受動喫煙

「いだてん」抗議の受動喫煙撲滅機構 批判に「たばこだけが堂々と出ているのは変」と反論

「いだてん」抗議の受動喫煙撲滅機構 批判に「たばこだけが堂々と出ているのは変」と反論

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190225-00000006-jct-soci

2/25(月) 18:10配信

 NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』の受動喫煙シーンをめぐり、「受動喫煙による健康被害の場をなくす」ことを掲げ活動する公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」が抗議している。

 機構の担当者は取材に、「たばこだけは堂々と出ているのは変じゃないでしょうか」と憤る。一方、機構への批判的な電話、メールも寄せられているという。

■「番組テロップなどで謝罪をしてください」

 受動喫煙撲滅機構は2019年2月19日、NHKへ申し入れ書を送った。

 申し入れ書では、『いだてん』に受動喫煙シーンが頻繁に登場するため、受動喫煙の容認を助長したり、出演者・スタッフの受動喫煙被害を招いたりしているとして、NHKに以下の2点を求めている。

(1)『いだてん』において、受動喫煙のシーンは、今後絶対に出さないでください。

(2)『いだてん』で、受動喫煙場面が放映されたことについて、番組テロップなどで謝罪をしてください。

 機構の担当者は25日、J-CASTニュースの取材に、テレビ局へ申し入れ書を送付したのは初めてだと明かした。

  「今まで受動喫煙がそれほど目立った番組はなかったです。今回の件はNHKで、しかも未成年者も見る時間帯で頻繁に受動喫煙シーンが映っており、さらには同局の『バカボンのパパよりバカなパパ』や『ゲゲゲの女房』では受動喫煙シーンが配慮されていた過去があったためです」

過去には『風立ちぬ』論争も

 機構には、「それだったら時代劇で人を斬るシーンも削除しろというのか」「遊郭のシーンはどうなのか」といった批判がメールで20通、電話で4件寄せられたという。しかし担当者は、

  「歴史上の事実なら何でもいいということになれば、差別表現とかセクハラとかそういうのもありになるのでしょうか。人を斬るシーンなら血がドバっと出たり、内臓が飛び出たりというのはテレビでは配慮されてやらないはずです。ところがそうした配慮はせずに、たばこだけが堂々と出ているのは変ではないでしょうか」

と理解を求めた。

 NHKから回答がなかったり、納得できない回答だったりした場合、あらためて別の対応を検討するとしている。

 受動喫煙をめぐっては、宮崎駿監督のアニメ映画『風立ちぬ』も注目された。作中で主人公が肺結核の妻の前で喫煙するシーンがあり、禁煙推進団体「日本禁煙学会」が「なぜこの場面でタバコが使われなくてはならなかったのでしょうか。他の方法でも十分表現できたはず」と批判し、ネット上で議論となった。

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影響は居酒屋からパチンコ店まで広範囲 2020年4月の受動喫煙防止条例でどう変わる?

影響は居酒屋からパチンコ店まで広範囲 2020年4月の受動喫煙防止条例でどう変わる?

https://news.nicovideo.jp/watch/nw4927163

2019/03/04 06:00

 2018年6月27日、東京都の「受動喫煙防止条例」が成立した。従業員を雇っている都内の飲食店は、原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)となっている。これは同年7月18日に国会で成立した「改正健康増進法」より厳しい内容だ。

 「改正健康増進法」において、飲食店は原則的に屋内を禁煙とすると義務付けていたが、喫煙専用室を別途設置して喫煙客を呼ぶことは可能となっていた。また、客席が100平方メートル以下の面積である場合は例外とされており、喫煙可であることを表記すれば禁煙にする必要はないとされていた。しかし「受動喫煙防止条例」では店の広さに関係なく、従業員を雇っている飲食店は禁煙にしなければならないとしている。ちなみに、飲食店内の禁煙化、罰則(5万円以下の過料)の適用などの全面施行は2020年4月からとなる。

 都条例では、子供が利用する幼稚園や保育所、学校は敷地内の喫煙所設置を認めずに完全禁煙に。行政機関や病院も屋内は完全禁煙だが、屋外喫煙所は認める。飲食店内は、面積に関係なく従業員を雇っていれば原則屋内禁煙と規定。喫煙専用室の設置は認めるが、その中で飲食はできない。都条例では都内の飲食店の約84%が規制対象になるとみられる。都は喫煙専用室の設置費の9割を補助(上限300万円)する考えだ。この条例によって喫茶店や居酒屋でタバコを吸う光景は2020年4月以降、都内では見られなくなる(従業員がいない店舗を除く)。

