受動喫煙

「たばこ『毒』はき続ける状態に」

「たばこ『毒』はき続ける状態に」

「受動喫煙」防止へ医師ら宣言採択   

 来年の福井しあわせ元気国体・福井しあわせ元気大会を前に「受動喫煙」を防ぐ取り組みを広めようと、福井県内の医療関係者らでつくる協議会が26日、福井市の県医師会館で「脱たばこ・健康福井フォーラム」を初めて開き、「ふくい受動喫煙ゼロ宣言」を採択した。宣言は公共施設の敷地内全面禁煙など6項目を掲げ、協議会として県や市町などに実現を働き掛けていく。
 県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会など12団体が今年8月に「県受動喫煙防止対策協議会」を発足。最初の活動としてフォーラムを開き、関係者約80人が出席した。
 協議会会長の大中正光・県医師会長は「五輪や国体は単なるきっかけ。長い目で活動を続けていきたい」とあいさつ。同宣言では▽たばこの有害性などについての健康教育の推進▽医療関係者の喫煙率ゼロ▽すべての医療機関の敷地内全面禁煙の推進▽公共施設の敷地内全面禁煙を県や市町に働き掛ける―など6項目を掲げ、出席者全員の拍手で承認された。取材に対して、大中会長は「最終的にはすべての建物内完全禁煙を定めた『県受動喫煙禁止条例』の制定を目指して、行政、議会側に働き掛けていきたい」と意欲を見せた。
 フォーラムではこのほか、医師、歯科医師、薬剤師それぞれの代表がたばこの害や禁煙に向けた活動について講演。県済生会病院の小林弘明・呼吸器外科部長は「たばこを吸うと30分間は“毒”をはき続けている状態が続く。換気扇の下やベランダで吸っても家族に影響が出る」と警鐘を鳴らした。

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ちぐはぐ禁煙、軌道修正 「路上」より「屋内」厳しく

2020年から見える未来

ちぐはぐ禁煙、軌道修正 「路上」より「屋内」厳しく
加熱式たばこは公的機関で調査中、法施行までに判断

2017/10/19 日経産業新聞

 2020年の東京五輪・パラリンピック開催を控え、飲食店での対応などで注目される受動喫煙防止対策。対策の強化を軸とした関連法案の提出は17年6月に閉会した通常国会では見送られたものの、罰則付きの条例制定を目指す東京都の対応など今後の議論の行方に目が離せない。防止対策の考え方や海外と比べた日本の現状などを厚生労働省健康局健康課の正林督章課長に聞いた。

■面積30平方メートル以下の店は例外

 ――受動喫煙防止対策をめぐる背景や議論のポイントを教えてください。

 「15年に受動喫煙防止を盛り込んだ『オリパラ基本方針』が閣議決定されてから議論が活発になり始めた。03年に施行された健康増進法で受動喫煙の防止は努力義務とされていたが、それでは取り組みの限界がみえていた。東京五輪・パラリンピックの開催が近づくなかで、16年10月に厚労省としてたたき台を作り、17年3月に基本的な考え方を示した」

 「考え方では、施設ごとに異なる禁煙のあり方を盛り込んだ。小中学校や高校、医療機関は敷地内禁煙とし、公共交通機関ではバスとタクシーは禁煙とした。一方で、原則禁煙であっても、ホテルや企業の事務所など一部の施設には喫煙ルームの設置を認め、バーやスナックといった小規模な飲食店は例外として、喫煙を認める考えも示している。小規模店舗では公式見解で面積30平方メートル以下を例外とすることを打ち出している」

 ――先の国会では受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の提出は見送られました。秋の臨時国会も冒頭での衆院解散・総選挙となり、審議の行方は不透明です。

 「焦点となったのは、飲食店の扱いだ。自民党内で一部から『過剰な規制』との声が上がり、意見がまとまらなかった。飲食店をひとくくりに禁煙にするのではなく、店に『喫煙可能』『未成年の立ち入りを禁止する』といった表示をすれば十分だとの意見もあった。禁煙にすることで客足が遠のくことを不安視する飲食関係者も少なからずいるようだ」

■違反者には行政指導、従わなければ過料

 ――違反した場合には厳しい罰則があるのでしょうか。

 「対策強化と聞くと、違反した時点で罰則と捉える人もいるかもしれないが、実際にはそうしたものではない。仮に違反した事業者がいた場合、まずは行政による指導や命令などで改善を促し、従わなかった際に過料という形となる。そうした点も含めて周知していく必要がある」

 「(6月に閉会した)国会での審議は見送られたが、施行時期は19年9月に開催予定のラグビーワールドカップに間に合わせたい。(衆院解散で)国会での審議の見通しは不透明だが、国民への周知など準備期間を考えると2年間くらい必要なので、できるだけ早く法案を提出できるようにしたい」

 ――歴代の五輪開催国では、受動喫煙対策が実施されています。

 「国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は10年に『たばこのない五輪』推進で合意した。それ以降の五輪開催国はカナダや英国、ロシアなど軒並み『屋内禁煙』を実現している。ホテルなど宿泊施設や飲食店での喫煙室の設置も禁じられており、屋内の喫煙に関しては海外の方が厳しいともいえる」

