がん予防

がんにならないために!守るべき「がん予防12か条」

がんにならないために!守るべき「がん予防12か条」

2018/10/15 11:20CoCoKARAnext

 いまや日本人の2人に1人が「がん」に罹るリスクがあると言われており、今やがんは国民病のひとつとなっています。ですが、食習慣や生活環境の改善で多くのがんが予防できることが分かってきました。

そこで、科学的な研究で明らかにされた日本人のための「がんを防ぐための新12か条」(財団法人 がん研究振興財団)について栄養士が解説します。(※1)

1条 たばこは吸わない

たばこは肺がんだけでなく、胃・膵臓・子宮頚がんなどのリスクを上昇させ、心疾患や脳卒中などの原因にもなります。吸っている人はまず禁煙にチャレンジしましょう。

2条 他人のたばこの煙をできるだけ避ける

たばこは吸っている本人だけでなく、周囲の人の健康にも悪影響をもたらすので配慮が必要です。最近では分煙がだいぶ進んできましたが、吸わない人もたばこの煙をできるだけ避ける事が大切です。

3条 お酒はほどほどに

飲酒は食道・肝臓・大腸がんをはじめとした多くのがんのリスクを上げますが、適量なら心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げることが知られています。

お酒はアルコール量に換算して1日23g程度を心がけるこ(※2)と。多く飲んだ日があったら翌日は飲まないようにし、週に2日はお酒を飲まない休肝日を設けて肝臓を労わることも忘れずに。

【お酒の種類別に見るアルコール量23g】

●日本酒なら1合(180ml)

●ビールなら大瓶1本(630ml)

●焼酎や泡盛なら1合の2/3(120ml)

●ウイスキーやブランデーならダブル1杯(60ml)

●ワインならボトル1/3程度(240ml)

4条 バランスのとれた食生活を

主菜・副菜・主食が揃った彩り豊かな献立は、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることができます。偏食することなく、さまざまな食品を食べるよう心がけましょう。

【食べ過ぎるとリスクを上げる可能性があるものとは】

牛肉・豚肉・ヒツジ肉などに含まれる動物性脂肪、輸入ナッツ・穀類に混入することがあるアフラトキシン、ハム・ソーセージなどの加工肉に含まれるニトロソ化合物が挙げられます。

特にハムやソーセージなどの加工肉について、国際がん研究機関(IARC)は毎日50g以上食べると大腸がんのリスクが高まると発表しています。(※3)平成27年度国民健康栄養調査によると、日本人の平均摂取量は1日平均12.4g。(※4)普通に食べる程度なら気にせずとも大丈夫ですが、食べ過ぎている場合は、食生活を見直す必要があります。

5条 塩辛い食品は控えめに

減塩によって、日本人に一番多い胃がんを予防することができます。1日あたりの食塩摂取量として男性は8g未満、女性は7g未満が目標です。(※5)だしを効かせたり、かんきつ類やハーブ・スパイスの風味を利用したりして減塩を心がけましょう。

塩辛や練りウニのような塩分の多い食品が好きな人は、週1度くらいに抑えましょう。

6条 野菜や果物は不足にならないように

世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)の研究で、野菜や果物の摂取が口腔・食道・胃がんのリスクを低下させる可能性が高いことがわかっています。野菜や果物の目安は、1日に合計400g以上を食べること。野菜小鉢を5皿(5SV)、果物は1皿(1SV)を目安に意識してみましょう。

7条 適度に運動する

家事や仕事を含め、1日の身体活動量の多い人ほど、がんだけでなく心疾患や糖尿病のリスクも低くなります。離れたコンビニエンスストアやスーパーに行く、目的地から離れた駐車場を使うなど、普段からカラダを動かすことが健康につながります。1日合計1時間くらいの運動が、続けやすくほどよい運動量です。

8条 適切な体重維持

日本人の場合、欧米人よりも肥満によるがんへの影響は少ないとされています。

しかし、糖尿病や脂質異常症などの原因となるので、太り過ぎは改善したいもの。

また、痩せによる栄養不足も免疫力を低下させ、感染症を引き起こしたり、血管の壁がもろくなって脳出血を起こしたりするので注意が必要です。

中高年期男性(40歳以上)のBMI(体重kg/身長m×身長m)で21~27、中高年期女性(40歳以上)では21~25の範囲内になるように体重をコントロールしましょう。

9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療

がんを引き起こす細菌やウイルスがあります。特に、肝炎ウイルスやピロリ菌については地域の医療機関で一度は検査を受けてみることをおすすめします。

【がんの原因となるウイルスや菌】

肝炎ウイルス:B型・C型肝炎ウイルスに感染している人は肝臓がんに罹患しやすいとされています。

ヒトパピローマウイルス:ほとんどの女性が感染しているウイルス。1/100~1/1000の確率で子宮頚がんが発生します。

ピロリ菌:胃がんの発生因子のひとつとされていて、中高年の感染率が高いことが分かっています。

10条 定期的ながん検診を

がんの自覚症状は進行してからのことが多く、早期で症状が出ることはあまりありません。がん検診は、症状のない早期がん・前がん状態のうちにがんを発見するのに有効です。1年~2年に一度はがん検診でカラダの状態をチェックするのがベスト。

11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を

やせる・顔色が悪い・貧血がある・下血やおりものがある・咳が続く・食欲がない、などの体調の変化に気がついたら、医療機関での受診をおすすめします。

12条 正しいがん情報でがんを知ることから

がんに効くとされる健康食品などが出回っています。根拠の乏しい方法を鵜呑みにせず、正しい情報をとり入れましょう。もし、疑問を感じたら、かかりつけ医などの専門家に相談することも重要です。

