禁煙レストラン

ルノアールにサイゼリヤまで…外食チェーン「完全禁煙化」最前線

ルノアールにサイゼリヤまで…外食チェーン「完全禁煙化」最前線

https://wezz-y.com/archives/68486

2019.08.17

 受動喫煙対策の強化にむけて、喫煙に関するルールを厳格化する改正健康増進法が、2020年4月に全面施行される。それに先駆けて、多くの外食チェーンが完全禁煙化へと舵を切り始めている。

 串カツ専門チェーンである「串カツ田中」は、2018年6月にほとんどの店舗を全席禁煙とした。喫煙利用者も多い居酒屋としては、非常に珍しい取り組みであり、大きな話題を呼んだことを記憶している方も多いだろう。
 
 今年6月1日からは、人気ファミレスチェーン「サイゼリヤ」も全店舗の全席禁煙化を実施。さらには、「喫茶室ルノアール」を運営する銀座ルノアールも、2020年4月から紙巻きタバコの喫煙を禁止すると発表している。これまで喫煙者から愛されてきた喫茶チェーンだっただけに、その衝撃は相当なものだった。

 タバコを規制・禁止する方向へと傾く時代の流れは、加速しているように見える。外食チェーンに広まる禁煙化の波とその実態について、フードアナリスト協会所属のフードアナリスト・重盛高雄氏に聞いた。

重盛 高雄(しげもり・たかお)/フードアナリスト
ファストフード、外食産業に精通したフードアナリスト。ニュース番組、雑誌などに多数出演。2017年には「The Economist」誌(英国)から、日本のファストフード業界についてのインタビューを受けるなど、活躍の場を世界に広げている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社

禁煙化が飲食店に与えるメリットは大きい

 数々の外食チェーンが禁煙化に踏み切っているが、飲食店としては禁煙によってどんなメリットがあるのだろうか。

「タバコを吸わなければ空気が汚れないので、客にとっても従業員にとっても、店内環境がよくなるということは、もちろんあります。そのうえで強調したいのは、掃除など清潔環境維持の手間が大幅に省けるというメリットもあることです。喫煙者の多い店舗だと、例えばカーテンにたばこのニオイがついてしまったり、ソファーが焦がされてしまったり、掃除が大変な状態になってしまうことも多い。一方で、禁煙の店舗は、短時間できれいにすることができます。清掃にかかるコストは、喫煙か禁煙かで大きく変わるものなんです。

 また、飲食店へ子どもを連れていくことを考えた場合に、タバコを吸える環境だと好ましくないですよね。親としては、子どもにきれいな空気のなかで美味しいご飯を食べてもらえるというメリットは大きいでしょう」(重盛氏)

 こうしたメリットの大きさからか、意外な外食チェーンも禁煙化に乗り出しているようだ。

「大手コーヒーチェーンの『ドトール』が、禁煙店舗にトライアルしていることは驚きです。これまで、ドトールは駅近などの好立地でタバコが吸えるということが強みでした。ところが、その戦略を少し変えてきているのかな、と感じます。禁煙店舗では、従来の店舗よりも女性客が多いという印象を受けます。今後の禁煙化については、企業として女性客の増加をどう評価するのかによって、変わってくるのではないかと思います。

 また、同じコーヒーチェーンの『サンマルク』も、タバコを吸える席、吸えない席と分煙化することによって、非喫煙者の取り込みを図っています。ただし、積極的な一手ではなく、売上が思うように上がらないなかで時代の流れを汲み、苦肉の策として講じているという見方もできるでしょう」(重盛氏)

「タバコを吸えること」だけをウリにしては本末転倒

 重盛氏は、これまで多くの外食チェーン店が喫煙をウリにしてきたことについて、問題点を指摘する。

「これまでは、『タバコが吸いたい』という利用者の声に応えて、喫煙できる環境を競って作ってきたという側面がありました。しかし、ファミレスや居酒屋、喫茶店という飲食店が、『タバコを吸えること』自体を店の持ち味、その店の価値にしてしまっていると、少し困ったことになるのではないかと考えています。

 やはり居酒屋ならば、美味しい食べ物と美味しいお酒を味わえて、楽しく過ごせる場所であることによって、より客が来るというような図式にすべきでしょう。実際に、居酒屋業界のトレンドも、そのように変わってきているなと感じます」(重盛氏)

 タバコ離れが進むなかで、飲食店では美味しい食事を楽しみたいという層が増えてきているとのこと。意外なことに、その傾向はコンビニのコーヒーに表れていたという。

「喫煙のできるコーヒーチェーンでは、いくら美味しいコーヒーを淹れていたとしても、店内に漂うタバコの煙でその香りや味がスポイルされていた部分がありました。そう考えると、コンビニのコーヒーがあれほど流行った理由のひとつには、イートインでタバコが吸えないことにあったとも言えるのではないでしょうか。つまり、タバコの煙のない環境で、そこそこの値段で美味しいコーヒーを楽しみたいという人が、徐々に増えてきているわけですね。