 「一方で、海外では屋内での喫煙を禁ずる代わりに屋外での規制はない。対策は喫煙を禁止するものではなく、あくまで受動喫煙を防ぐという意味なので、理にかなっている。景観上の問題も無いわけではないが、屋外は煙が充満する屋内に比べて受動喫煙のリスクは下がる」

■路上規制している自治体と調整必要

 ――路上喫煙に関しては、東京都内では千代田区や新宿区、豊島区などが禁止しています。

 「日本では全国の1割強の自治体が路上喫煙を規制する条例を持つ。国としては受動喫煙を防ぎたいわけなので、条例のある自治体に対して、屋内禁煙との調和が取れるよう働き掛けを始めているところだ」

 ――今回の受動喫煙対策のなかで、「加熱式たばこ」はどのように位置づけていますか。

 「加熱式たばこは紙巻きたばことは異なり、熱した葉タバコから出る蒸気を楽しむ製品だ。火を使わないために煙や灰が出ないのが特徴で、日本たばこ産業(JT)などメーカー側も有害物質を軽減できるとしている。だが、全国的に普及し始めて間もないため、現在は受動喫煙防止の議論の対象から外している」

「受動喫煙を防止する観点から現在、使用者がはき出す蒸気の影響を公的な研究機関に依頼して調べてもらっているところだ。規制の対象となるか、対象外となるかは影響を踏まえて法案の施行までに判断したいと考えている」

 ――東京都では5日、子どもを受動喫煙から守るための条例が可決・成立するなど、国に先行する形で受動喫煙対策に取り組む姿勢を示しています。

 「国が受動喫煙対策を進める中で、自治体も同様の動きを進めてくれることは歓迎すべきことだ。東京都が先んじて受動喫煙対策に取り組んだ場合に、国の施策にどういう影響があるかは結果をみてみないと分からない。あくまで国としては速やかに対策を進めることができるよう取り組んでいきたい」

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[衆院選2017]「屋内は完全禁煙」世界基準…五輪・パラ控え「受動喫煙対策」どこまで?

[衆院選2017]「屋内は完全禁煙」世界基準…五輪・パラ控え「受動喫煙対策」どこまで?

 東京五輪・パラリンピックを3年後に控え、非喫煙者がたばこの煙を吸う「受動喫煙」を防ぐ対策が急務だ。受動喫煙による死者は国内で年間1万5000人との推計もあり、主要政党も衆院選の公約にたばこ対策を盛り込んでいる。多くの外国人観光客の来日が予想されるなか、世界基準の対策を打ち出せるか注目される。

 国際オリンピック委員会(IOC)は2010年、世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を推進することで合意。それ以降に五輪・パラリンピックを開催した都市では、官公庁や飲食店などの屋内完全禁煙を実現している。

 主要6党の公約では、希望、公明、共産の各党は五輪を意識した表現を盛り込んだ。「開催国として国際標準」(希望)や「開催地で常識」(公明)、「開催国としての国際的責務」(共産)として、より強い規制を進める方針を示した。自民党は「法整備も含め徹底する」と宣言。立憲民主党と日本維新の会は公約で言及していない。

 厚生労働省が受動喫煙防止対策の強化案のたたき台を示した昨秋以降、意見が最も対立したのが飲食店への規制だった。

 厚労省案は、飲食店などは喫煙室のみ喫煙可とした上で、30平方メートル以下のバーやスナックは例外として喫煙を認めた。自民党は、飲食店の負担が増えるとして、100平方メートル以下の店舗では、店頭に表示すれば喫煙可とする案をまとめ、折り合いがつかなかった。

  ■売り上げに影響は

 国民健康・栄養調査によると、受動喫煙の機会が最も多いのが飲食店で42.2%に上る。対策は必須だが、禁煙化で売り上げが減ることを恐れる飲食店の経営者は多い。ただWHOは09年の報告書で、レストランやバーの調査結果を分析し、「全面禁煙にしても減収はない」と結論づけている。

 10年前に店内を禁煙化した横浜市のビアレストラン「横濱チアーズ」を経営する堀川秀樹さん(57)は「たばこを我慢できない人は来なくなったけど、煙が苦手なお客さんが増え、売り上げも伸びた」と話す。

 また、厚労省案や自民党案はいずれも喫煙の例外を認める内容だが、医学界は「例外のない全面禁煙」を求める声が主流だ。

 米カリフォルニア大が職場やレストラン、居酒屋を全面禁煙にした世界各地の研究を分析したところ、呼吸器の病気にかかる危険性が24%、狭心症や突然の心停止は39%、心筋

梗塞

こうそく

などは15%下がることがわかった。一方、職場に限った禁煙の効果は限定的だった。

 日本内科学会や日本循環器学会など25学会が参加する「禁煙推進学術ネットワーク」も2月、こうした結果を踏まえて「部分的規制や分煙では効果が期待できない」として、「面積基準による例外や喫煙室の設置等の分煙は認めるべきではない」と声明を発表した。

 ネットワーク理事長の藤原久義さん(兵庫県立尼崎総合医療センター院長)は「分煙は、喫煙を推進する方策でしかない。科学的根拠に基づいて健康対策を進めるなら、全面禁煙しかあり得ない」と訴える。

