電子たばこ

加熱式タバコ「タール」紙巻きタバコより多く~韓国行政調査

加熱式タバコ「タール」紙巻きタバコより多く~韓国行政調査

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180615-00086511/

6/15(金) 12:28

 アイコス(IQOS)などの加熱式タバコに含まれる有害物質は、タバコ会社のアナウンスだとかなり低い値になっている。第三者機関の調査研究では、その結果はまちまちだが、今回、韓国の食品医薬品安全処(Ministry of Food and Drug Safety)が3製品を調べたところ、有害物質がかなり多く含まれ、特にタールは紙巻きタバコより多かった。

韓国にも3種類の加熱式タバコが

 加熱式タバコは日本では現在、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)のアイコス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のグロー(glo)、日本たばこ産業(JT)のプルーム・テック(Ploom Tech)の3種類が発売されている。韓国では、日本のJTにあたるKT&Gのリール(lil)があり、プルーム・テックは販売されていない。

 今回、日本の消費者庁や米国の食品医薬品局(FDA)にあたる韓国の食品医薬品安全処は、アイコス、グロー、リールの3種類の加熱式タバコの有害物質を調べた。

 加熱式タバコの有害物質に関する情報が、販売業者であるタバコ会社からのものしかなく情報の偏在があるという理由からだ。韓国食品医薬品安全処のリリースによれば、タールとニコチンの量、世界保健機関(WHO)が定めた9種類の有害物質(※1)をISO(International Organization for Standardization)法とHC(Health Canada)法の2種類の分析法によって調べたという。

 タバコ会社の分析は概してISO法のみを使用している。HC法との違いは、ISO法がタバコフィルターの吸い口から出る物質を単純に測定するのに比べ、HC法ではタバコフィルターに空けられた穴などを塞ぎ、より厳密にタバコが発生させる有害物質を測定分析する。

 よく「軽いタバコ」などというが、タバコ本体の葉タバコの成分や量に変わりはなく、フィルターに穴を開けることで吸い込むまでの間に空気を流入させているだけだ。軽いタバコを吸っている喫煙者は、フィルターの穴を指や唇で塞いだりし、より強い吸い心地を得ようとすることも多い。

 そのため、軽いタバコと表示されていても健康への害が少なくなるわけではない。つまり、ISO法は喫煙者の喫煙行動を再現したものではなく、HC法のほうがより実態に近い成分を検出できることになる。タバコ会社以外の第三者機関の研究では、ISO法とHC法の2種類で分析することが多く、韓国の食品医薬品安全処でも同様の方法を採用したというわけだ。

タールもしっかり含まれていた加熱式タバコ

 分析した結果は下記の表のようになる。驚くのは、タールの含有量だ。アイコス9.3mg、グロー4.8mg、リール9.1mgも検出されている。これはISO法でHC法だともっと多い。

 日本で売られている普通の紙巻きタバコのタール量は平均6.9mg(0~24.8mg、※2)なので、アイコスやリールはそれよりも多いことになり、グローにしても決して少ない量ではなくHC法だと最も多くなる。

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韓国で販売されている3種類の加熱式タバコには、発がん性が疑われるアセトアルデヒドなど明らかに有害物質が含まれている。ISO法とHC法の違いもよくわかる。Via:韓国の食品医薬品安全処のリリース(筆者がハングルから日本語訳した)

 加熱式タバコのパッケージには「有害性物質○○%オフ」などという表示が印刷されているが、WHOは2018年2月にこうした表示は早計であり、消費者を誤った情報で誘導するものだと批難している。

 こうした分析結果や加熱式タバコから出る物質による健康への影響がまだわからないという実情を踏まえれば、受動喫煙防止対策で加熱式タバコを特別扱いするのは明らかに間違っている。日本の厚生労働省や消費者庁も、国民の健康や生命を守ることについてもっとよく考え、行動するべきだ。

 今後、こうした分析結果が続々と公表されてくることが予想されるが、喫煙者はもちろん国民は加熱式タバコの有害性が普通の紙巻きタバコに比べて低いものではないことをよく知っておいたほうがいい。

※1:ベンゾ(a)ピレン(Benzo[a]pyrene、発がん性物質)、N-ニトロソノルニコチン(N-Nitrosonornicotine、NNN、発がん性が強く疑われる物質)、4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(4-(methylnitrosamino)- 1-(3-pyridyl)-1-butanone、NNK、発がんに関与する物質)、ホルムアルデヒド (Formaldehyde、毒性が強い発がん性物質)、ベンゼン(benzene、発がん性物質)、1,3-ブタジエン(1,3-Butadiene、強い発がん性が疑われる物質)、アセトアルデヒド(Acetaldehyde、発がんに強く関係した物質)、アクロレイン(Acrolein、強い毒性と酸化ストレス作用を持つ物質)、一酸化炭素(Carbon Monoxide、中毒症状を引き起こす毒性の強い物質)