 コーヒーチェーンにしても、居酒屋にしても、提供する料理ではなく「タバコが吸えること」をウリにしている店が、まだまだ多いのは実状です。タバコが吸えることが唯一の付加価値となっているようでは、飲食店として本末転倒ですし、そうでもしないと売上が上がらないのならば、危機的な状態だと言わざるを得ません。料理の味を客に認めてもらって、来店してもらうという、本来の在り方に戻していかないといけないでしょう。

 フードアナリストとしては、その店が本来ウリとすべき料理の味や価格といった要素で他店と競ってもらい、利用者側から価値を見出してもらうことによって、来店客や売上が増えていくという構図になっていくことを強く願っています」(重盛氏)
 
 今後、飲食店の禁煙化はさらに進んでいくだろう。ものを食べる場所としては、正しい在り方といえる。しかし一方で、愛煙家の要望に応える場所をまた別に用意していくことも、必要なのかもしれないが……。

(文・取材=後藤拓也[A4studio])

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愛煙家の聖地「スナック」に押し寄せる禁煙の波 禁煙化に踏み切ったスナックに聞いてみた

愛煙家の聖地「スナック」に押し寄せる禁煙の波 禁煙化に踏み切ったスナックに聞いてみた
https://toyokeizai.net/articles/-/294851

2019/08/01 5:10

日常の疲れを癒やし、楽しい会話とお酒を楽しめるスナックだが、中には誰の目を気にすることなく、思いっきりタバコを吸えるのがいいという人もいるだろう。日頃から肩身の狭い思いをしている愛煙家にとって、こうした場所は貴重である。

だが、そんなスナックにも「禁煙の波」が押し寄せようとしている。2018年7月に成立した改正健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を目的としたものだ。すでに、2019年7月1日からは、学校・病院等が屋内全面禁煙になっている。

禁煙や分煙をうたうスナックはまだ少ない

さらに2020年4月1日からは、スナックやバーを含む飲食店・職場等でも、原則屋内禁煙が義務付けられる。東京オリンピック・パラリンピックに向けた配慮でもあるのだが、お酒とタバコを一緒に楽しめないのは、愛煙家にとってつらいことだろう。

当初は、一部の施設に限り“喫煙可”を継続する案も浮上していた。しかし、ふたを開けてみると、喫煙をサービスの主目的とする施設においても、「受動喫煙防止の基準に適合した場合に限り、喫煙目的室を設けることができる」といった内容に留まった。

この先、スナックを経営するママやマスターにとって、苦しい判断を迫られることになっていくであろう。

東京オリンピック・パラリンピックを1年後に控え、改めて、スナックとタバコの現状について調べてみた。すると、数あるスナックの中で、禁煙や分煙をうたうスナックは非常に少ないことがわかった。

いままでに筆者が訪れた多くのスナックでは、扉を開ければ室内には紫煙がただよい、どのテーブルにも灰皿が備え付けてあるのが見受けられた。酒に酔う愛煙家たちは、気持ちよさそうに歌い、当然のごとくタバコに火をつける。

あるママに「身体によくないんじゃないの?」と聞くと、「そうねえ。身体にはよくないし、若いスタッフはタバコが原因で辞めてしまうこともあるわね。でもお客様は、タバコが吸いたくてここに来るじゃない。楽しみを取り上げるみたいで、なかなか禁煙にはできないわ」とのこと。

スタッフやタバコを吸わない客にとっては劣悪な環境であるものの、今いる常連をむげにすることもできない。ママの苦悩がうかがえる一言である。禁煙への圧力と、売り上げや客足への影響。その狭間で、揺れている店舗は多いのではないだろうか。

ドアを開けてもあのにおいがしない!

こうした中、「禁煙」をうたう珍しいスナックがあると聞き、さっそくサラリーマンの聖地、新橋へ向かった。

駅から徒歩3分程の雑居ビル2階にその禁煙スナック「Natsu夏」はあった。

扉には禁煙マークのシールが貼られ、その横には、「飲み放題&歌い放題3時間(金曜2時間)3000円」と明記された料金ボードが。明朗会計、非常にリーズナブルなスナックである。扉を開けると、スナック特有の壁に染み付いたヤニ臭が一切しない、クリーンスナックだ。

菓子が入った瓶や、烏龍酎、コーヒー酎、むぎ酎などの珍しい酒瓶が並ぶカウンターに腰かけると、18時という早い時間にもかかわらず、先客が気持ちよく演歌を歌いはじめた。常連に愛されているのがわかる。

ママのちなつさんに、なぜ新橋という場で禁煙スナックをはじめたのか聞いてみた。

「禁煙スナックNatsu夏は、2011年1月にオープンし、今年で8年目。きっかけは、知人がオープンするワインバーの隣が開いていて、『隣同士でやらない?』と誘われたからなの。

OLを辞める決心をして、内装工の現場に立ち入ったとき、空気がこもっていている店内を見て『これはまずい!』と思ったわ。私が喘息だったこともあり、思い切って禁煙のお店にしてみたのよ」。

酔っ払ったサラリーマンの多い新橋。タバコを吸う人も多いだろう。はたして、禁煙スナックは成立するのだろうか。

「表の看板や、扉の前にも禁煙マークは出しているんだけど、やっぱりスナックはタバコが吸えて当然と思って来られるお客様も多いわよね。これまでも、無意識にタバコに火をつけるお客様がいたわ」とちなつママ。