 受動喫煙による健康影響は、肺がんや脳卒中、虚血性心疾患などですでに「ほぼ確実」とされ、厚労省研究班によると、国内で毎年約1万5000人が亡くなると推計されている。

 WHOは「公共の場所」を病院、大学、飲食店など8種類に分類し、国の法律等で全面禁煙になっている場所がいくつあるかでランク付けしている。日本は現在、中国などと並び、最低ランクに位置する。

 (森井雄一)

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働く肺がん患者 3人に1人「職場で受動喫煙」

働く肺がん患者 3人に1人「職場で受動喫煙」

https://mainichi.jp/articles/20171016/k00/00m/040/117000c

毎日新聞2017年10月16日 08時00分(最終更新 10月16日 08時00分)

 働いている肺がん患者のおよそ3人に1人が、職場で他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙の被害に遭っているとのアンケート結果を、日本肺がん患者連絡会がまとめた。職場での受動喫煙防止は現行法では事業者の努力義務しかなく、禁煙を求めたが実現せずに仕事を辞めた患者もいた。横浜市の世界肺癌(がん)学会議で16日、発表する。【下桐実雅子】

 同連絡会に参加する患者団体などを通し、5月末にインターネットで調査。215人から回答を得た。

 受動喫煙を「不快」と感じていた患者は92%。「息苦しくなる」「がんが再発・進行するのではないかという恐怖感がある」との声が多かった。受動喫煙に遭う場所は飲食店が87%で最も多いが、家庭も7%あった。

 仕事を持つ患者123人のうち39人(32%)は、受動喫煙のある環境で働いていた。2人の子どもがいる40代女性は「治療費のためにパートを始めたが、喫煙のある環境で、1日で辞めざるを得なかった」と回答。「地方は働ける場が少なく、禁煙も徹底されていない。職場を選ぼうとすれば失業状態が長く続いてしまう」との訴えもあった。

 また、喫茶店で働いていた患者は、上司と相談したが、売り上げが減るからと禁煙にしてもらえず「狭い空間でまた煙を吸わされるのかと思うと、復職を諦めた」と振り返った。

 同連絡会の長谷川一男代表は「この状況を変えるには、屋内喫煙を規制する法整備が必要。日本の実態を世界に発信したい」と話す。

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赤ちゃんと大人の突然死、受動喫煙と関連 

赤ちゃんと大人の突然死、受動喫煙と関連  https://news.yahoo.co.jp/byline/fukudamemori/20171011-00076771/

福田芽森  | 循環器内科医

10/11(水) 6:00

東京都議会で10月5日、「子供を受動喫煙から守る条例」が可決、成立しました。

 

参考記事:受動喫煙防止「家庭でも禁煙を」都の条例成立(日本経済新聞 2017/10/5)

 

喫煙が健康に悪いことは、ほとんどの人が少なからず知っていると思いますが、「受動喫煙」についてはどうでしょう。

最近の日本での研究で驚くべき結果が出たため、それも交えて解説していきます。

 

<目次>

1)受動喫煙で命を落とす人はいるのか?

2)受動喫煙が健康に与える影響は?

3)新しい法律で受動喫煙が防げる?

4)まとめ

 

1) 受動喫煙で命を落とす人はいるのか?

受動喫煙によって、死亡している人はいるのでしょうか。

まず、日本を含む世界50カ国以上の研究機関と世界保健機構(WHO)が行った共同研究「世界の疾病負担研究」によると、受動喫煙の影響は下記のように推定されています。(※1, 2)

 

・ 世界で年間約60万人が受動喫煙で命を落としている

・ 日本で年間約1万人が受動喫煙で命を落としている

・ 日本で年間約10万人が受動喫煙でなんらかの害を被っている。

また、厚生労働省「喫煙と健康(たばこ白書)2016年」でも、

・ 日本で年間1万5千人以上が受動喫煙で命を落としている

とされています。その原因疾患として「虚血性心疾患(心筋梗塞など)」は4459人、「脳卒中」は8014人で、喫煙と関連の強いイメージを持つ「肺癌」の2484人よりも多くなっています。

そして、睡眠中の乳幼児の突然死の原因の一つである「乳幼児突然死症候群」の73人が受動喫煙によるとしています。

2015年度は本国で96名の乳幼児が「乳幼児突然死症候群」で亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位です。(※3)

つまり、受動喫煙は乳幼児の死の大きなリスクなのです。この事実からすると、家庭での禁煙を勧める「子供を受動喫煙から守る条例」には、大きな意義があると思われます。

 

2)受動喫煙が健康に与える影響

受動喫煙が健康に与える影響は、科学的に確かなことが過去の研究でわかっています。それは例えば脳卒中や肺癌、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群です。(※4)

 

厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)より抜粋)

厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)より抜粋)

 

子供への影響は、喘息や、乳幼児突然死症候群です。

・ 親が喫煙していると子供の喘息が増える(※5)

・ 親が家庭で喫煙する時間が長ければ長いほど、乳幼児突然死症候群の割合が多くなる(※6)

 