※2:日本たばこ協会の資料(2017年)より

石田雅彦  | フリーランスライター、編集者 6/15(金) 12:28

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加熱式たばこに異論噴出 受動喫煙法案が衆院厚労委可決

加熱式たばこに異論噴出 受動喫煙法案が衆院厚労委可決

2018年6月16日05時18分

 受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案は15日の衆院厚生労働委員会で、自民・公明両党などの賛成多数で可決された。19日にも衆院を通過し、参院に送付される見通し。参考人質疑では、規制が緩い加熱式たばこについて「紙巻きたばこと同様の規制にすべきだ」と異論が噴出。調査研究の結果に基づき、加熱式たばこを同様に取り扱うなど、必要な措置を速やかに講ずるとした付帯決議も15日、可決した。

 改正案は、焦点だった飲食店を原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とするが、例外的に客席面積100平方メートル以下で個人経営か中小企業の既存店は「喫煙」「分煙」などと表示すれば喫煙を認める。加熱式たばこも規制対象だが、受動喫煙による健康影響が未解明として、加熱式たばこ専用の喫煙室では飲食もできる内容になっている。

 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、世界の加熱式たばこの販売量の大半を日本が占めていることを挙げ、「健康被害が実際に出始めてからでは遅い」と指摘。名古屋市立大学病院の大手信之副院長は「食事をすると滞在時間が長くなり、煙が付着したり吸入したりすることもある。健康影響が将来的にわかってから規制を緩めるのは可能だろうが、その逆は難しいのではないか」と話した。

 日本肺がん患者連絡会の長谷川一男代表は「改正案では、飲食店の55%が例外的に喫煙できる状況にあり、受動喫煙をなくせるのか疑問だ。安全性が確立していない加熱式たばこは紙巻きと同様に規制すべきだ」と訴えた。

 与党は、20日までの会期の延長を視野に、今国会での成立を目指す。(黒田壮吉、阿部彰芳)

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加熱式たばこは日本が先進国?世界のたばこ市場はどうなっている?

加熱式たばこは日本が先進国?世界のたばこ市場はどうなっている?

2018.06.18 06:00

街中でも加熱式たばこをくわえる喫煙者も増えてきました。次世代たばこには加熱式たばことベイパーがありますが、今後は利用者はどちらを選んでいくのでしょうか。今回はラッキーストライクやケントなどで知られるたばこのブランドを抱えるブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の決算資料をもとに現状を読み解いていきましょう。

世界の次世代製品ではベイパーが優勢

加熱式たばこ(Tabacco heating products, THP)は日本では次世代たばことして認知を得つつありますが、実は世界で見るとTHPが優勢な国は世界で見ると日本と韓国だけというのが実情です。それ以外の先進国ではベイパー(Vapour)が優勢な国が多いのです。

以下の図表はBATの投資家向けプレゼンテーション資料の一部です。日本と韓国のみがTHPが優勢で、そのほかの米国、カナダ、英国、フランス、スペイン、オーストラリア、南アフリカ、ポーランド、メキシコ、ブラジル等はベイパーが優勢なのです。THPかベイパーのどちらが優勢か決まりかねている国が、ロシアやドイツ、トルコといった具合です。

日本は加熱式たばこ先進国

BATによれば、2020年にはベイパーは8000万人(米国のベイパー利用者含む)、THP(米国除く)は1900万人と予測されています。

また、日本はTHPの普及率(Penetration)は20%程度までという状況ですが、転換率(Conversion)は60%近くあり、いずれの比率もまだ小さい世界のTHPの動きと比べると特徴的な動きを示しています。

一方で、世界のベイパーの普及率は60%近くあり、転換率も20%近くあるという状況です。

2017年現在ではベイパーの利用者数は5500万人。米国に2200万人、英国に280万人、フランスに260万人というような状況でのその規模は拡大しています。

まとめにかえて

こうしてみると日本のたばこ市場は世界のベイパーが優勢の動きとは異なるようです。今後、日本でもベイパーがこれまで以上に利用されてくるのか、それとも現在のように加熱式たばこ、ここでいうTHPが優勢なのかには注目です。

出所:BAT「Next Generation Products」

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加熱式たばこって?

加熱式たばこって?

2018年6月17日(日)
なんだっけ
加熱式たばこって?
 Q 加熱式たばこってどんなたばこ?
 A 各社からアイコス、グロー、プルームテックの名で売り出されています。
 これまでたばこというと、火をつけて吸っていましたが、加熱式たばこは火を使いません。電気でタバコ葉を加熱し、発生する霧状のエアロゾルを吸い込みます。タバコ葉を使用するので紙巻きたばこと同様に、たばこ事業法でいうたばこ製品です。
 Q 加熱式たばこの健康への影響は?
 A 紙巻きたばこは、多くの研究や調査で、その害悪が明らかになっています。これに比べて、加熱式たばこは発売からの期間も短く、疫学的な影響調査も皆無です。健康被害の程度は不明というのが現状です。
 ただ、タバコ葉を使うので、ニコチン依存の解消にはつながりません。有害物質も紙巻きたばこに比べ、濃度は低いとはいえ、同様に検出されています。
 はき出されるエアロゾルからは、環境基準をはるかに超える濃度の微小粒子物質PM2・5が検出されています。
 Q 自治体によっては、禁煙場所での加熱式たばこの使用を認めていますね。
 A 健康への影響が「不明」というのを根拠にしているのでしょうが、むしろ危険性を示す研究や調査が相次いでいます。
 4月から施行されている東京都の「子どもを受動喫煙から守る条例」では、禁煙エリアでの加熱式たばこの使用を、紙巻きたばこ同様に禁じています。
 やはり、加熱式たばこも、紙巻きたばこと同様に規制すべきでしょう。