「でも、『うちは禁煙なのでタバコは外の灰皿でお願いします』と言うと、みんな素直に応じてくれるわね。それ以降、初めて来られる方には、『うちは禁煙ですけどいいですか?』って声かけるようにしているの。禁煙と聞いて帰るお客様もたまにいるけど、最近は、禁煙を目当てに来られる方も増えています」

実際、この日たまたま訪れたという客もぜん息持ちで、タバコは苦手だという。タバコの煙がいっさい漂っていない「Natsu夏」をすっかり気に入ったらしく、お酒を飲みながら気持ちよさそうに持ち歌を披露していた。

「以前は、扉の前に灰皿を置いて、タバコを吸いたい人は扉の外で吸ってもらっていたわ。でも、吸った後の残り香や煙がどうしても店内に入ってきてしまう。それで、令和に改元したタイミングで、店外の灰皿も撤去したの。

年配のお客様の中には時折クレームをいう人もいるけど、今では、女性や若い団体客などの常連が増えたわね。1人で来る女性客も多いし、出張の度に顔を出してくれるお客様、歌が好きで集まる常連もいるわ」(ちなつママ)

3年前に禁煙スナックに切り替えた

一方、長年喫煙可だったのを禁煙に切り替えた店もある。それが、花街の風情が残る東京・湯島天神下、大通りに面したビルの地下にあるのは、今年で37年目となる老舗店「スナック もしも…」である。

扉を開けると、カウンターと半円型に設置されたテーブル席が広がり、昭和の雰囲気を感じさせる。フロアでは、白いエプロンを身にまとった女性スタッフがお客様の歌に合わせ手拍子をし、楽しく談笑している。まさに、アットホームな雰囲気だ。

ある理由をきっかけに3年前に全面禁煙へと移行。タバコを吸いたい人は、外に出て、階段横に設置された灰皿で吸ってもらっているそうだ。では、禁煙に踏み切った理由は何だったのだろうか。仁子ママに話を聞いた。

「以前は、お客様も心おきなくタバコを吸っていたの。でもここは地下でしょ。

時々、部屋の天井一面にタバコ雲ができるくらい煙が蔓延して、息苦しく感じられることもあって。そんなことが影響してか3年ほど前に、心筋梗塞で倒れてしまった。2度のカテーテル手術を経て退院できたんだけど、いろいろ考えて全面禁煙にしようと決意したの」

そうは言っても、もともとはタバコが吸えていたお店である。全面禁煙に踏み切ったことで、影響はなかったのだろうか。

「多くのお客様は、わたしが身体を壊したことを心配してくれて、『それなら仕方ない』と納得してくれた。ただ、酔ったお客様から『スナックでタバコ吸えないとはどういうことだ、冗談じゃねえ!』と言われたこともあったわ。それでも、『ごめんなさい。嫌だったら帰ってね。これはみなさんにお願いしていることだから』と言うと、大人しくなって結局、お店に居続けてくれるのよ」

タバコを吸うことが目的ではない

愛煙家にとってタバコを吸えないのはつらいことだが、優しい口調でお願いされると、文句は言えない。そして何より、この店に居続けたいという気持ちの強さが垣間見られた。

「ただね、寒い日に外でタバコを吸っている姿を見ると、申し訳なく思うこともある。マフラーをこちらで用意しておいて、少しでも身体を冷やさない配慮はしてるんだけどね。でも最近は、こちらからお願いしなくても外でタバコを吸ってくれるし、新しいお客様には常連さんが『タバコは外だよ』って教えてくれたりして、私の身体を気遣いつつみんなが協力してくれる」

今回取材した禁煙スナックを訪れる客は、必ずしも“タバコが吸えること”を求めるのではなく、ママやスタッフ、常連とのコミュニケーションや楽しいお酒、そして憩いの場としてのスナックを求めているのではないだろうか。

いま、顧客離れを懸念して、禁煙に踏み切れていないスナックも多い。しかし、常連から愛されている店であれば、たとえ全面禁煙に移行したとしても、売り上げや客足への影響は限定的のようだ。それがママの身体を考えてのことなら、なおさらである。

いま日本では、社会全体として、タバコとの向き合い方を変えようとしている。しかもそれは、日本だけでなく、世界的な潮流でもあるのだ。

スナックにおいても、多種多様なスナックが増えつつあり、今後、禁煙であることを求めてくる客も増えていくであろう。全面禁煙に踏み切ることで、ともに健康に配慮しながら楽しめる店が増えていくのではないだろうか。

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紙巻たばこ禁止を決めた銀座ルノアール 意思決定の裏側を分析

紙巻たばこ禁止を決めた銀座ルノアール 意思決定の裏側を分析

https://news.livedoor.com/article/detail/16599191/

2019年6月11日 6時0分

都心を中心に約100店舗を構える喫茶店チェーン「(株)銀座ルノアール」。同社が2020年4月から「紙巻きたばこの喫煙を禁止する」ことを決定したとの報道に、驚いた人も少なくない。ルノアールと言えば、ビジネスマンを中心とする愛煙家の憩いの場だったからだ。
ルノアール好きが高じて、電子書籍「喫茶室ルノアール“本”店 vol.1」まで出版した「ルノアールを愛する会 会長」の山内真太郎さんが、今回の決定の背景を、ルノアールの「売上」「従業員」「創業哲学」から多面的に分析する。

ルノアール、お前もか!

