受動喫煙

敷地内禁煙、4市町村庁舎が来年実施へ 受動喫煙ゼロへ一歩

敷地内禁煙、4市町村庁舎が来年実施へ 受動喫煙ゼロへ一歩

https://www.sakigake.jp/news/article/20181113AK0006/

2018年11月13日 掲載

 受動喫煙対策を強化するため、秋田県内の市町村が本庁舎の敷地内を全面禁煙にする方針を相次いで打ち出している。既に始めた市町村は一つもないが、鹿角市、由利本荘市、大潟村、美郷町の4市町村が来年から開始する予定。ほかにも多くの市町村が実施を検討しており、行政機関を屋内完全禁煙とする改正健康増進法より踏み込んだ受動喫煙対策が急速に広がる可能性が出てきた。

 由利本荘市の本庁舎脇にある職員用喫煙室。今月上旬の昼下がり、職員が代わる代わる訪れて一服し、灰皿は吸い殻でいっぱいになった。

 来年4月から敷地内禁煙となるため、喫煙室はなくなる。それに先立ち、1月からは勤務時間中の喫煙を禁止。たばこを吸えるのは休憩時間だけになる。

 気分転換のため、たばこを吸うという30代男性職員は「決まったことには当然従うが、困ったなというのが正直な気持ち。たばこをやめられるといいのだが…」と漏らす。

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ベランダ越しの受動喫煙で近所トラブル、悪いのはいつも喫煙者?

ベランダ越しの受動喫煙で近所トラブル、悪いのはいつも喫煙者?

https://news.nicovideo.jp/watch/nw4177015

2018/11/12 07:30

2012年の名古屋地裁判決以降、肩身が狭くなった喫煙者

オリンピック・パラリンピックの開催を2020年に控え、厚生労働省が受動喫煙防止対策の強化に乗り出すなど、喫煙者は肩身が狭くなる一方の昨今です。真夏は汗だくになりながら、また真冬は寒さで身を震わせながら、マンションやアパートのベランダで喫煙する人も多いのではないでしょうか。

今回はベランダなどで喫煙をしている、いわゆる「ホタル族」の人たちの喫煙場所が失われかねない現状について考えてみようと思います。

ベランダでの喫煙を論じる際によく登場するのが、2012年(平成24年)の名古屋地裁判決です。「下の階の住民がベランダで喫煙していたことに対して、上の階の住民が訴訟を提起し、裁判所が喫煙者側に慰謝料5万円の支払いを命じた」という判決です。

細かい事情はいろいろとありますが、ベランダでの喫煙を違法と断じた裁判例として有名です。もちろんこれをもって、「いかなる場合もベランダで喫煙をすることが違法」というわけではありませんが、なかなか画期的な判決だと思います。その後、喫煙者の肩身はどんどん狭くなり、今では「ベランダでの喫煙を禁止する」といった管理規約のマンションも増えているようです。

法律的には合法だが、喫煙禁止の条例がある場所での行為には罰則がある場合も

タバコが人体に有害なものであり、自分が吸ったわけでもないのに受動喫煙で健康被害などに遭うということを考えると、喫煙する側も「周りへの迷惑を考え、十分に配慮しなければならない」というのは常識的に理解されていることだと思います。

ただ法律的にみれば、タバコは合法な嗜好(しこう)品として販売されているものであり、タバコを吸うこと自体が直ちに違法な行為となるわけではありません。

路上喫煙等を禁止する条例がある場所での喫煙行為は、罰則を設けているケースもありますので、そういった限定的な場面を除き、法令違反となるというものではないと言えます。集合住宅等で喫煙禁止となっているケースでは、禁止された場所で喫煙をした場合、契約違反となって契約上のペナルティーを負う可能性もあります。

また、お店などで「禁煙」とされている場所で喫煙をした場合、そのお店等のルールに従わなかったということで退店を要求されることになるかと思われます。お店のルールとして、喫煙をしてはいけない場所だということを分かっているにもかかわらず喫煙をした場合、先の名古屋地裁の裁判例のように民事上の慰謝料支払い義務が生じる余地はあり得るでしょう。