 「全面禁煙(または喫煙室の設置)」か、「従業員の解雇」か。条例成立によって突きつけられた、この選択に関しては大手よりも中小の方が深刻だ。条例成立前の6月1日、東京都生活衛生同業組合連合会など飲食関連団体の会員200名が都庁のある新宿区に集結。行きすぎた条例であると、抗議するデモが行われた。参加者たちは「お客様と事業者に『喫煙』『分煙』『禁煙』の選択の自由を」「中小事業者に打撃、死活問題」などと書かれた旗や横断幕を掲げた。

 メディアではあまり取り上げられていないが、パチンコホール(以下、ホール)も、この条例の波に揉まれている。現在都内のホールの99%は、屋内喫煙OKという状況。店内完全禁煙、喫煙専用室ありといった店はごくわずかだ。つまり、ホールは喫煙者にとって気軽にタバコが吸える貴重な喫煙所となっているのだ。その状況の中、この条例の施行。「従業員の解雇」という選択ができない分、最も深刻なのは飲食店よりもホールかもしれない。

 条例施行後は遊技スペースでタバコが吸えなくなるため、ホールは新たに喫煙専用室を設けるか、既存の休憩スペースなどを喫煙場所に変更するといった対応が求められる。駐車場のない都内のホールは、営業スペースを削るなどして作らなければならない。

 現在全国的にパチンコ離れが加速化している。この条例によって、喫煙者が遠のき、さらにホールの懐に追い討ちをかけるハズだ。だが反面、非喫煙者の新規顧客増とタバコが嫌でホールを去ってしまった冬眠客の回帰が期待できる。条例の完全施行は2020年4月。それまでに新たなファン獲得に向けたサービスをどれだけアピールできるかが、今後ホールにとって今後の生き残りのポイントとなってくるだろう。

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『いだてん』喫煙シーンに受動喫煙撲滅機構が抗議(申し入れ書全文)

『いだてん』喫煙シーンに受動喫煙撲滅機構が抗議(申し入れ書全文)

https://www.huffingtonpost.jp/entry/idaten_jp_5c6f7d1ae4b06cf6bb242097

2019年02月22日 14時07分 JST

今回の抗議に対して、ネット上では「歴史をねじまげることになる」と反発する声も挙がっています。

安藤健二

NHKの大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の喫煙シーンが議論を呼んでいる。

公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」は、NHKに2月18日付で抗議した申し入れ書の内容を、公式サイトで公開した。

『いだてん』は、明治時代から昭和30年代が舞台。日本で初めてオリンピックに参加し金栗四三が、後半は日本に初めてオリンピックを招致した田畑政治を通して、日本のスポーツ史をダイナミックに描く。

しかし、時代考証の結果として、ドラマ中に喫煙シーンが多くみられることに撲滅機構は抗議した。「受動喫煙シーンがしばしば見受けられ、みな観るたびに閉口し、悲しんでいます」とした上で、「受動喫煙のシーンは、今後絶対に出さないでください」とNHKに訴えた。

近年のテレビ・映画では、過去の時代の再現でも職業・身体・民族等への差別的な言葉を使用していないことを例に挙げ、喫煙シーンがなくてもドラマは成立すると主張。「時代に逆行し受動喫煙被害の容認を助長する」と断じた。

ネット上では今回の申し入れに対して「そろそろ映画、ドラマ、アニメなどから不適切な喫煙シーンを排除してもいい頃だ」と賛同する声もある一方で「歴史をねじまげることになる」「時代背景の描写に必要な描写を、時代劇から削ってはならない」と反発する声も挙がっている。

撲滅機構がNHKあてに送った申し入れ書の全文は以下の通り。

 

■『いだてん』受動喫煙のシーンに関する申し入れ

 

謹啓 雨水の候 ご清栄のこととお慶び申し上げます。

当機構は、「 公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 」と申します。団体名称にあらわした活動を行っている組織です。

貴局の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』は、当機構職員や会員の多くが楽しみに視聴しております。

しかし、同作品には、受動喫煙シーンがしばしば見受けられ、みな観るたびに閉口し、悲しんでいます。

近年のテレビ・映画などにおいては、過去の時代の再現においても、当時では日常的であったが、現代では、職業・身体・民族等への差別などと受けとられる語句・表現は、使用されなくなり、別の表現に置き換えられるようになっています(例:「目が不自由」「ホームレス」など、当時はなかった表現にまで)。これは過去作品の再放送においてもその場面の音声を削除するなど、かなり徹底された自主規制がなされております。