自分のカラダは自分で守ることが大切です。「毎日すること」「毎日食べること」を見直し、ストレスのない範囲で出来ることから改善し、がんになりにくいカラダを目指しましょう。

【参考・参照】

(※1)公益財団法人 がん研究振興財団 がんを防ぐための新12か条

〈www.fpcr.or.jp/pdf/p21/12kajyou_2015.pdf〉(最終閲覧日 2017/07/04)

(※2)国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ 飲酒と死亡リスク

〈http://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/2604.html〉(最終閲覧日 2017/07/04)

(※3)農林水産省 国際がん研究機関(IARC)による加工肉及びレッドミートの発がん性分類評価について

〈http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/meat.html〉(最終閲覧日 2017/07/04)

(※4)厚生労働省 平成27年国民健康・栄養調査報告 第1部栄養素等摂取状況調査の結果

〈http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h27-houkoku-04.pdf〉(最終閲覧日 2017/07/04)

(※5)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要

〈http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf〉(最終閲覧日 2017/07/04)

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[監修:あすけん 管理栄養士]

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がんリスクは「たばこ」並み 肥満はどうしていけないのか

がんリスクは「たばこ」並み 肥満はどうしていけないのか

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/236017

2018年08月24日

 がんリスクを高めるといわれる生活習慣や化学物質などはたくさんあるが、「たばこ並みのがんリスク」といわれるのが肥満だ。そのため肥満とがんの関係については世界各国で数多くの研究結果が報告されている。

 たとえば、英国の研究者は肥満とがんの発症、それによる死亡との関係などについて2015年5月までに報告された95件のメタ分析を検討した。

 それによると「食道の腺がん」「男性の結腸がん」「男性の直腸がん」「胆道系がん」「膵がん」「閉経後の女性の子宮体がん」「腎臓がん」「多発性骨髄腫」「ホルモン補充療法歴のない閉経女性の乳がん」「子宮体がん」「大腸がん」などのがんが、肥満と結びつきが強いとされた。なぜ肥満だとがんになりやすいのか? 国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「私たちは毎日一定の細胞が分裂を繰り返して増殖することで体を維持しています。中には分裂を繰り返すことで細胞が傷つくものもある。そうすると、がんにならないように細胞の増殖を停止するものが出てきます。これが細胞老化で、加齢でこうした細胞が体にたまってくると、炎症反応を起こしたり、がんの発症につながるタンパク質を分泌することが分かっています」

■「細胞老化」と「細胞競合」

 このタンパク質の総称を「SASP」といい、がんを促すがん微小環境をつくる。SASPの中には肥満時に分泌される物質もある。

 しかも、肥満になると、がんの発生を促すといわれている「二次性胆汁酸」をつくる菌が腸内に増加するという。それが血管を通じて肝臓に運ばれ、肝臓の細胞にダメージを与えてSASPを起こし、肝臓がんを発生させることが分かっている。

 最近では、肥満の人は変異細胞を生かし続ける性質があるとの考え方が注目されている。正常細胞層の中にがんを誘発させる変異が生まれると、その細胞と正常細胞の間で生存を争う。これを「細胞競合」という。通常は変異細胞が体外に押し出されてしまう。

 ところが肥満だと、この細胞競合のメカニズムが抑えられることが分かっている。北海道大学の研究チームが独自のマウスを使って、肥満が細胞競合現象に与える影響を調べる実験をしたところ、普通食を与えたマウスではがんを誘発するRas変異細胞が組織から体外へと排除されたものの、肥満マウスでは排除が抑制され、組織に残ったという。とくに膵臓では1カ月後に神経に細胞が増殖して小さな腫瘍の塊を形成した。

 研究チームはこの原因を「肥満による脂肪酸代謝の亢進」「慢性炎症」の2つであるとしている。

「これまで肥満はがんになりやすいということは、疫学調査の結果でいわれてきましたが、詳細は分からなかった。最近は、そのメカニズムも分かってきました。明らかな肥満体の人はやせる努力が必要で、少なくとも太らないようにすべきです」(一石教授)

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がん受診率向上へ 国が「対策加速化プラン」

がん受診率向上へ 国が「対策加速化プラン」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151120/k10010314141000.html

11月20日 19時20分
日本人の2人に1人がかかると推計されているがんについて、厚生労働省は働く世代の検診の受診率を向上させ死亡率を減らそうと「がん対策加速化プラン」をまとめました。
これは20日に開かれた厚生労働省のがん対策推進協議会でまとまりました。
がんは日本人の死因で最も多く、2人に1人がかかると推計されていますが、検診の受診率は目標としている50%に届かず、ほかの先進国に比べても低い水準で、早期発見や治療につながっていないと指摘されています。
20日まとめられたがん対策加速化プランでは、毎年、26万人がかかると推計されている働く世代への対策が重点的に示され、このうち、これまで自主的な取り組みに任されてきた職場の検診については、実態を調査したうえで検査項目などを示したガイドラインを策定するとしています。市区町村が実施している検診についても、自治体ごとの受診率を公表し、働く世代などへの対策を促すとしています。
さらに、抗がん剤などによる副作用や後遺症の治療ガイドラインの整備や患者への就労支援を行い、治療と仕事の両立を進めることや、患者個人の遺伝子情報に基づいた効果的な診断や治療法の開発に力を入れること、喫煙率を下げるため禁煙治療への保険適用の拡大などが盛り込まれています。
厚生労働省は、こうしたプランを確実に進め、がんによる死亡率を平成17年の人口10万人当たりの92.4人から20%減らしたいとしています。