また、退店の要求に反して居座って喫煙を継続したということになれば、刑法上の不退去罪(刑法130条後段)が成立し得ます。そこまでいくケースはまれだとは思いますが、念のため指摘しておきます。

タバコをめぐるトラブルの回避には喫煙者のモラルに期待

現状、日本でタバコが合法なものとして販売されている以上、条例等で限定的な範囲で喫煙が違法となる場合を除き、法令によりタバコを吸うこと自体が禁じられているということはありません。

嫌煙家からすれば「もっと取り締まりを強化してほしい」「法で喫煙そのものを禁止してほしい」と思うかもしれません。ただ、税収面のこともあるでしょうし、タバコ産業に勤務し、それで生計を立てている人たちを無視することもできません。

「法令でタバコを禁止することは難しい」、とはいえ「タバコが他人の迷惑になり得るものである」ということを踏まえると、タバコをめぐるトラブルを回避するためには、喫煙者のモラル、マナーに期待せざるを得ないということです。

ほんの少しの気遣いでタバコによるトラブルは回避できると思います。例えば、ベランダでの喫煙が禁止されていない集合住宅等において、ベランダで喫煙をする際に、隣や上の窓が開いていないか確認する、洗濯物を干している場合は、できるだけ遠いサイドへ移動して喫煙するなどの心遣いが第一歩かと思います。

かくいう私も愛煙家ではあります。昨年、タバコを吸わない人のことも考え、従来の紙巻きタバコから加熱式タバコに変えてみました。最初は違和感しかありませんでしたが、すぐに慣れました。「加熱式タバコでも、他人への害がゼロということではない」ということは自覚していますが、においが少ないことで周囲の評価は上々です。個人的にはおすすめです。

(河野 晃/弁護士)

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非喫煙でも「たばこ病」に 歯周病でリスク上昇

非喫煙でも「たばこ病」に 歯周病でリスク上昇

https://www.asahi.com/articles/ASLBD3WN6LBDTIPE00W.html

福島慎吾2018年11月6日12時24分

 歯周病の人は、肺に炎症ができて呼吸がしづらくなる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)になりやすいことが、福岡県久山町の住民を対象にした九州大の大規模追跡調査でわかった。COPDは原因のほとんどが喫煙とされ「たばこ病」として知られるが、非喫煙者でも、歯と歯ぐきの間で増えた細菌が肺に入るなどして呼吸機能が低下する可能性があるという。

 九大の竹内研時助教(歯科公衆衛生学)らが英科学誌に論文を発表した。40~80代の住民約1600人について、歯周病の状況と、空気を吐き出せる量から肺の機能を判定するCOPDの検査の結果を3年間追跡。喫煙の影響を差し引いて分析した結果、歯周病が最も進行していた約400人は、症状が軽い人の集団に比べて、肺機能が低下する割合が約1・4倍高かったという。

 COPDの患者数は全国で推定約530万人。大半がたばこを吸い続けることで発症するとされるが、吸わない人も発症することがある。竹内さんは「口の健康管理が肺の健康を守る。歯周病は予防ができる。毎日の歯磨きを徹底し、定期的に歯医者に行くことが大事」と呼びかけている。(福島慎吾)

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「車内に子供」喫煙で罰則、条例見直しで提言へ

「車内に子供」喫煙で罰則、条例見直しで提言へ

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181030-OYT1T50039.html

2018年10月30日 07時45分

 兵庫県の受動喫煙防止条例を見直している有識者委員会が、全国で初めて「家の中」や「自家用車内」などの私的空間でも子供がいれば全面禁煙を義務づけるよう近く県に提言することがわかった。家の中は罰則対象から外すが、自家用車内での違反には罰則を科す異例の内容だ。受動喫煙から子供を守る流れの強まりといえる一方、私的空間の規制には反発も予想される。