さて、受動喫煙は過年にはどこででも行なわれていたところですが(例:民放『徹子の部屋』等では’80年頃までは灰皿が置かれ、出演者が対談中に喫煙していました)、今は国会で受動喫煙防止法が成立したように、喫煙はしても、人にタバコの煙を吸わせてはいけないということが、世界中の常識です。

そんな中、わざわざ受動喫煙のシーンを、公共の放送、未成年者も視聴する番組において、放映するのはなぜでしょうか。こうしたことは、受動喫煙を世間に容認させることにもなります。未成年者や禁煙治療中の人たちへ悪影響を与え、何よりも出演者・スタッフの受動喫煙被害が紛れもなく行なわれているのです。

もし、“時代を表すため”という理由でしたら、前述の差別表現や、当時は多くあった街のゴミ・犬の糞・立小便、はてはハラスメントまで表現しなくては、釣り合いが取れません。しかし、それらの表現がなくても、ドラマは成立するはずです。

貴局のドラマ『バカボンのパパよりバカなパパ』においては、ヘビースモーカーであった主人公の漫画家や、編集部、バーの場面においても、喫煙シーンは全くありませんでした。(参考:別紙「一般社団法人 日本禁煙学会」による同作品の表彰)。

全国の受動喫煙被害を撲滅する活動を行う当機構におきましては、時代に逆行し受動喫煙被害の容認を助長する恐れのある貴局同作品の表現は看過するわけにはいきませんので、以下に要望を提示させていただきます。

要望

一、『いだてん』において、受動喫煙のシーンは、今後絶対に出さないでください。

二、『いだてん』で、受動喫煙場面が放映されたことについて、番組テロップなどで謝罪をしてください。

 

※ご回答は本文書到着した後、1週間以内にお願いします。

※ご回答内容は、公開の予定です。

 

公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 理事長 田中 潤

編集局 内藤 謙一

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【受動喫煙をなくす】理解し合う社会を築く(2月18日)

【受動喫煙をなくす】理解し合う社会を築く(2月18日)

http://www.minpo.jp/news/detail/2019021860386

 受動喫煙対策を強めた改正健康増進法は今年七月一日、一部が施行される。学校や児童福祉施設、病院、診療所、行政機関の庁舎では、屋内、屋外ともに敷地内はどこででも、基本的にたばこが吸えなくなる。飲食店、事務所、工場、ホテル、旅館などは全面施行される来年四月一日から原則として屋内禁煙となる。

 受動喫煙は他人から流れる煙を吸わされることをいう。改正健康増進法は「望まない受動喫煙をなくす」を趣旨の第一に掲げる。県や市町村、民間をはじめ各事業所は万全に準備してほしい。たしなむ人と吸わない人が互いに理解できる社会を築いていこう。

 国立がん研究センターの報告では、受動喫煙のある人は、ない人に比べて肺がんを患う危険性が約一・三倍になるという。厚生労働省の二〇一六(平成二十八)年国民生活基礎調査によると、男女合わせた本県の喫煙率は22・3%で、全国の19・8%を上回った。全都道府県で四番目に高い。

 県は昨年五月一日時点で、たばこが吸えない公共施設を調べた。私立を含む全ての幼稚園と学校の敷地内禁煙率は97・1%だった。公立学校を除いた県と市町村の公共施設は本庁舎や支所、社会文化施設、体育館、保健福祉施設、公立医療機関、保育施設を指す。敷地内は39・8%と低かった。

 郡山市と玉川村は、所有する公共施設の敷地内が100%に達した。調査から九カ月がたち、県や他市町村では改善された箇所があるとみられるが、行政は率先して対策を進めるべきだ。

 県内の事業主が屋内でのたばこを一切禁じるのなら「空気のきれいな施設・車両」の認証を目指してはどうか。県と中核市の福島、郡山、いわき三市が同じ基準で取り組む。施設では(1)禁煙の表示(2)灰皿を置かない(3)ビル内の共有スペースにも灰皿を置かない-の三つの要件、車両では車内の灰皿を使わない―の要件を満たさなければならない。県と三市は昨年十一月末までに、合わせて千四百六十七施設、二百二十二台を認証した。

 改正健康増進法では、屋内禁煙となる施設でも吸える部屋を設けられる。当てはまらない場所があったり、経過措置として小さな飲食店での喫煙を認めたりしている。国には、狙いや詳しい中身を二つの施行日までに広く知らせる責任がある。