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一般タバコより多いタール検出、タバコ葉架熱式電子タバコの知られざる真実

一般タバコより多いタール検出、タバコ葉架熱式電子タバコの知られざる真実

June. 08, 2018 08:54

韓国国内で販売されているタバコ葉加熱式電子タバコのタール含有量が、一般タバコより多いことが分かった。ニコチンの量は似ていた。ベンゼンなどの1級発がん物質も5種も含まれていることが分かり、電子タバコが一般タバコより「害が少ない」という認識は根拠がなくなった。

食品医薬品安全処(食薬処)は7日、「アイコス(フィリップモリス)、グロー(BATコリア)、リール(KT&G)の3種のタバコ葉加熱式電子タバコ1本を吸うときに発生する排出物の分析結果、一般タバコと同じように、様々な有害物質が検出された」と発表した。タバコ葉加熱式電子タバコは、電子機器でたばこの葉の固形物を蒸して蒸気を吸う方式である。

タバコ・フィルターの穿孔部位を開放する「ISO方式」(国際公認分析法)で分析した結果、タールの平均含有量がグローは4.8ミリグラム、リールは9.1ミリグラム、アイコスは9.3メートルミリグラムで、一般タバコのタール含有量(0.1~8.0ミリグラム)より高かった。ニコチン含有量は、グローが0.1ミリグラム、リールが0.3ミリグラム、アイコスは0.5ミリグラムが検出され、一般タバコ(0.01~0.7ミリグラム)と似ていた。食薬処先は、「タール含有量は一般タバコより多く、ニコチン量に差がないので、禁煙に役立たない」と説明した。

世界保健機関(WHO)と国際がん研究所が指定した1級発がん性物質の検出如何について調査した結果、3つの製品からベンゼン、ホルムアルデヒドなど、5つの発がん性物質が発見された。フィルタの穿孔部位を防ぐ「HC(ヘルスカナダ)」方式で分析すると、ISO方式より発ガン物質が1.4~6.2倍も多かった。

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米国に出現した「JUUL」電子タバコの本性とは

米国に出現した「JUUL」電子タバコの本性とは https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180611-00086347/

石田雅彦  | フリーランスライター、編集者 6/11(月) 13:22

 日本では広がらない電子タバコだが、欧米ではかなりのシェアになっていて特に若い世代のユーザーが増えている。米国では「JULL」という電子タバコが大ブレイクし、米国のFDA(食品医薬品局)も特別にJULLに関するコメント出したほどだ。だが、電子タバコにも大きな健康懸念がある。

欧米で人気の電子タバコ

 アイコス(IQOS)などの加熱式タバコがジワジワと広がりをみせている喫煙状況だが、たばこ事業法のある日本で葉タバコを使った商品はこの法律の規制を受け、財務省の許可がなければ販売できない。加熱式タバコは葉タバコを使っているので、新課税方式が適用される2018年10月まで法律上はパイプタバコに属する商品となる。

 葉タバコは燃焼することで含まれるニコチンが体内に吸収しやすくなるが、タバコ会社自身がいっているように依存性の薬物であるニコチンが入っていなければタバコではない。ニコチンという化学物質だけを取り出すことも可能で、欧米の多くの国ではニコチンをリキッドに加え、それを加熱して揮発させ、エアロゾルにして吸い込む電子タバコが売られている。

 日本でニコチンは毒劇物指定もある薬機法(旧薬事法)に定められた医薬品であり、特別の許可がなければ販売したり取引したりすることはできない。そのため、日本で売られている電子タバコのリキッドにニコチンを加えることはできないことになっている。個人使用目的の場合のみ、海外からニコチン入りリキッドを購入するのは可能だが、個人ではなく共同購入したりそれを転売すれば違法となる。

 このようにニコチン供給製品の状況は米国や英国などと日本とで違うが、ニコチンを加えた電子タバコが欧米のユーザーに受け入れ始められたのはつい15年ほど前のことだ。中国人が2003年に開発し、米国で特許を取得した電子タバコがジワジワとシェアを広げ、大手タバコ会社が気がついたときには手が付けられないほど紙巻きタバコ市場を蚕食していた。