目標達成できず 対策強化へ

厚生労働省は、平成19年に施行されたがん対策基本法に基づき策定された「がん対策推進基本計画」で、ことし末までの10年間にがんで死亡する75歳未満の人を20%減少させるという目標を掲げていました(人口10万人当たり2005年、92.4人→2015年、73.9人)。
しかし、ことし5月、現状のままでは目標が達成できず、がんで死亡する人は10年前に比べて17%の減少にとどまることが国立がん研究センターの推計で明らかになりました(2015年予測値76.7人)。
背景には検診の受診率の低迷やたばこ対策の遅れがあると指摘され、厚生労働省は専門家などから意見を聞き、働く世代の検診の強化などを盛り込んだ「がん対策加速化プラン」の策定を進めていました。

働く世代に検診を 企業・自治体は

仕事で忙しい働く世代の人たちにがん検診を受けてもらおうと取り組みを始めた企業や自治体があります。
神奈川県小田原市にあるガスの販売会社では、がん検診を重要な業務の一環と位置づけ勤務時間中に検診を受けることを認めています。一人一人の社員が受ける検診の日程を職場に張り出し、その時間帯は別の社員が仕事を肩代わりします。検診にかかる自己負担分の費用は全額、会社が負担し、今年度はフルタイムで働くおよそ70人の社員のうち、97%以上は受診を終えたということです。いわば強制的に検診を受けてもらうことで、去年は50代の男性社員の大腸がんが早期に見つかり、手術を受けたあと1か月ほどで職場に復帰したということです。検診を受けた男性社員は「時間をやりくりするのは大変ですが仕事だと思って検診を受けています」と話していました。
ガス販売会社の古川剛士社長は、「労働力不足のなか、社員ががんになって長期間、職場を離脱してしまうと、代わりを見つけるのは難しい。がん検診は中小企業にとって経営戦略の一環です」と話していました。

医療機関と連携して働く世代の人ががん検診を受けやすい環境を整えている自治体もあります。
山口県では、毎年、9月から11月までの3か月間、県内およそ70の医療機関に協力を呼びかけて乳がんと子宮頸がん、それに大腸がんの検診を休日や夜間に受けられるようにしています。医師や放射線技師の人件費や検診にかかる経費を県が負担し、年間およそ500人の受診につながっているということです。日曜日に山口県内のクリニックを訪れた女性は「毎年、乳がんと子宮頸がんの検診を受けています。平日は仕事を休めないので、とても助かります」と話していました。
山口県の國光文乃医療政策課長は「がん検診を受けない理由について『忙しくて時間が取れない』という人が多い。がんは早期発見が重要なので、働く世代を中心に、なるべく多くの人に気軽に検診を受けてもらいたい」と話しています。

患者団体「多くの命救って」

がん対策加速化プランについて、「全国がん患者団体連合会」の天野慎介理事長は「職場でどのようながん検診が行われているのかすら把握されていないのが現状です。これまで不十分だった対策を進め、1人でも多くの命を救うことにつなげてほしい」と話していました。

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たばこのポイ捨てに「ノン」、パリで10月から罰金9000円

たばこのポイ捨てに「ノン」、パリで10月から罰金9000円

http://jp.reuters.com/article/2015/10/01/paris-tobacco-idJPKCN0RV3BO20151001

[パリ 30日 ロイター] - パリ市は10月1日から、たばこの吸い殻を路上に捨てた人に対し、68ユーロ(約9000円)の罰金を科すと発表した。

パリでは毎年、4900人の市職員が路上で350トンの吸い殻を回収しているという。同市は声明で「(吸い殻は)美観を損ねるだけでなく、土壌や水を汚染する危険のある毒素を含んでおり、重大な公害物質だ」と警告した。                              

パリでのたばこのポイ捨て問題は、2006年に公共の場での喫煙が禁止され、喫煙者がカフェやバーから路上に移動したことで悪化したという。

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長寿家系に生まれた人はがんが少ない、デンマーク研究グループが報告

長寿家系に生まれた人はがんが少ない、デンマーク研究グループが報告

https://www.mededge.jp/b/heal/15854

健康的な行動が発生率に影響か

2015年7月12日 4:00 PM

 長寿家系に生まれた人は一般的な人と比べてがんの発生率が低いと分かった。

 デンマークの南デンマーク大学の研究グループが、疫学分野の国際誌であるアナルズ・オブ・エピデミオロジー誌2015に報告した。

長寿家系の子ども3267人の調査

 長寿の家系についての注目度は高い。遺伝的および他の家族的因子があると見られているものの、はっきりした原因は分かっていない(110歳まで生きるための遺伝子、そんなものはあるのか?)。研究グループは特定のがんの低い発生率が長寿家系の原因かどうかについて検証している。

 研究の対象としたのは、長寿の家系に生まれた子ども3267人。長寿家系の定義は兄弟姉妹の中の2人以上が90歳以上の年齢まで生きていた家系としている。

 研究グループは対象とした3267人を1968年から2009年までのほぼ40年間にわたって追跡調査している。比較対照として、情報の整ったデータベースに基づいて、年齢や性別などの条件を揃えた上で、一般的な集団のがん発生数と比べている。

2割以上低い

 41年の追跡調査の期間の間に、397人、延べ423件のがんの発生が確認できた。

 がんの発生率は、長寿の家系の子どもで低いという結果になった。一般的な集団と比べたときの発生率は、がん全体では0.78倍と2割以上低くなっていた。内訳を見ると、たばこに関係するがんでは0.66倍、肺がんでは0.34倍、乳がんでは0.88倍、直腸がんでは0.91倍だった。

健康的な行動が原因か

 長寿の家系の子どもでたばこに関係するがんの発生率は、たばこに関係しないがんと比べて低い。研究グループは、長寿の家系では健康につながる行動ががんの発生率を低くしている可能性があると見ている。