 2013年施行の兵庫県の受動喫煙防止条例は、神奈川県に次いで全国で2番目の罰則付き条例として、公共施設での全面禁煙や面積100平方メートル超の飲食店などでの分煙を義務付けたが、私的空間への規制はなかった。

 条例は、社会情勢の変化に合うよう5年後に見直すよう規定されており、県の要請で昨年7月から、県立尼崎総合医療センターの藤原久義名誉院長をトップとする14人の有識者委が見直しを進めている。委員は医療、飲食、宿泊、NPOなど各業界関係者で構成され、11月にも提言をまとめる。

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松井大阪府知事の運転手が被害? 受動喫煙防止対策は骨抜きなのか

松井大阪府知事の運転手が被害? 受動喫煙防止対策は骨抜きなのか

https://dot.asahi.com/wa/2018103000008.html?page=1

今西憲之2018.10.31 11:30週刊朝日

 大阪府の松井一郎知事が、10月2日の大阪府議会の休憩時間に公用車を走らせ、車内を喫煙室代わりにしていたことが問題になっている。

 発覚したのは、自民党の密城浩明府議が鉢合わせしたことがきっかけだった。2日の午後3時ごろ、トイレに行った密城府議は、府庁の正面玄関に黒いワンボックスカーが停車しているのを目にした。

「誰かお客様かと思えば、後方のドアが開き缶コーヒーを手にした松井知事が乗り込み、発車。休憩中にどこへ行くのかと思っていたら、数分で戻ってきた。おかしいと公用車の使用履歴を調べると3時3分から9分までの6分間、府庁周辺を走っただけ。たばこを吸うために公用車を使ったんじゃないかと思った」

 密城府議は10月22日、府議会で松井知事を追及。

「税金の無駄遣いと思っていない。気分転換で、府民に理解いただけると思う」

「窓を開けて、マナーを守って同乗者に配慮しながら喫煙している」と釈明した。

 だが、周囲のざわつきはまだ続いている。大阪府庁は2008年から庁舎敷地内を禁煙とした。25年の万博誘致のため、受動喫煙対策で国の改正健康増進法より厳しい内容の条例制定を目指すとしていた。

 昼休みになると、大阪府庁前の交差点を南に渡ったところに、もくもくと煙が上がっている一角がある。ここが府庁職員の喫煙所となっている。このような喫煙所はもう1カ所あり、昼休みは大入り満員だ。愛煙家の府職員は、こう不満をぶちまける。

「公用車で喫煙していた松井知事は、私らには、勤務中は吸うな、吸うなら昼休みだけにしろ、しかも庁舎からわざわざ道を隔てて歩いて喫煙所に行けと指示している。明らかな言行不一致、おかしいですわ」

 というのも、これまで大阪府では、勤務中に喫煙していたことで処分者が10人ほど出ているのだ。

 今年4月にも、男性職員が1日数回、席を離れ近隣のビルで喫煙していたのが発覚。依願退職している。

 松井知事は、密城府議の追及に、公用車を「喫煙室代わり」にしていたのは、今回発覚する以前からだったと認めている。

 それでも松井知事は府議会で「禁煙しません」と宣言した。約3週間後に迫る万博誘致の投票に影響が出るというバッシングもある中、どう対応するのだろうか?(本誌・今西憲之)

※週刊朝日  2018年11月9日号

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「どこで吸えばいいの」ベランダ喫煙トラブル、解決に限界 受動喫煙でうつ病リスクも

「どこで吸えばいいの」ベランダ喫煙トラブル、解決に限界 受動喫煙でうつ病リスクも

https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/637006/

2018年10月23日 西日本新聞

 「隣人がベランダでたばこを吸っていて、臭いが家の中まで入ってくる。やめてほしいと手紙や口頭で訴えたが効果がない」。ベランダで喫煙する“ホタル族”に悩まされているとの声が、福岡県内の集合住宅に住む会社員男性(42)から特命取材班に寄せられた。そういえば最近、あちこちの集合住宅で「喫煙に関するお願い」なる張り紙をよく見掛ける。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に禁煙の動きが広がる中、集合住宅での喫煙問題を取材した。