 国際的なタバコ規制条約(FCTC)が2005年から発効するため、フィリップ・モリス(PMI、2008年にAltriaとフィリップ・モリス・インターナショナルへ分離)や日本たばこ産業(JT)などの大手タバコ会社は、その対応に追われていたからだ。電子タバコの無視できない広がりに慌てたタバコ会社は、2010年代に入ってから電子タバコの自社ブランドを立ち上げたり既存の電子タバコ会社を買収するなど、電子タバコ潰しを始める。

 だが、中国などに拠点を置く中小の電子タバコ会社は、生産コストが安く既存のタバコ規制をかいくぐってゲリラ的な販売が可能でもあったため、完全に潰しきれず、市場から投資資金が流入するようになると完全に市場での独自の位置を占めてしまう。大手タバコ会社が油断した理由は、電子タバコはニコチンが加えられているとはいえ、葉タバコを燃やす紙巻きタバコのような味わいはとうてい再現できないだろうという過信もあった。

 大手タバコ会社は喫煙の健康懸念が社会に広がり始めた1950年代頃から害の低減をうたった商品開発を進めてきたが、数十年かかって確立したタバコに対する既成概念を崩すまでの商品を作ることができなかった。紙巻きタバコに慣れ親しんできた喫煙者は単なるニコチン依存症ではなく、ニコチンを急激に脳へ届けて依存性を高めるためのアンモニアなどの添加物が混在した複雑な味わいに対する強いこだわりもあったからだ。

 そのため、大手タバコ会社は、単にニコチンを加えただけの電子タバコは喫煙者に受け入れてもらえないと高をくくっていた節がある。だが、電子タバコは紙巻きタバコの健康懸念もあり、米国や英国などの若い世代を中心にユーザーを増やす。

爆発的に売り上げているJUUL

 さらに米国のサンフランシスコに拠点を置くPAX Labsという電子タバコ会社が「JUUL」を2015年に発売すると、しばらくして爆発的な人気を博す。

 JUULの基本的な技術は、2017年の初め頃に米国のスタンフォード大学の2人の大学院生が発表した論文を元にしている。JUULのカートリッジに含まれるニコチンは、紙巻きタバコのように「ガツン」と脳へ到達する製法の特許をとったもので紙巻きタバコと同じような味わいがあるといわれ、そのため若い世代だけでなく既存の紙巻きタバコの喫煙者も取り込むことに成功した。

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日本のネット通販で購入したJUUL互換製品のGeeMo(JUULのほうがデザインがスタイリッシュ)。上が本体、左がUSBからの充電器、右の2つがカートリッジ。ネットで日本版も購入可能で価格は2000円しない。もちろん、ニコチン規制があるため、製品についてくる最初の3つの交換用カートリッジにニコチンは添加されていない。写真:撮影筆者

 JUULの本体はPAX Labsが販売し、カートリッジ(と本体も)はPAX LabsからスピンアウトしたJUUL Labsが供給するという体制だ。驚異的に売上げているJUULは、すでに電子タバコ市場の半分のシェアになっているといわれ、大手タバコ会社が2010年代に入ってから始めた電子タバコ事業の脅威になっている。

 PAX Labsは旧Ploomだった2011年にJTが投資し、2015年にはJTIがPloomの商標を含む知財を買収し、旧PloomはPAX Labsとなった。JTのプルーム・テック(Ploom Tech)は同社の技術を使ったものだ。

 JTはアイコスを追撃するため、新たな製品を投入するとアナウンスしているが、PAX LabsやJUULからの技術供与を受けたものとなるかもしれない。現在のPAX Labsは独立系企業で今でもJTと何らかの提携があると考えられるが、JTはこのJUULのブレイクをどう眺めているのだろうか。

 スピンアウトした直後、JUUL Labsは160億円ほど市場から調達している。JTとしては切歯扼腕といったところだろう。

 米国のジョージア州立大学などの研究グループが、2018年に英国の医学雑誌『BMJ』系「Tobacco Control」オンライン版に出した論文(※1)によれば、JUULのマーケティング戦略は秀逸で、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSを駆使し、ネット・キャンペーンを展開してシェアを増やしてきたという。実際、大手タバコ会社の電子タバコのシェアが伸び悩んでいる一方、JUULだけが大きく売上げを伸ばしてきた。

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インペリアル・タバコのBlu、JTIのLOGIC、AltriaのMarktenやGreen Smoke、ブリティッシュ・アメリカン・タバコのVuseといった大手タバコ会社の電子タバコ群を遙か後方に抜き去ったJUUL(赤いバー)。Via:Jidong Huang, et al., "Vaping versus JUULing: how the extraordinary growth and marketing of JUUL transformed the US retail e-cigarette market." Tobacco Control, 2018

 そんなJUUL人気に対し、米国のFDAが2018年4月24日にJUUL Labsを含む13の電子タバコ会社に対し、強い調子のアナウンスを発表した。内容は、抜き打ち検査を含むJUULの小売業者の違反摘発や未成年者へのJUULのネット販売規制、そして菓子や清涼飲料に似せたパッケージへの警告で、若年層への電子タバコの蔓延に対してFDAは強い懸念を表している。