 煙を好ましくないと思う人は多い。一方で、吸うことも個人の好みといえる。法律によるルールを基本に、たばこを巡るマナー、相手を認め合う思いやりの心が、さらに大切になる。(川原田秀樹)

( 2019/02/18 08:56 カテゴリー:論説  )

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【黄門かわら版】室内禁煙が進まない地方都市

【黄門かわら版】室内禁煙が進まない地方都市

https://www.sankei.com/region/news/190203/rgn1902030043-n1.html

2019.2.3 07:02地方茨城

 居酒屋チェーン「串カツ田中」が昨年6月、全席禁煙化・フロア分煙化に踏み切った。JR水戸駅近くにも支店がある。周辺では全面禁煙の居酒屋は珍しい。それだけに客入りにどんな影響があるのか興味深い。少なくとも、営業時間中に副流煙の被害にさらされる店員にとっては“朗報”だったに違いない。

 北陸の中核都市で「たばこの吸える喫茶店」と大々的に看板を掲げる店があった。全国各地で受動喫煙対策が進む中、店主の開き直る態度に驚いた。別の地方都市では分煙に無頓着な喫茶店があった。禁煙席は店の一角にお飾り程度にあり、煙が遮断されているわけではない。注文後に気づいたため後の祭りだった。チェーン展開する喫茶店でも油断禁物である。

 また、出張などで地方のビジネスホテルを予約する際、宿側から「喫煙ルームなら用意できる」と言われることがあるが、妥協せずに断る。全国の喫煙者率は下降線をたどり、最近の調査では約18%。つまり、5人に1人もいない。喫煙と禁煙の客室の割合が時代にそぐわなくなっているのではないか。

 東京五輪開幕まで1年半を切る中、海外では屋内における喫煙禁止を打ち出す都市が増えている。来日した外国人は、この国の分煙社会に対する遅々とした取り組みに仰天するだろう。世界に冠たる長寿国の受動喫煙対策が“二流以下”であれば世紀の祭典で赤っ恥である。(日出間和貴)

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「受動喫煙」防止、3つの「誤解」とは

「受動喫煙」防止、3つの「誤解」とは

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190203-00113522/

石田雅彦  | ライター、編集者 2/3(日) 16:53

 受動喫煙防止を盛り込んだ改正健康増進法の完全施行は、東京オリパラの3ヶ月前、2020年4月1日だ。その前に今年2019年7月1日から学校・病院・児童福祉施設等、行政機関で屋内完全禁煙が実施される。だが、我々は受動喫煙の防止という考え方に対し、いくつか誤解したままなのかもしれない。その誤解とはいったい何なのだろうか。

どんなに少量でも健康に有害

 受動喫煙に対する誤解について考えていく前に、そもそもタバコの煙はごく少量でも健康に有害であり、いくら害を低減しても有害性を全くなくすことはできないことを知っておきたい。タバコ製品についても、また受動喫煙についてもこれは同じで、タバコから出る煙、または喫煙者が吸い込んで吐き出す息には我々の健康を脅かす有害物質が必ず含まれている。

 受動喫煙というのは、喫煙者のタバコ煙をタバコを吸わない他者が吸い込んだり、煙にさらされたりすることだ。受動喫煙によって、タバコを吸わない人にも肺がんなどの健康被害が生じる危険性があることから(※1)、WHO(世界保健機関)をはじめ、世界各国で受動喫煙の防止が強く主張されるようになった。

 疫学研究によれば、喫煙者と同居して受動喫煙にさらされている女性では20%、男性では30%、それぞれ肺がんのリスクが増加する。また、職場で受動喫煙にさらされるタバコを吸わない女性で、16~19%も肺がんリスクが増加することがわかっている(※2)。

 さらに、肺や気道などの呼吸器のみならず、タバコから出る有害物質は、心臓や血管に重篤な悪影響を及ぼす。タバコの副流煙にさらされる受動喫煙では、その有害物質によって心筋の働きや血圧調整機能を阻害し、血液の粘性を高めることも知られている(※3)。つまり、喫煙と受動喫煙によって、心臓発作や脳卒中のリスクも高くなるわけだ。

 WHOでは、誰にでもタバコ煙に汚染されていない環境で呼吸する権利があるとし、飲食店を含む労働環境においても同じだとする。特に、法的な影響力が及びにくい家庭での乳幼児・子どもに対して注意深く保護されるべきとし、タバコ煙に不意にさらされないための受動喫煙対策をすべきとしている。