2019年5月30日。全国の愛煙家に激震が走りました。

「2020年4月1日より各店舗での「紙巻たばこ」喫煙禁止のお知らせ」というタイトルのリリースが、(株)銀座ルノアールから発表されたのです。

従業員の健康に配慮するため、喫煙室での喫煙は「加熱式たばこ」のみ可とし、「紙巻たばこ」の喫煙は禁止とさせていただきます。また、喫煙室にて、ご飲食をしながらゆっくりとおくつろぎいただくスペースを確保するため、現状、「紙巻たばこ」専用の喫煙ブース設置は予定しておりません。
(同社PRリリースより抜粋)

特に注目されたのが、「紙巻たばこ専用の喫煙ブースを設置しない」という部分。

Photo by iStock

あくまでもこのリリース発表時点では「予定」ではありますが、サラリーマンのオアシス、愛煙家のラストリゾートとして愛されてきた、東京都内を中心に100店舗以上を構える巨大喫茶店チェーンである(株)銀座ルノアールの、まさに青天の霹靂とも言える「グループ全店で紙巻たばこNG」という方針決定。

「これも時代の流れか」といった感傷的な意見だけでなく、「ルノアール、お前もか!」と感情的な意見も多く寄せられました。

 

ルノアールは近年、完全分煙化を推進し、喫煙者と禁煙者の共存を目指していました。にもかかわらず、なぜこの決断に踏み切ったのでしょうか。

この記事では、課題や論点を整理した上で、ルノアールの「紙巻たばこNG」という意思決定に至るまでを推察してみたいと思います。

ルノアールの選択肢は「4つ」のみ

ルノアールの意思決定の裏側を探る前に、まずはその背景を確認しましょう。

最も影響が大きいと思われるものは、2020年4月1日に全国で施行される「改正健康増進法」、いわゆる「受動喫煙防止法」と、2019年1月1日に施行がはじまり、いくつかの段階を経て2020年4月1日に完全施行される「東京都受動喫煙防止条例」です。

・改正健康増進法について(JTによる説明ページ)
・東京都受動喫煙防止条例(東京都福祉保健局)

細かい運用ルールや法令解釈の余地の有無は省きますが、法令遵守を前提にした上で、ルノアールが現在の喫煙ルール(禁煙席+紙巻たばこもOKの喫煙席)を2020年4月1日以降も継続するとしたら、

・現在約7.7億円ある資本金を5000万円以下にする
・店舗面積を100平米以下にする
・絶対に新規出店しない
・従業員を雇わず店長ワンオペ

などを断行することが条件になります。もはやこれでは「個人経営の小さな喫茶店」ですね。現実的ではありません。

 

つまり、これらの法令が施行されるにあたってルノアールに与えられた現実的な選択肢は、

A.完全禁煙
B.禁煙席+加熱式たばこ専用の喫煙室(飲食OK)
C.禁煙席+加熱式たばこ専用の喫煙室(飲食OK)+喫煙専用室(飲食不可)
D.禁煙席+喫煙専用室(飲食不可)

の4つのみ。これ以外の選択肢はありえないのです。

 

その結果、ルノアールは「CとDを選ばない(=喫煙専用室を設けない)」という決断をしました。

「売上」の側面から分析

実は(株)銀座ルノアールは、東証二部上場企業です。多数のステークホルダーが存在するわけですから、ビジネス的な判断なくして今回の意思決定はありえません。ということで、まずはこの側面から分析してみましょう。

ちなみにルノアールはレジカウンターでたばこやライターも販売もしていますので、そのことも考慮に入れます。なお、紙巻たばこを吸うことができる「喫煙専用室
」では飲食ができないルールですので、喫煙時には席を立って移動する必要があります。

 

A.「完全禁煙」の場合
良い点:たばこ臭がゼロになるので、非喫煙者の来客が増える。
悪い点:喫煙者の来店がゼロになり、たばこの売上もゼロに。
ポイント:喫煙者+たばこの売上を、非喫煙者の来店増でどこまでカバーできるか。

B.「禁煙席+加熱式たばこ専用の喫煙室(飲食OK)」の場合
良い点:たばこ臭が減少し、非喫煙者の来店が増加。紙巻たばこを加熱式たばこに乗り換える時流が続けば、顧客流出の食い止めにつながる。販売するたばこも加熱式に切り替えることで売上減少を食い止める。
悪い点:紙巻たばこ喫煙者の来店がゼロに。
ポイント:紙巻たばこ喫煙者が、加熱式たばこや禁煙にどの程度流れるか。そしてたばこ臭の減少で非喫煙者がどれだけ増えるか、の読みが重要