文献情報

Pedersen JK et al. Low tobacco-related cancer incidence in offspring of long-lived siblings: a comparison with Danish national cancer registry data. Ann Epidemiol. 2015;25:569-574.e3.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25890797

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<がんを防ごう>道新ニュースサロン「感染を絶つ」 北大大学院・浅香特任教授が解説

<がんを防ごう>道新ニュースサロン「感染を絶つ」 北大大学院・浅香特任教授が解説

http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/health/news/2-0027525.html

07/15

 北海道新聞が道民に呼びかけている「がんを防ごう」キャンペーン。連載の第2部「感染を絶つ」(全7回)掲載後の7日、札幌市中央区の北海道新聞社で開かれた「道新ニュースサロン」では、北大大学院医学研究科の浅香正博特任教授=がん予防内科学=が、がん予防と感染との関わりや胃がんの原因であるピロリ菌の除菌治療などについて約1時間、話しました。その後、浅香さんはサロンに集まった市民や読者約80人の質問に答えました。当日の講演と質疑応答を紙面で紹介します。(編集委員 岩本進、桜井則彦)

 北大大学院に「がん予防内科学」の講座を開いて5年目。この間、さまざまながんの予防を研究しています。がんの予防とは、どんなものなのでしょうか。

 医師になって四十数年、消化器がんの患者をたくさん診てきましたが、助けることができた方はせいぜい数百人単位です。がんの予防が実現できれば、その数は数万人を超える可能性があります。

 がんは、遺伝子の異常で起こります。体の中では毎日、細胞分裂で6千億個の細胞が補充されています。たまに生じるDNAのコピーミスからがんが起きます。ミスの一番の原因は老化です。老化は食い止められませんので、がんの発生を100%防ぐことはできません。防げるがんだけでも予防しようというのが、きょうの私の話です。

■全体の25%超に

 がんの原因が分からないと、がんの予防はできません。がんには喫煙を含めた生活習慣から起こるがんと、感染症から起こるがんがあります。日本は最近まで生活習慣を重視し、他の要因はほとんど顧みられることがありませんでした。

 それは、感染によるがんがとても少ない欧米のデータをうのみにしていたためです。実際に、日本人について調べるととても多いことがわかりました。

 肝炎ウイルスによる肝臓がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸(けい)がん、ピロリ菌による胃がん。これらを合わせると、がん全体の25%超。喫煙によるがんと同じくらいの割合です。

 生活習慣由来のがんは、予防が難しいのです。最もできそうな喫煙対策でさえ、なかなか実現できていません。一方、感染症由来のがんは、原因のウイルスや細菌を取り除いてしまえば、がんになる確率が大きく減ります。ずっと予防しやすいがんなのです。

 国は2012年改定のがん対策推進基本計画で、感染で起こるがんの対策を初めて盛り込みました。その意味で、北海道新聞の今回の連載「感染を絶つ」は非常に良いキャンペーンだと考えています。

■正しい知識大切

 感染で起きる三つのがんと予防策を話しましょう。

 子宮頸がんの原因の大半はHPVです。性的接触でウイルスが伝わり、がんを発症する性感染症です。予防は、世界で最も推奨されているワクチンが、わが国では副作用と思われる症状が出たために国が積極的な接種を勧めていません。また、検診の受診率も低いのが現状です。

 ワクチンの副作用は1万人に1人くらいです。どんなものにも利益と不利益があります。それを考え、医療者と相談し、接種するか否かを自分で判断することが重要です。でも日本人はそういうことがすごく苦手です。国もすぐ逃げて現場任せにしてしまいます。とても難しい問題です。

 「子宮頸がんは性感染症だ」という教育を、子どもたちにできないことも問題です。現場から「寝た子を起こすな」と断られることが多いのです。コンドームを使う、局部を清潔にする、というような正しい知識を教えることと、検診の受診率を高めることが大切です。

■ウイルスを駆除

 肝臓の細胞ががんになる肝細胞がんの9割は、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染が原因です。

 B型は、ほとんどが出産時の母親からの母児感染です。新生児へのワクチン投与で予防できます。でも最近、わが国でB型がまた増えています。日本になかったヨーロッパ型のウイルス株です。これも性感染症ですので注意が必要です。

 一方、C型は、ウイルスに汚染された輸血や血液製剤、注射針の使い回しなどで感染します。

 予防は、肝炎ウイルスの駆除が一番です。がんの前段階である慢性肝炎の対策が最も重要です。感染していたら医療機関に通ってください。まずは自覚症状の有無にかかわらず、一生に1回は肝炎ウイルス検査を受けてください。保健所や市町村で受けられます。

■除菌に保険適用

 胃がんを起こすピロリ菌は、感染すると数週間~数カ月で100%の人が慢性のピロリ感染胃炎になります。細菌をやっつけようと白血球が集まり、サイトカインという爆弾を胃の粘膜に投下しできた胃炎です。

 これが長く続くと萎縮性胃炎となり、胃がんへと進みます。また、ピロリ感染胃炎から、十二指腸潰瘍、胃ポリープ、スキルス胃がんなどが直接起こります。

 このピロリ感染胃炎に対する除菌治療が健康保険で受けられるのは、世界の中でも日本だけ。ピロリ菌を除菌すれば胃がんや多くの胃の病気を防げるのです。

 胃がんで命を落とさないためには、ピロリ感染胃炎の精査で医療機関を受診してください。日本ヘリコバクター学会の認定医を勧めます。認定医は学会のホームページ(http://www.jshr.jp/)でわかります。