 電子タバコの使用は、リキッドを金属のコイルで熱し、気化させたエアロゾルを発生させてそれを吸う。この金属製部品から有害な有機金属が検出され、それによって健康被害が出る可能性を示唆した論文(※2)も出ている。日本の加熱式タバコにも金属ブレードなどを熱し、それによってエアロゾルを発生させる形式のものがあるので気になるところだ。

 ニコチンを加えない電子タバコは日本では単なる電気デバイスに過ぎず、未成年者でも購入できる。すでに小中学校へ電子タバコを持ち込み、問題になっているという事例もあり、日本でも電子タバコについて議論する段階にきているのではないだろうか。

※1:Jidong Huang, et al., "Vaping versus JUULing: how the extraordinary growth and marketing of JUUL transformed the US retail e-cigarette market." Tobacco Control, doi:10.1136/tobaccocontrol-2018-054382, 2018

※2:Pablo Olmedo, et al., "Metal Concentrations in e-Cigarette Liquid and Aerosol Samples: The Contribution of Metallic Coils." Environmental Health Perspectives, Vol.126, Issue2, 2018

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加熱式たばこ「日本だけで大流行」という真実 「ガラパゴス市場」なのか「テスト市場」なのか

加熱式たばこ「日本だけで大流行」という真実  「ガラパゴス市場」なのか「テスト市場」なのか

2018年06月06日

日本のみで繰り広げられている加熱式たばこ戦争。これは世界の潮流から外れたトレンドなのか。

ビジネスの世界で「ガラパゴス」と言えば、いいイメージがない。

1990年代から2000年代前半にかけ、日本の携帯電話は世界的に高い性能や機能を誇っていたが、日本という孤立した環境で最適化が著しく進んだ結果、世界市場では全く勝負できないものになってしまった。アップルのiPhoneをはじめとするスマートフォンが日本に押し寄せると、日本の「ガラケー」は駆逐されてしまう。悪しきガラパゴス化の例だ。

加熱式たばこは新たな「ガラパゴス」?

そんな日本で今、新たな「ガラパゴス」製品が出現しつつあるように思える。加熱式たばこだ。Ploom TECH(プルーム・テック)、IQOS(アイコス)、glo(グロー)という加熱式たばこ3製品が「三国志」さながらの激戦を繰り広げ、連日ニュースにも取り上げられているが、実はこの加熱式たばこが普及しているのは、世界でも日本だけと言っていい。

これらの加熱式たばこも、ガラケーと同じ運命を辿るのだろうか。いや、そうとは言えないだろう。

まず、日本のメーカーが日本市場で競い合っていた携帯電話と異なり、アイコスは米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)、グローは英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)と海外メーカーの製品。対するプルーム・テックは日本たばこ産業(JT)の開発したエマージングプロダクトだ。

海外企業が参入していることだけが理由ではない。日本市場はガラパゴスというよりむしろ、世界進出を見据えたテストマーケティングの市場だ。世界のたばこ市場はいま転換期を迎えており、従来の紙巻きたばこに代わる新型たばこに大きな注目が集まっている。その1つが日本で普及しつつある加熱式たばこで、実際、各社は日本を足掛かりに世界展開へと乗り出しているのだ。

アイコスは2014年に日本で先行発売されたが、「PMIは当初はテスト市場と考えていたはずだ」と野村證券アナリストの藤原悟史氏は言う。「想定を超える売れ行きがデバイス供給の問題に繋がったのだろう」

ここで整理しておくと、いわゆる新型たばこは2種類に分けられる。1つは欧米で主流の、たばこ葉を含まず、ニコチンを含む液体を加熱することで発生する蒸気を楽しむ製品。英語ではE-cigaretteやE-Vapor、Vapeなどと呼ばれ、日本語では「電子たばこ」と呼ばれる(ただし、加熱式たばこも「電子たばこ」と呼ばれる場合があり注意が必要)。

ロンドンを本拠とする大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのレポートによれば、電子たばこ市場は世界的に急成長しており、調査対象の7カ国(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ロシア、韓国)で2013~15年にユーザーが86%増えたという。2017年のグローバル市場は約120億ドルと推定されている。

もう1つの新型たばこが、加熱式たばこだ。たばこ葉を使うが燃焼させず、加熱により発生する蒸気を楽しむ製品で、英語ではT-VaporやHeat-not-burn tobaccoなどと呼ばれる。市場規模はグローバルで約50億ドル(2017年推定)だが、その9割が日本だ。

加熱式たばこは市場の24%強

日本ではニコチンが医薬品成分に指定されており、厚生労働省の認可が必要。ハードルが高いため液体ニコチンを使う電子たばこが実質的に販売できず、それゆえの加熱式たばこ人気というわけだ。