そして大人への影響として、2017年6月、日本における研究で、「急性大動脈解離を含めた大動脈疾患による死亡が、受動喫煙により約2倍に増える」ということが新たに分かりました。(※7)

 

まず、急性大動脈解離とは、心臓から出ている太い血管(大動脈)のどこかが裂ける病気です。通常、激痛を伴い、場合により手術を要し、急速に死に至ることもある、重大な病気です。血管は様々な臓器に血液を送るため身体中に張り巡らされているため、どの部分で裂けるかで症状や病状も異なってきます。

 

循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010 年度合同研究班報告) より抜粋

循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010 年度合同研究班報告) より抜粋

 

この急性大動脈解離と受動喫煙の関係について、筑波大学の研究グループが48,677人を平均16年間追跡し、分析したところ、

・ 受動喫煙の程度が高い群は、通常より2.35倍、急性大動脈解離をはじめとする大動脈疾患による死亡リスクが高い

ことが分かりました。

 

筆者は急性大動脈解離の恐ろしさを日々の診療の中で知っているため、この結果は、受動喫煙の危険性をより感じさせるものとなりました。

今回、世界で初めて大動脈疾患と受動喫煙の関連が示されましたが、今後も受動喫煙について、様々な新しい知見がうまれることでしょう。

 

3)受動喫煙防止法の効果

では次に、受動喫煙防止法の効果について考えます。

実は過去の研究で、「受動喫煙防止法の実施で病気が減る」ことは証明されています。(※8)

 

世界の43つの研究について、心筋梗塞や突然死、脳卒中や慢性閉塞性肺疾患(COPD)について分析すると、受動喫煙防止法の施行後では施行前に比べ、それぞれの病気による入院リスクが下がっていたのです。

 

受動喫煙防止法が心臓・脳・呼吸器疾患入院率に及ぼす影響: メタアナリシス(日本禁煙学会理事 松崎道幸翻訳)より抜粋

受動喫煙防止法が心臓・脳・呼吸器疾患入院率に及ぼす影響: メタアナリシス(日本禁煙学会理事 松崎道幸翻訳)より抜粋

 

実際に法令化することは効果がある、と証明されていれば、より力強く我が国でも受動喫煙防止を法令化するとなるのではないでしょうか。この研究は職場やレストランだけでの研究ですが、今回の条例成立によって、本邦から家庭内での受動喫煙防止法の成果が出ても良いですね。

 

4)まとめ

以上よりまとめると、

・ 日本では年間約1万~1万五千人が受動喫煙で命を落としている

・ 受動喫煙は心筋梗塞や急性大動脈解離、脳卒中、肺癌のリスクである

・ 親が家庭で喫煙する時間が長ければ長いほど、乳幼児突然死症候群の割合が多くなる

・ 家庭内での受動喫煙防止は、子供の突然死を防げる可能性がある

・ 職場やレストランでの受動喫煙防止は、禁煙範囲が広いほどより健康に効果がある

ということです。

 

受動喫煙の健康への影響は明らかであり、特に乳幼児が受動喫煙する場は、家庭が主だと思われます。今回の条例により、家庭内での受動喫煙が減り、効果があることを願います。

 

 

 

 

 

 

 

※尚、本記事執筆にあたり、東京医療センター循環器内科 布施淳先生に、(※7)に関する資料提供についてご協力をいただきました。ありがとうございました。

<参考文献>

※1 Forouzanfar MH et al., Global, regional, and national comparative risk assessment of 79 behavioural, environmental and occupational, and metabolic risks or clusters of risks in 188 countries, 1990-2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013. Lancet. 2015;386(10010):2287-323

※2Global Burden of Disease Study 2015, Seattle, United States: Institute for Health Metrics and Evaluation (IHME)2016. (accessed 2017 October 10)

※3厚生労働省 乳幼児突然死症候群について(accessed 2017 October 10)

※4 The health consequences of smoking- 50 years of progresss. U.S. Department of Health and Human Services, Centers for Disease Control and Prevention

※5 Maternal and paternal indoor or outdoor smoking and the risk of asthma in their children: a nationwide prospective birth cohort study. Drug Alcohol Depend. 2015 Feb 1;147:103-8.

※6 Smoking and the sud- den infant death syndrome: results from 1993-5 case-control study for confidential inquiry into stillbirths and deaths in infancy. BMJ 1996;313:195-8.

※7 Passive smoking and mortality from aortic dissection or aneurysm Atherosclerosis. 2017 Jun 9;263:145-150.

※8 Association Between Smoke-Free Legislation and Hospitalizations for Cardiac, Cerebrovascular, and Respiratory Diseases Circulation 2012; 126: 2177-83

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加熱式タバコでも電子タバコでも、分煙でも、受動喫煙は発生します!