 自覚症状があるなしにかかわらず、受診してください。家族に胃がんの方がいたら、絶対に受診してください。保険診療のためには必ず内視鏡検査を受ける必要があります。

 除菌に成功すると、ピロリ感染胃炎は治ります。でもがんの前段階の萎縮性胃炎は、治るのに時間がかかり、除菌後10年間で治るのは80%程度です。除菌に成功しても萎縮性胃炎が完全に消えるまでは年1回、内視鏡の検査を受けましょう。これで胃がんで亡くなる確率は限りなくゼロに近づくと考えられます。

■ピロリ菌、除菌大丈夫? 参加者の疑問に回答

 講演後、参加者と浅香正博特任教授との主な質疑応答は次の通り。

 胃カメラの検査でピロリ菌がいると分かり、除菌薬を飲んでいたのですが、顔が真っ赤に腫れ、全身にひどい湿疹が出ました。「薬によるアレルギーで、除菌薬は使えない」と主治医から言われました。どうしたらよいのでしょうか(女性Aさん)

 浅香さん おそらくペニシリンアレルギーだと思います。100人に1人くらいの割合で起こります。ペニシリンは重要な除菌薬ですが、ペニシリンを使わない除菌法がいくつもあります。そうした除菌ができる病院を受診してください。日本ヘリコバクター学会の認定医を受診するのが安心です。

 主治医から「ピロリ菌はいますが、除菌の必要はありません」と言われました。別の医師に聞くと、主治医が言っているならそのままでよいとのことで、(ピロリ菌除菌が)場合によっては逆流性食道炎になる副作用もあると言われたのですが、どうしたらよいでしょうか(女性Bさん)

 浅香さん ピロリ菌はたばこより強い発がん物質と認定されています。この発がん物質を取り除くことが胃がん予防の第一歩であると、世界保健機関(WHO)が報告しています。除菌後の逆流性食道炎はピロリ菌除菌の後、起こることがありますが軽症が圧倒的に多いのです。ですから、ピロリ菌除菌を行ってくれる病院で除菌の相談をした方がいいでしょう。

 ピロリ菌除菌に2度失敗して、3回目の除菌に行きました。そこで(ピロリ菌がいるかどうかの)呼気検査を受けると、ピロリ菌は除菌されているように言われました。時間がたって自然にピロリ菌がなくなることがあるのでしょうか(男性Cさん)

 浅香さん 呼気検査が一番確実なピロリ菌診断方法です。しかし異常と正常の境界域の判断が難しいことがあります。その場合、時間をおいて再検査することがよいと思います。

 お尋ねのケースでは除菌判定時に正常より高めの値が出たのですが、経過と共に下がってきたと思われます。2度目の除菌は成功していたのだと考えられます。

 ピロリ菌を除菌すると、成人に比べて、若い人、例えば中学生では副作用の確率が上がるなど、デメリットはありますか(男性Dさん)

 浅香さん 中学生はまだ評価するために必要な膨大なデータがなく、臨床試験を行っているところです。今のところ大人と大きな違いはなさそうです。

 実際の問診では、Aさんの質問にもあったペニシリンアレルギーも含め、親も交えて詳しく話を聞いています。

 ピロリ菌除菌の副作用で一番多いのは軟便で、10人に1人くらい、下痢は20~30人に1人ほど出てきますが、整腸剤を併用することでほとんどが解決します。

 「がんを防ごう」の連載記事は、どうしん電子版とどうしんウェブでバックナンバーを公開しています。第1部「1万8千の命」(全5回)はこちらから、第2部「感染を絶つ」(全7回)はこちらからご覧いただけます。

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肝機能の異常、放置は禁物 意外に多い「胆管がん」

肝機能の異常、放置は禁物 意外に多い「胆管がん」

http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150713med00m010006000c

2015年7月13日

日本や東アジアに患者/人間ドックで早期発見/手術ができれば完治も

 今年5月、詩人の長田弘さんが胆管がんで亡くなった(享年75)。1月には柔道家の斉藤仁さんが54歳の若さで肝内胆管がんに命を奪われている。胆管がんとはどのような病気か。手術を受けたジャーナリストの大谷昭宏さん(69)に体験を聞き、早期発見と治療の方法を探った。(医療ライター・福島安紀)

 ジャーナリストの大谷昭宏さんは昨年5月、人間ドックで「肝内胆管がんの疑い」と診断された。自覚症状は全くなかったが、血液検査で肝臓の機能を表すγ(ガンマ)−GTPが異常な数値を示し、全身コンピューター断層撮影(CT)検査の画像で、肝臓内の胆管に腫瘍が見つかったのだ。

 胆管は、肝臓で作られる消化液である胆汁の通り道(図)。肝臓の中を通っている部分にできるがんを肝内胆管がんと呼ぶ。昨年、女優の川島なお美さんも、この病気で手術を受けた。専門的には、肝内胆管がんは肝臓がんの一種に分類されるが、治療法は、肝臓を出て膵臓(すいぞう)の近くを通る肝外胆管のがんと共通しており、医学的に一緒に扱われることも多い。ここではまとめて胆管がんとすることをお断りしておく。

 「聞き慣れない病名ですし、がんかもしれないと言われたときにはびっくりしました。でも、調べたら非常に初期のがんで、リンパ節や他の臓器には広がっていませんでした。診断した医師にも、その後、精密検査と治療を受けた大学病院の担当医にも、見つかったのは幸運だと何度も言われたので、定期的に人間ドックを受けていてよかったです」

 そう語る大谷さんは、新聞社を辞めフリーランスになった頃から27〜28年間、年2回、人間ドックを受けてきた。「酒もたばこもむちゃをする男だからと、懇意にしていた医師に勧められたのです。続けてきたのは、ドックで健康であるというお墨付きをもらえば、また酒もたばこもガンガンやれるというよこしまな気持ちからでした。仕事が忙しく、一度くらいパスしてもいいのではと思ったこともありますが、もしも昨年人間ドックを受けずにがんが進行していたらと考えるとぞっとします」