 男性は賃貸マンションに居住。隣の住民は朝と夜を中心に複数回喫煙し、春や秋など窓を開けているときは、室内もたばこ臭くなる。妻子も気にしており、昨年秋、管理会社に相談すると、エレベーターに張り紙が掲示されたが、全住民宛てで「周りの部屋への配慮をお願いします」との内容にとどまった。管理会社は「入居時に配布した居住ルールに喫煙に関する規定はなく、あとは個人間で解決してもらうしかない」という。効果はなく、匿名で手紙を投函(とうかん)したが、それでも喫煙は続いた。

 ある日、隣人が喫煙している最中にベランダ越しに声を掛け、口論になった。以来、あいさつもしなくなった。「深夜も臭いで目覚め、その後は寝付けなくなる。家族に配慮してベランダに出ているのだろうが、近所迷惑も考えてほしい。子どもの学校があり、引っ越すこともできない…」。男性はため息をつく。

   ■    ■

 ホタル族による煙害を巡っては、名古屋地裁が12年、ベランダで吸わないようマンション上階の住人から何度も申し入れられたのにやめず、住人に精神的損害を与えたとして、喫煙者に5万円の賠償を命じた。全国の約1700人でつくる「近隣住宅受動喫煙被害者の会」も昨年5月に結成された。ベランダ喫煙を禁止する条例の制定を各自治体に求めていくという。

 ただ、ベランダはエレベーターや階段と同じ「共用部分」だが、各戸の住民が使用権を持つ「専用使用部分」にも当たり、植木鉢を置くなどある程度自由な使い方が認められている。強く禁煙を求めるのであれば、賃貸なら大家が居住ルールに盛り込んでおくこと、分譲なら管理組合に諮って規約や使用細則に定めることが必要で、容易ではない。

 20年4月施行の改正健康増進法で、原則禁煙となるのは飲食店や職場やホテルロビー、遊興施設など多くの人が集まる場所だけ。ベランダや室内は「周囲の状況に配慮しなければならない」としながら、喫煙自体は認めている。

 打開策として、ベランダや室内も含め「敷地内全面禁煙」をうたうマンションが登場し始めた。

 廣田商事(福岡市)は昨年3月、全面禁煙の賃貸マンション(48戸)を同市中央区に建設。大濠公園まで徒歩圏内という立地を生かし、居住者に健康的な生活を送ってほしいとの願いを込めた。契約時、来客の喫煙も禁じると明記した誓約書にサインが必要だ。

 同様に、アトラックス(同市)は来年7月に完成する分譲マンション(31戸)を全面禁煙にする予定だ。倉田新一社長(54)は隣人の喫煙に悩まされた経験があり「非喫煙者が安心して快適に過ごせるマンションをつくりたい」と話す。

   ■    ■

 国立がん研究センター(東京)は、受動喫煙による肺がんや心疾患などの死者は年1万5千人に上ると推計する。

 ホタル族による影響については、産業医科大(北九州市)の大和浩教授が調査。スタッフに集合住宅の1階ベランダで喫煙してもらい、隣室と上階それぞれのベランダと室内、計4カ所で、肺がんや呼吸器系、循環器系疾患を引き起こす恐れのある微小粒子状物質(PM2・5)の濃度を測ったところ、いずれも平時より高濃度を示した。受動喫煙でうつ病のリスクも高くなるとの調査結果もある。

 家庭で嫌われ、ベランダや屋外でも苦情が寄せられ、「じゃあどこで吸えばいいの」との嘆きが喫煙者から聞こえてきそうだ。

 かつて愛煙家だったという、集合住宅のトラブルに詳しい松坂徹也弁護士(71)は「一服ぐらい、という気持ちは分かるが、あくまで他人に迷惑をかけない範囲であるべきだ。集合住宅に住む以上、苦情が寄せられたら改めるしかないのではないか」と話している。