加熱式タバコでも電子タバコでも、分煙でも、受動喫煙は発生します! http://www.huffingtonpost.jp/robust-health/passive-smoking-tobacco_a_23234625/

煙が出なくても受動喫煙は起きます。

2017年10月07日 08時06分 JST | 更新 2017年10月07日 08時06分 JST

衆議院解散から1週間、総選挙の争点の中には、半年前に盛り上がっていたはずの健康増進法改正の話は一切出てきていません。受動喫煙の対策強化を目指す法改正ですが、パラ五輪直前までうやむやになってしまうんでしょうか。その間にも、加熱式タバコのシェアは順調に伸びていくことでしょう。でも、煙が出なくても受動喫煙は起きます。うやむやにされている間、受動喫煙は続く、ということですよね。

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員

加熱式タバコでも電子タバコでも受動喫煙は起きている、という話は、ロハス・メディカルの最新号で書いたばかり。

●無煙タバコでも受動喫煙は発生  クリックすると読めます。

ざっくり言ってしまえば、煙は出ていなくても、蒸気は出ていて、そこには有害物質が含まれる、ということ。たぶん微量かもしれないけれど、でもロット間や製品間で差があるので、もしかしたらちょっと多い場合もあるかもしれない、という状況だそうです。いずれにしても受動喫煙してしまうんですね。

また、「受動喫煙を防ぎたいなら、分煙を徹底すればいいじゃない」という人もいるでしょう。特に、郊外型の飲食店など大型店舗なら、喫煙室を作るスペース的な余裕も充分にあります。現状では「分煙」とは名ばかり、ただ「ここからこっちは喫煙、ここからこっちは禁煙」と席を分けているだけで、煙が自由に行き交って充満している飲食店も珍しくありません。それを考えれば分煙を徹底すれば済むようにも見えますが、そうは問屋が卸さないようです。

●公共の場の分煙 健康を守れない  クリックすると読めます。

ですから法改正が進まないで放置されている間、紙巻きタバコが減って、加熱式タバコがシェアを伸ばし続けたとしても、それで受動喫煙が万事解決とはならないのです。むしろ、見えないけれど吸い込んでいる、というのはかえって恐ろしいこと。煙くて臭くて、というのなら、すぐ気づいて逃げようもあるかもしれないですが...。

ちなみにタバコは国の重要な財源、ってよく聞きますよね。実際、JTのホームページにも大きくはっきり「たばこ税は、一般財源として多大な貢献をしています」と書いてあります。でも、加熱式人気の一方で紙巻きタバコの売上が落ち込み、税収が500億減なのだとか。紙巻に比べて加熱式は税率が低いせいだそうです。となると、増税の議論から、加熱式タバコと受動喫煙の話が再燃するかもしれません(それまでに、加熱式タバコによる受動喫煙の影響についての研究がさらに進んでいてほしいですね)。パラ五輪直前までお預けかと思っていましたが、議論再開がもう少し早まることを期待したいと思います。

さて、以下は、法改正がお流れになって、今更思うこと。というか、今更腹が立ってきたというか、思い出しても呆れてしまって...。蛇足です。

個人的には、煙やら有害物質やらが「多い」とか「少ない」とかの観点での議論には、正直、違和感があります。だって、そもそもタバコは嗜好品。だから本人がその毒を甘んじて吸引する、というのは自由と言えば自由です。国民医療費の観点は別として。でも嗜好品だからこそ、周囲の人に毒をまき散らしちゃいけないに決まってます。確かに加熱式タバコは、従来の紙巻煙草よりも空気を汚染しないかもしれませんが、ゼロではないわけで。「ちょっとなら平気だし、仕方ないでしょ」みたいなのは、本来は嗜好品には許されない言い草のはずですよね。

でも、なぜかそういう話にはなりません。それどころか、法改正が見送られたのも、某与党が、厚労省案は厳しすぎて「飲食店が廃業に追い込まれかねない」と反発したためだったとか。飲食店はいつからみんながみんなタバコを吸いに行くところになったのかなあ、と思いました。だって成人喫煙率は、男性32.2%、女性8.2%で、平均でも2割以下。その2割弱の人たちだって、飲み食いしながら吸う人たちばかりじゃなくて、普通に食べて、食後に吸うだけの人もきっと大勢いますよね。

そもそも厚労省案でも、30平米以下の小さなバーやスナック、居酒屋などは例外を認めていました。30平米と言うと、10坪くらい。調理場を考えるとテーブルを置く余裕はなくて、ほぼカウンターのみのお店のはずです。そういった飲食店は、食事目的の通りすがりのお客さんより、お酒を飲みながらそこで何時間も話して過ごす常連客でもっているようなところが多そうです。愛煙家や、自分は吸わなくても煙を厭わない人が、夜な夜な集まっているのでしょうか。よく知り合った人同士なら、タバコの好き嫌いくらい、率直に言い合ったり気を使ったり出来そうです。だったら、禁煙を免除してあげてもよいかな、という気にもなります。あるいはその規模だとラーメン屋というのもあり得ますが、こだわりのラーメン屋さんはそもそも禁煙だったりしますよね。

そう考えると、本当は全面禁止であるべきと思いながらも、厚労省案はよく考えられた線引きがされていたんだなあ、と今更ちょっと感心。それに対して某与党は「100平米以下」を免除するよう主張してきたと言います。100平米、つまり30坪超って...。それを認めたら、都心の駅近くのほとんどの飲食店が含まれるんじゃないでしょうか。あの餃子の王将だって、通常の店舗は20坪から展開してるようです。その代替案じゃ決裂して当然ですが、そもそもそんな風に公然と法改正を骨抜きにしようとしてくるって、ある意味すごいなと思うのでした。選挙を経てどうなるのか、再び動きが出てくるのか、見守りたいと思います。