野村證券によれば、加熱式たばこは2017年に日本のたばこ市場全体の12%を占めていたが、2018年には24%強へと倍増、2019年は29%程度になると見込んでいる。急速に普及した要因は、電子たばこという選択肢がないことだけではない。「ここまで加熱式たばこが人気となったのは、においや副流煙で周囲の人に迷惑をかけたくないという周りに配慮する日本人の国民性、そして新しい物好きという国民性も理由だろう」と、藤原氏は言う。

要するに、紙巻きたばこから新型たばこへという世界的な潮流があるなか、2つの流派が生まれているということだ。

だが、ブルームバーグが「液体ニコチンでは十分な満足感が得られないと感じる消費者がいることから、加熱式たばこが開発された」と書くように、期待が高いのは、従来のたばこにより近いとされる加熱式たばこのほうかもしれない。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、世界で今後2年、電子たばこより加熱式たばこのほうが成長率が高いと予測している。

実際、上述のように世界展開は早くも始まっている。JTは昨年、日本同様の規制があり電子たばこ市場のなかったスイスに、プルーム・テックを投入。PMIもアイコスを既に25カ国以上で販売し、電子たばこユーザーが増えつつあった韓国でも昨年発売している。

シェア争いのカギはシニア層へのアプローチか

まだ「戦国時代」の終わっていない日本ではどうなのか。「加熱式たばこは紙巻きたばこほど味やブランドに対するロイヤルティがなく、電子デバイスである以上壊れやすいため、ブランドスイッチが起こりやすい。シェアの奪い合いはこれから激しくなるだろう」と、野村證券の藤原氏は言う。「いまはアイコスが1位だが、誰しもが1位になれる市場だ」

今後のシェア争いのカギを握るのは、シニア層かもしれない。藤原氏によれば、喫煙者の40%強を50代が占めているが「彼らはなかなか加熱式たばこへと移らない。でも今後は、(JTの紙巻きたばこ愛煙者が多いこの層へのアプローチで)JTが強さを発揮するのではないかと見ている」。

シニア層へのアプローチでは、操作性という意味でもJTに分がありそうだ。デバイスを掃除する手間が要らない、待ち時間なくすぐに吸える、高温にならずそのままポケットにも入れられるなど、加熱式たばこ3製品の中で、最もシンプルで使いやすいのがプルーム・テックとされる。

JTは4月、アイコスやグローと同様の「高温加熱方式」の新製品(プルーム・テックは独自の「低温加熱方式」を採用している)と、プルーム・テックの進化版となる新製品の2種を早ければ年内に発売することを発表した。日本の加熱式たばこ戦争はますます激しさを増しそうだ。将来ここで覇権を握った者が、世界の新型たばこ市場を制すると言ったら言い過ぎだろうか。

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韓国食薬処、電子たばこ有害性分析結果を公開…一般たばこと変わらない?

韓国食薬処、電子たばこ有害性分析結果を公開…一般たばこと変わらない? http://japanese.joins.com/article/083/242083.html

2018年06月07日15時56分

  アイコス(フィリップ・モリス)、グロー(BAT)、リル(KT&G)…。最近、喫煙者に人気の電子たばこ製品(加熱式)だ。たばこの葉を燃焼させず専用たばこスティックを充電式電子装置にさして加熱する方式だ。電子たばこは一般のたばこに比べて有害性が少ないという点を会社側は集中的に広報してきた。しかしこうした内容は事実でなかった。

  電子たばこからも人体発がん物質が検出され、各種有害化学物質の複合体のタール成分を一般たばこより多く含むことが分かった。食品医薬品安全処(食薬処)は昨年8月から行ってきた電子たばこの主な含有物に対する有害性分析結果を7日に発表した。市中に流通中のアイコス・グロー・リルの3製品の含有成分を分析したのは今回が初めて。外国の従来の調査結果はほとんどが先に発売されたアイコスを中心に行われた。

  食薬処は3つの会社の製品のうち「アイコス」(アンバー)、「グロー」(ブライトコバコ)、「リル」(チェンジ)など一つずつモデルを選定した。これらモデルから出るニコチン・タール・ホルムアルデヒドなど11種類の有害成分を国際公認分析法のISO(国際標準化機構)法、HC(ヘルスカナダ)法を活用して確認した。今まで電子たばこを分析した日本・中国・ドイツ政府もISO法またはHC法を適用した。

  食薬処が分析した結果、3つの製品のニコチン平均含有量(ISO法基準)は0.1ミリグラム、0.3ミリグラム、0.5ミリグラムだった。一般たばこ(上位100種類の製品基準)のニコチン含有量0.01-0.7ミリグラムと似ている。「中毒性」と直結するニコチン含有量が似ているというのは、電子たばこは禁煙に役立たないということだ。

  また、タールの平均含有量は各4.8ミリグラム、9.1ミリグラム、9.3ミリグラムだった。これは一般たばこのタール含有量(0.1-8ミリグラム)よりやや多い。食薬処は「2つの製品のタール含有量が一般のたばこより多いというのは、電子たばこが一般たばことは異なる有害物質を含む可能性があることを意味する」と述べた。