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喫煙者の子が最も危ない!「3次喫煙」の恐怖 子どもの前での喫煙は虐待に等しい

喫煙者の子が最も危ない!「3次喫煙」の恐怖 子どもの前での喫煙は虐待に等しい

https://toyokeizai.net/articles/-/244866

2018/10/24 15:00

大人であれば、他人のたばこの煙を吸わずにすませるための選択肢はいろいろとある。私の場合で言えば、自宅や自家用車は禁煙と定めているし、そもそも友人や近い親族の中に喫煙者はいない。町中で喫煙者に出会った場合も、そばを通りたくなければ道の反対側に渡ればいい。外食の際はオープンカフェのような席は避けて屋内の席を選び、店やオフィスビルの外でたばこを吸っている人のそばを通るときは息を止めている。

だが子どもの場合、親などの親族、ベビーシッターや保育施設のスタッフ、スクールバスの乗務員や教師といった身近な存在がたばこを吸っていたら、自分ではどうしようもない。

家具や衣服などについた有害物質

たとえ子どものいる前ではたばこに火を付けなかったとしても、喫煙者と接触のある子どもたちは「3次喫煙」という形で家具や衣服、皮膚などに残った有害物質にさらされている。たばこを吸わない人であれば、手を伸ばせば届く範囲に喫煙者がいればたばこの臭いに気づくはず。そんな人に大事な赤ちゃんを抱かせたいと思うだろうか?

たばこを吸うのはアメリカの成人の4人に1人にすぎないというのに、継続的に2次喫煙とも言われる受動喫煙、または3次喫煙を余儀なくされている子どもは全体の半数に上る。専門家によれば、そうした子どもたちの多くは現在から将来にわたって健康被害を受け続けることになる。

受動喫煙の害は科学的に証明されている。アメリカ小児科学会(AAP)によれば、受動喫煙が原因の肺がんで死亡する非喫煙者の数は年に約3000人、心臓病では数万人に上る。

たばこを燃焼させることで出る煙には約4000種の化学物質が含まれているが、その中には有害なものも多く、うち50種には発がん性があることが知られている。喫煙者とともに暮らす赤ちゃんは乳幼児突然死症候群(SIDS)になるリスクが高い。私も生後7カ月の赤ちゃんがSIDSで死亡した例を知っているが、この場合も母親の喫煙が原因だったとされている。

AAPの報告によれば、受動喫煙をしている子どもは耳の感染症や咳や風邪、気管支炎や肺炎、虫歯になりやすいという。また、喘鳴や鼻づまり、頭痛、咽喉炎、目の炎症や声がれを起こしやすく、呼吸器感染症を起こすとなかなか治らない傾向があるという。学校を欠席したりスポーツの試合に出られなかったり、友達との楽しいイベントを逃すことも多いとされる。

たぶん、最も深刻なリスクにさらされているのはぜんそくぎみの子どもだろう。発作の回数が多いうえに発作そのものも重くなる傾向にあり、救急医療のお世話になったり入院することも多いという。私のおいも何度も生命の危険を伴うぜんそくの発作で病院に搬送されたが、母親はたばこをやめなかった。子どものそばで吸うこともあった。

これまでに挙げたのはあくまでも短期的なリスクだ。受動喫煙が子どもに与える長期的なリスクとしては、肺の発達不全や、子ども自身が喫煙者になりやすい傾向が考えられる。たとえたばこを吸わなかったとしても、心臓病や肺がん、白内障、リューマチ性関節炎を発症するリスクがほかの人より高くなる。

2次喫煙より被害をもたらす可能性も

賢明な親であるならば、喫煙が許されているいかなる場所にも子どもを近づけないよう努めるべきだ。たとえそのときその場でたばこを吸う人がいなかったとしてもだ。理由は、そうした環境中にはニコチンを初めとするたばこに含まれる有害物質が煙が消えた後も長く残っており、そうした3次喫煙による健康被害への懸念が高まっているからだ。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)が発行する『タバコ・コントロール』誌で先頃、シンシナティ大学の研究チームが発表した論文にはこう書かれている。「私たちの発見からは、周囲の誰もたばこを吸っていないときでも、(それ以前に吸った)たばこの煙の有害物質が子どもの手についてしまうことがうかがえる」