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受動喫煙“喫煙後30分は息から有害成分”

受動喫煙“喫煙後30分は息から有害成分

http://www.news24.jp/articles/2017/06/08/07363747.html

 たばこを吸わない人への健康被害、いわゆる受動喫煙をめぐる問題が社会的に大きな関心になっている。受動喫煙が周囲の人にどんな健康被害を及ぼすのか。“三次喫煙”という新しい考え方も交えて、諏訪中央病院・鎌田實名誉院長が解説する。

■受動喫煙の定義

 まず、たばこの煙には、喫煙者が吸う側から出てくる「主流煙」、火のついたタバコの先から出ている「副流煙」、そして、喫煙者がはき出した「呼出煙」の3つがある。受動喫煙は、この副流煙や呼出煙を吸ってしまうことをいう。

 特に、この副流煙は、主流煙に比べて、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などといった、有害物質が、数倍も多く含まれている。空気中に副流煙が広がることで、薄まったとしても、吸わない人も危険にさらされていることになる。

■受動喫煙による“死のリスク”

 国立がん研究センターによると、受動喫煙が原因とされる死者数の推計は、日本では年間約1万5000人といわれている。死因別で見ると、「肺がん」や「脳卒中」、「虚血性心疾患」、そして「SIDS(=乳幼児突然死症候群)」がある。

 これらの疾患による死亡リスクが、受動喫煙によって、どれだけ高くなってしまうのだろうか。受動喫煙のない人を1とした場合、受動喫煙がある人の死亡リスクは以下のようになっている。

・脳卒中 1.29倍

・肺がん 1.28倍

・虚血性心疾患 1.23倍

・SIDS 4.67倍(※1)

 どれも受動喫煙によって、リスクが20~30%高くなっているのがわかる。そして、過去に病気もなく、何の予兆もないまま、乳幼児が死にいたるSIDSでは、両親ともにたばこを吸わない場合を1とした時、両親ともに喫煙者の場合(※1)で、4.67倍となっていて、その影響の大きさがわかる。

■吸って30分は“呼気から有害成分”

 近くで吸わなければいいというだけではないことにも注意が必要だ。よく、家の中で吸えないからと、ベランダや玄関先でたばこを吸う人もいるが、実はたばこを吸った後は、すぐに子供に近づいてはいけない。

 受動喫煙に詳しい、産業医科大学・大和教授は「(目に見えない)煙の成分は、たばこを吸い終わった後も20~30分は呼気から出つづけている」と話す。子供を大切に思うならば、たばこを吸い終わっても、30分は有害な成分を出し続けているわけだから、家族に近づくことは避けるべきだと言える。

■髪の毛や壁から…“三次喫煙”という考え方

 それだけではない。ここまでは、受動喫煙についての話だが、これは二次的な喫煙にあたる。実は、最近になって、その先の三次喫煙という考え方が出てきている。三次喫煙とは、煙の成分は、たばこを吸う人の手や髪の毛、服にも付いている。

 さらに部屋の中でたばこを吸うと、カーテン、壁などにも付着している。これらから煙の成分を吸い込んでしまうことを三次喫煙という。手や髪の毛、服、カーテンなどは洗えばいいが、壁などは困る。壁などについた、有害な成分は、ふき掃除などでは除去できないからだ。

 三次喫煙が、どのくらい健康に影響があるのか、まだ研究は進んでいないが、最も影響を受けるのは乳幼児だともいわれている。小さなお子さんがいる方は、たばこを吸ったことのある部屋には入れない、などの対策が必要だ。

■マナーや嗜好では済まされない

 今回の結論は「煙への意識改革を」。たばこを吸うのは個人の自由かもしれない。ただ、マナーとか嗜好といった言葉では、済まされないのが受動喫煙や三次喫煙の問題だ。喫煙という、自分の行為が家族や周囲の人の健康をも脅かすモノだということを今一度認識して、吸う人も吸わない人も一緒になって意識改革することが必要だろう。

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受動喫煙に「足を切断するリスク」

受動喫煙に「足を切断するリスク」

9/26(火) 17:18

 受動喫煙によって引き起こされる各種疾患の関係については、もう毎日のように新しい論文が出ている。今日はそのうちの一つを紹介したい。

末梢動脈疾患という恐ろしい病気

 糖尿病や高血圧などの生活習慣病と関係が深く、喫煙によってリスクが上昇することがわかっている「末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease、PAD、または閉塞性動脈硬化症:Arteriosclerosis Obliterans、ASO)」という病気がある。

 日本血管外科学会のHPによれば「足の動脈が狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなり、足にさまざまな症状を引き起こす病気」とあり、「多くは動脈硬化によって、腹部大動脈から下肢動脈が詰ま」ることで引き起こされる。また、末梢動脈について「末梢閉塞性動脈疾患の治療ガイドライン」(※1)では「冠動脈以外の末梢動脈である大動脈、四肢動脈、頸動脈、腹部内臓動脈、腎動脈」とあり、足以外の動脈も指す。