 これらについて知れば、受動喫煙を防止するための完全な対策とは、タバコを吸わない人に対してタバコ煙が全くおよばないようにすることしかないことがわかる。いくら空調などの設備的な対策をしても、同じ物理的空間に喫煙者がいれば受動喫煙を防ぐことはできない。

 なぜなら、タバコ煙とそこから由来する有害物質は、喫煙者の呼気にも数十分間は存在し、衣服に付着するなどして必ず外へ持ち出されてくるからだ。受動喫煙の防止対策をしても、分煙では受動喫煙防止の効果はない。

 屋内完全禁煙という受動喫煙防止対策の前後で、バーなど喫煙客の多い飲食店を対象に従業員の呼吸器疾患の状況を比較した研究によれば、規制後に従業員の健康状態が明らかに良くなった(※4)。従業員雇用の有無によって例外規定を盛り込んだ東京都の受動喫煙防止条例の考え方は、こうした研究結果を背景にしている。面積によって例外規定を定めた国の改正健康増進法より、東京都の条例のほうが実際の効果が期待できるだろう。

 タバコを吸わない多くの人は、受動喫煙のための法律や条令ができたなら、自分は受動喫煙による健康被害を受けないと考えているだろう。だが、これが受動喫煙防止に関する誤解の1つ目だ。

誰が「望んで受動喫煙」したがるのか

 ところで、受動喫煙防止対策を盛り込んだ国の改正健康増進法では、面妖な文言が付されている。基本的な考え方の第1として、「望まない受動喫煙」をなくす、というのだ。

 改正健康増進法の所管は厚生労働省でいろいろ問題の多い役所でもあるが、政治勢力や財務省などから予想される妨害をはねのけ、なんとか受動喫煙防止の考え方を法制化した努力は認めよう。だが、この「望まない受動喫煙」という考え方は全く同意できない。どこに「受動喫煙を望む」人間がいるというのだろうか。

 実は、この文言を入れたところに、日本のタバコ対策の根源的な問題が横たわっている。例えば、日本たばこ産業(JT)がよく唱えるキャッチフレーズに「タバコを吸う人も吸わない人も」という言葉があるが、同社がこうした言葉を唱える意図は、喫煙行動を常態化させ、タバコを社会に認めさせようというものだ。

 改正健康増進法に「望まない受動喫煙」という言葉を入れる厚生労働省の発想には、タバコ会社によるこうした意図が反映され、影響を受けていると考えざるを得ない。つまり、国策としてタバコを売り、政府(財務大臣)はJTの株式の1/3以上を保有しているため、同じ政府内で整合性をとるため、「望まない受動喫煙」という愚かしくも面妖な言葉が生まれたのだ。

 ところで、受動喫煙の健康被害が取りざたされ始めた頃、研究者や研究機関によって健康被害の有無について評価が分かれるという事態が起きた。そのため、それぞれの研究を調べた研究論文も出た(※5)。この論文では、受動喫煙の健康被害に対して懐疑的な研究で、タバコ会社など利害関係者からの研究資金援助によるバイアスの存在が疑われ、利益相反について厳しく吟味すべきとしている。

 タバコ会社は、受動喫煙の悪影響が社会的に問題視されることを好まず、タバコ会社は、批判の矛先が自らに向かないようにしてきた。この姿勢は、現在も加熱式タバコの販売を始めることで継続中だ。

 もちろん、受動喫煙防止の考え方は、タバコを吸わない人をタバコの煙から守ることを主な目的にしている。だが、その出発点にある基本理念は、タバコと喫煙行動が国民の健康や生命、財産にとって有害なものという考え方だ。つまり、喫煙者がタバコを吸える場所を狭め、最終的には喫煙率を下げ、タバコという存在を社会からなくしていこうという思想である。

 受動喫煙防止には、この考え方が背景にある。だが、国の改正健康増進法には、この観点と思想が全く欠如している。受動喫煙防止は、単にタバコ煙から国民を防御するだけではない。前提としてタバコと喫煙行動が害悪であり、将来的になくしていくという発想が基本だ。

 我々はそのことについて思い及ばない。これが受動喫煙の防止に対する誤解の2つ目だ。

加熱式タバコも例外ではない

 3つ目の誤解は加熱式タバコについてのものだ。アイコス(IQOS)やグロー(glo)、プルーム・テック(Ploom TECH)などの加熱式タバコが広がりをみせ、改正健康増進法でも加熱式タバコの健康影響がわかるまでの間、従来の紙巻きタバコとは異なった規制としている。