研究チームは副流煙の残存物が「ほこりや物体、家庭内のもののさまざまな表面、喫煙者の皮膚や衣類に蓄積している」ことを挙げるとともに、環境中に残存したたばこの有毒物質は子どもの手から口、体内へと容易に入り込んでしまうと指摘している。3次喫煙によって子ども、特に乳幼児が抱えることになる合併症リスクは大人よりも深刻だ。理由は、屋内でたばこの有毒物質で汚染されたものに囲まれて過ごす時間が長いからだ。

研究チームは父母もしくはそのいずれかが喫煙している25人の幼児について、手に高レベルのニコチンがついている証拠を発見した。これらの子どもたちはたばこの煙の残存物にさらされたことと関係が疑われる病気で病院に担ぎ込まれた経験があった。生活し遊ぶ場所で3次喫煙の有毒物質や周囲の喫煙者からの副流煙にさらされ、子どもたちにとってはダブルパンチだ。

さらに研究チームは、3次喫煙が2次喫煙よりも健康に害をもたらす可能性を指摘した。3次喫煙には「副流煙では見つかっていない新たな汚染物質」が含まれているうえ、「(汚染物質と接触する)いくつものルートがあり、汚染物質にさらされている時間もずっと長い」からだ。

AAPの学術誌『小児医学』では、7389人の非喫煙者の青年を対象にしたシンシナティ大学の別の研究が発表されている。これによれば喫煙者と同居していて自宅で3次喫煙にさらされている人は、息切れを起こしやすく運動をつらく感じる傾向が強かったという。調査対象者にぜんそくの既往はなかったが、健康状態が非常にいいと答えた人は比較的少なかった。また、学校を病気で休んだり、救急医療を利用したり予約なしで医者にかかる割合も高かった。

「(3次喫煙に)さらされている子どもや青年が救急医療を受ける率は最大で(そうでない人々の)3.5倍だ」と、論文の主著者であるアシュリー・メリアノスは書いている。

喫煙は子どもに身体的被害を及ぼす

もちろん、最も深刻なのは両親が子どもたちの前でも喫煙しているようなケースがもたらすリスクだ。ノースカロライナ大学チャペルヒル校医学大学院の家庭医療学のスペシャリストであるアダム・ゴールドスタイン医師に言わせれば、これは児童虐待に等しい。

「社会は未成年者がアスベストやヒ素やアルコールや鉛にさらされることには神経を尖らせるくせに、たばこの煙にさらされることはまるで別問題であるかのような対応だ」と彼は言う。「(たばこの煙は)子どもたちの健康に有害だ。量が多ければ多いほど害になる。どこまでなら安全ということもない」

家庭医療学紀要の論説でゴールドスタインは、5歳と7歳の子どものいる親に対し、3年にわたって少なくとも10回も禁煙を勧めたという経験を語っている。「子どもたちは耳の感染症や咳、気管支炎やぜんそくで繰り返し受診していたからだ」

あるときなど、下の子が肺炎を起こして人工呼吸器が必要なほど悪化したにもかかわらず「両親は禁煙や禁煙のための医薬品、たばこの煙に子どもたちをさらさないための対策についてもわれわれと話し合おうとはしなかった」という。

後で思えば、児童虐待が疑われると福祉当局に連絡すべきだったと彼は述べている。親の喫煙が子どもに身体的な危害を及ぼしていたからだ。

(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)

(c) 2018 New York Times News Service

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「どこで吸えばいいの」ベランダ喫煙トラブル、解決に限界 受動喫煙でうつ病リスクも