 これら動脈の内側が加齢や生活習慣病、喫煙などが原因で、硬くもろくなり(動脈硬化)、コレステロールの脂質が沈着して血管が狭くなれば血液の流れが悪くなる。すると、動脈が運ぶ血液から酸素や栄養をもらっていた筋肉や臓器、皮膚などに血行不良が起き、傷つきやすくなる。これが末梢動脈疾患という病気だが、歩行後にお尻や太もも、ふくらはぎなどにしびれや痛みが出たり、ちょっとした傷口が腫瘍化したり、組織が壊死したりする。

 糖尿病の患者や人工透析患者が末梢動脈疾患によって足を切断せざるを得ないように重症化する場合も多い。こうした患者の場合、切断後の5年生存率が42%といったショッキングな数字もある。

 末梢動脈疾患の患者は、冠動脈疾患や脳卒中による死亡率も高いことが知られているが、血液を凝固させやすくし、一酸化窒素(NO)の機能を失わせるなどする喫煙との強い関係が示されている(※2)。喫煙の量に応じてリスクが高くなることがわかっており、ヘビースモーカーは非喫煙者の4倍も末梢動脈疾患にかかるリスクが高い(※3)。

受動喫煙と末梢動脈疾患には関係があった

 そんな末梢動脈疾患だが、先日、受動喫煙との関係を調べたシステマティックレビュー論文が『atherosclerosis』という医学雑誌に出た(※4)。検索キーワードから学術誌に掲載された151の論文を選び、その中から目的に合致しない論文やバイアスなどの影響がありそうな論文、偏見や矛盾を含んだ論文などを排除、最終的に12の論文(n=1209~19748、コホート研究4、対象者を1回だけ観察する横断研究6、ランダム化比較試験2)に絞り込んで評価した。

 選んだ12の論文の対象者は共通で18歳以上、それぞれの論文の対象を合わせると男女ほぼ半々だった。受動喫煙については、アンケート形式の自己申告で、うち3つの研究ではコチニン(ニコチンの代謝物)を計っている。末梢動脈疾患の基準は、しばらく歩くとお尻や足にしびれや痛みを感じるかどうか(間欠性跛行)、足の部位ごとに血圧を計って血管のつまり具合を示す指標(ABI値)、血管の内側を調べる検査(FMD検査)、炎症反応などをみた。

 その結果、12の論文のうち、3つの論文で受動喫煙を受けることと末梢動脈疾患の診断が出ることに正の相関があり、6つの論文で受動喫煙と血管損傷との間に関係があることがわかった。残りの3つの論文では有意な差はみられなかった。また、関係に矛盾する部分がみられる論文もあった。

 末梢動脈疾患は高齢化により世界的に増加しつつある病気の一つだが、受動喫煙によって生活習慣病の患者ではなくてもかかってしまうリスクが上がることがこの論文でうかがえる。特に喫煙者でなくとも、糖尿病にかかっていたり人工透析をしていたりする患者が受動喫煙にさらされることはとても危険だ。場合によっては足を切断せざるを得なくなったり、そのせいで死亡リスクがあがったりするのだから。

受動喫煙被害のエビデンスとは

 ところで先日、あるネット記事を読んでいたら「受動喫煙の健康への害は科学的に証明されていない」という文言があった。おそらくJT(日本たばこ産業)あたりがクライアントの広告タイアップ記事だろうが、そうでなければまだこうした間違った知識がはびこっているのだろう。

 2020年の東京五輪や2019年のラグビーW杯に向け、政府・厚労省、東京都などが受動喫煙防止対策に乗り出し、法令整備を進めている背景には、受動喫煙の明かな健康被害があるからだ。このあたりについて、まだ疑問を抱いている方がいれば、国立がん研究センターとJTとの間の下記のやり取りを読んでいただきたい。

 国立がん研究センターは「受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍」というリリースを2016年8月31日に出した。これに対し、JTは小泉光臣代表取締役社長名で「受動喫煙と肺がんに関わる国立がん研究センター発表に対するJTコメント」で反論。国立がん研究センターはJTコメントへの「見解」を2016年9月28日に発表する。

 最初に国立がん研究センター出したリリースの内容は、受動喫煙による肺がんリスクを「ほぼ確実」から「確実」へグレードアップ(ダウン)するものだ。JTのほうは、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論づけることは困難、とし、科学的に説得力のある形で結論付けられていない、と主張する。

 これに対する国立がん研究センターのコメントは、受動喫煙による肺がんリスクは、疫学研究のみならず、たばこ煙の成分の化学分析、および動物実験などの生物学的メカニズムの分析においても、科学的に明確に立証されているとした。また、説得力がない、というJTの指摘には、論文選択の恣意性を排除した「メタアナリシスの国際的なガイドラインであるPRISMAに従った」適正な手法だと主張している。

 このやり取りは肺がんと受動喫煙の因果関係に関するものだ。この内容を読者がどう判断するかはおまかせするが、冒頭で紹介した末梢動脈疾患と受動喫煙との関係のように、多種多様な病気と受動喫煙との関係が続々と明らかになってきている。