C.「禁煙席+加熱式たばこ専用の喫煙室+喫煙専用室」の場合
良い点:現状の顧客層を維持できる。たばこ販売も現状維持。
悪い点:飲食提供ができない喫煙専用室の広さのぶんだけ売上減少。
ポイント:喫煙専用室の広さと売上高はトレードオフなので、バランスが重要。

D.「禁煙席+喫煙専用室」の場合
良い点:現状のターゲット顧客やたばこ販売を維持できる。
悪い点:喫煙専用室の広さのぶん売上減少。喫煙者と非喫煙者が禁煙席に混在し、たばこ臭のせいで非喫煙者が来店を敬遠する恐れ。
ポイント:衣服や呼気のたばこ臭が禁煙席に広がることは避けられず、非喫煙者の売上減は必至。

……ということで、短期的な売上から考えると、まずは「C」、次いで「B」あたりが良さそうな印象ですね。

「D」の場合も「結果的に喫煙者だけが集う店になる」という可能性があるものの、その人数を支えられるだけの広さを持った喫煙専用室を設けることは、売上確保の面から難しそうです。

「A」に関しては現在一部店舗では既に導入されていますが、全店で導入となるとスターバックス等の元々完全禁煙のチェーンが新たな競合となりますので、抜本的なブランドイメージの改革が必要になりそうです。

「従業員」の側面から分析

一方で、リリースに書かれている「従業員の健康に配慮するため」という点も見逃せません。

改正健康増進法では「未成年者を喫煙可能なエリアに立ち入らせてはいけない」という旨が明記されており、これが従業員にも適用されます。つまり、未成年の従業員は、喫煙可能なエリアでの接客や清掃ができなくなるのです。

アルバイト等の安定的な雇用を考えると、喫煙できる空間を持つこと自体が負のリスクなのです。この側面だけを考えると、「A.完全禁煙」という選択肢を完全に除外することは難しいと言えます。

 

ここまでの分析をいったんまとめると、

・短期売上を考慮すると「C.禁煙席+加熱式たばこ専用喫煙室+喫煙専用室」
・安定雇用を考慮すると「A.完全禁煙」

が選択肢として濃厚となります。

ちなみに、類似業態であるドトールは、店舗によって「A」「B」「C」の3パターンで対応する道を選びました。では、なぜルノアールは、今後も紙巻たばこ喫煙者の売上が見込める「C」を選ばなかったのでしょうか。そこには深い理由がある、と私は推察します。

「創業哲学」の側面から分析

以前書かせていただいた記事(なぜ喫茶室ルノアールには「ユニークな客」が集まるのか)にもあるように、ルノアールには創業以来の「空間提供業」という哲学があります。

「何かをしに来ているお客様のために、ゆったりとしたくつろぎの空間を提供すること」こそが、ルノアールの提供価値。

ですから、ルノアールの経営層は「たばこを吸うためにわざわざ席を立って喫煙専用室まで移動してもらう」という行動をお客様に強いることは自社の創業哲学に反する、と考えたのではないでしょうか。

もちろん、企業として利益を追求することは重要です。しかしそれ以上に「ルノアールが提供したい価値を充分に与えられない(=コーヒーとたばこを同時に楽しめない)紙巻きたばこ喫煙者をお客様にしてまで、利益を追求すること」が、ルノアールには耐えられなかったのではないでしょうか。だからこそ、「紙巻きたばこはNG」という、一見非情にも思える決断を下さざるを得なかったのでしょう。

間違ってほしくないのは、ルノアールが「自社の哲学を守るために紙巻たばこ喫煙者を排除した」のではない、ということです。

「法令により満足な喫煙環境を与えられなくなってしまった紙巻たばこ喫煙者に対して、自社の売上見込みを捨ててでも、より快適な喫煙環境を新たに探していただくことを選んだ」のです。

検討過程では、様々な議論があったことは容易に想像できます。感情的な反発も予測していたと思います。それらをすべて飲み込んだ上での、苦渋の決断だったと思います。

ルノアールの今回の決断は、「経営者の意思決定」を学ぶ上でも非常に重要なケースになるのではないかと思います。喫煙者、特に紙巻たばこ愛煙家の皆様にとっては寂しい気持ちでいっぱいかもしれませんが、2020年3月31日までの時間を、ルノアールの創業哲学に思いを馳せつつ快適に過ごしていただけることを願ってやみません。

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ルノアールが紙巻きたばこ全面禁止へ「店舗スタッフの健康に配慮した」利用客減少は「あまり心配していない」

ルノアールが紙巻きたばこ全面禁止へ「店舗スタッフの健康に配慮した」利用客減少は「あまり心配していない」

https://news.nifty.com/article/economy/business/12117-11296/

2019年05月30日 18時03分

 

喫茶室ルノアールなどを運営する銀座ルノアールは5月30日、2020年4月から、直営店117店舗全てで紙巻きたばこの喫煙を禁止すると発表した。来春に施行される改正健康増進法に対応するためのもの。今後、喫煙室では加熱式たばこの喫煙だけが許可される。

改正健康増進法では紙巻きたばこを吸う際、飲食不可の喫煙ブース設置が必要になる。同社担当者は今回の禁止について「店舗スタッフの健康面に配慮して決断した」と明かした。