 1つ目、2つ目の誤解について考えればすぐにわかるが、加熱式タバコからも有害物質が出ている。1つ目の誤解で述べたように、タバコの害はどんなに少なくても健康に悪影響をおよぼす。

 タバコ会社が、有害性の低減をPRする加熱式タバコも例外ではない。そして、受動喫煙防止の考え方は、タバコという製品、喫煙行動それ自体が社会にとって有害であり、将来的にはなくしていかなければならないという発想から出ている以上、それは加熱式タバコも同じなのだ。

 タバコは善か悪かといえば明らかな悪である、というゼロイチ(01)の態度が、タバコ対策を行う公衆衛生当局や専門家に求められる。0~1までのどこかという条件闘争に応じた時点で、タバコ利権がつけいる隙を与えてしまう。その意味で、今回の改正健康増進法で厚生労働省は公衆衛生当局として、はっきりした態度を表明するせっかくのチャンスを自ら捨て去った。

 三つの誤解は、基本的な部分で共通している。受動喫煙はもちろんタバコは有害なものという受動喫煙の防止について、その目的と理念についてよく理解していきたい。

※記事は喫煙者を批難するものではありません。加熱式を含むタバコを吸う喫煙者が喫煙習慣を止められないのは、ニコチンという依存性薬物の作用によるもので、けっして喫煙者の責任ではありません。喫煙者は、国によって推進されてきたタバコ政策、そしてタバコ会社のビジネスの犠牲者と筆者は考えています。

※1:A K. Hackshaw, et al., "The accumulated evidence on lung cancer and environmental tobacco smoke." the bmj, Vol.315, 1997

※2:Elizabeth T. H. Fontham, et al., "Environmental Tobacco Smoke and Lung Cancer in Nonsmoking Women─A Multicenter Study." JAMA, Vol.271(22), 1752-1759, 1994

※3-1:M R. Law, et al., "Environmental tobacco smoke exposure and ischaemic heart disease: an evaluation of the evidence." the bmj, Vol.315, 1997

※3-2:John A. Ambrose, et al., "The pathophysiology of cigarette smoking and cardiovascular disease─An update." Journal of the American College of Cardiology, Vol.43, Issue10, 2004

※4-1:Mark D. Eisner, et al., "Bartenders' Respiratory Health After Establishment of Smoke-Free Bars and Taverns." JAMA, Vol.280(22), 1909-1914, 1998

※4-2:Daniel Menzies, et al., "Respiratory Symptoms, Pulmonary Function, and Markers of Inflammation Among Bar Workers Before and After a Legislative Ban on Smoking in Public Places." JAMA, Vol.296(14), 1742-1748, 2006

※5:Deborah E. Barnes, et al., "Why Review Articles on the Health Effects of Passive Smoking Reach Different Conclusions." JAMA, Vol.279(19), 1566-1570, 1998

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受動喫煙で高血圧リスク上昇、行政の対策は住民の健康に直結

受動喫煙で高血圧リスク上昇、行政の対策は住民の健康に直結

https://diamond.jp/articles/-/190830

2019.1.16

 罰則付き受動喫煙対策を盛り込んだ「改正健康増進法」の全面施行まで1年半余り。

 受動喫煙については、発がんリスクの面が強調されてきたが、このところ、高血圧への影響が指摘されている。

 名古屋大学が中心の日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)のおよそ3万人の非喫煙者を対象とした解析では、「ほぼ毎日」たばこの煙に暴露されている人の高血圧(140/90mmHg以上)リスクは、「時々、またはほとんどなし」という人の1.11倍になった。

 暴露時間が1日1時間増加すると、高血圧リスクが1.03倍に上昇。女性より男性のリスクが上がりやすいことも判明している。

 このほか、25歳前後のたばこを吸わない若年成人を対象に、米国の4都市(バーミングハム、シカゴ、ミネアポリス、オークランド)で受動喫煙対策(バー、レストラン、職場での禁煙)を実施している地域と、非対策地域とで血圧への影響を調査した「CARDIA」研究(追跡期間1995~2011年)によると、対策地域の参加者は非対策地域の参加者と比較し、平均収縮期血圧(上の血圧)が1.14~1.52mmHg低いことが示された。

 転勤族の血圧を調べた結果、対策地域に住んでいた期間は、上の平均血圧が低いことも判明している。その一方、拡張期血圧(下の血圧)と有意に関連したのは、レストラン内での禁煙のみで、マイナス0.58mmHgの効果が認められた。