 大谷さんは昨年8月末、肝臓の約3割を切除する手術を受けた。2週間入院し、9月末には仕事に復帰している。その後、再発予防治療法を開発するための臨床試験に参加し、半年間、飲み薬の抗がん剤を服用したものの、特に生活に支障はなかったそうだ。がんの告知をきっかけに禁煙もした。

 胆管がんは、胆のうがんと併せて胆道がんとも呼ばれ、男女合わせると、がんの中で6番目に死亡者が多い。欧米ではまれだが、なぜか日本を含む東アジアに患者が多く、高齢化が進むとともに徐々に増えているのが特徴だ。手術ができない段階で見つかる人も多いため、治癒の目安となる5年生存率は全体で21%と、膵臓がんの次に治りにくいがんとされる。

 2012年には、大阪市の印刷工場の元従業員がインキの洗浄に使う化学物質ジクロロプロパンとジクロロメタンに長期間さらされ胆管がんを発症したことが社会問題になった。大谷さんは毎晩ウイスキーを飲んでおり、川島さんもワイン通で有名だが、飲酒とも関係があるのだろうか。

 「たばこがすべてのがんのリスクを増やすことは確かですが、胆管がんと飲酒との関係はないとされています。分かっているのは、C型ウイルス性肝炎と多少の関連があり、肝内結石症、胆管炎、膵臓と胆管が合流しているところに異常がある人は、胆管がんになるリスクが高いこと。他の多くのがんと同じように原因が不明の人も多いのが実態です」。胆管がんが専門の杏林大学医学部付属病院腫瘍内科教授、古瀬純司さんはそう説明する。

 大谷さんのような肝内胆管がんは初期には症状が出にくく、みぞおちや右脇腹に鈍い痛み、食欲不振、全身倦怠(けんたい)感といった症状が出たときには手遅れのケースもある。しかし、肝外胆管がんでは早い段階で黄だんが出るので、初期に発見されるケースも少なくない。黄だんが出るのは、胆管にがんができると胆汁がせき止められ、行き場のなくなった胆汁が血液中にあふれ出るからだ。「尿の色が濃い、灰白色便などの症状に気づいたら放置せず、できるだけ早く消化器内科を受診しましょう」と古瀬さんは強調する。症状は上の表を見てほしい。

 治療には、手術と薬物療法がある。完治が期待できるのは手術でがんが取り切れたときだ。同じ胆管がんでも、手術法は病巣ができた場所によって異なる。大谷さんは肝臓の一部を切除するだけで済んだものの、胆のうと十二指腸、膵臓の一部を切除し、胆管と食べ物の通り道を再建する大がかりな手術が必要になる場合もある。

 さらに古瀬さんは、薬物療法についてこう語る。「胆管がんは、以前は薬が効かないと言われていましたが、効果の高い抗がん剤が出てきています。見つかった段階では進行していて手術ができない状態でも、抗がん剤治療でがんが小さくなれば手術ができるケースもあります。手術ができないと言われても諦めないでください」

 「早く見つけてたたけば、がんは怖くない」と大谷さんは言う。胆管がんの早期発見法はあるのだろうか。「今のところ、大谷さんが受けた全身CT検査も含め、死亡率を減らす効果が科学的に証明された方法はありません。50歳以上の人は、人間ドックで腹部超音波検査を受ければ、初期の段階で見つかる可能性があります。また、職場や自治体の健康診断で定期的に受けている血液検査で肝機能の状態が悪いようなら、精密検査を受けてください」と古瀬さん。肝臓の病気の恐れもあるわけだが、大谷さんも、がんが発見される半年前の人間ドックで、肝臓の機能を表すγ−GTPが高いことを指摘されていた。

 日本人に多いだけに、早期発見法の確立と、さらなる薬の開発が望まれる。

(毎日新聞2015年7月2日掲載)

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SMAP中居、のど腫瘍は「良性」

SMAP中居、のど腫瘍は「良性」

http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2055393.html

2015年7月4日

人気グループ・SMAPの中居正広が4日、ニッポン放送『中居正広のSome girl’s SMAP』(毎週土曜 後11:00)で、のどの手術に関する続報を報告。手術して3~4日後の検査で腫瘍が「良性」だったことが明らかになった。

 中居は前週の6月27日放送分で、約1年半前からのどに違和感があり、「声がガラガラで、無理しても声が出ない」症状になっていたと告白。5月下旬に検査で病院に行ったところ、精密検査で腫瘍が見つかり、「悪性なら喉頭がん」と診断されたため、「6月3日か4日」に手術を受け、5日間ほど入院していたことを明かした。

 この日の放送では、手術して3~4日くらいしてから検査したところ「よかったですね、良性です」と言われたと報告。2月に亡くなった父親の正志さん同様、悪性でがんだった場合、「のど(声帯)とっちゃったらしゃべれないじゃん。司会は無理、芝居も歌も無理。踊りだけ。パントマイムで何か面白いことできるのかとかいろいろ考えた」と振り返った。

 退院後2~3週間が経ち、たばこを吸っていないというが「周りにやめたの?って言われると、やめたつもりじゃないから返事しにくい。ただ吸ってない」と説明。「でもひとつも苦じゃない。どっか自分で決めたんだろうね」といい、これまでに吸ったたばこの本数を計算したところ、「60万本は吸ってましたね」と自ら驚いた。

 たばこを吸っていない理由の一つに、正志さんの“遺言”があったことを告白。中居が“家訓”を色紙に書いてほしいと頼んだところ、「3枚くらい書いてくれて、『禁煙』っていうのがあった。一回お前経験してみろと、筆談と恐怖感を経験したら禁煙するんじゃないかというおやじの戒めじゃないけど、なんかあるんじゃないかって」と振り返った。