「ブースを設置した場合、その中の清掃は店舗スタッフがしなければなりません。スタッフの出入りがある以上、煙害を受ける可能性があります」

ドトールは店舗を「完全禁煙」「紙巻きと電子たばこ可」「電子たばこだけ可」に分類

同社が運営する直営店には、銀座、上野、鎌倉に全面禁煙の店舗がある。どの店舗でも、禁煙化が経営に大きな影響を与えることはなかった。

運営形態のうち「喫茶室ルノアール」は、担当者が「以前は喫煙のお客様に非常にお世話になった」と言うほど愛煙家の利用が多い。今回の紙巻きたばこ全面禁止で利用客が減る可能性もありそうだが、「あまり心配はしていない」という。

過去、エリア分煙だった店が完全分煙になった際、禁煙席の環境が良くなり、「今まで足が遠のいていたお客様が来店されるようになった」ためだ。紙巻きたばこ禁止でも同様に、新たな客層の取り込みを期待しているようだ。

加熱式たばこは現在、健康に害があるかどうか明らかになっていない。担当者は「今後健康への影響が確かになるにつれ、法律が変わっていくと思う。弊社でもそれに準じる形で対応する」と話していた。

紙巻きたばこへの喫茶チェーンの対応は、各社で分かれている。ドトールコーヒーショップを運営するドトール・日レスホールディングスは今年1月、受動喫煙への対応策を発表している。同社は店舗を「完全禁煙」「紙巻きと電子たばこ可」「電子たばこだけ可」の3つに分類するとしている。

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ルノアール、紙巻きたばこ禁止の衝撃 ドトールは?サンマルクは?

ルノアール、紙巻きたばこ禁止の衝撃 ドトールは?サンマルクは?

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/060100409/

神田 啓晴
日経ビジネス記者
2019年6月2日

 「まさかルノアールが紙巻きたばこを禁止にするとは…」。

 コーヒーチェーン業界に衝撃が走った。「喫茶室ルノアール」などを運営する銀座ルノアール(東京・中野)は30日、2020年4月からグループ全店舗で、紙巻きたばこの喫煙を禁止すると発表した。同社のリリースによると同年4月から全面施行される改正健康増進法への対応と、従業員の健康への配慮が目的という。

 ルノアールといえば、禁煙化が進む都心における愛煙家の数少ない「オアシス」だった。それにも関わらず、大手コーヒーチェーンに先んじて紙巻きたばこの禁止を明らかにしたことは、ネットでも大きな話題となり、TwitterなどのSNSでは「今まで喫煙喫茶が売りなのかと思っていた」「喫煙者の楽園が」と動揺が広がった。

 コーヒーチェーン業界関係者も「ルノアールが禁煙とはよほどのこと。『たばことお茶が出てくる』ことこそがあの店らしさと思っていた。喫煙しながら読書をする男性客などとも相性がいいはずだが…これも時代の流れなのかもしれない」と驚きを隠せない。

 大手コーヒーチェーンの中でも紙巻きたばこをめぐっては対応が大きく分かれる。厚生労働省の「平成29年 国民健康・栄養調査」では男性の喫煙率は初めて3割を切ったことが話題となったが、コーヒーチェーンにおける愛煙家のニーズは依然として根強い。ドトール・日レスホールディングスは「ドトールコーヒーショップ」の受動喫煙対策として、(1)完全禁煙、(2)紙巻きと加熱式たばこの喫煙スペースを分ける、(3)加熱式たばこのみ吸える店舗の3種に分けることを明らかにしており、紙巻きたばこを完全には排除しない方針だ。

 一方、ルノアールと同様に愛煙家の支持が根強いサンマルクカフェ(3月末で全国404店)を運営するサンマルクホールディングスの担当者は「正式な決定ではない」と前置きしながらも、「紙巻きたばこを吸える場所は設けない方針」と話す。改正健康増進法が施行されると、飲食のためのスペースと紙巻きたばこを喫煙するためのスペースは完全に分けなければならなくなる。「紙巻きたばこのための対応をすると、座席数も減らさないといけなくなる」というのがその理由だ。

 あるコーヒーチェーン業界関係者は「喫煙率は年々下がっているし、(ルノアールのように)紙巻きたばこを全面的に禁止する流れは広がると思う」との声を漏らした。来年以降、愛煙家にはさらに厳しい状況が続きそうだ。

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銀座ルノアール、紙巻きタバコ禁止 20年4月から

銀座ルノアール、紙巻きタバコ禁止 20年4月から

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45463720Q9A530C1HE6A00/

2019/5/30 15:40

「喫茶室ルノアール」などを運営する銀座ルノアールは30日、2020年4月から、グループの直営店全店での紙巻きたばこの喫煙を禁止すると発表した。飲食店での喫煙原則禁煙を定めた改正健康増進法が20年4月に全面施行されることに対応する。20年4月以降は、喫煙席では加熱式たばこのみが利用可能になる。

銀座ルノアールは現在一部の全面禁煙店舗をのぞき、禁煙・喫煙の完全分煙化を進めている。20年4月以降は飲食店で紙巻きたばこを吸う場合には飲食禁止の喫煙ブースが必要になるが、銀座ルノアールは飲食スペース確保のため喫煙ブースを設けないという。20年4月以降は喫煙席での喫煙は加熱式たばこのみとする。