 研究者は「上の血圧が高い人は、高血圧の診断基準に達していなくても、心血管疾患の発症リスクが高まる」とし、受動喫煙対策が地域住民に利益をもたらすと指摘している。

 20年4月に施行される国の受動喫煙対策では、喫煙専用室での喫煙や「喫煙可」との表示がある小規模飲食店での喫煙が可能。基準の緩さに各方面から疑問の声があがり、東京都など一部の自治体では、国よりもさらに厳しい条件で受動喫煙対策を推し進めている。

 国、自治体の判断の結果がでるのは十数年後。心して見守りたい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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受動喫煙症 深刻な被害 

受動喫煙症 深刻な被害 

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/iryou/list/CK2019010802000275.html

2019年1月8日

 たばこの煙に含まれる化学物質に反応し、目やのどの痛み、発疹などの症状が出る「受動喫煙症」。重症になると服に付いたわずかなたばこの臭いでも激しい症状を引き起こし、日常生活に支障が出るケースもある。日本禁煙学会(東京)は診断基準をつくって注意を呼び掛け、屋内禁煙など対策の徹底を訴える。 (河野紀子)

 

たばこ臭でも“反応” 

 「頭痛や吐き気がひどく、息苦しさもあった。近くにたばこを吸う人がいると必ず症状が出た」。昨秋、受動喫煙症と診断された愛知県の無職男性(30)は振り返る。

 昨夏に転職した携帯電話販売業の店舗に喫煙所がなく、休憩室で同僚たちの煙にさらされた。一週間で症状が出始め、悪化。煙はなくても、喫煙者の息やたばこの臭いが付いた服に反応し、息苦しくて倒れ、救急搬送されたこともあった。

 一カ月ほどで仕事は辞めざるを得ず、現在は禁煙環境の整った国外で療養する。友人や知人に相談しても理解してもらえなかったといい「たばこくらいと軽く考えず、苦しむ人がいると知ってほしい」と話す。

 受動喫煙症は日本禁煙学会の前身組織が二〇〇五年に診断基準=表参照=を策定。非喫煙者で、たばこの煙にさらされると、症状が出る人が対象となる。

 たばこの煙にはニコチンやタール、アンモニアなどの有害物質が多く含まれ、その刺激による反応とみられる。個人差があり、わずかな煙で発症する人もいる。当初は煙がなくなれば症状は治まるが、受動喫煙が続くと悪化し、煙がなくても症状が出るケースも少なくない。

写真

 根本的な治療法はなく、原因の煙から離れることと、症状を和らげる対症療法が療養の中心。職場には診断書を提出し、煙にさらされない環境整備を求めることが必要だ。

分煙では不十分

 同学会の作田学理事長(71)は「日本は欧米と比べ、屋内禁煙が徹底されておらず、受動喫煙症の患者は相当数いるはずだ」と指摘。学会に所属する医師が中心に診断しており、学会のホームページに対応可能な全国の医療機関約百施設の一覧を載せている。

 受動喫煙の被害は大きく、一六年の厚生労働省の研究班による推計では、受動喫煙が原因で肺がんや心筋梗塞などになり、亡くなる人は年間一万五千人に上る。

 自宅で家族がたばこを吸ったり、近隣住民のたばこの煙が入り込んだりして受動喫煙するケースもあり、一七年には「近隣住宅受動喫煙被害者の会」(横浜市)が結成された。東京都議で、代表代行を務める岡本光樹弁護士(36)によると、会員は全国で千五百人を超え、受動喫煙症の人も多い。

 被害の実態が明らかになる中、対策に向けた動きも。昨年七月の健康増進法の改正で、受動喫煙対策が義務付けられた。二〇年四月以降は一定の広さの飲食店は原則屋内禁煙となるほか、子どもなどが利用する学校や病院、行政機関は前倒しで今夏ごろから原則敷地内禁煙となる。東京都では昨年、従業員のいる飲食店は原則禁煙とする受動喫煙防止条例が制定された。

 作田理事長は「受動喫煙対策としては、分煙では不十分。苦しむ人を減らすため、公共施設や職場などでの屋内禁煙を徹底することが必要」と話す。

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受動喫煙で高血圧リスク上昇、行政の対策は住民の健康に直結