  がんを誘発しかねない有害物質も電子たばこからいくつか確認された。

  ホルムアルデヒドは1.5-2.6μg、ベンゼンは0.03-0.1μgが検出された。ニトロソノルニコチン(0.6-6.5ng)、ニトロソメチルアミノピリジニルブタノン(0.8-4.5ng)、ベンゾピレン(非検出-0.2ng)なども同じだった。これらはすべて国際がん研究所が発がん物質第1郡に分類した成分だ。電子たばこも一般たばこと同じように、がんなど各種の病気につながる可能性があるということだ。

  外国で実施された従来の分析でも似た結果が出ている。1月に中国国立たばこ品質監督試験センターが出した研究結果では、アイコスから出たニコチン・タールは一般たばこと似ていた。同月、米FDA(食品医薬品局)諮問委員会は「アイコスがたばこ関連の病気の危険性を減らす」「一般たばこに比べてアイコス喫煙は危険でない」というフィリップ・モリス側の主張を認めなかった。

  専門家らは電子たばこの有害性が一般のたばこと変わらないことを公式的に確認したことに意味があるという見方を示した。イ・ソンギュ国家禁煙支援センター長は「一般たばこも電子たばこも同じたばこ製品。添加物が入っているだけで有害物質の検出は必須」とし「むしろ電子たばこには知られていない未知の有害成分がほかにもあるかもしれない」と話した。

  さらに強力な規制が必要だという声も出ている。ソウル峨山病院家庭医学科のチョ・ホンジュン教授は「最近、各種禁煙統計数値が落ちているが、電子たばこの使用増加と関係があるとみられる。煙が出ず、家や会社で電子たばこを吸う間接喫煙問題もむしろ悪化している」とし「電子たばこ拡散が禁煙政策の相当な障害になっているだけに規制を強化する必要がある」と述べた。

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フィリップ・モリス、インドで加熱式たばこ展開へ=関係筋

フィリップ・モリス、インドで加熱式たばこ展開へ=関係筋 https://jp.reuters.com/article/health-tobacco-pmi-idJPKCN1J40D0

2018年6月8日

[ニューデリ 7日 ロイター] - フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)(PM.N)がインドで加熱式たばこ「アイコス」の展開を計画している。事情に詳しい関係者4人がロイターに明らかにした。世界第2位の喫煙者人口を持つインドでの足掛かり確保を目指す。

PMIはアイコスについて、従来の紙巻たばこよりも害が少ないとしており、ゆくゆくは紙巻たばこ事業から撤退する意向だ。

インド政府によると同国では喫煙により毎年90万人以上が命を落としており、政府は使用抑制を目的とする厳しい法律を施行している。しかし世界保健機構(WHO)によると、成人喫煙人口は1億0600万人と中国に次ぐ規模で、PMIにとって大きな利益を狙える市場。

政府関係者によると、政府はPMIから禁煙に役立つ装置について協議を持ちかけられれば「耳を傾ける」姿勢だが、電子たばこも含めてそうした装置が有害と分かれば禁止するとしている。

関係筋の1人によると、PMIはアイコスが「リデュースド・リスク・プロダクト」(リスクのより少ない製品)として受け入れられるよう戦略を練り、まずは広報戦略を打ち立てたい意向だ。

PMI広報担当は「わが社は(アイコスの)導入計画についてはコメントしないが、紙巻たばこを科学的に実証された煙の出ない製品に置き換える取り組みに全力を注いでいる」と述べた。

PMIのアイコスを含むリデュースド・リスク・プロダクトの昨年の売上高は38億ドルと、前年の7億3900万ドルから急増した。

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日本の加熱式たばこは「ガラパゴス市場」か「テスト市場」か

日本の加熱式たばこは「ガラパゴス市場」か「テスト市場」か

2018年06月04日(月)16時30分

<日本のみで繰り広げられている加熱式たばこ戦争。これは世界の潮流から外れたトレンドなのか>

ビジネスの世界で「ガラパゴス」と言えば、いいイメージがない。

90年代から2000年代前半にかけ、日本の携帯電話は世界的に高い性能や機能を誇っていたが、日本という孤立した環境で最適化が著しく進んだ結果、世界市場では全く勝負できないものになってしまった。アップルのiPhoneをはじめとするスマートフォンが日本に押し寄せると、日本の「ガラケー」は駆逐されてしまう。悪しきガラパゴス化の例だ。

そんな日本で今、新たな「ガラパゴス」製品が出現しつつあるように思える。加熱式たばこだ。Ploom TECH(プルーム・テック)、IQOS(アイコス)、glo(グロー)という加熱式たばこ3製品が「三国志」さながらの激戦を繰り広げ、連日ニュースにも取り上げられているが、実はこの加熱式たばこが普及しているのは、世界でも日本だけと言っていい。