紙巻きたばこの喫煙ブース設置は各社で対応が分かれている。紙巻きたばこを喫煙するためにカフェに入る客層が離れる恐れもあるためだ。

ドトール・日レスホールディングス(HD)は1月に喫茶チェーン「ドトールコーヒーショップ」での受動喫煙対策を公表。店舗を規模などに応じて完全禁煙、紙巻きと加熱式たばこが吸える店、加熱式たばこのみ吸える店の3種に分ける。紙巻きたばこが吸える店には喫煙専用ブースを、加熱式たばこには従来のように飲食可能な喫煙席を設ける。

 

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心地よい匂いで喫煙に対する渇望が緩和

心地よい匂いで喫煙に対する渇望が緩和

https://www.zaikei.co.jp/article/20190422/507460.html

2019年4月22日 09:27

心地よいと感じる匂いの嗅覚刺激(OC)により、喫煙に対する渇望が緩和されるとの研究結果が発表された(プレスリリース、論文: PDF、SlashGearの記事)。

論文の筆頭執筆者は20年前にも同様の研究を行っているが、過去の研究で使用しなかったタバコに関連するOCを追加することやOCによる効果の持続性を調べること、自伝的記憶との関連を確かめること、同じOCを繰り返すことで効果が低下しないかどうかを調べることなどが今回の研究の目的だという。

被験者は実験時点で1日に10~30本の喫煙を少なくとも12か月以上続けており、電子タバコやニコチンパッチといった紙巻きタバコ以外のニコチン製品を使用していないこと、今後30日間に禁煙したり喫煙本数を減らしたりすることを考えてないことなどの条件で選ばれた18歳~55歳の232名(女性107名、男性125名)。2日にわたって行われる実験セッション前8時間以内に喫煙しないことが求められており、実験前には呼気中の一酸化炭素濃度のチェックも行われた。実験で使用するため、被験者はいつも吸っているタバコとライターを持ってくるようにとの指示を受けている。

実験で使われたOCは、クミン・チョコレート・リンゴ・ペパーミント・バニラ・レモン・スズランのほか、不快な匂いとされることの多いマツタケアルコール、2種類のパイプタバコ、被験者が持ってきたタバコ、無臭の12種類だ。被験者は12種類のOCをかいで心地よさの評価を行ったのち、自分のタバコに火をつける(吸ってはいけない)、割り当てられた1つのOCをかぐ、といった作業を行い、作業の前後で喫煙への渇望度合いを0(まったく喫煙したくない)~100(これまで感じたことがないほど喫煙したい)の100段階で評価する。使われるOCは被験者が最も心地よいと評価したもの・被験者が持ってきたタバコ・無臭のうち1つが割り当てられる。

渇望度の中央値はタバコに火をつける前には69.40だったが、火をつけたあとでは82.13まで上昇している。OCをかいだ後では、心地よいOCが割り当てられた被験者で19.3ポイント低下したのに対し、タバコOCでは11.7ポイント低下、無臭OCでは11.2ポイント低下にとどまった。また、この後5~45分間喫煙できないと仮定した場合の渇望度予想値も心地よいOCで低くなっている。被験者の89%は今後禁煙しようとすることがあればOCが助けになると答えており、93%は禁煙しなくても一定時間喫煙できない場合にOCが使えると答えたという。また、自伝的記憶とOCの結びつきがある場合に渇望度を低下させる効果が強かったそうだ。

今回の研究は実際の禁煙におけるOCの効果を示すものではないが、OCを禁煙プログラムの有用なコンポーネントとして提案する確固とした基礎になると考えられるとのことだ。

 

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大手飲食店で全面禁煙が拡大 ファミレスやコンビニ

大手飲食店で全面禁煙が拡大 ファミレスやコンビニ

https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201904/0012232295.shtml

2019/4/11 16:15

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の2020年4月の全面施行を控え、外食や小売業界で全面禁煙に向けた動きが広がっている。店舗を完全禁煙にする方針を明らかにしたファミリーレストランや店頭の灰皿撤去に取り組むコンビニなど来店客に快適な環境で利用してもらおうと対策に力を入れている。

 国内で「ガスト」など約3200店舗を運営する外食大手すかいらーくホールディングスは、9月から全店を禁煙にすると発表した。分煙型店舗の喫煙席は改装して禁煙席にするほか、喫煙場所は子どもたちの遊び場や授乳室に衣替えする。店舗外にある灰皿も撤去する。

 

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すかいらーくHD、『ガスト』など全店舗を禁煙に。進む飲食店の禁煙化、大手各店の状況は?