受動喫煙で高血圧リスク上昇、行政の対策は住民の健康に直結

https://news.nicovideo.jp/watch/nw4686923

2019/01/16 09:00

 罰則付き受動喫煙対策を盛り込んだ「改正健康増進法」の全面施行まで1年半余り。

 受動喫煙については、発がんリスクの面が強調されてきたが、このところ、高血圧への影響が指摘されている。

 名古屋大学が中心の日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)のおよそ3万人の非喫煙者を対象とした解析では、「ほぼ毎日」たばこの煙に暴露されている人の高血圧(140/90mmHg以上)リスクは、「時々、またはほとんどなし」という人の1.11倍になった。

 暴露時間が1日1時間増加すると、高血圧リスクが1.03倍に上昇。女性より男性のリスクが上がりやすいことも判明している。

 このほか、25歳前後のたばこを吸わない若年成人を対象に、米国の4都市(バーミングハム、シカゴ、ミネアポリス、オークランド)で受動喫煙対策(バー、レストラン、職場での禁煙)を実施している地域と、非対策地域とで血圧への影響を調査した「CARDIA」研究(追跡期間1995~2011年)によると、対策地域の参加者は非対策地域の参加者と比較し、平均収縮期血圧(上の血圧)が1.14~1.52mmHg低いことが示された。

 転勤族の血圧を調べた結果、対策地域に住んでいた期間は、上の平均血圧が低いことも判明している。その一方、拡張期血圧(下の血圧)と有意に関連したのは、レストラン内での禁煙のみで、マイナス0.58mmHgの効果が認められた。

 研究者は「上の血圧が高い人は、高血圧の診断基準に達していなくても、心血管疾患の発症リスクが高まる」とし、受動喫煙対策が地域住民に利益をもたらすと指摘している。

 20年4月に施行される国の受動喫煙対策では、喫煙専用室での喫煙や「喫煙可」との表示がある小規模飲食店での喫煙が可能。基準の緩さに各方面から疑問の声があがり、東京都など一部の自治体では、国よりもさらに厳しい条件で受動喫煙対策を推し進めている。

 国、自治体の判断の結果がでるのは十数年後。心して見守りたい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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「認知症」を予防する良い習慣・悪い習慣

「認知症」を予防する良い習慣・悪い習慣

https://news.nifty.com/article/item/neta/12101-34138/

2019年01月15日 16時45分

■脳に良い習慣と悪い習慣

■ 積極的な禁煙を!

タバコと認知症の発病には大きく関係性があり、脳のMRIを見てみるとやはり隠れ脳梗塞が多い印象を受けます。そのため、脳の機能が低下し、物忘れの自覚を訴えるのです。また、タバコは、他人への迷惑にもなります。自分だけならまだしも、他人の煙を吸ってしまう受動喫煙も認知症の発症率を上昇させてしまいます。

自分の健康を害するだけではなく、他人にも影響を与えてしまう喫煙行為。今までタバコを吸っていたとしても、健康的な行動に生活習慣が変わることで、認知機能の低下になりにくいので、いますぐに禁煙しましょう。

■コーヒーは認知症を予防する!

フィンランド・クオピオ大学およびスウェーデン・カロリンスカ研究所教授のMiia Kivipelto氏による20年以上の聞き取り調査によると、コーヒーを1日3~5杯飲む中高年は、高齢になった時に認知症やアルツハイマー病を発症するリスクが60~65%低いという結果を公表しました。

なぜ、コーヒーが有効なのかは不明ですが、カフェインやニコチン酸の原料であるトリゴネンが多く含まれているからだと推測されています。しかし、コーヒーの飲みすぎは、胃潰瘍などの原因になりますから、なにごとも程々が大切です。

■緑茶を積極的に取りましょう

緑茶に含まれるカテキンが神経細胞を保護することが動物実験でわかっており、人へもその働きがある可能性があります。

また、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートを、人工的なアルツハイマー病マウスに投与したところ、アルツハイマー病の原因とされるベータアミロイド蛋白の生成を抑制することを認めたことから、積極的に緑茶を飲むことは認知症の予防につながるといえます。

■フラボノイドを含むワインはOK!

飲酒と認知機能の低下には諸説ありますが、ほとんどの研究結果は、ビールで350ml、ワインで150mlほどの量であれば、飲酒は認知症を遅らせる効果があるかもしれないと結論付けているものの、決して大量飲酒は勧めていません。

特にフラボノイド多く含むワインを多く摂取している人は認知機能が高いことが知られています。タバコと比べ、飲酒を肯定する研究結果が多いのですが、やはり飲みすぎには注意が必要です。

参考資料:認知症を予防する良い習慣と悪い習慣(https://allabout.co.jp/gm/gc/313823/)記事下段に記載

(文:菅原 道仁(医師))

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