めている。注目される理由の大半が、政策による麻薬容疑者の殺害数の多さにあるのは否めないが、実は同政策の他にも、世界保健機関(WHO)に比が称賛を受けている政策がある。ニコチン依存症に歯止めを掛ける、たばこへの規制だ。

  WHOは近年の比政府のたばこ規制への取り組みを評価している。たばこに関する調査を実施する民間団体「GATS」によると、2009〜15年の間に、喫煙者の割合は20%低下。09年に1700万人いた喫煙者は、政府の規制取り組みなどにより、1590万人まで減少したという。

 2012年に成立した酒・たばこ増税法(共和国法10351)でたばこは増税し、14年に成立した写真やイラストの印刷を義務付ける共和国法10643号で、国内で販売されるたばこパッケージには、喉頭がんや発作に苦しむ愛煙家の写真が見受けられる。

 自治体での喫煙規制で広く知られるのはもちろん、ドゥテルテ大統領がダバオ市長時代に発効した同市条例だが、今度は同条例を全国に拡大する内容の大統領令が近く発効される見通しだ。全国の公園や公共交通機関、バスターミナルなど公共の場所における禁煙が義務づけられる。

 ニコチン依存症は、口腔(こうくう)がん、肺気腫などの病気にもつながるため、ウビアル厚生長官も大統領とタッグを組み、たばこ規制に取り組んでいる。たばこに対するさらなる増税も見込まれる。

 WHOが過去数年の成果を称賛する一方で、毎年8万7千人以上のフィリピン人が、たばこ関連疾患を原因に死亡している。たばこを原因とした死者を減らすためにも、政府や自治体の取り組みが急がれる。(6日・ブレティン)

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