すかいらーくHD、『ガスト』など全店舗を禁煙に。進む飲食店の禁煙化、大手各店の状況は?

https://www.inshokuten.com/foodist/article/5261/

2019年03月26日

2020年4月、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする東京都の「受動喫煙防止条例」が施行される。これを受けて、早い段階から全面禁煙に踏み切る外食チェーンが増えている。

「ガスト」や「ジョナサン」が全面禁煙

ファミリーレストラン最大手の「すかいらーくホールディングス」は、2019年9月にすべての店舗を禁煙にすると発表した。「ガスト」や「ジョナサン」など、全国約3,200の店舗について4月から禁煙化を進め、9月には全面禁煙とする方針。喫煙室は一切設けず、今まであった分煙ルームは、おむつ交換や授乳スペースなどに改装することを検討しているという。店外に置いている灰皿も撤去するそうだ。

全面禁煙に踏み切った理由は、家族連れでの来店が増えているほか、店舗で働くアルバイトの約3割が未成年のため、従業員の健康を考えた結果、全面禁煙化が望ましいと判断したという。さらに、すかいらーくでは、社長がビデオメッセージで従業員の禁煙を促すほか、人事制度も変更。たばこを吸わない社員を増やした管理職はボーナスの評価を上げるなど、社内でも禁煙化を進めるとしている。

外食業界で急速に広がる禁煙化の動き

外食業界での全面禁煙に向けた動きが本格化。多くの飲食店が禁煙化を発表している。

■サイゼリヤ
2019年9月までに全国すべての店舗で原則禁煙とする方針を打ち出した。これまで店内での分煙をおこなってきたが、新規店は分煙席を設けず完全禁煙に、既存店舗も改装を行うと発表した。公式ホームページでは、全席禁煙の取り組み店舗数を表示。現在80%以上の店舗の禁煙化が完了しているようだ。

■ココス
2019年9月末日までに全583店舗と、今後出店する店舗を全席禁煙化すると発表。運営するゼンショーホールディングスは、「子ども連れを中心に全席禁煙を求める多くの要望があり、今まで以上に受動喫煙防止を徹底させるため、全席禁煙にすることを決定した」としている。東京都と千葉県の計3店舗にある喫煙ルームはそのまま活用する。

■モスバーガー
2020年3月までに国内の全1,344店を完全禁煙にすることを明らかにした。現在、店内で喫煙できるのは分煙の約600店と、喫煙専用室のある約100店舗。順次改装を進め、喫煙専用室も設けない完全禁煙にするという。

都内の飲食店で原則禁煙の対象になる店舗は約13万軒。約84%が対策をしなければならない。大手ファミレスが全面禁煙化に踏み切ったことで、多くの飲食店が追随しそうだ。

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すかいらーく全面禁煙化へ 社内のボーナス査定に影響も

すかいらーく全面禁煙化へ 社内のボーナス査定に影響も
2019年3月19日 18時07分

ファミリーレストラン最大手の「すかいらーくホールディングス」は、グループの店舗すべてを全面的に禁煙化する方針を固めました。社員にも禁煙を促すため、管理職の人事評価制度を見直すなど、会社を挙げた取り組みを進めることにしています。

関係者によりますと、「すかいらーくホールディングス」は「ガスト」や「ジョナサン」など、全国に展開しているおよそ3200店舗すべてを、ことし9月以降、全面的に禁煙とする方針を固めました。

たばこを吸える「喫煙室」などは一切設けず、現在、喫煙場所のある店は4月から順次改装工事に入り、子ども連れの客がくつろげるスペースなどを作ることにしています。

さらに、社内でも社員の禁煙を促そうと人事制度を改める方針で、各職場でたばこを吸わない社員の割合を目標まで高めた管理職は、ボーナスの査定でプラス評価にするとしています。

また、たばこを吸う社員向けには、社長がビデオメッセージで禁煙を促すほか、スマートフォンを通じて気軽に禁煙のアドバイスを受けられるサービスも導入するとしています。

来年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、法律や条例により、飲食店で受動喫煙対策の強化が求められる中、ファミリーレストラン最大手が完全禁煙に踏み切ったことで、外食業界で禁煙化の動きが一段と加速しそうです。

外食各社で禁煙化の動き

規制強化を受けて、外食各社は対策を急いでいて、ファストフードではマクドナルドがすべての店舗を禁煙にしたほか、モスバーガーも来年3月末までに、すべての店を禁煙化する計画です。

また、ファミリーレストランでは、サイゼリヤがことし9月から、ココスもことし9月末までに禁煙化しますが、一部の店には喫煙室を設けるということです。

このほか、たばこを吸う人の利用も多い居酒屋チェーンでも「串カツ田中」が去年6月に、ほとんどの店で禁煙化に踏み切りました。

規制の内容は

東京オリンピック・パラリンピックに向けて、来年4月1日から「改正健康増進法」が施行され、飲食店では受動喫煙対策の強化が求められます。

この法律によって、客席の広さが100平方メートル以上など、規模の大きな飲食店や新たに営業を始める店は、原則として禁煙となります。

店内でたばこが吸えるのは、外に煙が漏れないよう対策を取った「喫煙専用室」のみとなります。

未成年者の受動喫煙を防ぐため、20歳未満の人は従業員であっても入れません。また、違反した場合の罰則も設けられ、灰皿を撤去しないなど対策を怠った管理者には50万円以下の過料が科せられます。

また、東京都では店の規模にかかわらず、従業員を雇っている飲食店は屋内を原則禁煙にするなど、自治体によっては国の法律より規制が厳しい条例を制定する動きも広がってます。

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