 また、かつてドラマで共演し、5月に大腸がんで他界した今井雅之さんが亡くなった日の朝、今井さんのマネージャーから連絡があり、「“中居に検査しろ”って、今井さんから中居さんへの遺言です」と伝えられたと告白。父親と今井さんの“遺言”に導かれるように検査に行き、腫瘍が見つかったと明かした。

 番組中「声出てるのかな、前より」とスタッフに確認した中居は「去年から歌ってないのよ。ほんのちょびっとしか。シングルもほとんど歌ってないし、ライブもソロなかったでしょ? 歌えないのわかってたんで。でも、もしかしたら歌えるかもしれない、頑張ったら。俺、うまくなってたらどうする?」とおどけていた。

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重要項目は6つ がん予防は「リスク」の正確な数値を知るべし

重要項目は6つ がん予防は「リスク」の正確な数値を知るべし      

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161515

2015年7月8日

 がん予防の情報はあまたあるが、一体何を信じればいいのか。国立がん研究センターの予防研究班は、がんの原因と思われるさまざまな要因について、その因果関係を科学的根拠に基づいて明らかにし、現状では6項目(喫煙、飲酒、食生活、肥満、運動不足、感染)が重要としている。がん予防・検診研究センター長の津金昌一郎氏は言う。

「全国11の保健所の協力を得て、40~69歳の男女、総計14万420人を対象に、がんとその他の病気の罹患について20年以上にわたって追跡調査しました。その結果を分析すると、『禁煙』『節酒』『食生活』『身体活動』『適正体重』。この5つの生活習慣を実践する人は、0~1つだけ実践する人に比べて男性で43%、女性で37%が、がんになるリスクが低いという推計が示されています」

■喫煙

 たばこを吸う人が何らかのがんになる確率は吸わない人の1.5~2倍。肺がんリスクは4~5倍にもなる。胃がん、食道がん、膵臓がん、子宮頚がんのリスクも「確実」との評価だ。

「がん細胞ができるメカニズムは、何らかの要因で遺伝子が傷つき、細胞が複製する際に“ミスプリント”が起こることによる。炎症などにより複製の回数が多くなればなるほど、ミスの可能性も高まります。たばこの煙には4000種類以上の化学物質や有毒ガス、約60種類の発がん性物質が含まれており、肺から血管を通って全身へ巡り、遺伝子を傷つけてがん細胞を生み出すのです」

 受動喫煙でも、肺がんになるリスクをアップさせる。

■飲酒

 1日に日本酒2合以上の飲酒習慣で1.4倍程度、3合以上で1.6倍程度、がん全体の発症リスクが高まる。日本人の適量は1日平均23グラム程度(日本酒1合、ビール大びん1本、焼酎3分の2合、ウイスキー1杯、ワインボトル3分の1)。週単位で150グラム程度が望ましい。

「アルコールが代謝されると、発がん物質のアセトアルデヒドができるほか、飲酒によってDNAの複製に関わる葉酸が不足することなどが起因していると考えられます」

■食事

 もっとも注意すべきは塩分過多。胃がんリスクはほぼ確実。高塩分のものを頻繁に食べる男性の胃がん発症率は、ほとんど食べない男性に比べ、「週1~2回」で1.58倍、「週3~4回」で2.18倍、「ほとんど毎日」は2.44倍も高い。

「漬物、魚卵、塩辛など塩分濃度が濃い食品は、胃の粘膜を保護している粘液を破壊して炎症を引き起こし、細胞を傷つけます。食塩の国際的な推奨摂取量は1日5グラムですが、日本では8グラム前後に設定されています」

 野菜・果物の不足もリスクを高める。推奨摂取量は1日に野菜と果物合わせて400グラム。また、熱い飲食物は食道がんのリスクを上昇させることがほぼ確実となっている。
「食道の粘膜が傷つけられます。口に入れた時にヤケドするぐらいの熱さのものは要注意です」

■身体活動

 身体活動量が多い人は、少ない人よりも男性で0.87倍、女性で0.84倍、がんリスクが低い。

「予防できる理由は完全に解明されてはいませんが、運動はインスリン抵抗性を改善するのに有効です。インスリンがしっかり働かなくなると、体内のインスリンが過剰になり、腫瘍細胞を増殖させてしまいます」

 歩行かそれと同等以上の強度の身体活動を、1日60分ほど行いたい。

■体形

 BMI(=体重キロ÷身長メートルの2乗)が「23~24.9」のグループと比較して、男女ともに「30以上」で約1.3倍程度、がん死亡リスクがアップする。また、日本人男性は「21未満」の痩せ過ぎによるリスクも高い。男性はBMI21~27、女性は21~25の範囲にとどめることが肝心だ。

 

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がん死亡20%減は未達成、「喫煙、検診、均てん化」に課題

がん死亡20%減は未達成、「喫煙、検診、均てん化」に課題

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/329673/?category=report

第2期がん対策計画、中間評価まとまる      

2015年6月11日 成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省のがん対策推進協議会(会長:門田守人・公益財団法人がん研究会有明病院院長 )が6月10日、開催され、2012年度から2016年度を対象とする「第2期がん推進基本計画」の中間評価がほぼまとまった。協議会の意見を踏まえ、6月下旬にも確定する。現在の協議会委員は今回で任期が切れ、次回から新任の委員で2017年度の次期計画等について審議する(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 中間評価では、2012年度に策定された「第2期がん推進基本計画」の全体目標と個別目標について、それぞれの進捗状況と指標測定結果を示した上で、協議会として計画を推進するために必要な事項をまとめた。全体目標の死亡数20%減は目標達成が困難な状況で、今後、がん種ごとの施策が重要だと指摘があったほか、緩和ケアの推進やたばこ、がん検診受診率向上の対策の必要性が強調された。