これらの加熱式たばこも、ガラケーと同じ運命を辿るのだろうか。いや、そうとは言えないだろう。

まず、日本のメーカーが日本市場で競い合っていた携帯電話と異なり、アイコスは米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)、グローは英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)と海外メーカーの製品。対するプルーム・テックは日本たばこ産業(JT)の開発したエマージングプロダクトだ。

海外企業が参入していることだけが理由ではない。日本市場はガラパゴスというよりむしろ、世界進出を見据えたテストマーケティングの市場だ。世界のたばこ市場はいま転換期を迎えており、従来の紙巻きたばこに代わる新型たばこに大きな注目が集まっている。その1つが日本で普及しつつある加熱式たばこで、実際、各社は日本を足掛かりに世界展開へと乗り出しているのだ。

アイコスは2014年に日本で先行発売されたが、「PMIは当初はテスト市場と考えていたはずだ」と野村證券アナリストの藤原悟史氏は言う。「想定を超える売れ行きがデバイス供給の問題に繋がったのだろう」

電子たばこと加熱式たばこの違い

ここで整理しておくと、いわゆる新型たばこは2種類に分けられる。1つは欧米で主流の、たばこ葉を含まず、ニコチンを含む液体を加熱することで発生する蒸気を楽しむ製品。英語ではE-cigaretteやE-Vapor、Vapeなどと呼ばれ、日本語では「電子たばこ」と呼ばれる(ただし、加熱式たばこも「電子たばこ」と呼ばれる場合があり注意が必要)。

ロンドンを本拠とする大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのレポートによれば、電子たばこ市場は世界的に急成長しており、調査対象の7カ国(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ロシア、韓国)で2013~15年にユーザーが86%増えたという。17年のグローバル市場は約120億ドルと推定されている。

もう1つの新型たばこが、加熱式たばこだ。たばこ葉を使うが燃焼させず、加熱により発生する蒸気を楽しむ製品で、英語ではT-VaporやHeat-not-burn tobaccoなどと呼ばれる。市場規模はグローバルで約50億ドル(17年推定)だが、その9割が日本だ。

日本ではニコチンが医薬品成分に指定されており、厚生労働省の認可が必要。ハードルが高いため液体ニコチンを使う電子たばこが実質的に販売できず、それゆえの加熱式たばこ人気というわけだ。

野村證券によれば、加熱式たばこは2017年に日本のたばこ市場全体の12%を占めていたが、18年には24%強へと倍増、19年は29%程度になると見込んでいる。急速に普及した要因は、電子たばこという選択肢がないことだけではない。「ここまで加熱式たばこが人気となったのは、においや副流煙で周囲の人に迷惑をかけたくないという周りに配慮する日本人の国民性、そして新しい物好きという国民性も理由だろう」と、藤原氏は言う。

要するに、紙巻きたばこから新型たばこへという世界的な潮流があるなか、2つの流派が生まれているということだ。

だが、ブルームバーグが「液体ニコチンでは十分な満足感が得られないと感じる消費者がいることから、加熱式たばこが開発された」と書くように、期待が高いのは、従来のたばこにより近いとされる加熱式たばこのほうかもしれない。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、世界で今後2年、電子たばこより加熱式たばこのほうが成長率が高いと予測している。

実際、上述のように世界展開は早くも始まっている。JTは昨年、日本同様の規制があり電子たばこ市場のなかったスイスに、プルーム・テックを投入。PMIもアイコスを既に25カ国以上で販売し、電子たばこユーザーが増えつつあった韓国でも昨年発売している。

シェア争いのカギはシニア層へのアプローチか

まだ「戦国時代」の終わっていない日本ではどうなのか。「加熱式たばこは紙巻きたばこほど味やブランドに対するロイヤルティがなく、電子デバイスである以上壊れやすいため、ブランドスイッチが起こりやすい。シェアの奪い合いはこれから激しくなるだろう」と、野村證券の藤原氏は言う。「いまはアイコスが1位だが、誰しもが1位になれる市場だ」

今後のシェア争いのカギを握るのは、シニア層かもしれない。藤原氏によれば、喫煙者の40%強を50代が占めているが「彼らはなかなか加熱式たばこへと移らない。でも今後は、(JTの紙巻きたばこ愛煙者が多いこの層へのアプローチで)JTが強さを発揮するのではないかと見ている」。

シニア層へのアプローチでは、操作性という意味でもJTに分がありそうだ。デバイスを掃除する手間が要らない、待ち時間なくすぐに吸える、高温にならずそのままポケットにも入れられるなど、加熱式たばこ3製品の中で、最もシンプルで使いやすいのがプルーム・テックとされる。

JTは4月、アイコスやグローと同様の「高温加熱方式」の新製品(プルーム・テックは独自の「低温加熱方式」を採用している)と、プルーム・テックの進化版となる新製品の2種を早ければ年内に発売することを発表した。日本の加熱式たばこ戦争はますます激しさを増しそうだ。将来ここで覇権を握った者が、世界の新型たばこ市場を制すると言ったら言い過ぎだろうか。

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