「どこで吸えばいいの」ベランダ喫煙トラブル、解決に限界 受動喫煙でうつ病リスクも

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-00010000-nishinp-soci

10/19(金) 10:04配信

 「隣人がベランダでたばこを吸っていて、臭いが家の中まで入ってくる。やめてほしいと手紙や口頭で訴えたが効果がない」。ベランダで喫煙する“ホタル族”に悩まされているとの声が、福岡県内の集合住宅に住む会社員男性(42)から特命取材班に寄せられた。そういえば最近、あちこちの集合住宅で「喫煙に関するお願い」なる張り紙をよく見掛ける。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に禁煙の動きが広がる中、集合住宅での喫煙問題を取材した。

 男性は賃貸マンションに居住。隣の住民は朝と夜を中心に複数回喫煙し、春や秋など窓を開けているときは、室内もたばこ臭くなる。妻子も気にしており、昨年秋、管理会社に相談すると、エレベーターに張り紙が掲示されたが、全住民宛てで「周りの部屋への配慮をお願いします」との内容にとどまった。管理会社は「入居時に配布した居住ルールに喫煙に関する規定はなく、あとは個人間で解決してもらうしかない」という。効果はなく、匿名で手紙を投函(とうかん)したが、それでも喫煙は続いた。

 ある日、隣人が喫煙している最中にベランダ越しに声を掛け、口論になった。以来、あいさつもしなくなった。「深夜も臭いで目覚め、その後は寝付けなくなる。家族に配慮してベランダに出ているのだろうが、近所迷惑も考えてほしい。子どもの学校があり、引っ越すこともできない…」。男性はため息をつく。

ベランダ喫煙、5万円の賠償命じた例も

 ホタル族による煙害を巡っては、名古屋地裁が12年、ベランダで吸わないようマンション上階の住人から何度も申し入れられたのにやめず、住人に精神的損害を与えたとして、喫煙者に5万円の賠償を命じた。全国の約1700人でつくる「近隣住宅受動喫煙被害者の会」も昨年5月に結成された。ベランダ喫煙を禁止する条例の制定を各自治体に求めていくという。

 ただ、ベランダはエレベーターや階段と同じ「共用部分」だが、各戸の住民が使用権を持つ「専用使用部分」にも当たり、植木鉢を置くなどある程度自由な使い方が認められている。強く禁煙を求めるのであれば、賃貸なら大家が居住ルールに盛り込んでおくこと、分譲なら管理組合に諮って規約や使用細則に定めることが必要で、容易ではない。

 20年4月施行の改正健康増進法で、原則禁煙となるのは飲食店や職場やホテルロビー、遊興施設など多くの人が集まる場所だけ。ベランダや室内は「周囲の状況に配慮しなければならない」としながら、喫煙自体は認めている。

「敷地内全面禁煙」のマンションも登場

 打開策として、ベランダや室内も含め「敷地内全面禁煙」をうたうマンションが登場し始めた。

 廣田商事(福岡市)は昨年3月、全面禁煙の賃貸マンション(48戸)を同市中央区に建設。大濠公園まで徒歩圏内という立地を生かし、居住者に健康的な生活を送ってほしいとの願いを込めた。契約時、来客の喫煙も禁じると明記した誓約書にサインが必要だ。

 同様に、アトラックス(同市)は来年7月に完成する分譲マンション(31戸)を全面禁煙にする予定だ。倉田新一社長(54)は隣人の喫煙に悩まされた経験があり「非喫煙者が安心して快適に過ごせるマンションをつくりたい」と話す。

受動喫煙による死者、年1万5千人の推計も

 国立がん研究センター(東京)は、受動喫煙による肺がんや心疾患などの死者は年1万5千人に上ると推計する。

 ホタル族による影響については、産業医科大(北九州市)の大和浩教授が調査。スタッフに集合住宅の1階ベランダで喫煙してもらい、隣室と上階それぞれのベランダと室内、計4カ所で、肺がんや呼吸器系、循環器系疾患を引き起こす恐れのある微小粒子状物質(PM2・5)の濃度を測ったところ、いずれも平時より高濃度を示した。受動喫煙でうつ病のリスクも高くなるとの調査結果もある。