 場合によっては、タバコを吸う能動喫煙よりも健康への悪影響のある受動喫煙。この危険性から子どもを含めた非喫煙者を守らなければならないが、それは政治や行政の役割となっているのだ。

※1:2015年改訂版。合同研究班(日本循環器学会、日本インターベンショナルラジオロジー学会、日本形成外科学会、日本血管外科学会、日本血管内治療学会、日本血栓止血学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心臓血管外科学会、日本心臓病学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会、日本脈管学会、日本老年医学会)報告

※2:外田洋孝 、 廣岡茂樹 、 折田博之 、 若林一郎、「喫煙と下肢末梢動脈疾患に関する最近の知見」、日本衛生学雑誌、Vol.70、3号、211-219、2015

※3:L. Norgren, et al., "Inter-Society Consensus for the Management of Peripheral Arterial Disease (TASC II)." Journal of Vascular Surgery, Vol.45, Issue.1, 2007

※4:Natalie LY Ngu, Mark McEvoy, "Environmental tobacco smoke and peripheral arterial disease: A review." atherosclerosis, 10.1016/j.atherosclerosis.2017.09.024, 21, Sep, 2017

※4『atherosclerosis』は、欧州アテローム性動脈硬化症学会(The European Atherosclerosis Society、EAS)が出版しているアテローム性動脈硬化症の専門月刊誌。インパクトファクターは3.971。

※4:システマティックレビュー(Systematic review)とは、研究論文を網羅的に探索し、その中からバイアスや交絡が排除され、ランダム化比較試験を用いたものなど質の高い論文だけを選び出し、根拠に基づく医療(Evidence based medicine)のための情報として用い、目的の研究について評価する手法。複数の研究結果を統合し、解析を行うメタアナリシス(Meta-analysis、メタ解析)はその方法の一つ。

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受動喫煙でも大動脈疾患 死亡リスク2倍超に

受動喫煙でも大動脈疾患 死亡リスク2倍超に

2017.9.26 08:20

 受動喫煙にさらされる程度の高い人は、低い人に比べて、大動脈の病気で死亡するリスクが2倍以上に高まることが、筑波大などによる大規模疫学調査で分かった。

 調査結果を発表した山岸良匡准教授(社会健康医学)は「受動喫煙で肺がんや脳卒中のリスクが高まることは知られていたが、大動脈疾患との関係が明らかになるのは初めて」としている。

 チームは昭和63~平成2年、全国の4万8677人(40~79歳)に喫煙や受動喫煙の頻度、生活習慣や健康状態について尋ね、その後、94%の人を平均16年にわたって追跡調査した。

 その結果、大動脈の内側が裂ける「大動脈解離」で66人、大動脈がこぶのように膨らむ「大動脈瘤(りゅう)」が原因で75人が死亡していた。

 チームは受動喫煙の頻度を3つに分類。家庭内外でほとんどない「程度が低い」、家庭内でほぼ毎日2時間以上または職場や飲食店でほぼ毎日の「程度が高い」、その中間の「中程度」で、亡くなるまでの年数を考慮して分析した。

 その結果、「程度が高い」人は、大動脈解離や大動脈瘤のために死亡するリスクが「程度が低い」人の2.35倍に上った。また、「以前たばこを吸っていた」人のリスク(1.62倍)より高かった。喫煙者は4.09倍だった。

 さらに、家庭内より職場や飲食店での受動喫煙の方が、リスクが高くなることも分かった。これについて山岸准教授は、「煙にさらされる時間が長く、煙の量も多いためではないか」と推測する。

 飲食店などの受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正では「十分な対策を講じなければならない」と注意喚起している。

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受動喫煙の目標値盛り込まず閣議決定へ がん対策計画案

受動喫煙の目標値盛り込まず閣議決定へ がん対策計画案

2017年9月27日19時43分

 国のがん施策を示す「第3期がん対策推進基本計画案」が、受動喫煙に関する目標値を盛り込まないまま閣議決定される見通しとなった。厚生労働省が27日、公明党厚労部会に計画案を提示し、了承された。受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案がまとまれば、内容を踏まえて追加する方針という。

 基本計画は2017~22年度のがん対策の指針。がんゲノム医療の推進やがん予防の充実などを含む。これをもとに都道府県は、目標達成のための計画を作らなければならない。受動喫煙対策部分以外は、6月にまとまっていた。

 受動喫煙対策について、第2期がん計画は「行政機関と医療機関は22年度、職場は20年度までにゼロ。飲食店は22年度までに15%」としている。3期の計画を検討したがん患者や識者でつくる「がん対策推進協議会」は6月、東京五輪・パラリンピックのある20年までに「飲食店や職場、家庭など全ての場所でゼロ」とする新目標を盛り込む方針で一致していた。

 だが健康増進法の改正案が先の通常国会で自民党との調整がつかず、まとまらなかった。このため受動喫煙部分の内容が決まらず、今夏を目標としていたがん計画の閣議決定も遅れていた。これ以上遅れると、都道府県の計画づくりに支障が出るとして、決めた。厚労省は近く、パブリックコメントを実施して、意見を募る。(黒田壮吉、福地慶太郎)

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