今回で任期が切れるため、全委員が最後に2年間を振り返り意見を述べた。

 指標に関しては、国立がん研究センターの研究班が、医療者に対する意識調査や、今回初めて患者を対象にした調査を実施。目標達成の進捗状況を示す数値として中間評価に採用された。一方で目標に対し、適当な指標がないために「測定困難」となった項目もあった。

 2007年度に策定された「がん対策推進基本計画」では、2015年までの死亡者数減20%を目標に掲げていたが、国立がんセンターの推計では17%減にとどまる見込みで、達成は難しい状況だ(『「全面禁煙、がん死亡者減に不可欠」』を参照)。20%減の内訳は、自然減10%のほか、禁煙率半減とがん検診受診率50%達成、がん医療の均てん化による減少分10%が見込まれていたが、喫煙率と検診受診率は達成ができなかった。また、均てん化については調査中で数値が出ていない。

 均てん化に関しては、堀田知光委員(国立がん研究センター理事長)が「一般的な診療の進歩が計画目標の均てん化に含まれるのは違和感がある。自然減に含まれるべきではないのか」と指摘し、均てん化の指標の再考が必要だとの認識を示したが、会長の門田氏も「均てん化の指標化は非常に難しい問題」と述べ、今回の中間評価では評価を盛り込むのは難しいとした。

 これに対し、国立がん研究センターがん対策情報センター長の若尾文彦氏は、「今後、クオリティインデックス等を使って一定の評価ができると考えている」と話し、次期協議会以降で何らかの指標を具現化するとした。

会長を務めた門田守人氏。目標の指標作成は協議会の重要な課題になったと指摘した。

標準的治療実施、3割にとどまるがんも

 均てん化に関係する数値では、2012年から2013年までの院内がん登録(169施設)とDPCデータを解析した「標準的治療の実施割合」がこの日の会議で初めて公表され、基本計画の(1)がん医療の「放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とチーム医療の推進」の個別目標の指標として中間評価に記載された。

 それによると、大腸がん術後化学療法実施率が49.6%、胃がん術後化学療法実施率68.2%にとどまったほか、割合が一番高かったのが肝切除前ICG15分停滞率検査実施率で90.3%、一番低かったのが乳房切除術後高リスク症例放射線療法実施率で33.1%だった(連携する他院での治療は含まれない)。

 関連学会はがん診療ガイドラインの作成をすすめ、均てん化を推進しようとしているものの、標準的治療の普及には課題があることが浮き彫りになった。

子宮頸がんは増加が加速

 がん死亡者数は17%にとどまるが、がん種別に見ると減少率には相違がある上、増加したがんもある。

 国立がん研究センターが部位別の死亡率の変化を基本計画の対象となる2005年~2015年とその前の1995年~2005年で比較した。胃がんはほぼ同じ割合で減少が続いているのに対し、大腸がん、肺がんは減少傾向が鈍化、乳がんはほぼ同じ割合で増え続け、子宮頸がんは増加が加速していた。基本計画の期間で死亡率の減少がさらに進んだのは肝臓がんだけだった。

 同センターの総括では、全体のがん死亡数の減少が目標を下回った理由として、肺がんや大腸がんの死亡数減少の鈍化が上げられると指摘。喫煙者数減少やがん検診の受診率向上が重要だとの認識が再確認され、中川恵一委員(東京大学医学部附属病院放射線科准教授)は「胃がんや肝臓がんなど感染型のがんが減っているのは自然な流れ。それなのに子宮頸がんはまた増加傾向にあり、特に20代、30代で増えている」と指摘し、ワクチンや検診について検討が必要だと述べた。

中川恵一氏は、喫煙対策や子宮頸がん対策の重要性を強調した。

AYA世代の対策も次期以降に

 また、中間評価には、次期協議会での審議の課題として、「今後のがん対策の方向性について~これまで取り組まれていない対策に焦点を当てて~」とする資料を添付した。もともとのがん対策推進基本計画も明確な記載がないものの、今後、推進が必要な事項を指摘した。

 医療経済的な観点やデータ統合推進の重要性、がん患者への情報提供の在り方や障害者への支援等の必要性、さらに「小児期、AYA世代、壮年期、高齢期者等のライフステージに応じたがん対策」として、これまで触れられることの少なかった思春期世代と若年成人世代に当たるAYA世代のがん対策や、高齢者のがん患者の治療法選択の支援の重要性等が記載されている。

 これらについて、「早急な対策を講じるとともに、次期基本計画を作成する際に考慮すべき」としている。

研究班や情報提供にも課題

 そのほか、進捗状況を示す指標の調査方法や、科学的根拠に乏しい情報に関する懸念について指摘があった。

 調査方法に関しては、厚生労働省の研究班として国立がん研究センターの研究者らが調査を実施したが、堀田氏は「データをきちんと収集するためには、がん対策推進協議会の事業という位置づけにするべきだ」と主張。「研究班」として医療機関などにアンケートを依頼しても断られるケースがあると指摘した。

 科学的根拠に乏しい情報についての懸念は、濱本満紀委員(NPO法人がんと共に生きる会副理事長)が指摘。濱本氏が提出した「患者が藁にもすがる思いで信頼性に劣る高額な治療に走ったり、本来受けられるべき治療を受けなかったりする例が後を絶たない。何らかの規制や指導の検討を望む」とする意見書を踏まえて、より正確な情報提供をする取組みが必要との文言が中間評価に加えられた。

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