 家庭で嫌われ、ベランダや屋外でも苦情が寄せられ、「じゃあどこで吸えばいいの」との嘆きが喫煙者から聞こえてきそうだ。

 かつて愛煙家だったという、集合住宅のトラブルに詳しい松坂徹也弁護士(71)は「一服ぐらい、という気持ちは分かるが、あくまで他人に迷惑をかけない範囲であるべきだ。集合住宅に住む以上、苦情が寄せられたら改めるしかないのではないか」と話している。

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職場の受動喫煙、経験4割 屋内禁煙でも完全に防げず

職場の受動喫煙、経験4割 屋内禁煙でも完全に防げず

https://www.asahi.com/articles/ASL9N7DXDL9NULBJ02H.html

2018年9月26日19時23分

 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙。職場で経験するという人が約4割いることが厚生労働省の調査でわかった。今年7月に改正健康増進法が成立し、2020年度から大半の職場は原則屋内禁煙となるが、十分な対策が進んでいない現状が浮かんだ。

 昨年11月、製造業や飲食業、宿泊業など民間の約1万4千事業所に約1万8千人分の調査票を送り、約1万人の回答を得た。有効回答率は55%。

 改正前の健康増進法では、対策をとるかどうかは事業者任せだった。改正法では、喫煙専用室からたばこの煙が漏れないようにするといった受動喫煙に遭わないような対策を事業者に義務づける。客席面積100平方メートル以下の小規模な飲食店などは例外として喫煙が認められるが、大半は原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)となる。

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受動喫煙の影響 深刻なの?

受動喫煙の影響 深刻なの?

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180910-OYTET50024/?from=ytop_ymag

2018年9月17日

年間推計1万5000人死亡

  Q  法律で公共の場所は禁煙になるそうね。

  ヨミドック  2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、健康増進法が改正され、病院や学校などは屋内完全禁煙となります。ただし、既存の小規模飲食店では、喫煙が認められるなどの例外もあり、世界的な規制の水準に照らすと不十分です。

  Q  どうして分煙ではだめなの?

  ヨ  分煙では、たばこの煙が漏れるのを完全には防げないからです。喫煙室の周囲がたばこ臭いと感じるのは、外にたばこの煙が漏れている証拠です。喫煙室を掃除する人が、受動喫煙の害を被る問題もあります。

  Q  喫煙者本人が直接吸う煙と、受動喫煙の煙の成分は違うの?

  ヨ  受動喫煙で吸う主な煙は副流煙と呼ばれます。本人がフィルターを通じて吸う主流煙と比べ、ニコチンだけではなく、約70種類の発がん性物質、有毒ガスの一酸化炭素などを高濃度に含みます。

  Q  でも、有害物質は空気中で拡散して薄まるし、たいした健康被害はないのでは?

  ヨ  とんでもありません。国内では、受動喫煙の影響で亡くなる人は、肺がん、心臓病、脳卒中だけで年間約1万5000人と推計されます。乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性も高まります。直接喫煙による死亡者は約12万~13万人とされますが、受動喫煙の被害も深刻です。

  Q  受動喫煙で亡くなる人は、女性の方が多いのはなぜ?

  ヨ  喫煙者は男性の方が圧倒的に多く、その分、たばこを吸わない女性が、家庭や職場で被害を受けてきたことを示しています。

  Q  最近は煙の出ない加熱式たばこを吸う人も増えているようだけど。

  ヨ  加熱式たばこは、たばこの葉を燃やさないので副流煙は出ませんが、喫煙者が肺の途中まで吸い込んだ有害物質は、次の呼気で吐き出されます。周囲への影響はまだよく分かっていませんが、禁煙の場所で吸うのはやめてほしいですね。

 (田村良彦/取材協力=片野田耕太・国立がん研究センターがん対策情報センター部長、大和浩・産業医科大学産業生態科学研究所教授)

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